8月31日  さらわれかける



8月31日(日)、3週間ぶりの釣行。
最近何かと忙しく、なかなか思うように釣りにも行けないが、3週間も釣りに行かないと
チヌの釣り方を忘れてしまうってことで、現在、忙しくて週一の貴重な休日を釣行へと充てた。

本日は干潮時にテクテクと歩いて行ける独立した磯に単独釣行。
満潮時に釣り座は狭くなるものの、浸かることは無いと聞いていたのであるが・・・


AM2時10分、楽しみのあまりが覚める。
干潮は3時なのでのそのそと起き出し、飯食ったり何だりしながらのんびりと釣り場へ向かう。
本日は新月の大潮につき、辺りは真っ暗。
ヘッドランプの明かりのみを頼りに歩を進める。
時折、ランプに集まる蛾が、顔めがけて飛んでくる。

「ウェッ、プッ、 汚ねー・・・」

ランプをつけたり消したりしながら蛾を交わし、4時前、釣り座へ到着。
不覚にも電気浮きを忘れて来てしまった為、しばし休憩。

最近携帯を変えた私は、無料お試し期間中の、アルプスの少女ハイジ第一話「アルムの山へ」を
見ながら時間を潰す。
最近は、携帯でアニメや映画が見れるのだ。便利な時代になったものだ。

アルムおんじの元へと連れて行かれるハイジに、
「デーテおばさん、ひどいよ・・・。」とか思いながら夜明けを待つ。

でも、結果的にはおじいさんの元へ行って良かったんだろうけどな。



んで、明るくなると共に釣り開始。今日も懲りずに紀州釣り。
しばらくは団子をにぎにぎやりながら釣りをしてたんだけど、潮位の上昇と共に、なんかこう、段々と不安に
なってきた。

あれだけ広かった釣り座がその〜、明らかに、想像以上に狭くなってきているのだ。
上へ上へと移動していたバッカン他、荷物多数は、ついに頂上へ。

時刻は7時30分。
「今日の満潮は確か、8時50分だったよな・・・」
もう一度潮汐表を取り出し、満潮時刻の確認。  やっぱり今日の満潮は8時50分。
それ即ちあと1時間以上も水位は上昇し続けるわけで、そうなるとこの釣り座がどうなってしまうのかが
少しだけ気になるわけで・・・

でもまぁ、聞いたところによると海がウネってない限り浸からない磯らしいので、波高0.5mの
本日は、まぁ、大丈夫であろうと思うわけで・・・。
ビビリながらも、気づかない振りして団子をポイポイ。


そしてそれから30分経過の午前8時過ぎ。   

何つーか、これはもう、明らかにやばい。

時折、足元を波が洗っていく。 後ろの水道に回りこんだ波が、背後から飛沫となって飛んでくる。
船の通過で一発大きな波が来た後、何となく違和感。  何かが足りない。

沖に目をやると、先ほどまで側に置いていた水汲みバケツが、元気に沖を目指している。
もはやタモの届く距離ではなく、慌てて「1個取れれば元取れる」の浮きパラソルを仕掛けにセットし
救出を試みる。 紐に引っ掛け、何とか回収に成功。
別にバケツ位ほっときゃいいんだけど、まぁ、一応・・・。


しかし、もはやもう、釣りどころではない。
しかも、今日は重たい荷物担いでのロングウォーキングなので、少しでも荷物を減らそうと、
フローティングベストを持ってきていない。  さてどうしたものか・・・。

少しずつ秋の便りが聞こえてくる今日この頃、朝はもう寒いかなと念のため持ってきていたウインドブレーカーを
ロープ代わりにして荷物を括りつけ、一つにまとめる。竿もたたみ、急いでロッドケースにしまいこむ。
財布と携帯は防水ケースに入れ、クーラーの中へ入れる。

携帯をしまう途中、先ほどまでハイジがあどけない笑顔で笑っていた画面を見ながらつぶやく。


「ハイジ、俺達もう、 逢えないかもな・・・」


断腸の思いでハイジに別れを告げ、海に向かってカッと目を見開く。   さぁ・・・、来るなら来い!

クーラーの上にズシンと座り、荷物が流されないように踏ん張る。
ゴーッという轟音と共に時折這い上がってくる波でクーラーごと尻が浮く。

海面がすぐ近く(というか真下)にある今、波の音の迫力も半端じゃない。


「最悪、クーラーに掴まって・・・」  

そんなことを思いながら、後はもう早く満潮時刻を過ぎてくれと祈るのみ。
満潮の1時間前後は、生きた心地がしなかったです。
大潮時の干満の差が、3m以上にもなるこの辺りの海を完全になめてました(大汗)


釣果? そんなもん、別にどうでもいいです。
金かけて揃えた道具が無事であったこと、それだけで充分です。


まぁ、敢えて釣果を言わせてもらうなら、潮が引いた後で25cmのクロが1匹釣れましたけど。
さて、これからはクロだな。







とりあえず、まだ余裕
エ、エイドリアーン!