8月9日 　爆釣！



8月9日（土）、昨年9月に一緒に釣りをし、いきなり46.2ｃｍの巨チヌを釣り上げた義理の弟が再び岡山から
遊びに来た。　今年もまたこっちでチヌを釣りに行きたいとのこと。
となると、ここは先輩チヌ師としてかっこいい所を見せねばなるまい。

午前4時15分、やる気満々で家を出発。

しかし、何故かやっぱり今日も東の空で雷がピカピカしている。　　　

ん〜・・・

折角遠路遥々やってきてくれた弟の前に、嵐を呼ぶ男の負の力が立ちはだかる。
出港地である刈屋漁港へ到着後、船長と出船についてしばし相談。
雷雲は遠いし、こちらへはやってきそうもないとの事で何とか無事に出港。
義弟の持つ正の力が、私の持つ負の力を上回ったようだ。　良かった良かった。

午前5時、沖波止に到着。
今日は小潮の最終日＆干潮が午前8時と条件はあまり良くなく、釣り人は私と義弟の2人だけ。
私が団子を使った紀州釣りで、義弟がフカセ釣りでの挑戦。とりあえず今日はチヌの顔を見ることが目標。

さっそく家で練ってきた団子を投入しつつ仕掛け作り。
で、さりげなく義弟のタックルをチェックすると、なんと竿がシマノの鱗海スペシャルアートレータ、リールが
テクニウムMｇC3000Dにいつの間にか変わっている。　　

アートレータの号数が1号で、私が0.6号って事を除けば、私とまったく同じ組み合わせ。
どうやら義弟も私と同じで、形から入るタイプの模様。　さては君、相当釣りにのめり込んでいるな？

そこまで気合が入っていると知れば、こちとら地元代表のインティキチヌ師としては、釣らせてやらない
わけにはいくまい。
最近不調の私であるが、例え自分がボーズを喰らっても、せめて義弟にだけはチヌを釣らせて
やりたいと思う。（大嘘）　


最初に、道糸の置き方や修正の仕方、仕掛けの流し方なんかを一通り説明する。　もちろん全部受け売りだが。
まぁ最初のうちは多分、私の言ってる事が全然わからないだろうけど大丈夫。　　　
言ってる本人も、未だに全くわかっていないから。

んで、ツケ餌を団子にくるみ第一投。潮は波止に平行に、緩やかに左に流れている。
最初は釣れないかなと思ってたけど、潮周りが小さいことと8時の干潮に向けて釣り場が浅くなって行くって
ことを除けば、状況はそれ程悪くない。手返し良く団子を打ち、仕掛けを流す。

団子が割れるまで30秒。今日はこの辺からスタート。
んで、仕掛けを流しながら義弟の仕掛け作りを見ていたら海面に浮きがない。
「あれっ？　まさかね・・・。」とか思いながらも竿に利いてみたら、なんか魚の反応。
慌てて合わせを入れると、魚の重量感は感じたものの、一瞬にして軽くなり、
ケーソンの割れ目の中からハリスの切れた仕掛けが上がってくる。
状況としては私がボーっとしてる間に何かしらの魚が餌を銜えてケーソンの中にもぐりこみ、
私の合わせでケーソンに擦れたハリスが切れたってとこだろう。　相手がチヌでないことを祈ろう。

しかし、何かしらの魚は居る。
暫くオキアミでやってたんだけど、どうも餌取りの猛攻に遭っているようなので餌を練り餌にチェンジ。

すると変えた途端に食ってきた、挨拶代わりの30ｃｍ。


それを見た弟が言う。　　「さすがは師匠じゃのう！」と。

んっ？　俺？　師匠？　　いやぁ、師匠だなんてそんな・・・。　　　　もっと言ってくれ。


とりあえずチヌの顔が見れたことに安堵し、義弟の仕掛けをチェックしに行く。

0号の円錐浮きで狙っていた義弟に、フカセでチヌを狙うなら、最初は重めの仕掛けを使ったほうがいいと
促す。軽い仕掛けの方が食いはいいかもしれないが、棚にツケ餌が入ってないと魚は釣れないから。
それに、ゆらゆらとツケ餌が棚に入るまでの時間がもったいないし、その分途中で餌取りの攻撃にも
遭い易くなる。

逆に私の釣り方は一回底まで団子でツケ餌を落としてしまうので、0号負荷の浮きでも釣りになることを説明。
まぁ、流れが速い時にはガン玉打ったりして棚をキープするための対応はするんだけどね。
最初は道糸の操作なんかはできなくても、とにかく棚をキープするために重めの仕掛けで釣った方がいいよ。
残浮力は殺しておかないといけないけどね。
で、それをずーっと続けてればある時ふと、仕掛けが軽いほうが有利かも？って感じる時がやってくる。
その時が、脱初心者の時じゃ。　言ってることが少しでもわかるかいな？


その昔、うちの会長が、「浮きダゴ全遊」っておかしな釣り方を、水深の深い野波瀬イカダで編み出して、
0号の浮きダゴ仕掛けに浮き止めをつけない全遊動の釣り方をしてて、当時の私はそれをバカにして
いたけれど、あながちそれも間違いではないなぁと今になって思う。

ただ、当時の彼のその釣り方では棚がキープできておらず、団子が割れた後に糸を送るなり、仕掛けを
安定させるためにガン玉を打ったりしてれば、ひょっとしたらチヌが釣れてたかもしれない。


そして、義弟も浮きを少し重めの3Bに変え、一気に仕掛けを棚に入れるイメージに変えた途端に35ｃｍの
チヌが食ってきた。
その後も立て続けに2枚を追加する弟。とりあえず弟にチヌを釣ってもらうという任務を終え、ほっと一安心の私。

後は自分の釣り。
今日は何となく活性も高そうだし、久々の2桁を目指しちゃう？とか思いながら団子を握る。

そして、1時間後には私の釣り座では寄ってきたチヌが餌取りを蹴散らし、チヌしかいなくなる。
再び餌を練り餌からオキアミに戻し、順調に数を重ねる。
最初は型こそ小さかったものの、途中から今度は大きいチヌが小さいチヌを蹴散らし、型が良くなる。

量産体制。　　なんか、めっちゃおもろいんですけど・・・。


そんな私とは対照的に、朝一はそこそこ釣れていた義弟の釣り座からは魚信が途絶える。
横で入れ食い状態の私を見て言う。

義弟「師匠はええのー。さっきから入れ食いで。さぞかし楽しいじゃろーのー。」と。

私は応える。

私「あ、見てた？　釣れてない君に気を使い、釣れてる姿を見られないように、なるべく静かにやり取りしてたつもりなんだが。」

義弟「海面で魚がチャプチャプしてたら、誰だって気付くわ。」

私「そうか。それはすまんかった。　引き続き私は釣れてる姿を悟られないように静かに釣りをするから、
　　私の事は気にせず、自分の釣りに集中してくれたまえ。　　おっとまた来た！」

義弟「なんか、新記録が出そうな位の勢いで釣れるね。」

私「今日は調子ええわ。　とりあえず目標は30枚でいっとくわ。」　　と、その時は冗談交じりで言っていたのだが・・・。


結論から言うと、　26ｃｍから45ｃｍまでのチヌが、31枚釣れました。

10時少し前、魚を入れてたスカリが重くてどうしようもなくなったため、キープしていたチヌを逃がす。
とりあえず何枚釣れてるかを数え、小さい順に10枚逃がす。スカリの中には現在11枚。
　　　　　　　　　　　　　（最後に数えなおしたら1枚多くいて、この時点で本当は計22枚だったことが分かる。）

とりあえずもう、自分的にはかなり満足していた上に 腕は重たいスカリの上げ下げで痛いし、指はエラや
ヒレで何箇所か切れて海水に手を漬けるたびに沁みて痛かったんだけど、なんか本当に30枚の大台に
乗せられそうな気がしてきたんで、我慢して釣りを続ける。


暇そうな義弟に申し訳ないと思いながら、「30枚釣れたら場所変わるから。」と、大急ぎで釣る。
釣れた魚はキャッチアンドリリース。
35ｃｍでも40ｃｍでも即リリース。
スカリの上げ下げが面倒臭いし、そんなに持って帰らないんで。

ただひとつ気になるのは、チヌはバラシなんかで逃がした後、周囲のチヌに身の危険を教えて回り、
その後釣れなくなるという噂。あながち嘘でもないんだろうけど、今日は気にせずリリース。
ただ、念のため、釣り上げた場所とは離れた場所へ。

そして、午前11時36分、本日30枚目となるチヌがタモに収まる。
　　　　　　　　　　　　　　　（後で31枚目だったことがわかる。）

冗談で言っていた目標の30枚、これにて達成。
本日は13時の回収なので、残り時間は1時間とちょっと。
間違いなくまだまだ記録は伸ばせるが、私はもういい。　十分満足。手も痛い。
そして釣り座を義弟にバトンタッチ。今5枚とのことであるが、頑張って初の2桁を目指して欲しい。

仕掛けは彼の使っている物そのままでこちらの釣り座に呼び、私のバッカンの中の撒き餌で団子の握り方を
教える。
「タナは合ってるので、それを繰り返せばそのうち釣れるから。」　
と、アドバイスしている側から浮きを数センチ押さえ込む前アタリ。
この前アタリですかさず合わせを入れる弟。　食い込みは浅く合わせはすっぽ抜け。

私「合わせが早い！　そのモゾモゾから、更に一気に加速して浮きが沈むから、合わせはその本アタリの時じゃ！
　　チヌはアタリがあってから、タバコ1本吸ってから合わせても良い位、遅合わせで良いから。」

と、昔波止の名人に教わったことをそのまま教える。

で、その後その釣り方で義弟が5枚追加し、計10枚にしたところで納竿とした。
私31枚、義弟、初のニ桁で二人合わせて41枚。大満足の釣行であった。


しかしまずい。普段はネタ的に釣りの下手なダメキャラを演じている私であるが、今日の様に持てる実力の
4分の1も出せばこんな釣りもできることが義弟にバレてしまった。
仕方ないので、ここでカミングアウトしたいと思う。

実は先日、私は生まれ変わったのだ。
強い仕事のストレスや生活の不摂生による体調不良など、極限の心理状態に追い込まれた中でスーパー
副会長へと。そんな生まれ変わった私が、必殺技である　
「再・副会長法２００８　〜君の瞳に恋してる〜　」　　釣法を繰り出せば、チヌなんてもう、かごの中で飼われて
いる鳥のようなもの。

これからは、生まれ変わった私を見て欲しい。

	午前11時36分、記念すべき30枚目！ （後で数えなおしたら実は31枚目だった。）
	だるまのようになったスカリ。 ぶち重たい。
	やばい、いつもはダメキャラを装っている 私の実力がバレてしまった。
	義弟の釣った10枚。 初の二桁安打達成おめでとう！ もちろんこの後リリース！