8月6日  アジ釣り



本日8月6日、ウィークデイの水曜日に野波瀬イカダの上で釣り糸を垂れるバカ3人。
各々夏休みや代休を取り、ここに集結ってわけだ。

最近の私の調査では、山口県西部地方や中部地方にはチヌが生息していないという研究結果が出た。
で、それなら北部はどうなのか。それを検証するために遥々野波瀬までやってきたというわけだ。

チヌ釣りが難しい場所ってのは知ってるが、チヌに飽きたらアジ釣りやそのアジを使った泳がせ釣りをして、
飽きない釣りができそうだっていうのがここに来た理由。

5時半、野波瀬漁港から一番船に乗って沖へ。
本日上がったイカダはトイレが完備してある団体のイカダ。

釣りの準備に取り掛かる前に、まずは缶ビールを。
暑いこの時期に飲むこの缶ビールが、これまたなんとも言えない位にうまいのである。

えっ? 酒を飲んでも大丈夫なのかって?
あぁ、それはもちろん大丈夫。本日の車の運転は、永田ドライブ名人に任せてある。
もちろん飲酒運転などしない。
飲んだら乗るな。乗るなら飲むなというわけだ。

んっ?病気?
あぁ、そっちの方?   そっちもまぁ、多分大丈夫。症状は軽いみたいだから。
禁酒?もちろん続いてますよ。 普段の晩酌はやめてます。
こんな時くらいのもんですわ。酒飲むのは。 だからいいんです。今日は。

ってことでビールをグビグビやりながら、あらかじめ家で練って丸めてあるお団子をバッカンから取り出し、
海にポイポイしながら仕掛け作り。
ここは水深があるので、2号の棒浮きに水中浮きをセットし、釣り開始。

そしておもむろに着ていたTシャツを脱ぐ私。
2年ほど前、会長と2人調子に乗って服を脱いで釣りをし、夜寝れない位に日焼けをした苦い思い出、
服を脱いで釣りを始めた私に、あの時同じ痛みを分かち合った戦友が話しかけてきた。

会長「うわっ、このおっさんアホじゃ。服脱いで釣りして、また今日も日焼けをするつもりじゃ。」と。


わかってはいる。  あの時の日焼けの痛みのことは、今でも鮮明に覚えている。
 
毎週のように釣りに行ってる私、顔や手など皮膚が露出している部分はある程度焼けてはいるが、
私にはどうしても今日、普段は露出していない背中や胸なども焼かなければならない理由があった。

それは先日、行きつけの病院での診察室、服を脱いで先生の診察を待っていた私に、若い看護婦さんが
話しかけてきた。


看護婦「真っ黒に日焼けされてますね。」

私「え? 私ですか? まぁ、おかげ様で、焼けていると言えば焼けてますかね。」

看護婦「何かスポーツでもされてらっしゃるんですか?」

私「ええ。 まぁ一応、毎週のように海に行ってます。」

看護婦「へぇ〜。 海で何をされてるんですか?」

私「え? 海で?    え〜っとですね、毎週のように海で・・・         サーフィンやってます。」


別に普通に釣りって言っとけばいいものを、なんとなく釣りよりサーフィンの方がモテそうだとの理由から
思わずとっさにサーフィンって言ってしまった私。  モテない男の悲しい性だ。

看護婦「へーっ、凄いですね。上手なんですか?」

私「い、いや、それほどでもないです。」


単純にモテそうだからとの理由だけでサーフィンやってた10数年前、板に頭をぶつけて死にかけて以来、
ビビって二度とやってませんなんて、口が裂けても言えない。

看護婦「でも、首から下は焼けてないですね。」

私「えっ? ま、まぁ、Tシャツ着てやってますから・・・。」

嘘が嘘を呼んでしまったこの展開、これからもこの病院に通院する私にとっては、不自然さをなくすために
首から下も焼く必要が出てきたって訳だ。

笑いたければ笑うがいい。
失敗ばかりだけど、ブルーな気分にはならないのさ。
羞恥心 羞恥心 俺達は〜

ってことで本日は、デリケートなお肌を焼き焼きしながらのチヌ釣り。

朝から灼熱地獄の状況の中で、汗をだらだらかきながらの釣りにビールが進む進む。
持ってきた5本ぽっちじゃ、全然足らん。  ゴクゴク。


しかも、最初は追い風で釣りやすかった釣り場の風が変わり、そのうち風が正面から強く吹き出してきた。

で、不覚にも団子の沈下中に道糸を出し過ぎ、真っ正面から吹いてくる強い風に道糸が煽られ、もつれてしまう。
チリチリになった道糸を、あーでもないこーでもないと言いながらほどいていたんだけど、
なかなかほどけない道糸に段々イライラが募ってきて、最後は「ムキーッ」ってなって糸を両サイドから
引っ張っぱってしまう。

で、案の定切れる道糸・・・  


 く、くそー・・・


ええい、もう知らん。

「俺の我慢もここまでだ!」と、 「その男、副署長」 の名台詞を口にしながら道具を片付ける。
いや、むしろ私は副会長なので、「その男、副会長」って感じか。

午前10時、風は強いし暑いし道糸は20m位無くなるしで心が折れた私、本日のチヌ釣り、終了〜。
あとは適当にダラダラしながら、サビキでもシャクシャクしようと思う。

おもむろにシーバスロッドにサビキをつけてシャクシャクしていると、これまたアジが釣れる釣れる。
型は小さいが、鈴なり状態でアジが上がってくる。1つの針に2匹なんてこともしばしば。1つの針にだ。

「永田〜、アジがおもろいよ〜!」って言って、同じくチヌ釣りに飽きた永田名人も呼んで一緒にシャクシャク。


私「永田見て見て! 今度はダブル!」

永田「いやいやこっちはトリプルだぜい!」     とか言いながら楽しく釣りをする。

私「たいじも早くこっち来てサビキしろっちゃ!」

と、会長にもアジ釣りに参加するよう促すが、彼は私の誘いを無視してひたすらに団子を握っている。

私や永田とは別の面に釣り座を構えていた会長、風は横から吹く格好となっており、我々に比べ少しは
釣りやすそうではあるのだが・・・


そして、不思議なことに会長が竿を曲げた。

会長「タコ、来た!」  などと大声で叫んだ後、ポンピングしながらゆっくり上げた魚は、45cmのチヌ。
偶然にも会長がチヌを釣り上げた。
山口県北部には、チヌが少しだけ生息している模様。

更にその後、30cmのチヌを1枚追加した会長、本日の獲物、計2匹。
対して私と永田、油で揚げたらそのまま食べれそうな10cm前後のちっちゃいアジを、計200匹以上。
圧倒的大差で会長を下したのであった。

獲物はアジであるが、とても良い釣りができたように思う。
これからは伝説のアジ釣り師を目指すとしよう。

早速ヒリヒリしている背中に、服脱いで釣りをしてしまったことを少しだけ後悔しながら、帰途に就く私であった。





5時半出船。
久しぶりの野波瀬筏に
胸が高鳴る。
前もって家でにぎにぎしてきた
団子弾。
これをポイポイやって魚を集める。
ミネラルウォーター。
夏場の釣りは、水分補給が欠かせない。
風が強いためパラソル開けず。

本日、会長のパラソル、不発。
ついでに、パラソル名人のパラソルも不発。
不思議なことに、何故か会長が竿を曲げた。
45cmの頭の良くないチヌが、たまたま会長の
仕掛けにふらふらっと食いついた。

まぁ、交通事故のようなもんだ。
今日の私の釣果の一部。

これからは伝説のアジ釣り名人を目指そうと
思う。
今日上がった筏。

ちっきしょー、覚えてやがれ!