4月19日 　アートレータ曲がる


今日は会長と一緒に、県中方面へプチ遠征。
昼から用事のある永田名人は近場の小野田一文字へと出かけ、40ｃｍのチヌを釣り上げたご様子。


最近、立て続けにボーズを喰らっていて、正直どうやったらチヌが釣れるのか自分を見失いかけている
私であるが、なんとか今日こそはアートレータを曲げたい所存である。

最近は、紀州釣りでの結果が芳しくないため、団子を使った紀州釣りは一旦ここでお休みし、
今日は撒き餌フカセでチヌを狙ってみる。

ただ、ぶっちゃけた話、フカセでのチヌ釣りは未だにどうやればいいのかよくわからない。
仕掛けを撒き餌と同調させ沈めていく釣り方、これがイマイチ良く分からない。
更には、最近会長がお気に入りのＬ字釣法が、私の頭をより混乱させる。

基本、ハリスにはほとんどガン玉を打たず、挿餌に自然な動きを演出しているつもりの私に対し、
重たいガン玉でズシリとタナを取る会長の釣り方、Ｌ字釣法。

仕掛けは確実にガン玉から折れていて、挿餌は決して自然な動きはしていないと思うのだが、
彼はそれで釣果をあげている。
まぁきっと、どっちが正解なんてことはなく、だからこそ釣りって楽しいんだと思うんだが、
どういう仕掛けを作ればチヌが釣れるのか、私の頭はますます混乱していく。
まぁ先は長いんだし、ぼちぼち勉強していきたいと思う。


さて今日は、朝から風が強いので会長と二人、ウロウロと風裏になる釣り座をチョイス。
最近お気に入りの棒浮き、ベガスティック3Ｂに5Ｂの水中浮きをセットし残浮力を殺す。

朝一、そのベガスティックがいきなり海中へと消えこみ、06号のアートレータが満月のようにしなった。

「たいじ〜、来た〜！」　

3度目の挑戦にしてこれが、アートレータが私に伝える初めての魚信。
大声で会長を呼び、大興奮の末に上がってきたのは20ｃｍ弱のメバル。

私「あ、あれっ？　メバル？　」


06の竿って、魚がちっちゃくても結構曲がるもんなんですね。　初めて知りました（大汗）


軽蔑の眼差しを向けてくる会長を無視し、無言でメバルをスカリへキープ。　
その後も、アジやメバルがそこそこ釣れるのでそれなりに楽しい。

そして午前8時、その時はやってきた。
棒浮きのトップを僅かに押さえ込む、麗しの前アタリ。

「おー、たいじー、来たっぽい！前アタリっぽい！　次に入ったら合わせるわ！」

会長に合わせ宣言をした直後、「ズルッ、ズルズルッ」と、沈んでいくかのように海中に消えこんでいく
ベガスティック。

横一文字に会心の合わせを入れると、今までのメバルやアジとは明らかに違うズッシリ感が手元に伝わって
きた。

アタリ方はチヌ。乗った魚も今ままでにない重量感と来れば、相手は魚影を確認するまでも無く間違いなく本命。

数ヶ月振りに味わう手応えを堪能し、38ｃｍの丸々と太ったチヌをタモに入れた後は、一息ついて大きく
ガッツポーズ。


雪がこんこんと降り積もる寒い中でも、寒風がびゅーびゅー吹きすさぶ荒れた日でも、何故か海に足が向いて
しまうのは、全てこの時のため。

何度も天気予報を見てダメかもなとは思っても、ついつい撒き餌を買っちゃうのは全てこの一瞬のため。


慌しく過ぎていく日常で、ぐるり周りを取り囲んでいるストレスや喧騒の、それら全てから解き放たれる瞬間。

「生きてて良かった。」　大袈裟だが、心の底からそう思う。　　やっぱ釣りっておもれ〜わ。



で、肝心のアートレータの使い心地。
本当はかっこよくレバーブレーキをくるくるやりたかったんですが、竿の性能を知るために今日はフロントドラグを
ぎりぎりのところに調整して、レバーブレーキは使わない方向でのやりとり。

38ｃｍの丸々と太ったチヌは、その強烈な引きの割には、ドラグの糸をほとんど出さないままに釣れました。
掛けた後でしばらく突っ込んだんですが、軟竿を曲げたままジーっと耐えてたら浮いてきました。
竿全体で魚の力を吸収し、弾力だけで浮いてきた感想です。
他のメーカーの06の竿を使ったこと無いし、これまでの鱗海スペシャルも使ったことがないので比較はできない
んですが、客観的に見てもやっぱり良い竿なんだと思います。

また、ＦＵＪＩのＮＥＷチタンフレームＳｉＣガイドは角度がついているため糸落ちがよく、また、仮に穂先に糸が
絡んでも、絡んだ部分を水につけて上に抜けば大概外れます。このガイドはバラでも売ってますので、自分の
竿のガイドと交換しても面白いと思います。かなりお薦めです。


さて、その後会長も無事にチヌを釣った後、風がどうしようもならない位に強くなり、最後は会長のクーラー
ボックスが海に飛ばされて終了。

チヌも釣れたしまぁいいかと思ってたら、常連さんが話しかけてこられ、
「今の時期、3枚は釣らんにゃー。」とダメ出し。

「広島風遠投釣法じゃ！」とか言いながら撒き餌を遠投していた私へは、

「足元でもいいから同じ所に撒き続けにゃ。潮に乗って撒き餌が散って、チヌもどんどん離れて
行ってしまうんじゃから。」と、ごもっともなアドバイス。

いやぁ、頭ではわかっているつもりなんですが、なんとなく沖の方が釣れそうな気がしてですね・・・（汗汗）

今度来るときは初心に帰って、足元一点に撒き餌を集中させて釣ってみます。

	めちゃめちゃ引きました。 たった1枚の釣果ですが、久しぶりに楽しかったですわ。 ボーズが続けば続くほど、一枚の本命が釣れた時の喜びは 大きいですな。と、自分の腕は棚に上げて、今までのボーズを さりげなく正当化してみる。
	ちなみに今日は単独釣行の永田名人のチヌ。