本来であれば、今週は3人で広島牡蠣イカダへと遠征の予定であったのだが
急遽永田名人が行けなくなり、
「永田がいない遠征なんて・・・」と遠征は中止となり、会長と二人で山陰方面
への釣行となった。
ここ最近、日本海でも瀬戸内海でも餌取りが多く、私も会長ももっぱら団子を
使った紀州釣りばかり。
仕事帰りに、スーツを着たまま団子に混ぜる砂を近くの砂浜に採取しに行った
会長、またも前回と同じ犬を連れた散歩中のおばちゃんに遭遇し、再度
訝しげな顔をされた上、目が合った瞬間逃げるように犬を引きずって帰られた
ようであるが、おばちゃん、大丈夫です。彼は決して怪しい者ではないですから。
ただ少しだけ人より顔が不細工なだけなんです。
そしておつむが弱いだけなんです。
分かってあげてください。
あ、でも、餌は与えないで下さいね。
彼が野生に戻った時、自分一人での捕食行動ができなくなりますんで。
そっとしておいてあげるのが一番です。
放っといたらそのうち、負け犬のように帰りますんで。
で、当日朝6時、今日も元気に釣り場に到着。
実は彼、9月12日に一人で関門に釣りに行った際、愛用の竿であるシマノの
小磯XT1-45を誤って折ってしまい、竿が無い状態。
根掛かりをシャクって外そうとしたら、勢い余って竿が電柱にあたり、
竿が胴からポッキリ折れて修理中のようであるが、自称日本代表の黒鯛
釣り師を名乗るのであれば、予備竿の1本位持っておいて欲しいものである。
今日は永田名人の予備竿である、浜島XT−1.5号を借りてきての
釣行である。
開始からわずか2投目、会長の棒浮きがいきなりチヌの団子アタリを捕らえる。
そして団子が割れた瞬間、浮きが海中に消え込んだ。
あがってきたのは、一発目にしてはまずまずの30cm。
会長「永田よ。形見の竿で永田の仇は取った。後のことは安心して
任せてくれ!」
って、形見って・・・、永っさ〜ん、なんか勝手に会長に死んだことに
されてますよ〜!
で、今日の私、風も無く潮も緩いのでまずは新しい釣法を試してみたい。
小さな自立浮きで錘やガン玉を一切付けず、棚を長めに設定した這わせ釣り。
初挑戦であるが、まずは横を探る釣りを試す。
会長から遅れること30分、浮きが綺麗にチヌの団子アタリを捕らえる。
私「おっと会長、見てください、チヌが団子を突付いてます!
はい、今団子が割れました!
チヌが餌をくわえます。前アタリ中です!モゾモゾしております!
間違いねー、ぜってーこれでけー魚だ。
食うよ食うよ、おら食った!」
弓なりに曲がるマイロッド!
思ってたほどデカくはなかったが、そこそこよく引いた30cm。
団子を投入してから浮きが入るまで、余裕の解説ができるくらい
理想的な流れでの1枚。
いつもこんな感じだと気持ちいいんだが。
で、時刻は9時過ぎ、今度は会長の釣り座から大きな叫び声
会長「おおっと来た来た〜!かわはぎプロダクション〜!」
私「はぁっ? 何てっ?」
会長「かわはぎプロダクションっちゃ!」
私「いや、かわはぎはわかるんだけど、その後のプロダクションって何?」
会長「かわはぎプロダクションを知らんの?
石原プロダクションみたいなもんっちゃ。」
私「は、はぁ・・・」
なんかよくわからんけど、あまり深く考えるとバカが移りそうなんで、
放っておくことにする。
要は、そこそこ良い型のかわはぎが釣れたってことね。
はいはい、おめでと〜。
で、私、横の釣りで2枚追加した後、大分潮が動き出したので、
這わせスタイルの横の釣りから、従来の水中浮きつけて仕掛けをどっしり
重くした縦の釣りへと釣り方を変更し、更に3枚。
そしてまた、例のおっさんの叫び声。
会長「おおっとまた来た! こいつは良いぜ〜♪
シマシマ模様のチャカチャカチャ マ・ツ・ケ・ン サ〜ンバ〜♪」
・・・
ええっと・・・
大体何の魚か見当はついたが、相手にすると面倒くさいので無視することと
する。
今日は3時位までと考えていたのだが、1時を過ぎた頃から雨が強く降り始めた
ため、1時半に泣く泣く撤収とした。
丁度団子アタリが活発になってきて、粘ればもう何枚かは追加できたと思うが、
雨がシャレにならなくなってきたので仕方ない。
今日のまとめとしては、サイズこそ大きくないものの会長、私共に
6枚ずつと満足のいく結果に。
更に私、先日考案したオリジナル練り餌「かほりの黒」で、6枚中4枚と、
出来過ぎた内容。
最初は市販の練り餌2種類と、計3種類でローテーションしていたのだが、
これまたヤラセのように「かほりの黒」が一番反応が良かったために、
後半はこればかりであった。
ちなみにビターテイストの方は固く練りすぎてて、乾いたコールタールのように
なってしまい今回は失敗。
でもまぁ、今日は縦の釣りでも横の釣りでも結果が出せたし、「かほりの黒」の
威力も発揮できたのでかなり満足。次回に繋がる釣りが出来たように思う。
最後は、珍しく会長とお互いの健闘を称えあい、撤収の準備。
道具を片付けながら会長が呟く。
会長「タコ?」
私「何?」
会長「俺達これまで、一体どれだけの数の針をハリスに結んできたん
だろうな・・・」
私「はぁっ? いきなり何? 頭でもおかしくなった?
いや、おかしいのは元々だから、輪をかけておかしくなった?」
会長「そして、これから俺達、どれだけの数の針をハリスに結ぶんだろう・・・」
私「さ、さぁ・・・」
会長「考えただけでも・・・ ドラマじゃねぇ?」
私「い、いや、別に・・・。
でもまぁとりあえず、可能な限りいつまでも・・・
結び続けていきたいものですわな!」
会長「永田よ、永田の無念は俺が晴らす!」 |
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度重なるおばちゃんの痛い視線を 交わしながら採取してきた会長の砂。 会長よ、良い砂持ってるじゃねぇかよ・・・ |
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かわはぎプロダクションと松健サンバを 含む会長の釣果。 |
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私の釣果 アジ、チヌの他にひと際目立った輝きを 放つ赤い物体! 残念ながら漁師のおじさんからのもらい物だ。 |
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どしゃぶりの雨が降り始め、ずぶ濡れに なった会長。 水もしたたる、良、もとい不細工な男。 |
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運転してても、前が見えやしねぇ・・・ |