世間ではウィークデイの水曜日、盆にがんばって働いた私は、本日夏休み。
会長と二人、長府一文字に立っていた。
今日は長潮であまり潮は動かないから食いは渋いはず。
とりあえず流れの速い関門海峡ならなんとかなるんじゃない?という安易な
考え方から、関門海峡にやってきた次第。
ここでの我々の釣り方は、餌を団子にくるんで魚を寄せる、紀州釣り。
最近の私、この紀州釣りがおもしろくて仕方ない。
微妙な団子の配合がなんとも言えない。
フカセもいいけど団子もね!とは会長の言葉であるが、
おせちもいいけどカレーもね!のパクリだ。
この釣り場、私にとっては過去2回とも、第一投目からチヌが食って来ている
相性のいい場所。今日もさりげなく一投目を投げた後に、集中して浮きの動きを
見ていたのだが、さすがに今日はアタってこなかった。
まぁ、そんなもんだ、とか思いながら二投目を投げ、まだまだ混ざりきっていない
団子を、
「団子混ぜ混ぜ〜、鼻くそほじほじ〜」とか歌いながら混ぜてると、浮きが
海中に消えていった。
「おっひょー!」とか思いながら合わせを入れると、小気味良い引き。
レバーブレーキも問題なく炸裂し、幸先のいい32cm。
そういや、去年もこの歌を歌ってる途中で食ってきたな。
ひょっとしたら私のテーマ曲である、「鼻くソング」に集魚効果があるのか?
これをCDに吹き込んで釣具屋に持っていけば売れる?
そこら中の波止から聞こえてくる、
「団子混ぜ混ぜ〜、鼻くそほじほじ〜」の私の歌声。
なんか、考えただけでも楽しくなってきたぞ!
さて、バカなこと言ってないで肝心の釣り。
朝の流れが緩やかなうちに、私が追加で2枚釣る。
会長には、「レバーブレーキ炸裂だぜ!」とか言って、
あたかもレバーブレーキでやりとりしてるように思わせてたけど、
前回、レバーブレーキの使い方を失敗した経験を生かし、本当はさりげなく
ドラグを併用していたのはここだけの話だ。
途中、長潮にも関わらず左流れの潮がもの凄く早くなり、団子を投げても
団子ごと流される有様で、釣りにならない事態が発生する。
関門海峡の潮流恐るべし。
昼前に、少し流れが緩んだと思ったら、今度は餌取りの猛攻撃。
挿し餌をボイルにしようが練り餌にしようが、瞬殺。
ボラにチャリコにフグにベラ。
団子が着低すらしていない状態の時から、餌取りの猛攻を受け、
棒浮きが、右に左にプルプルと揺れているその様はまるで、ボクサーに
好き放題パンチを打たれ続けるサンドバックのよう。
なす術なし。
ボイルならまだしも、練り餌まで一瞬にしてやられるとは、今度来る時には、
コーンやさなぎが要るなぁと思いながら、お手上げ状態でボーっと浮きを
見つめるのであった。
で、会長。
彼も最近団子釣りにはまっているようで、団子の配合は私よりも凝っている。
仕事帰りにスーツのまま、団子に配合する砂を海まで採取に行った際、
犬を散歩中のおばちゃんに、ものすごく訝しげな顔をされたようだが、
会長が怪しいのはいつものことなので別に心配は要らない。
それ位、会長はやる気があるってことだ。
猛暑の中、夏の甲子園は、佐賀北高校が一大旋風を巻き起こし幕を閉じた。
青春真っ只中の彼らの活躍は、我々に大きな感動を与えてくれた。
で、色んなことにすぐ影響されやすい会長曰く、
「俺も今日は、肩がぶっ壊れるまで団子を投げ続けるぜ!」
とのことであったが、別にそこまではしなくていいと思う。
そんな第2の青春真っ只中の会長、今日は朝から木っ端グレが入れ食い!
隣で、チヌしか釣れない私を尻目に絶好調!
会長「ひゃっほ〜い、また来た〜♪ もう止まらんわ!」
私「なんか、木っ端グレ相手にすごく楽しそうやね!
釣り座はすぐ隣なのに、なんで俺にはグレが釣れんのかのー?」
会長「さぁ、下手なんじゃない? おおっとまた来た! ひゃっほ〜い♪」
私「まぁ、俺は別に木っ端グレなんて、釣れんでもええんやけど・・・」
客観的に彼のことを分析するに、彼は魚釣りが心の底から好きなんだと思う。
彼にとっては相手がフグであろうがベラであろうが、魚と遊べていること自体が
嬉しいんだと思う。
私もかなり釣りが好きだが、彼のように餌取り相手にはあれだけ喜べない・・・。
会長「おおっとまた来た!ひゃっほ〜い。」
そしてまた彼が、木っ端グレ相手に竿を曲げた。
会長「タコ〜! 見てくれい! また釣れたど〜♪」
手の平にも満たない木っ端グレをこちらに向け、少年のように純粋に
笑っている彼を見ていたら、何だか逆に可愛そうに思えてきて、
少しだけ涙が出た。
途中潮が変わり、一時はアタリも遠のいた会長の釣り座であったが、
昼を過ぎた辺りから再び木っ端グレも戻ってきて、納竿の2時半まで
終始竿を曲げていた。
帰り際、道具を片付けながら会長を励ます。
私「会長よ、まぁチヌは釣れずに残念やったけど、今度またリベンジに
来ようぜ!」
会長「はぁっ?何言ってんの? あんた馬鹿じゃない?
俺はチヌじゃなくて、グレを釣りに来たんよ! 大漁よ。大漁!
タコこそ、一匹もグレが釣れずに可愛そうに。
ボーズやね。ボーズ。」
私「いやいや、だってあんたの釣り方、団子を使ってチヌを狙う
紀州釣りじゃない?」
会長「馬鹿じゃのー。 同じように見えるかもしれんが、これは団子を
使ってグレを狙う、長州釣りじゃい!
わかる? 山口県発、俺の編み出した長州釣り。 アンダースタン?」
私「いや、でも、その割には団子の中にチヌパワーとか入れて、
配合は思いっきりチヌ狙いじゃん!」
会長「うるさいのー、そんな意地悪なこと言ったら、山陽小野田グレクラブには
絶対入れちゃらんけー!」
私「いや、別に入れてくれなくてもいいんだけど、正確に言えば
山陽小野田グレクラブじゃなくて、山陽小野田木っ端グレクラブだね。
へけけ。」
さぁて、新しい一日の始まりだぜい! | |
ひ、引きずり込まれる〜 | |
山陽小野田木っ端グレクラブ 会長の釣果。 見事に全部が手の平未満。 もちろん全部お持ち帰りだ! |
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ダメだ。 私にはチヌしか釣れない・・・ |
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お腹急降下のため、 こっそりとテトラの影へと向かう会長。 今日の会長の見せ場はと言えば、 私の持参していたティッシュを 大量に使って、3回もテトラの影に 向かったことくらいだ。 会長がついに、山陽小野田チヌクラブの 釣り場でのウンコ回数記録を更新した! おめでとう、ウンコ会長! |