1月27日 2007 始動!
昨年、最後に釣りに出かけたのが11月4日。
あれからおよそ3ケ月。
お気に入りのマイロッド、ダイワの「銀狼」が、再び目覚める時が来た。
冬は寒いので釣りは敬遠していた私も、ついに重い腰を上げる。
今年は暖冬の影響でそれほど寒くないし、何より棒浮きがススッと海中に消えて
行く瞬間が見たくてたまらない。
今年は全国的に暖冬のようで、本当に雪が降らない。
各地のスキー場もてんてこ舞いのようだ。
海水の温度も全然下がってないらしく、チヌもまだ腹に卵を抱えてないそうな。
去年のノッコミも少し遅れたが、今年は更に遅れるのか?
地球の生態系が少しずつ変わりつつある。
自然を相手に遊んでいると、そういった自然からの警告がダイレクトに
伝わってくる。普段から自分のできることを心がけ、我々を育んでくれている
豊かな自然を、永遠に未来に残して行きたいものだ。
話は逸れてしまったが、今回の釣行で私は、とある秘密兵器を試す予定。
それは・・・
防府の波止の名人に作り方を教えていただいた練り餌に、
これまた野波瀬の大先生に教えていただいた魔法の粉を混ぜ作り出した、
オリジナルの練り餌。
2人の師匠から教えていただいた技の良いとこ取りをすれば、未だかつて
見たことが無いような、爆釣練り餌が完成するはず。
釣行を明後日に控えた、木曜の夜、遂にそれは完成した。
いやぁ、やばい。ほんとにやばい。
何がやばいって、匂いがやばい。
ぶち(山口弁で、物凄くの意味)臭い! 臭いっちゅーモンじゃない。」
普段は冷凍庫の中に餌を入れていても何も言わない嫁が、
「食べ物も入ってる冷凍庫に何入れとるん? しばくよ!」って言ったぐらい。
それ位ほのかで甘い香りが漂っているということだ。
(悪臭とも言う。)
この練り餌の秘密フェロモンにムラッときたチヌは、思わずその誘惑に負け
練り餌を口にし、釣られてしまうといった寸法。
例えるならば、
どんな女性もイチコロの魅惑フェロモン!って言う、うたい文句に踊らされ、
都内在住の48歳Aさんの、
「今まで女性にフラれっぱなしの私が、今ではハーレム状態です!」っていう
体験記を真に受け、思わず内容を全部読んでしまったばかりでなく、
気がついた時にはサンプル申し込みのハガキに、住所、氏名、年齢を記入し、
ポストに投函していた純情でモテない高校生か。
今回のターゲットは、そういった世間の厳しさや道理を知らない、
純粋無垢な、若い年齢層のチヌ達がターゲット。
喜び勇んで、フェロモンを振りかけて街を歩いてみたはいいが、
普段と何ら変わりなく広がる日常に、
「騙された!」
と気づいた頃には、
サンプルを頼んだはずだったにも関わらず、何万円もの請求書が自宅に届き、
それを見たお母さんから大目玉を食らうといった、どこの家庭にも起こり得る、
日常生活に潜む罠に引っかかるかのように、チヌ達は釣れてくるはず!
良く言えば純粋であるが、悪く言えば世間知らずなチヌ達は、
我先にとこのフェロモン入りのオリジナル練り餌に食いつき、
それが罠だと気づいた頃には、私に釣り上げられているといった具合。
後から、泣きながらお母さんに誤る高校生同様、
「騙された!」と、泣きながらファイトするチヌ達を想像しながら命名した、
この練り餌の名前はずばり、
「チヌの涙!」
である。
思わず、各方面から問い合わせが殺到するかもしれないし、
しないかもしれないような大発明をしてしまった!
いやぁ、俺って凄い。
誰かに私の凄さを知って欲しく、さっそく深夜にも関わらず永田名人に電話を
する。
私「いやぁ、やばい。すげー練り餌が完成した。
色んな物混ぜて、すげーのが出来た。マジでやばいよ!」
永田「ふーん。 で、何混ぜたん?
まぁ、どうせあんたの考えることやから、
適当にさなぎとか小麦粉でも入れただけでしょ?」
私「ふふっ、私がそんな単純に見える?」
永田「うん。」
私「そ、そう?」
永田名人の反応はイマイチだったが、興奮冷めあらぬ私はいてもたっても
いられない。明後日の釣行に備え、さなぎやら小麦粉やらを混ぜ、
早くも撒き餌を練り練りする。
3ケ月間寝かせてあったオキアミブロックも遂にその封印を解き、解凍に入る。
いやぁ、明後日土曜日の釣りが楽しみだ。
で、釣行を前日に控えた金曜日の昼休み、永田名人から電話が入る。
永田「すまん。急遽、明日は小森のおばちゃまになった。」
私「まじで?」
ここで言う小森のおばちゃまとはつまり、子守のことであり、
急遽明日は子守で、釣りに行けなくなってしまったということである。
まぁ、3人で行けないのは残念だけど、とりあえず会長はやる気満々なので
2人で行くことにする。
ところが、午後6時30分、明日に備え仕事を片付けていた私の携帯電話から
「ゴッドファーザーのテーマ」が流れる。
それは即ち嫁からの電話であり、普段滅多に鳴らないだけに、嫌な予感がする。
嫁「風邪ひいて体がだるい。熱が39度ある。晩ごはん買ってきて!」
私「・・・・・・・、 えっ?」
とりあえず、帰りのスーパーで買い物カゴを片手に晩のおかずを選びながら、
色んなことを考える。
明日の朝までに、嫁の風邪が奇跡的に治る方法とか、
嫁が寝込んでても、2歳の息子が一人で1日中遊んでくれる方法とか・・・
答えは風の中・・・
で、会長に電話。
私「ごめんたいじ、嫁が急に熱出して、明日行けなくなった。」
会長「えっ?まじで? うそ〜?」
私「すまん。気持ちはわかる。皆まで言うな。俺もめっちゃ楽しみにしてた。
色々方法を考えたが、どう考えても明日は家から出れん。」
会長「まぁ、緊急事態やからしょうがないけど・・・
フライングで解凍してしまったオキアミブロック、どうすればいい?」
私「大丈夫。 俺も同じ境遇だから、良いアイデアが浮かんだら電話する。」
結局、あまり良いアイデアは浮かばず、溶けて形が変わったオキアミブロックは、
再び冷凍庫にて、深い眠りについた。
そんな感じで、我々の2007年は始動した。
まずは材料を丹念に混ぜ合わす。
仕上げにアミノ酸を大量に含んだ、
魔法の粉をふりかけ、
さらに強く練り込んでいく。
練り練り終了〜!
色といい艶といい、
何かに見えなくも無いが、気にすんな〜♪
完成〜♪
これが、「チヌの涙」の基本スタイルとなる。
長いのでとりあえず巻き、先端から
ちぎって使う。
いやぁ、実に合理的。
何かに見えなくも無いが、気にすんな〜♪