10月25日 呼び出し・・・


今日は、先週の休日出勤の代休が取れた。
とりあえず釣りだ。

しかしながら、秋も大分深まってきた。もうすぐ寒くなる。
後何回釣りに行けるか・・・

私には、今年、やり残したことがひとつだけある。
まだ、野波瀬筏のチヌを見ていないことだ。
会長と名人は、野波瀬筏のチヌは難しいとあきらめてしまった。

だが、どうしても私はあきらめきれない。
難しければ難しいほど、なんとかしたくなる。
私はそんなひねくれた性格だ。

本来であれば、野波瀬筏へ単独釣行の予定だったのであるが、一昨日から
続いている大荒れの天気で、日本海での釣りはまず無理だろう。

瀬戸内の海なら大丈夫でしょ!と、船長に連絡をとると、なんとか午前中なら
大丈夫そうだとのこと。 
ってことで、急遽小野田一文字への釣行となる。

野波瀬は、また今度ぢゃ。

本日は、week day の水曜日のため、一人ぼっちの一人モンとなる。

今の時期の1番船は6時だとのことで、6時には漁港で待ってたのであるが、
色々あって、一文字へ上陸したのは6時半過ぎ。


今日は記念すべき、「銀狼」のデビュー戦!
早速、ロッドケースからブツを取り出す。

「よっしゃいくで〜!」とか思いながらガイドに糸を通してると、船長が話しかけて
きた。

船長「あれっ?竿変えた?」

私「わかりますか?  軽くラオウを昇天させたもので買っちゃいました!」

船長「ほんとか〜? ええのぉ〜!」

 そして、おもむろにロッドケースのチャックを閉める私。

船長「ありゃ、ひょっとしてロッドケースも買ったんか?」

私「まぁ。ダイワで揃えようと、プロバイザーに変えてみました!」


 そう言いながら、さりげなく帽子をかぶりなおす。

船長「ぐはっ、帽子まで新しいわ〜や〜。」

私「ええ、帽子はリールに合わせ、シマノでございます。」

船長「こりゃ〜、大分勝ったのぉ〜」

私「いえいえ、預けていた分を回収しただけにございます。」


と、軽く、にわか成金をアピールした後は、まじめに釣り。


気になる新しい竿の感想は、なんとも軽い。
糸の滑りもいい。やっぱいいねぇ〜♪

で、開始から30分、モゾモゾ当たりから捕らえたチヌは、元気の良い43cm!
よく引いたんでおもろかった。竿も良い感じ。
いやぁ、よかったよかった。


新しい竿の感触を楽しみながら釣りをしていた午前9時、
突然アクシデントが私を襲う。

一気に消えて行った棒浮きを見て合わせを入れた瞬間、道糸が

「パーン」と、物凄い音をたててブレイクしたのだ。

先ほど、牡蠣殻にラインが引っかかったのを無理矢理しゃくった際、
少しだけラインがざらざらなっていた。
「まぁ、大丈夫なんじゃない?」と、楽観的かつ、面倒臭がりの性格がたたり、
案の定ラインが切れてしまった。

とりあえず、魚はあきらめるにしても、海面に浮かんだ棒浮きはなんとか
回収したい。

慌ててパラソルを装備し、浮きに向かってキャストを繰り返すが、
どうもうまくいかない。
浮きはどんどん沖に流され、焦りは加速。
慌てて投げているうちに、ついつい竿の先端を見ていなかった。

パラソルを投げた瞬間に、なんか変な手ごたえ。
竿の先にラインが1周巻いてたようで、手元に一瞬嫌ぁな抵抗がかかった後に
パラソルが飛んでいった。

「あひぃ〜」

思わず変な声が出た。
慌てて竿先をチェック。

「セーフ」  助かった・・・

とりあえず大丈夫だったが、いきなりやらかすとこやった。


「危ねぇな〜、このバカたれが〜!」と、とりあえず自分を叱ってみる。

その後は無事に浮きも回収に成功。危ない危ない。


さぁ、気を取り直してのんびり休日を謳歌するぞ〜!とか思ってたら、今度は
職場から電話。

「今日は、夕方6時から会議なんだけど、出席できる?」

私「えっ?夕方ですか? そんな急に言われても・・・」


一昔前に、「NOと言えない日本人」とかいう本が売れた時があったが、
パートUは、私が書くか・・・ 

とか思いながら、そそくさと帰り支度を始める。

天気も荒れてきたんでまぁいいか。


とりあえず、最後の1投を投げて道具をしまいながら
「哀れな私に愛の手を!」とかふざけてたら、ほんとに浮きが入りやがった。

合わせると物凄い引き!
こりゃでかい!と一瞬思ったが、なんとなく違和感がある。
例えるならばなんというかその〜、


永田さんの顔が頭に浮かんだと言うか・・・

ちらっと見えた魚影は、やっぱり奴。
ロングフェイスの憎い奴。

「かぁ〜、最後の最後でやっぱりお前か。」

あがってきたボラ山さんはまるで、

「僕の事も忘れないで〜!」

と言わんばかりに猛烈な引きを見せてくれた。
まぁ、それはそれで結構楽しかったんだけど。


永田名人がチヌをそっちのけでボラを釣る理由が、なんとなく分かった
気がした・・・



家に帰り、スーツに着替え、
ぼちぼち帰宅ラッシュが始まっている通勤路を、みんなとは逆に車を走らせる。

信号待ちの赤いシグナルは、にじんでいてあまりよく見えなかった・・・



幻想的な光景!

新しい朝が来たぞ!
希望の朝だ。
しなる銀狼

    ↓
あがってきたボラ
3枚ほど釣れた。
気になる銀狼の筆卸は、
幸先のよい、43cmでした!