10月1日  未知との遭遇!

釣行3日前、
ようやく今週の日曜は野波瀬のイカダにあがれそうだ。
永田名人もやる気満々だ。
会長にも連絡を取る。

私「ようやく野波瀬に行けそうやね。」

会長「うん。良かったね。がんばってチヌ釣ってきて。」

私「がんばって釣ってきてって・・・、  会長は行かないの?」

会長「だって俺、デートやもん。」

私「何?」

会長「おデートです。 だから釣りには行きません。」


長い長い冬を乗り越え、ようやく会長にも春が訪れた。
ついに彼女が出来たのだ。
こんなに幸せそうな会長を見たのはいつ以来だろう・・・
とはいえ、明日はずっと楽しみにしていた大事な釣りだ。

 えっ?何?釣りに行かずに、デートだと?
 山陽小野田チヌクラブ、会長ともあろうお方が・・・
 あれほどチヌを愛していた会長が。

 この人はきっと、チヌと再婚するんだろうなと思っていたくらい、
 チヌが好きだった会長が・・・。
 なんとも丸くなってしまった・・・。
 
私「デートは土曜日に行けばいいじゃん。
  日曜は釣りに行こうよ。チヌと彼女と、どっちを取るつもりなの?」

会長「決まってるじゃん。彼女だよ♪
   土曜も日曜もデートだよ〜ん♪」

私「 な 〜 に  〜 ? 」

会長「だから彼女。  デートに行きます!  ルンルンッ♪」

・・・・・


私「目を覚ませコラァー!  ドスッ ゴスッ 」

会長「痛ててて、何すんだよ。 俺はデートに行くんだよ。」

私「ふざけるなぁー、歯をくいしばれー!  ドスッ ゴスッ ボカッ」

会長「うぐぐっ  デ、デート・・・」

私「気合いが足らぬわぁー! ドスッ ゴスッ ボカッ バキッ!」
 
 「さて、貴様にもう一度だけチャンスをやろう。
  チヌと女と、どっちが大事なのか。
  ここではっきりしてもらいたい。」

会長「うぐぐっ   チ・・・  チヌです・・・  ぐはっ 」


私「よし。晴れて釣行決定となった。  会長は釣りが大好きだ。」


とは言ったものの、10月1日の日曜日は降水確率50%。
まぁ、釣りが大好きな3人のこと、もちろん雨天強行だ。

前日の土曜日、何故か嫁が遊びにきたお義母さんと一緒に実家に帰って
しまった。釣りを終えた私に、迎えに来てくれとのお考えのようだ。

仕方がないので、今回は車2台で行くことになった。

我々が野波瀬に行く際、食料等の調達に必ず立ち寄るコンビニがある。
今回はそこのコンビニでの待ち合わせとなる。
道中も、小雨がぱらつき、ちょっとやばいかなぁという状況。

待ち合わせの時間にコンビニに入ると、突然カメラのフラッシュでも
光ったかのようなまぶしい光に、思わず目がくらんでしまう。

何が起こったのだろうと、おそるおそる目を開けるとそこには・・・


まばゆいばかりに光を放つ、奇妙な生命体があった。


テカテカに光る銀色のカッパを装着した、永田名人だった。

テッカテカに光るそのカッパは、まるで宇宙服。

待てよ、これはひょっとしたら・・・


永田名人の格好をして宇宙からやってきた、謎の知的生命体かも
しれない。

とりあえず交信してみることにした。


私「ハローハロー。 あ・な・た・は・だ・れ・で・す・か?」


謎の知的生命体「ワタシノナマエハ、イーティー  オマエ  トモダチ」
                      (ET)

私「おおー、あなたがあの有名なETさんですか。」
 姿形は私が知っているそれとは少し違いますが、存じ上げております。

とりあえず、人差し指と中指をくっつけあい、地球で言う所の握手を交わし、
親交を深める。
(ETを知らないヤングメンは、とりあえずレンタルビデオ屋へ走れ!
 心が洗われること受けあいだ。)


私「ETさん、私と中野会長、これから釣りに行くんですが、良かったら一緒に
  来ませんか?」

ETさん「 ヨシ イコウ!」 

今回は、永田名人の風貌をした、ETさんにも釣りに同行していただく
こととなった。


とはいえ、やっぱり野波瀬のイカダは我々には難しいようで、結局チヌの姿を
見ることは無かった。
しかし、我々がここでチヌが釣れない最大の理由は明確にすることが
できたように思う。野波瀬で我々にチヌが釣れない理由、それは・・・

色々な魚種を幅広く狙って、結局どの釣りもモノにできないということ。

私と会長はアジを泳がせてヒラメ等の大物を狙い、名人はアジのサビキに
熱中し、皆が皆本気でチヌを狙っていない。
加えて私は、思わず前日に徹夜をしてしまったために、眠くてしようがない。
更に会長に至っては、朝からメールしかしていない。

時折降る雨が、帰りたい気持ちに拍車をかける。

釣れないし眠たいし雨降るしで、結局今日も罰ゲーム。  
そんな予感はしてたけど。ふふっ

唯一の収穫は、地球を釣った会長の竿を3人で回し、
かっこいいヤラセ写真が撮れたくらいだ。

野波瀬に来るときにはいつもやる気満々で、高い撒き餌やサシエを大量に
買ってくるんだけど、結局は海に帰してしまう。
今回もそんな感じ。

チヌの数釣り用にと1000円分買ったシラサエビは、結局3人で3匹位しか
使わず、ほとんど丸ごと海に捨てる羽目になる。
淡水で養殖されるシラサが、海水でも生きていけるかと心配するが、
元気に泳いでいったのでホッとした。

しかし、それも束の間、すぐにアジや木っ端グロの餌食となり、心が痛む。


心ここにあらずで、メールばかりしている会長に、
私「会長ともあろう者が、全然駄目じゃん。何しにここに来たの?」と、問うと

会長「あ、俺、もう会長じゃなくていいから。
   てゆーか、もう脱退してもいいから。
   会長は、これからは、普通の男の子に戻ります!」 とか、のたまわる。

って、何言ってんの?

山陽小野田チヌクラブの呪縛から、逃れられるわけないじゃん。
一生背負って生きていくんだよ! 会長という肩書きを。 
ふっふっふ。

私「ですよね? ETさん」


ETさん  「オマエハ モウ シンデイル・・・


ほら。




未知の知的生命体、ETさんと
会長の、未知の2ショット!
会長のヤラセ写真。
ちょっと不自然だぞ!
こちらはETさんのヤラセ写真。
こっちは結構決まってる。
ETさんのヤラセ写真パート2

これも結構かっこいい。
オコゼを釣り上げた会長。
刺されたら痛いので注意が必要だ。

どれ位痛いか、実際に刺されてみて、
会長に実況してもらおうと思ったが、
残念ながら未遂に終わった。
泳がせ釣りで食いちぎられたアジ。
泳がせ釣りの会長の浮き。
写真では分かりませんが、
ボヨヨンボヨヨンと、
不自然な動きをしてます。
 
      ↓
で、あがってきたカマス。

会長がカマスを
ぶちカマス。
大量に残ったシラサエビ。
母なる海に帰っていただくも、
残念ながらアジや木っ端グロの
餌食になってしまった・・・
バッカン丸洗い
敢行する永田名人。

感想は、思ったより重たくなく、
一瞬で洗えたので、
なかなか使えますとのことだった。

是非ともお試しあれ!
トイレの中でこっそりメールをする
会長
漁港に帰ってきても
メール。
またまたメール。
道具も片付けずにメール。

永っさん、とりあえず会長、
置いて帰りますか。