8月30日  番外編

今日は、久々に3人で、平日釣行の予定であった。
本来であれば午前4時に永田名人の家に集合し、釣りに行く予定であった。

AM3:30 携帯の目覚ましバイブで地味に目を覚ます。

窓の外からは、とっても嫌な音が聞こえる。

雨の音。     しかも、雨音から察してかなりのどしゃぶり。

加えて、一時的に 「 ピカッ 」 と明るくなったりしてます。

雷でございます。

「これは無理だな!」と瞬間的に察知する。

もう中止だろうと、会長、名人にそれぞれ連絡し、それぞれに「無理だね」という
中止の確認を行い、再び床に就く。

30分後の4時、突如鳴り響く、私の携帯電話。

会長からのモーニングコール。


私「もしもし?」

会長「4時半に永田の家に集合」

私「はい?」

会長「あれから、永田との協議の結果、とりあえず4時半に永田の家に集合!」

私「え?  さっき中止になったんじゃ?」

会長「このままじゃ、らちがあかないので、とりあえず永田の家に集合!」

私「らちがあかないって・・・  別に閉まったままでいいじゃん。
  中止でいいやん。こんな天気なのに・・・             」

会長「集合ったら集合! 従わないやつは・・・   死刑!」

いや、そんな、昔のアニメ風に、かわいく死刑を宣告されても・・・

まぁ、とりあえず行くか。  と、しぶしぶ向かうことにする。

こっそり部屋を出て行こうとする私を、嫁が呼び止める。

嫁「どこ行くん?」

私「いや、永田の家にちょっと・・・」

嫁「まさかこんな天気の中、釣りに行くんじゃないよね?」

私「いや、行かざるを得ないかもしれません。集合がかかったんで。」

嫁「こんなに雨が降りよるのに?」

私「はい。」

嫁「バカじゃろ?」

私「ま、まぁ。バカかもしれませんが、会長から集合命令が出て、行かなかったら
  死刑みたいなんで・・・」

嫁「そのまま一生帰って来んでええよ。」

私「は、はぁ」


とりあえず嫁の許可は下りたので、そのまま永田の家に集合。
雨は相変わらずどしゃぶり。
しかも1分に1回は空及び周辺が明るくなるといった、雷のおまけつき。

最終的に会長、名人立会いの下、正式に釣行不能との判断が下される・・・・   
   
私「ほら。」


家に帰り何事も無かったかのように2度寝。

嫁に今までの一連の流れをぶつぶつ文句言われたら、
悪い夢でも見たんじゃない?と、しらばっくれようと思う。

んで今度は心地よく寝ていた8時半。
またまた会長よりモーニングコール。


会長「グンモー!今からパチ屋行かん?」

私「行かん。」

会長「名人も行くらしいよ。」

私「行かんっちゃ。」

会長「でも今日は、月に一度の爆出しデーみたいよ。いっぱい勝てるみたいよ!」


私「 え? 」

会長「すごいことになるらしいよ!」

私「 ま、まじで? 」

会長「うん。北斗のケンも爆出しデーみたいよ。」

私「そ、そうなん?    しょ、  しょうがねーなー」


で、結局パチ屋に行く。
いっぱい北斗百烈拳を繰り出し爆勝ちの予定が、逆にケンシロウから百烈拳を
喰らい、ものの2時間で本物のDaiwaの銀狼が買えるくらいざっくり負けた。

今日は、月に一度の爆出しデーではなく、爆死デーだったようである。

財布の中は見事にすっからかん。
今日もまた、自己嫌悪に陥りながら帰途に着く。

「あ〜あ」


とりあえず、当面の生活費もなくなったので、
こっそりと引き出しから、子供の給食費・・・、もとい、
嫁に内緒の隠し口座のカードを取り出し、銀行へと向かう。


こつこつ溜め込んだ、隠し口座の預金も底が見え始めた。


人はこうして破滅していくんだろうなと感じた・・・


雨さえふらなければこんなひどい目には合わなかった・・・

涙をこらえ、どんよりとした薄暗い天を仰ぎながらつぶやく。



「雨のバカ!」



「そして・・・・、      俺のバカ・・・ 」