7月9日  広島県宮島の牡蠣筏にて

いよいよ広島県に遠征の時が来た。
永田名人がいろいろと情報収集を行い、今もっともチヌが釣れているであろう、広島
県は大竹市にある、牡蠣筏への遠征となった。
かの有名なアクアのホームページを見てみると、連日10枚、20枚はざらにあがってお
り、各自が1人2桁やら、3人で3桁やら、勝手に妄想を膨らませている。
さて、スカリは1つで足りるのか〜?

土曜日朝の時点では、毎週のように相変わらずの雨予報。
おまけに台風3号が接近中だ。どうしたものかと会長に電話するも、電話に出ない。
         (後にスロットで激ハマリ中で、わざと電話をとらなかったことが判明。)
暇だったし、会長と連絡がつかないから、半年振りにパチンコ行った。
餌代予定の1か月分の小遣いである3万円という大金が、ものの数時間で消滅した。
つくづく自分が嫌になり、全てのことにおいて無気力状態になる。明日の釣りも
どうでもよくなるが、今更のドタキャンはきっと雰囲気的に許されないであろう。
とりあえず、渋々、誰もいない仮称ATMへと車を走らせお金を下ろし、餌をまとめて
買う。パチ屋で使う1万はなんともないが、釣具を買うときの1万の、なんと高価なこと。
朝一、会長が、私からの電話を取ってさえいれば、パチ屋には行ってなかっただろう。
パチの負けを勝手に会長のせいにして、匿名で不幸のメールを送る。

大負けから立ち直れずにいたのだが、まぁ、気を取り直して釣り、行きますか。
また嫁が実家に帰ってしまったため、PM7時にはご就寝。
明けて2日は、AM2時の集合だ。珍しく誰も遅刻しない。
皆のやる気がひしひしと伝わってくる。

この筏へは、大竹市の玖波港から船が出る。
知る人ぞ知る、かの有名な大知渡船で渡してもらう。
朝5時、漁港近くの 釣りショップアクア に到着。
すでに何名かの方が集まっておられ、各々、だんごを混ぜたり餌を買ったりされて
いる。みんな上手そう。皆さん、それぞれ何かしら、独特のオーラが出てる。
我々が出せるものといったら、オーラどころか、せいぜい臭いおなら位のものだが、
雰囲気に呑まれずにがんばっていきたい。

場所が少しわかり辛い玖波港まで車で先導して頂き、いざ出港。
高速道路から見る牡蠣筏も圧巻だが、間近で見ると更にすごい。
数え切れないほどの牡蠣筏と作業筏が目に入ってくる。どこでも釣れそう。
その中のひとつの作業筏に乗せてもらい、AM6時、いざ勝負。

適当に釣り座を構え、適当に釣り開始。
仕掛けを作りながら団子を練り練りしていると、なぜか早くも永田名人の竿が
曲がっている。
しかも本命。少し型は小さいが、紛れも無くチヌ。
まだ1投目でしょ?まじっすか?
今日はひょっとして、大変なことになっちゃう?

・・・・・・・・・

6時間後、逆の意味で大変なことになっている我々。
予想に反して朝一の、第1投目の永田のチヌしか釣れていない。

いつもの我々らしい会話。

私「こんなはずじゃなかったのにねぇ・・・」
名人「広島って、チヌの魚影、薄いやろ」
会長「もう来ることはないやろーねー」

自分たちの腕は棚にあげ、なんとも失礼な話である。

難しいねー、チヌ釣り。

と、ここで名人が嫌なことを口にする。
名人
「ここでたこかたいじ、どっちかが釣れたら、一人はボーズやねぇ・・・
                     俺は、言っても1匹釣れてるからいいけど。」


なぜかうちのクラブには、3人中、誰か一人がボーズのときは、ねちねちと
いじめられる風習がある。
「いやぁ、今日は渋い中、なんとか釣れたねぇ・・・。一人を除いて。」
みたいな感じ。

んなもんだから、その途端、会長の顔色が変わる。
誘いにもこれまでに増して集中している。いじめは嫌だの一心で。
後のことは考えず、大量の団子を撒き、チヌを寄せる。

そんな中・・・
「やった〜、きたきたきた〜!」と、
小さいけど会長がチヌゲット。
「いち抜けた〜!」とか言いながら、ガッツポーズまでしている。
ほんとに嬉しそうだ・・・

平静を装ってはいるが、私の心中は穏やかではない。
「やべぇ、このまま俺がボーズやったら、山口に帰るまでずっと言われるな・・・」
と、こっそりと二人に悟られぬよう餌変え誘いを変え、真剣に釣る。
でも釣れない。

午後1時。船は3時やから、正味あと1時間ちょいか・・・
2人がかりのいじめを覚悟し始めたところに、嫁からテレビ電話が入る。
テレビ電話とは、何故か?ほんとに釣りに行ってるかどうか、浮気の疑いでも
かけているのか。まぁよい、私は丁度本日の釣りをあきらめたところだ。

嫁「もしもし、釣れた?」
私「いや、駄目。他の二人は釣れたけど・・・・。」

二人は横で、とてもいやらしい顔でニヤニヤしている。

嫁「ちょっと子供に変わるわ。」
画面からは子供の顔。

私「ベロベロバー。パパでちゅよー。  ボウケンジャー  とうっ!」

と、その時・・・
私の竿の穂先がプルプル、ビヨンビヨンと、魚信を伝えた後、
                ぽちゃん      魚に引っ張られて海に落ちた。

かろうじてリーシュコード(スノボ用語ではこう呼ぶのだが、釣り用語では何と
いうのか。まぁ、とにかく、竿尻につけるコードの事)のみでつながっている。
慌てて電話を横に投げ、コードを辿り合わせを入れる。
なんか重い。
「よっしゃきたー!」
さんざん誘っても何しても食わなかったのが、竿をほったらかしにして
「ベロベロバー」って言った瞬間にきた!
今後、調子が悪いときは、とりあえずベロベロバーって言ってみようと思う。

途中、全然引かなくなり、「アジ?」  とか思うも、あがったきたのは、
35cmのなかなかのチヌ。会長がタモに入れてくれた瞬間に思った。

「セーフ!」なんとかいじめは免れた。
いやぁ、良かった良かった。

その後は、永田名人がかなりの格闘の末に36cmをあげ、撤収となる。

帰りに、おそるおそる他の筏の方に状況を聞いてみると、案の定、
他は1人で、10枚20枚あげておられた。
うすうすそうではないかと感じてはいたが、やはり腕の差だった。

帰宅後、釣れたチヌの腹を割ってみたら、団子に混ぜていたオキアミが
大量に出てきた。要は、チヌはずっと寄っていたけれども、釣りきれていないので
あろう。
メンバー全員、チヌは深いと言いながら、リベンジを誓うのであった。






玖波港から、いざ出港!                           
屋根付きなので、雨の日でも釣りができます。

目の前に広がる、無数の筏
この牡蠣筏の下には、牡蠣がたくさん・・・
おっと、きたきたきたー!
また、やらせっぽい写真だが、釣れてます。
かなり引いてるようで、名人大興奮!
         ↓
会長がタモでキャッチ。
ちょっと画面に切れて見える、
永田名人の本気のガッツポーズが、
彼のうれしさを物語る・・・
しかしいい天気になった。
今日の釣果
いやぁ、なんで釣れんのやろ。と天を仰ぐ会長

チヌは難しいね〜と、苦笑いの永田名人
          to be continued