4月30日 ちっきしょー!!
例によって、数日前から天気予報に釘付けである。
おかげさまで当日は気温も上がり、とても良い天気になりそうである。
ただ・・・ 長門地方は風速が8m。海上の波の高さは2m後3mとなるようである。
朝目が覚めるととりあえず風はなく、まぁ大丈夫でしょ。と、安楽的に中野会長を
迎えにいく。
約束のAM3:50 会長宅に着き、会長に着いたよと電話。考えてみると、そのとき
から今日の運命のプロローグは始まっていたのだと思う。会長、見事に・・・
爆睡中!
まぁ、電話で無理矢理叩き起こし、車中で、ちくりちくりとだからお前は駄目
なんだとダメ出ししながら、集合時間から10分遅れの4時に野波瀬へと車を出す。
会長も風は気になっていたようであるが、まぁ、大丈夫でしょということ。
野波瀬へ着き、波の確認。今のところべたなぎ。
東の1番へあげてもらい、午前中は、ボーズながらでも快適にかかり釣りを
楽しんでいた。投げの竿にも、べらやらたこやらがかかり、適度に海を満喫している
と、10時を過ぎたあたりから、次第に風が強くなる。それこそ、お気に入りのパイプ
椅子が、風で動くほどに・・・
自分が、お気に入りのFOMAP902iを購入したのは、12月。かみさんに無理を言って
買った、とってもお気に入りの携帯電話だ。その姿を最後に見たのは、10時57分で
あった。時間を確認しポケットに入れる。
投げでほったらかしにしていた投げ竿を巻こうと、椅子から立ち上がった瞬間だった。
突如突風が吹き、流されていく椅子。筏の端で半分海に落ちかけた椅子と筏竿を
ダイビングキャッチ。セーフ。さすがは俺! とか思っていた。
120%助かったとおもっていた。
いやぁ、良かった良かったと、再び団子を投入し、何気に携帯を取り出そうと
ポケットに手をやる。
ん?
あれっ?左のポケットに入れていたはずの携帯がない。慌てて立ち上がり右の
ポケットをまさぐる。やっぱりない。少々錯乱しつつ筏の上を見渡すもやっぱりない。
瞬間的に、「さっき海に落としたかも・・・」との考えが頭をよぎる。
半べそ状態で会長に「俺の携帯をコールしてくれ!」と頼み、両手を合わせながら、
着唄である「恋のダウンロード」が聞こえてくるのを待つ。んが・・・・
「おかけになった電話は、電波の届かないところにあるか・・・」
無常にも、受け入れ難い現実を、受け入れねばならないことを伝える、機械的アナ
ウンス。真っ白な頭の中から、まず頭に浮かんできたこと。それは・・・
小梅太夫のテーマソング!
チャンチャカチャンチャンチャチャンチャチャンチャン
チャンチャカチャンチャンチャチャンチャチャンチャン
の〜ば〜せ〜 い〜かだ〜で〜 か〜ぜがふ〜い〜て〜
けいたいが〜 う〜みに落ちました〜
「ちっきしょ〜!!」
無意識のうちに声に出ていたのであろう。
隣では中野会長が腹を抱えて笑っている。
会長を海に突き落としたい衝動にかられながらも、その後はずっと無気力
状態であった。その後、普段ならかなり嬉しい、いい型のメバルと、かなりでかい
タコを釣り上げる。
会長の、「たこがタコ釣った」ってゆー、くだらないギャグに突っ込む気にもなれず、
あとのことはほとんど覚えていない。
その後、家に帰りドコモショップへ向かう。
3万円以内なら再度買おうと思っていたP902i。
今日起こったことを店員に告げ、帰ってきた返事が心の傷に塩を塗りこむ。
「前回の機種変更から4カ月しか経過していないので、今回は機種変更が
5万5千円となります。」
「ポイントが1700円分ありますので、ポイント分は割り引きできます」との説明が、
塩を塗りこまれた心の傷に、今度は唐辛子を塗りこむ。
「持参した、昔のP900iに戻してください。」 即答。
その場で、「じゃぁ、5万5千でお願いします」と言える猛者はいるのだろうか。
いれば握手を交わしたい。その勇気を分けていただきたい。
昨年の12月以来、子供のおもちゃと化し、まさかまた使うことになるとは夢にも
思わなかったP900iに「またよろしくお願いしますね」と軽く挨拶を交わし、
夕日を見上げながら家路に向かうのであった。
無理にでも上を向いておかないと、涙がこぼれてきそうだったから・・・・
今日の釣果
たこ2匹 メバル1匹
教訓
「風が強い日は筏に乗るな」