10月下旬某日     罰ゲーム

中野会長と同行。
この日の天気予報はね、雨も降って結構荒れるとの予報だったんですよ。
まぁ、それでも降水確率30%程度なんで、まぁ、大丈夫かなと。
いや、釣行前から、前兆はあったんですよね。
家の近くの山が、朝起きたら風でざわざわしとるわけです。
あー、風つえーなー。ちょっと筏には、あがれねーかもしれねーなー。
会長に電話。  私「風強いけど、どうする?」
          会長「行くしかないでしょ!この日を楽しみにしてたんだから。」
サラリーマンは平日仕事であるからして、釣りには休日しかいけない。

その休日も、結婚してからというもの、なんやらかんやらで、釣りに行けない
ことが結構ある。
せっかく釣りに行けるんだし、少々のことは気にすんな。

ってことで、釣行決定である。
一番船の5時半目指して、ぐんぐん進む。
道中も、道端の旗がパタパタなったりして、「今日は風が強いよ〜」と、
しきりにアピールしている。無視してぐんぐん進む。

野波瀬筏到着。風どころか、雨も降り始めている。
しかも寒い。
無視して手続きするも、「今日は、シケ模様なので、ちょっと待って考えた方がいいよ。
それでも出たいっていうなら船を出すけど・・・」といわれる。
会長と二人、車内にて待機。

私「あと1時間して収まらんかったら帰ろっか。」
会長「いや、行くしかないでしょ!」
私「はい?」
会長「馬鹿になれ!」
私「えっ?!」
会長「馬鹿になれ!」
私「いや、でも・・・」
会長「馬鹿になれ!」
私「はいっ!」

出港である。
気がつけば、6時半の船に同乗者数名。
皆さん、この悪天候のもと、釣りが大好きである。

しかし、波が半端じゃない。
船が、ぼよよんぼよよんなっている。
6時45分、団体筏上陸。 幸いなことに、雨はあがった。
天気予報では降水確率30%だし、なんとか釣りになるでしょ。
寄せるために、団子をどかどか放り込む。
1時間くらい釣りをしたあたりで、ふと気づく。

波がこう、トップとアンダーがあるじゃない?高いとこと低いとこ。
その、一番低い所では・・・、なんつーか、岸が見えないのよね。
あまりに波が高すぎて。
気付かないふりをしてましたが、さすがにちょっとこれはやばくない?
つーか、筏が、右に左に後ろに前に、ひねりが入ってるんですが。

ひねりというか、うねり?  とにかく、ぐいんぐいんなってる。
しかも雨まで降り始め、かなり寒い。

会長に相談。
私「やばくないっすか?」
会長「大丈夫っしょ。」
私「大丈夫じゃないっしょ。」
会長「限界までやろうや」

さらに1時間経過。
雨はやまない。むしろ強くなってるんじゃない?
私「会長、さっきから私、寒くて手の震えが止まらないんですが。」
会長「気のせいっちゃ。すぐ収まるけー。」
私「そっか、気のせいか。それならいいけど。」

さらに1時間経過。
もう、釣りどころではない。
震えは手だけにとどまらず、全身に達している。とにかく寒い。
強くなった雨と風と寒さをよけるため、いつの間にか二人してトイレの影で身を寄せ、
暖めあっている。

普段は温厚な私も、ついに腹が立ってくる。天気に対して。

私「なんでこんな天気なん。たまの休みで釣りを楽しみにしてたのに、
 なんなんこの天気は!!!  
 なんで、金払ってこんな辛い思いをせんにゃならんのか!!!」

会長
「まるで罰ゲームやね・・・」

罰ゲームという言葉、ここに誕生である。

以降の釣りでも、結構強行で出かけることがある。そんなときは大体罰ゲームになる。


この後は当然釣りになるはずもなく、携帯で漁港に連絡し、船を呼ぶ。
「助け船」とは、よく言ったものである。

本日の釣果
当然ボーズ