10月某日  あたりだけは・・・

その日、私のバッカンの中には・・・・    うじがわいていた。
先週の釣行時に、大量に作ったダゴチン団子。
途中、天気の悪化に伴い、捨てるのはもったいなかったので天日干しにして乾かし、
もう一度使おうと考えたのである。

最初はふたを開けたまま干していたが、大量にハエがたかっていたため、閉めていた
のである。そして本日を迎えたわけであるが、朝一の、まだ薄暗い筏に着き、恐る恐る
懐中電灯で中身を確認してみると・・・

予想通りというか、やはり
大量にうじが沸いていた。
会長や名人に気づかれ、ひかれたら困るので、杓で全部捨ててしまおうと、杓を探し
ていた。すると・・・

会長
「この団子、全部投げてええよね?」

と、確認してくる中野会長。
その手では、しっかり、うじ入り団子をにぎにぎである。
「か、会長、その団子には大量のうじが・・・」
とは言えるはずもなく、

私「う、うん。全部投げて良い。」

続いて、永田名人も、うじ入り団子をにぎにぎ。
「あ、永田・・・ 」い、いや、見なかったことにしよう。
この事実は、封印しよう。私だけの胸のうちに。

その日は、うじ入り団子が効いてチヌがよってきたのか、朝9時、永田名人が30cmの
チヌゲット。余談であるが、永田名人は、このチヌが生涯初のチヌである。

ついで、中野会長。28cmゲット。

そして私・・・    ギューン入る穂先。
数分後の、猛烈なファイトの後上がってきたのは   なんと・・・
ヌボーンとした、60cmオーバーのボラ山ボラ男さん。
むぎゅ

その後は、入れ食いのように穂先が曲がる。
合わせるとがんがん乗ってくる。
ただ・・・  締め込みをかわしきれず、全て糸を切られる。

ハリスを1.5にしようが1.7にしようが、ことごとく取り込めない我々。
自分たちの技術のなさを呪いながら、さてこれから!の午後2時。泣く泣く納竿。

いつもは腐るほど餌を持って行き、全部撒いて帰るため、今日に限って節約をと、
餌を少ししか買っていなかった。痛恨の餌切れである。

後日、別の筏にあがっていた、野波瀬プロのYさんにその日の話を聞くと・・・
Yさん「あの日は、2時位から爆釣やったよ〜♪」とのことである。
我々が帰ってから、なんと二十数枚のチヌを上げたらしい。

我々はいつもこうである。3人とも、そんな星の元に生まれてきた人間である。