6月3日 白の戦慄!


6月3日日曜日、昨日の土曜日に引き続き、今日も仕事。
意地でも来週は振休取ってやるとか思いながら一日の仕事を終える頃、
嫁より1通のメールが入る。

「今、サーティーワンアイスクリームがチャレンジザトリプルってのをやってて、
 アイス2個の値段で3つ重ねてもらえるから、帰りに買ってきて!
 アイスの種類は、マスクメロンにホッピングシャワーにロッキーロードを
 カップでね!」


って・・・、何かの暗号ですかいな。  これは。

一応私も、サーティーワンアイスクリームなるアイス屋さんが、この世に
存在してることは知っている。
そのアイス屋さんでアイスを2個買ったら、おまけで1個付いてくるんだな?
そこまでは分かる。

確かにお得だ。
釣りに例えたらサビキのアジに、ヒラメが食いついたようなものか。


だが、何だ?そのアイスクリームの名称は。
マスクメロンはわかるにしても、ホッピングシャワーにロッキーロード?


こちとら、スカイホッピング(20年位前に流行った、バネが付いてて
庭で飛び跳ねるやつ)とか、
ロッキー・ザ・ファイナルとかなら知ってるんだけど、
私の辞書には載っていないそのホッピング何たらやら、ロッキー何がしやらを
俺に買って来いってか。

そもそもあれだ。
私は、200円も300円もするような小洒落たアイスクリームの存在を認めていない。


男は黙って「ガリガリ君!」  それで十分。


その昔、私がとってもヘビーな喫煙者だった頃、嫁は私に
「なんでわざわざ300円も出して、健康を害するタバコを好んで吸うかねぇ・・・」
と言っていたが、私に言わせたら、
「何で何百円もするような高カロリーなアイスクリームをわざわざ3段も重ねて
食べるかねぇ・・・。」って感じ。

いや、まぁ、食べさせてもらったらうまいにはうまかったんだけど。
まぁ、価値観の違いだな。


んで、一応サーティーワンアイスクリームの店の前へ到着した訳さ。


中を見ると、女子大生やら女子高生やら女子中学生やらで、大盛況さ。
それも皆、こぞって3段に重ねたアイスクリームを頬張っていて
30過ぎたひげの濃いおっさんには、場違い的な光景が広がっている。

んー、この中に混じって俺も買うのか?
と、一瞬ためらうが、このまま帰ってしまうと嫁に怒られるので、
勇気を出して入店してみる。


「カップで、マスクメロンにホッピングシャワーにロッキーロード! 」
「カップで、マスクメロンにホッピングシャワーにロッキーロード! 」



若い女性の店員に初心者と悟られぬよう、3種類のアイスの名前は
メールを見ながら何度も復唱し、完璧に覚えたつもりだったのだが、
どうも私は本番に弱い。


広い店内、男は私一人。
ずらり並んでいる客から、それらに対応している店員までが、
全て10代から20代前半と思しきヤングレディー。

30代は推定私一人。しかも男。

緊張するから、私の後ろには誰も並ぶな!との願いも虚しく、
3人の女子高生っぽい女の子が私の後ろに並ぶ。

しかも大きな声で、どのアイスを注文するかを話し合っている。
その会話に出てくるアイスクリームの名称は、私には何かの呪文のようにしか
聞こえない。
いざ私の順番が回って来た頃には、頭の中はすっかり真っ白だ。

店員「ご注文がお決まりでしたらどうぞ!」


私「え、ええっと・・・、トリプルザチャレンジのアイスクリームをカップで・・・

  種類はええっと・・・、 メロンと・・・  レモンとぶどうで・・・」


う〜ん、弱い。弱すぎるぞ! 俺。

店員「メロンとレモンとグレープですね?」

私「えっ? あぁ、  はい・・・。」


とりあえずパニックになりながらも、黄色と紫の色したアイスが目に入ったので、
適当に頼んでみたら、レモンとぶどう、当たった!
当初の目的とは少し違う種類を購入してしまったが、なんとか買えた。

店員「お持ち帰りですか? それとも店内で食べられますか?」

私「えっ? ええっと、持って帰ります。」
(こんな10代、20代のヤングレディー達に囲まれた四面楚歌状態の店内で、
30過ぎたいい感じのおっさんが、のんびり店内でアイスクリームを
楽しむだけの余裕を、残念ながら私は持ち合わせていない。)


で、お持ち帰り用に袋に詰めてもらい、代金の510円払って逃げるように退店。
あー、恥ずかしかった。


ふと昔、当時の彼女とデートしてて、コーヒー飲みたくなったから
スターバックス行こう!ってことになったまでは良かったんだが、
初めてのスタバで注文方法がわからずオロオロしているうちに、
自分の順番が回ってきてしまい、思わず前の人が言ってたように、

「トールなんたらフラペチーノ!」

とかって適当に注文してしまったら、
本当はアイスコーヒーが飲みたかったにも関わらず、
何か訳のわからないフルーツシャーベットが出てきた事を思い出した。



とりあえず、まぁ、良いじゃない。
田舎者なんだから。

変な外来語とか、使わなくたって良いじゃない。
メロンとレモンとぶどうで良いんだよ。

アイスなんて、ガリガリ君で十分。
コーヒーなんて、自販機で買えば良いんだから。


気取らなくたって良い。
飾らなくたって良い。

所詮は田舎者なんだから、田舎者として堂々と胸を張れば良い。


田舎はね、都会では絶対に出来ないことが、色々とできるんだから。


例えばね、ほんとは今日行く予定だった釣りで撒こうと思ってた先週の撒き餌の
残りに、大量のウジが沸いてたからって、都会じゃその辺に撒けないでしょ?

これが田舎なら、畑に行って撒けば良いんだから。
畑では汚い撒き餌も、立派なこやしになるんだから。

いやぁ、良かった良かった。田舎で良かった。
田舎さいこー!



久々に登場、
凍りつくようなの白の戦慄!
食事中の方はごめんなさいっ!