釣りに対するコンセプト!

釣りに関するコンセプトといいますか、考え方といいますか、
まぁ、適当に書きます。
正確に言えば、この考え方は、私の個人的な考えかもしれませんが。

基本的にメンバー3人は皆初心者です。昨年の夏までは、チヌの棚がどこかすら
知らずに竿を出していたわけでございます。

適当に水深を測り、底から1メートル位のところに針を結んで釣っていました。

当然釣れませんでした。

とりあえず本を読んだりテレビの釣り番組を見たりして徐々にそれらしく
なってきたのがようやくつい最近。

中でも私は、元々興味を持ったものに対する探究心は、誰にも負けないと
自負しておりまして、興味をもった事に対しては、誰にも負けたくないわけです。


私は釣り場では色んな人に挨拶を交わします。

私の長所というか短所というか、自分には特にプライドがありません。

自分が興味を持ったことに対しては、色んな人と話をし、
良いところは盗み、とことん追求したいわけです。

色んなことを吸収し、誰よりも釣りがうまくなりたいわけですな。

釣り場では日々、いろんな人と挨拶を交わし、有益な情報を得ようと目論んでます。

「おはようございます。釣れてますか?」と聞くと、人にはそれぞれであるわけで、
ムッとされて目も合わせず、ボソッと  「駄目」  とか、
中には会話すら交わしてくれない人もいますが。
まぁ、特に釣れてないときなんかは、仕方ないですわな。

特にめげずに、今日も挨拶を交わします。営業と同じです。

まぁ、釣り場でおかしな若造が声をかけてきても、適当にあしらってください。
できれば有益な情報をわけてください ^^;


とまぁ、前置きが長くなりました。ここからが本題です。

以前、とある釣り場にハマって、毎週のように通っていました。
で、そこで挨拶がきっかけで、かなり親しくなった年配の方がいらっしゃいます。
何十年もその釣り場で釣りをされておられる、まさに名人。
ただ、ちょっと口が悪いんですが。

毎週のようにその釣り場に出かけ、毎週のように挨拶をしていたら、
ある時向こうから話しかけていただきました。


毎週のように来る、下手くそな若造が、下手くそなりにいろいろともがいている。
見るに見かねてといったところでしょうか。

「兄ちゃんはきちんと挨拶をするから教えちゃるが、その釣り方じゃ釣れん」とか
言いながら、色々と教えてもらいました。

その方と知り合えた関係で、他の常連の方とも話ができるようになり
色々と勉強させていただくことができました。
(実際はあんまりうまくなっていないですが^^;)


その方から見れば、私は孫くらい年が離れているのではないでしょうか。

「兄ちゃんのバカタレー!兄ちゃんがバラすからチヌが散ったじゃろうが〜!」とか、

「ま〜た、そね〜な、高い撒き餌ばっかり買うてから。
わしらのために、よう撒き餌を効かせちょってくれーな!」とか、
そういった罵声が思いっきり飛んできます。

まぁ、悪意はないし、何回か聞くうちに慣れるんですが、初めて聞くと、躊躇します ^^;

いつも大きな声で罵声をあげながら釣りをしている名人が、ある時、孫の年ほど
年齢差のある私に、ぼそっとこう言われました。
孫の年くらい離れているから、逆に心を開いてくれたのかもしれません。

「ここに来たら、誰かおるけど、みんなの素性は知らん。
女房は死んで、子供も東京に出たっきり戻って来ん。
家じゃ一人じゃけど、ここに来たら誰かおる。
じゃからわしはここが好きなんじゃ・・・。」と。


この方にとっては、ここが楽しみな場所。

素性は知らなくても、気の合う仲間とバカを言いながら、一日楽しく過ごせる場所。

自分にとって、一番居心地良い場所がちゃんとあるというか。


なんかいいなと思いました。


ふと想像してみる。
何十年か後に、とある波止で名人って呼ばれながらチヌを釣っている自分の姿を。

そんな歳のとり方をしてみたい。


                                          平成18年5月8日