第13話 手紙について PART2
手紙についてふと思うことPART2なのであるが、最近、携帯電話の普及により、
自分で書いてポストに投函する手紙、もしくは放課後の玄関で、思いを寄せている
先輩の下駄箱にこっそり入れるラブレターの数は、激減しているのではないか。
当時、携帯メールがあれば、我々のスクールライフは、大きく変わっていたに
違いない。推測だが、今の中高生はきっと、気軽に携帯メールアドレスを交換
してたりすると思う。
密かに思いを寄せている渦中のあの子のメールアドレス、本当は聞きたくて
仕方ないんだが、
「しょうがねぇなぁ。ついでにお前のアドレスも聞いといてやるよ。」
とか言って、渋々聞いているふりをしているはずだ。
んで、放課後にチャリンコで帰宅中に、
「やっほーい、よっしゃー!、よっしゃー!、よっしゃー!」
ってガッツポーズしているに違いないんだ。 ちょっとだけ憧れる・・・
でも逆に、きっと最近の若い子達は体験したことがないはず。
思いを寄せるあの子の家の電話番号をコツコツと分厚い電話帳で調べ、
勇気を振り絞ってダイヤルしたまではいいが、
「はい。」 と電話に出たのは、ど太い声のお父さんで、
「あっ、すいません、間違えました!」 と、
想定外の出来事に慌てて受話器を置いてみる。
気を取り直して1時間後に再度ダイヤルするが、出てきたのはやっぱりお父さんで、
今度は無言で受話器を置いてみたり。
更には、放課後のたまり場となっている友人宅で、
暇だからとみんなでジャンケンをし、負けた者が英語の得意な女の子に電話をして、
さっき習ったばかりの片言の英語で、
「ハロー! マイ ネーム イズ マイクデービス。 ファインサンキュー! バイバイ!」
とか、意味不明ないたずら電話をしてみたり。
もう時効かなとも思うけど、一応誤っときます。
「あ〜い、とぅいまて〜ん!」
そんなアナログチックな思い出を作ることができない今のご時世、
時代の変化といえばそれまでだろうが、ちょっとだけ寂しいかなと。
とりあえずまぁ古い考えを捨てきれず、新しい時代について行けなくなりつつある、
アナログ人間の負け惜しみであるのだが。
2007.01.13