第3話 バイクから火柱!
中野会長、19歳の時の話である。
当時、彼はヤンキーに憧れていた。
ビーバップハイスクールや、ろくでなしブルースが
全盛の頃である。
そこで会長もヤンキーに憧れ、高校を卒業後に晴れてデビューしたわけである。
遅咲きの予備校デビューである。
当時、我々は電車に乗って予備校に通うふりをしつつ、
毎日パチンコ屋に入り浸るという、ホットな予備校ライフをエンジョイしていた。
その日、会長は・・・ パチンコで全財産を失った。
とはいえ、予備校生の全財産などたかがしれているのだが。
駅から家に帰る途中に、自慢のNS1にガソリンを入れる予定であったのだが、
金がない。ガソリンメーターはすでにエンプティーを指している。
会長「ん~、どうしたものか。ガソリンあるかな~?」
タンクを除き、ガソリンの残量を確認する会長。
タンクの中は暗くてよく見えない。
持っていた百円ライターで、タンクの中身を確認する、中野会長19歳。
当然であるが、タンク内のガソリンに炎が引火。
勢い良く、タンクから火柱を吹き上げる、会長お気に入りのNS1。
タンクは熱で赤くなり、爆発寸前といった感じである。
一瞬ひるんだようであるが、とっさに、
「このままでは爆発して新聞に載ってしまう。」と捨て身でキャップを閉めに走る。
なんとか、間一髪でキャップをしめて、大惨事は免れることが出来たようである。
のちに彼は、その一瞬のキャップを閉めようという判断と、
その動作の機敏さを
「俺だから間に合った。他の人ではそうはいくまい」と自慢していたが、
おっしゃる通りである。
普通の人は、ライターでガソリンタンクなど、のぞこうと思わないから・・・
残念!
2006.05.08