2次の相加・相乗平均の不等式の証明

$a\geqq{}0$, $b\geqq{}0$ のとき \[ \dfrac{a+b}{2}\geqq{}\sqrt{ab} \] が成り立つ。
左辺を $a$ と $b$ の相加(算術)平均、右辺を $a$ と $b$ の相乗(幾何)平均という。
少し古い言い方をすると「相加平均は相乗平均より小ならず」ということである。
【証明】
$A=\sqrt{a}$, $B=\sqrt{b}$ とすると $a=A^{2}$, $b=B^{2}$, $\sqrt{ab}=AB$ から、証明すべき式は \[ \dfrac{A^{2}+B^{2}}{2}\geqq{}AB \] である。 \[ \begin{align*}{}% \text{(左辺)}-\text{(右辺)}&=\dfrac{1}{2}\left(A^{2}+B^{2}-2AB\right)\\ &=\dfrac{1}{2}{\left(A-B\right)}^{2}\\ &\geqq{}0 \end{align*} \] したがって $\text{(左辺)}\geqq{}\text{(右辺)}$ が成り立つ。
ただし等号が成立するのは \[ A-B=0 \] すなわち $A=B$ のときに限る。