書・淡墨の世界へようこそ……展覧会への道


          
展覧会審査員への遠い道のり

〈〈〈〈〈  芸術としての書  〉〉〉〉〉

  書は、一般に「書写」と「創作の書・芸術の書」に分かれる。
  書写は学校授業で行われている毛筆の授業である
  社会一般の認識としては、書道と言えば「お稽古ごと」「手習い」と解している向きが多いよう
である。従い、大学の芸術科と言えば、絵画、工芸と決まっている。わざわざ「芸術としての書」
と書かなければならない理由はここにある。
  学校の授業も高校レベルになると、「芸術としての書」にかなり近くなる。事実、県書道展は
義務教育終了から出品出来、現に入賞している実績がある。しかし、現在、「書道」は「お稽古
ごと」「手習い」と解して学校教育において軽視され、芸術科は、増えているのに群馬において
高校の「書道科の教諭」の募集は無いという。†
  「手習い」と解され、〈芸術としてのもの〉とは見ないゆえの、衰退の一因である。
  戦後の教育は、追いつけ追い越せ、理数系重視の教育であった。従い、理数系(工学部、
理学部等)の大学等へ進むのが常識だった時代であった。昭和48年夏の石油ショックまで、大
学では理数系が中心であった事は事実である。とすれば一般の受験に関係のない「書道」
〈「手習い」と解している書道〉など隅に追いやられるのは必然である。
  高度成長が終わってみればその歪み、公害問題などがクローズアップされその上、理数系
はお金にならない(給与が安い)、大学での授業がきついなどとで理数系離れが加速され現在
の理数系の危機説がある。
  時は現代になって、いわゆる学業の他に〈芸術というもの〉を身につけるとのことが流行って
来ている。しかし、「書」は芸術ではないという間違った一部の認識があるためなのであろうか
なかなか難しい状況である。芸術高校と名乗っていても書道は無いのか゛一般的であるから。

参考資料
       † 平成13年6月6日読売新聞・群馬版・書道教育35年間の記録
                        「創」  出版記事  真下京子  「あさを社」刊

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  さて、「書」と言っても「漢字(大字、小字数を含む)」「かな」「現代詩文書」「篆刻」「刻字」「前
衛書」と大まかに見ても6部門もある。

…各展覧会の部門を見てみる…

  《毎日書道展》
   漢字部T類  漢字部U類V  か なTU     近代詩文書部   大字書部
   篆刻部     刻字部     前衛書部 (57回展より変更になった詳細後日)

  《書道芸術院展》
   漢字部、  かな部、  現代詩文書部、   篆刻、刻字部、  前衛書部  
                                                 の5部門
  《群馬県書道展》
   T部  漢字   U部   か な   V部  墨像(前衛書) 
   W部 近代詩文書・小字数        X部  篆刻(委嘱出品)
                                                 の5部門
  《前橋市民展・書道部門》
   T部 漢字部、  U部   か な  V部  新傾向(前衛書、近代詩文書・小字数)

  しかし、このような総合6部門の書展は少なく、伝統書中心の総合展となっている「日展」「読
売書法展」などは、当然前衛書部が存在しない。
  書団体全体から見ても総合展というのは少なく「漢字」又は、「かな」だけと言う書展・書団体
が多い。
  伝統書では、「日展」「毎日書道展」を頂点として、その他「読売書法展」など数限りなくある。
 ところが「前衛書」に見てみれば、頂点は、「毎日書道展」しかない。【書道界の歴史・参照】 
 これも作品を作る上で何か気になることではある。

…展覧会審査員への遠い道のり…

〜〜〜〜〜今から公募で出品して何年かかる?〜〜〜〜〜
                                        
【毎日書道展】〈第53回出品点数 総数32,590点・国内最大規模〉

 名誉顧問… …理事長… …理事… … 総務… … …

○審査会員・評議員
○審査会員・運営委員

審査会員……【毎日書道展会員賞(グランプリ)を取ると翌年より審査員資格】
会員…………【公募、会友で出品し受賞点数が5点以上になった場合昇格。 
                     毎日賞2点、秀作賞1点、佳作賞0.5】……57回展より
○会友…………【公募入選10回以上・無鑑査】
○公募…………【出品料14000円−入選率50%】

【書道芸術院】

○審査会員    ◇名誉会長〜    ◇常任理事  ◇理事

審査会員………【書道芸術院大賞・準大賞(グランプリ)を取ると翌年より審査員資格】
            【白雪紅梅賞を2回受賞。秋期展大作賞その他特別選考で昇格】
審査会員候補…【無鑑査出品受賞点数が3点以上になった場合昇格。
  〔会員〕                              特選1点、秀作賞0.5点
○無鑑査…………【公募出品受賞点数が1点以上になった場合昇格。
  〔準会員〕                    準特選1点、佳作0.5点、褒状0.25点

○公募、

【群馬県書道展】

○展覧会委員会委員(審査会員)…【委嘱大賞(グランプリ)受賞後2年で審査会員昇格】
○委嘱作家(準会員・無鑑査)…… 【公募出品特別賞を含み受賞点数が15点以上になった 
                       場合昇格。‥‥‥‥‥特別賞3点、秀作1点
○公募……………【落選率23%】
            【第51回総出品点数 2,514点 公募入選1,463点】

∽∽∽例え 市民展でもこの通り∽∽∽

【前橋市民展・書道部門】

○展覧会委員会委員(審査会員)…【無鑑査賞(グランプリ)受賞後3年で審査会員昇格】
                      【特別選考1・県書道展審査員・中央書道展審査員】
                      【特別選考2・無鑑査出品10回以上かつ中央展無鑑査・ 
                        会員出品者の中から推薦と作品審査により昇格】

○無鑑査………………【公募出品特別賞を含み受賞点数が8点以上になった場合昇格。
                                ‥‥‥‥‥特別賞2点、奨励賞1点

○公募……………【第35回出品点数 公募539点、総点数802点】
            【特別賞・特選入賞率4%、奨励賞8.6%】


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