第四話「 剛剣!西海道虎鉄 」
森羅万象。あらゆる存在は皆、陰陽五行に縛られている。陰陽五行の技を操る者は陰陽師と呼ばれたが、それとは異なる技術を会得した存在が別にあった。式神と契約を結び戦いに赴く者達。
名を闘神士という―――
濃い霧に覆われた海上に動く影が見え隠れしている。見極めようとしても早すぎて捕らえる事が出来ない。
「イソロク!」
と真面目そうな男子が声をかけると影が止まった。式神だ。でっかいカブトムシの親方のような式神。
「オトチカ!」
向こうで声がした。小生意気そうな男の子が一見、猿に見える式神をそう呼ぶ。小さくてすばしっこいオトチカがイソロクを振り回しているようでイソロクの旗色が悪い。追い詰められたイソロクは一気に気合で力を解放し光を振り撒いた―――
休憩を取っていたリク達だったが、マサオミはお近づきの印しにと、リクにドライブホルダーと流派章を手渡す。
・・・その手が!!その服の捲り方が!!やらしいんだよ!だからOKだ!
「ここからバスで小一時間行った所に妙霊山っていう山がある。その山の中腹に西海道虎鉄の印がある。」
と情報も提供する。
・・・大サービスだv
リク以外が思いっきり不信がる様子を見せるがマサオミはリクの信頼さえ得られれば関係ないようだ。
リクもリクで、コゲンタがマサオミへの不満を顕わにしても、
「マサオミさんは良い人だよ?」(名言)
・・・人を疑う事を知らない純粋培養なのでしょうか・・・?それともソウタロウ同様、賄賂に弱いタイプ?いや、ただ単に馬鹿なのかも・・・
リクはマサオミに教えられた場所へ疑いもせずに向かう。が、途中、行き倒れの人物と遭遇した。それは先ほど式神イソロクを連れていた闘神士テルだった。
「天流と地流。どうして戦わなきゃいけないんだろう。」
・・・普段ボ〜ッとして人の言う事を聞いていないようなリクだけど。誰もが当たり前の事だと思い込み、疑問にも思わない事に気付き、訳を知りたがる、その視点の回転は素晴らしい。
印を一つしか知らないリクだが必死に二人の闘神士と戦う。しかし場自体が三人の気に反応したのか伏魔殿の鬼門が開きコゲンタに不利な木属性のフィールドになってしまう。今まででも不利な状況の上、更に追い込まれるリクとコゲンタにテルが助っ人に現れてくれた。
・・・情けは人の為ならず。恩は売っておくものである。
その僅かな隙に印を探すリク。止めを刺そうとゴロウザが「秘伝黒旋風」をコゲンタに放つ!!リクは見つけた印をコゲンタに切る!!
「震・離・兌!!」
・・・間に合え〜!!
気力を込めた印をリクが放った瞬間、障子が交差し飛び交う。開け放たれた障子の向こうから堂々と姿を現す一本の剣!!
「西海道虎鉄、参上!!」
来た来た来た来た来た〜!!と虎鉄を手にし大喜びのコゲンタに勝てる相手はいない。
・・・鬼に金棒。コゲンタに虎鉄。
切られる印。弾け飛ぶ二つの影。コゲンタもイソロクもどうにか勝利した。
・・・熊、猫に負ける。猿、虫に負ける。下克上・・・
戦いが終わってコゲンタの手にしっかりと握られている剣を眺めたリクは、
「それが西海道虎鉄?」
「あぁ。」
「良かったね。相棒見つかって。」
「ば〜か。虎鉄はただの刀だ。俺の相棒はお前だろ!」
「・・・相棒・・・」
コゲンタの言葉に返事をする事は出来なかったけれど言葉がくすぐったくて照れるリクだった。
・・・迷いのない気持ちを真っ直ぐに伝えられた想いがリクの中に又一つ落ちた。
つづく