第一話 みちかの九月の転校

<じこしょうかい>

河合みちかです。
夏休みの終わりごろに転校してきたの。
都内の私立に通っています。
私立から私立の転校は、受験よりは簡単だったけど、秋に編入できる学校は意外と少なくて、同じくらいの偏差値の学校がちゃんとあってよかったな。
でも、ちゃんと一学期がんばってたおかげもあるよね。
先生も、遊んじゃうコは遊んじゃって半年もあれば成績を落とすのは簡単だって笑ってた。
わたしは夏休みを少しだけ削って編入試験に備えたくらい。

<家族の紹介>
わたしにはお兄ちゃんがいます。
お兄ちゃんは大学生なので向こうに残って一人暮らしを始めました。
かえって喜んでたみたい(笑)
あ、でもお父さんも喜んでた、東京とか関東は家賃が高いから一人分部屋が少なくていいのはラッキーだって。こっちでは会社が全額出せないんだって。
んー、うちの負担が増えるんだから、どこがラッキーなんだろね?
大体ここ東京から結構離れてるじゃん!
お家はキレイ目のタワーマンション。
前のマンションも好きだったけどなー、一度こういうとこに住んじゃったら将来ランク落とせなくて困るんじゃないかな、なんて思います。
だって、エレベータに長く乗るのが最初は怖かったけど、慣れたら部屋からの景色はすごくカッコよくて気持ちいいんだもの。
まぁ窓を開けても空気がキレイじゃないのと、海が見えても全部四角く切り取られてて「何だかなぁ」って思うけれどね。都会なんだからって良いほうに我慢できるよ。
大きな客船とビルの夜景は本当にキレイ。今度お父さんにデジカメを買ってもらおうって思ってるの。いっそ写真部とかに入ってもいいかも。あればだけど。

<日記その1>
つらいのはね、朝の電車。
時々息ができなくなるくらいぎゅうぎゅうに込んでるの。
そりゃぁ前も込んでたけどこれ程じゃなかったし、学校行く時間帯は周りみんな生徒だったから気にしたことなかった。
でも、こっちだとみんな大人ばっかりでなんかコワイ。誰かと知り合いになれればいいのかも知れないけど、大人の友達ってピンと来ないな。
(一応わたし友達作るのは割りと得意)
痴漢もすごいって聞いてるけど、そっちのほうはまだ大丈夫。
あーあと何年こっちにいるのかなぁ?

つづく
(不定期連載)

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