■おまけ■













寄りかかる劉備の体温と、くすぐるような吐息に誘惑されてしまった。
こんな自分が情けないと思う反面、募る激情を押えられなかったのだと弁解してしまう。
すでに着物は脱ぎ散らかされ、お互いに生まれたままの姿となっている。

自分の身体の下で息を荒くし、迫り来る悦楽に耐えている劉備。
汗をした垂らせ薄紅色に染まった裸体は、曹操の雄を刺激し続けていた。
こんな表情を見てしまっては、後戻りできなくなるな。
そんな危険をいつも感じてはいたが、曹操は冒険をやめることをしなかった。
いや、
できなかったのだ。

「っあぁ……、やっあぁ…………んふっ」

熱っぽい声が漏れ、劉備の限界を知らせる。
曹操に貫かれたままの劉備。
先ほどまで強い抽出を繰り返していた曹操のものは、先ほどから動きを止めたままだ。
焦らしたまま、曹操は劉備の言葉を待つ。それが、さらに劉備を悦楽に落とすと知っているから。


「もっ……もう、許して……ああぁ……」


劉備のせっぱ詰まった声が響く。
曹操は待ってましたとばかりにほくそ笑んだ。


「玄徳。では、どうすればいいんだ?」


意地悪く質問を投げかけて、すこしだけ劉備の肉壁を擦る。

「ああぁ……はっ……ふっ……ん」

吐き出されるのはあえぎだけで、なかなか肝心の言葉が紡がれない。
しかし、曹操はいらつくことはしないのだ。
ゆっくりと身を引き、再度、尋ねる。


「おい、玄徳。どうしたいんだ?」

「ひっ……ぁぁ、イかせ…て……くださ……いぃ……」

「よく言えたな。……じゃ、ご褒美だ」

満足のいく答えが返ってきたところで、抜きかけていた己を深く突き刺す。
急激に増した快感に、弓のように劉備が身をしならせた。
曹操は、間髪入れずに行為の激しさを強める。
逃げようと上にあがっていく裸体を掴み、有無を言わせず悦楽を注ぎ込む。

「やっ……あっ……あぁダメ……いやっ……あはっ」

「なにを……言うか。おまえが、望んだんだ……ろっ」

「そっ、そんなっ……はっ……やっ、あん…あっ…やっ…あああぁぁぁ」

ついに、劉備の身体が小さく痙攣した。
それと同時に、彼の入口がこれでもかと曹操を締め付ける。

「くっ……」

その強さに恐怖を覚えつつ、曹操は己の激情を劉備の中に放った。












執筆>野沢はるみ様