奥嶽川滞迫峡

 滞迫峡は大分県緒方町から清川村に流れる奥嶽川の上中流域にある。ここは高千穂町の高千穂峡とよく似ており、そこには上流から権現淵、鉈取り淵、水王院、犬返り、中島淵、重太郎淵、カワセミ公園などがあり、ボートによる川下り、ラフティングによい条件となっている。

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奥嶽川・滞迫峡

権現淵から犬返りまで
滞迫画像

a:亀淵→権現淵
花崗岩質で岩の狭い所あり
権現淵は橋の下を通る。

b:鉈取り淵
柱状節理

c:巨石三個
大きさ10mから30mに及ぶ

d:田下淵(とした)
前半の見所

e:水法院(すいごういん)
緒方三郎が座った所

f:犬返り
犬返り橋がある。



犬返りから妙見まで
滞迫画像

g:
滞迫峡を代表する風景。

h:甌穴群
つづいて両サイド自然林に囲まれた中甌穴群がある。

k:中島淵
滞迫峡屈指の見所。奥嶽川の一番狭いところで、烏帽子、白石、橋がある。

l:漆淵
岩に生えた松あり、高さ80mは最高

m:重太郎淵
滝がある。

n:妙見、カワセミ公園
ボートハイキングの終着点この後も見所あり


 滞迫峡は今から20万年前、阿蘇山が大規模噴火を起こして火砕流が祖母・傾山系の谷を厚さ50mから100mもの噴出物で覆いつくした。その後の水流がそれを削り、高さ10mから100mもの岸壁を廻らして見事な柱状節裡を形成した。地元ではこの様な地形を「田下」(とした)と言い、かつては奥嶽川を田下川と呼んでいた。滞迫峡はこの川の上畑(うわはた)から清川村の右左知(そうち)地区までの11kmのことを言う。川は名前から感じられる程厳しくなく瀬はあるものの滝はない。またこの川は豊後の豪族「緒方三郎」にまつわる伝説も数多く言伝えられている。この奥嶽川の入渓地点はいくつもあり、権現橋、犬返り橋、妙見橋から入渓できる。毎年、滞迫峡ボートハイキングングといってミニツーリングが行われている。



■ボートによるラフティング

 夏場の楽しみとして川をボートで下ってみてはどうか。祖母・傾山系の中心を流れる奥嶽川。祖母山を源に発するこの川は緒方町から清川村へと流れており、大野川で一番美しい川です。随所に見所を有して、その白眉となすのが滞迫峡です。
 川を旅することではカヌーツーリングが盛んになっていますがカヌーの場合、水量が豊富なこと、訓練が必要なことや道具だてが大袈裟なことから一般向きではありません。そこでカヌーの代わりにボートでおこないます。ボートで行うことを最近“ラフテング”といい、急速に人気が出できたアウトドアスポーツですがこれも水量が豊富な川という条件がつきます。そうすると大野川の中流から下流でしか下れなくなります。川の見所は上流に豊富にありますのでラフトより小さく小回りのきくビニールボートをここでは使います。だからスモールラフテングと考えてもさしつかえありませんが探検的要素も高く、歩いたりする場合も多い。ボートは川を下行する手段で、ボートを利用した川ハイキングと考えた方がよいのでボートハイキングと呼ぶことにします。カヌーやラフトで通過できない瀬もビニールなら楽々通過できるし小さくかさばらないので持ってもたいしたことはない。行動範囲の広さが魅力一杯のボートハイクです。

用意するもの

○ボート
ボートは変形しやすく軽いものがよい。ホームセンターなどで売られている二人乗り用のツーマンビニールボートが良い。ゴム製は重くてかさばるため不適である。
○パドル 長さ4mの棒
○ライフジャケット 釣具屋
○ヘルメット 沢登り用
○地下足袋

乗る訓練について

 いくら気軽だといっても最低限の訓練は必要。特にボートの乗り降りの訓練は十分にして下さい。乗った時の姿勢は正座が一番いい。というのはすばやい行動を取るには正座がよく、急流での操作に十分馴れること。ボートを手足のごとく自由に使いこなせることが安全走行のポイントです。

準備と下行

 川の情報をできるだけ詳細に知ることです。ポイントは滝があるか、落差のある瀬があるか、離岸地点はどこかで予め二万五千にしるすこと。
[1]川は瀬と淵から構成されています。ラフテングやカヌーとの違いは瀬は原則として歩いて通過します。そのため面白みを欠くかも知れませんが最初はそうして下さい。技術が向上すれば急流も下れると思います。
[2]淵の途中でも降りてから下流を確認する。
 下流には滝や落差のある瀬があるかもしれません。慎重に下行します。場合によっては懸垂下降する必要がある時はザイルが必要なことは言うまでもありません。

第一日目 権現淵→犬返り橋4.5km 5時間

〜自然の彫刻の見事さに圧倒され、神秘的風景が随所に展開する。〜
 入渓地点は傾山へ九折登山口の途中の橋から川に入る。まず権現淵が真正面に見える。ここがスタート地点。権現淵は高さ10mの廊下をなして上には今通ったばかりの橋が掛けられて暗い。しかしボートに乗ると意外とあっけないと感じるであろう。権現淵を過ぎるとゴーロの河原へ、幅100mもあろうか、夏は熱く辛抱して300m歩くと、ゆったりとした流れに添ってボートを漕ぐ。左の壁が美しい柱状節裡となって川幅が狭くなる。ゴーロの谷となるが水際の楓や自然林の風景が目を引く。屶取り渕(なたどり)へ、右より九折川が合流している。川幅が広く、石ころのが点在する風景の中をボートを漕いだり歩いたりしすると高さ10m程の巨大な石が3個並んで立っているのを見る。次は長いゴーロを歩き、淵を過ぎると今度はまっぷたつに割れた“宇宙創生の卵”と呼ばれる巨石に達する。振返るとこの卵と岩峰が見事な配置を見せている。そこを過ぎるとまたゴーロだが自然林の中から目もさめるような鮮緑色のエメラルド石を発見するだろう。ここは巨木の根が芸術的な曲線を描き出す見所もたくさんある。やがてこの川の前半のクライマックス、田下淵にさしかかる。川幅もぐっと狭くなり、近づくとぐちゃぐちゃとなった壁には木がへばり付いて、短い淵だが高さ50mの壁が迫る。次の淵は左から大きくハングして壁が落ちてきそうで圧迫感十分である。さらに5mくらいの奥行きもある大穴も見出だす。ここを過ぎると“自然彫刻の園”トポロジー岩に達する。岩が柱を残すように削れてその柱にも別の穴があり、みごとな造形という他はない。トンネル岩など、ここにはそうした岩がたくさんある。川幅も狭くゴーロの谷を漕いだり、歩いたりすると緒方三郎が裸のまま座ったと言われる岩のある「水法院」(すいごういん)に達する。すぐ左に発電所が見えて一日が終了する。

第二日目 犬返り橋→杓子岩6km 7時間

〜二日目は滞迫峡の白眉とも言える奥嶽橋の下の淵と中島淵を辿るコースで緒方町の絶景の一つである。まずはじっくり堪能して欲しい。〜
 奥嶽橋の下の淵は滞迫に行く途中で長さ200mにわたって岸壁をなしており、トメさんにまつわる悲恋物語がある。犬返り橋より入渓、橋の直下は渦を巻いており、右の岸へ移る。右は高さ50m左は10mの廊下で、ボートは流れにまかせてゆっくり流れる。右に曲り切ると、突然、壮大な岸壁が目前に現れる。奥嶽橋の下の淵は滞迫峡の代表する景観で、緒方町の見所の一つである。そばに寄ると高さ80mにも達する柱状節裡が圧倒する。  奥嶽橋の下の淵の瀬はわずかで次の淵で右に渡り、岩岸を滑らないように歩く。ここから左右の原生林が美しい眺めを提供してくれる。適当なところから左へ渡る。途中フットボール状の穴の開いた岩がある。左岸は草付きの河原で歩きにくい。しかしここから白眉とも言える中島淵、漆淵、重太郎淵が続く。急流を下ると中島淵で廊下状の淵に巨大な石が真中にある。烏帽子岩などの奇岩があり、日本庭園も思わせる景観に時間をたつのも忘れそう。中島の廊下には小原と滞迫を結ぶ橋がかけられている。橋の下が白石と呼ばれ、振返ると照葉樹の森が目に映える。次の瀬はビニールボートでは通過可能でコース選択の楽しさがある。やがて漆淵となり奥嶽橋の下の淵に投身したトメさんを追って恋人のマツさんがこの淵に飛込んだが途中の松に引掛かってしまったと言う松がある。下から眺めると岩から直接生えているように見える。ここから川は右へ大きく蛇行して急流となるが通過可能である。ここはラフト気味に下ると楽しい。つぎに現れるのが重太郎淵で右より“絹糸の滝”が水を落としている。今度は左に蛇行して瀬となる。これも通過可能だが勇気がいるので歩こう。やがて妙見橋が見えてくると河原に達する。小さい堰堤を過ぎると左より妙見神社が見え、正面には大崩壊した壁が荒々しい姿を呈している。ここから歩くと右に曲り、壁の下に暗い部分が見えてくる。近付いてみると、巨大なテラスで奥行き10mはある。中に入ると押し潰されそう。ゴーロの谷歩くと清川村に入り、水の流れが急流となって大きく右に回り再び戻っていて、壁のカーブが見事である。また小さな廊下があり、河原を歩く、ここからはU字型のナメで水流が幅広く流れて、歩くのもよし、ボートで行くもよい。そこを過ぎると大きな淵に達して杓子岩にたどり着く。杓子岩一帯は二重の石橋のアーチが連携をなしてかかっている。清川村を代表する風景だけあってそれは見事である。滞迫峡はここで終了するがこの先も見所があるが水田からの流入もあって水臭くなる。

探検部のみなさんへ  なを大学探検部のみなさんがここを下ってもらうと色々出てくるものもあり、面白いものを発見できると思います。問い合わせはメールか掲示板にて


写真
 奥嶽橋の下の淵

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