川上渓谷周辺の谷

黒金尾根登山道から尾平越えまでの領域です。この記録は古くなりましたのであしからずご了承ください。

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■川上本谷

(かわかみほん谷)中級  詳細は→遡行図 写真集

 この谷は上部にたいへんすばらしい展望がある登攀性の高い谷である。烏帽子岩からラクダ岩にかけて岩鼻巡りも面白い。沢登りの最後の詰めはガレ場、泥壁、薮分けと決まったように見受けられるがこれからはラクダ岩に登った方が、安全でかつ爽快である。今回はそのような視点で沢登りを見直してほしい。ただラクダのリッジから登ろうとすると体力的にはエボシ本谷の方がいい。

 黒金尾根登山道から最後の木橋から入渓となる。ここからすぐにナメが現れて素晴らしい景観が広がる。ここからわらじや渓流靴を装着して河原に入る。水が徐々に足袋の中に浸透すると冷水が全身に伝わって仕事のうさを一瞬にして忘れさせてくれる。ウォータスライダに持ってこいの場所だ。巨石の右を通りトユ滝を過ぎると岩の造形の妙と言えるような美しい斜滝や釜を持つ滝が現れ、一般登山道では決して味わえない風景に魅入るだろう。

左の少し長い樹林帯を巻くと美しいナメや釜が連続するみごとなところ。キレンゲショウマなどの祖母傾特有の花も見られる。やがて黒金谷と別れてゴーロの谷はいくつものインゼルを抱え、途中のでけ山谷も見過ごしてしまいそう。いくつもの岩積みの滝を乗りこして正面の左手に岸壁が見えると段状のナメが現れる。こちらは花崗岩とは違う趣がある。再びゴーロになるが適当に変化して飽かない。すると谷は急に狭ばまった廊下が現れる。高さ5m程で、痩尾谷が20mの滝となってに注ぎ落ちている。詰めは7mの滝となって廊下の右を巻く。

それを過ぎると高さのある石積みの滝が現れる。高さのため上部の滝は見えないが右よりエボシ谷が15mの滝となって落ちている。登りやすい所を選んで登り、上部の10mの滝に出ると直登したいようだが左の小滝をシャワークライムする。大規模な石積滝を乗越すと幾分傾斜が緩くなるとスリウス谷と出会う。本流よりも水域が小さいにもかかわらず水量が多い。うっかりするとまちがってしまいそうだ。本流はいくぶん覆流ぎみになる。

しばらくゴーロの谷を行くと左に川上CS滝が現れる。エボシ本谷から別れて左のCS滝は左はツルツルなため右を大きく高巻くが10mほどの懸垂下降がある。懸垂で降りると次の滝は右を登り、石を抱くようにして左へトラバースでバランスを要する。最後は相手のショルダーで乗り越すとハーケンの残置がある。

次は段状の14mのみごとな滝は右の草つきを登った方がよいようだ。以前左を巻いてたいへん苦労した。このところは山旅人さんのページや嵐のみなさんのページを参考にしてください。その後は10mハング滝が最後。この滝の右はラクダのリッジへ導く谷。その後二俣(標高1390m)になり、貧弱な右が本流。ま違えるとしたらこの左に行ってしまう。

左俣は巨石が挟まり、傾斜もきびしくここえきてぐっとスピードが落ちて、ザイルなおす暇もない谷。

○最後の涸れCSを登るか早い段階にラクダ岩に取りつく。涸れ滝を登ればラクダ岩は簡単でカモシカを道を登れば岩壁にぶつかり、そこの右側のブッシュを登れば簡単に山頂に出られる。岩もしっかりしているので練習にももってこいである。風景は上に書いてあるとおり天狗岩にも劣らない。左に烏帽子岩の岸壁、右に第七展望岩尾根とすばらしいの一言で、二こぶ目に登るとさらにすごみを増す。烏帽子岩基部の切り立った断崖が圧巻である。

この谷には
・Jimnyさんの長崎発!Jimnyの山登りレポートにわたくしと同行した時の記録があります。 祖母山・川上本谷をご覧下さい。

および
●山旅人さんおよび嵐のみなさんが川上本谷に登りました
 ページは山旅人さんの自然派マガジン山旅人の雑記帳川上本谷遡行〜障子岳前半川上本谷遡行〜障子岳後半です。および 北九州山岳同好会『嵐』です。
・この川上本谷の14m滝についてはよく分からないところがありましたがこれを読んでようやく判明しました。また10mのハング滝の上の部分についても確認できました。詳しくはこのページの川上本谷と写真、および山旅人さんの上のリンクおよび画像掲示板をご覧下さい。情報ありがとうございました。いまではたいへん貴重な資料となりました。


■鳥帽子本谷

(えぼしほん谷) 初・中級

川上本谷と別れる。鳥帽子本谷は涸れ谷なのでここで水を補給する。次第に傾斜を増してどんどん高度を上げていく。振返ると傾山の三つ坊主がみえる。やがて二手に別れるが右は鳥帽子岩の右を通過する谷なので正面ルートと思われる左俣をとる。チョクストン滝も全くなく快調に高度を稼ぎ、いよいよ正面に鳥帽子岩が正体を現す。ガレた谷だが景観が変化する。今度は三つに別れる。判断に迷うところで、右手の谷を進むことにした。今度は鳥帽子岩が圧倒的大きさで迫る。こういうところは山手谷によくにており、あざみの花が咲誇り、そばを通るとちくちく刺されて痛い。そろそろ縦走路に出る雰囲気だがまだ標高は1400mを指しており、しばらくガレ場がつづく。しばらく登るといよいよ鈴竹が現れて藪分けとなる。しかし束の間の藪分けで縦走路に飛出す。

標高1300mから左に入り、ラクダ岩から派生する尾根を登るようなコースをたどると、次第に岩稜混じりの痩せた岩尾根を登るようになり最後はピナクルに合う。鋭く天を突き根子岳の様相は快感である。登攀すると狭いが、期待通りの岩風景はラクダ岩と烏帽子岩が突き上げている姿はすさまじいというほかない。後はらくだ岩の右か左を登る。左に取ると鞍部があり、ここはザイルを出して短い懸垂となる。次の岩鼻もよい展望で、ここを下れば川上本谷だが降りずに登れば、大きな岩のギャップがあり、そこは歩ふく前進で抜けると川上本谷となる。すぐに涸れたCSだがブッシュ帯をよじ登ればラクダ岩の基部に達する。これ以後は川上本谷の○以下に続く。

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■エボシ谷

または(えぼし小谷) 中級

 エボシ谷と烏帽子本谷とまぎらわしいので注意してください。このサイトでは混乱を避けるためしばしばエボシ小谷と言う場合があります。祖母・傾山系はむしろ枝谷の方におもしろい対象がある法則の通り、この小谷もその例である。

 川上本谷の大石積滝から左の3mの滝を登るや急峻な滝群がつづく、4、3、20mは多段滝で直登できずに背の低いバンドをほふく前進したり、木の根を探しながら進む。小滝群はシャワーでのぼり、つづて見た目では10mぐらいしか見えないが実際は20mはある直瀑等小谷とは思えぬ立派な滝がつづく。ようやく傾斜が緩むと覆流となったがこれで終わった訳ではないとすぐに小滝が次々と登場する。いずれもシャワーで登れて楽しい溯行となる。

3m二条の美滝や斜滝等、枚挙に暇がない。6mを最後に渓谷は終わる。この後は延々とスズ竹の藪分けがつづき、縦走路は険しい地形とはかわってなだらかな起伏を持つ九州の山ならではの風景となる。烏帽子小谷はスズ竹の藪分けがうるさいので天狗岩に向かえばよいと思うが未知の領域。本谷はガレ谷を淡々とのぼって行くだけだが左俣は烏帽子岩の岩峰を巡る山旅となる。本谷より沢登りらしい谷である。

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■黒金谷

(くろがねだに) 初級

 小粒ながら登りごたえのある谷で初心者にはうってつけの谷である。段上ナメは登りどころ。

 まず黒金尾根コースと別れて一路川上渓谷を遡る。直ぐに登路がとぎれているのでここは一旦下がってスラブを下の釜まで登り、釜の縁を対岸に渡ることになるがここで足を濡らすことになる。濡らしたくなければ先のスラブをトラバースするしか他はない。釜を巻いたら再び川を渡り、暫く登路を行くと黒金谷との出合いとなる。川上渓谷はナメ釜が続いてことのほか素晴らしく、ウォータスライダーに持ってこいの場所だ。

いつまでも居たい気がするが、振切って先を急ぐ。黒金谷は斜滝から始まる。倒木をくぐるとまずナメ滝が現れる。滝はこれで終わりかと思うが、さらに続いており、ある所では流れが幾筋に別れては合流し、速くなったり広がったりして、200mもナメ斜滝が連続する素晴らしい谷である。やや倒木が多いのが残念である。斜滝は宗五郎谷まで続き、その上は普通のゴーロの谷で、天狗の直下までつづくが水が涸れることはない。

 ゴーロの谷からはやや傾斜が緩くなって辺りは原生林の雰囲気たっぷりである。石積の滝もあり、最初は右を巻く。それからは変化のない谷を一時間登ることになるが途中にはくぐり岩があり、やがて谷は二手に別れ、左を40分登ると天狗の水場に達する。右の涸れ谷を20分いくとナイフリッジの岩尾根を経て登山道に出る。

川上本谷周辺の遡行図 詳細は→
川上本谷の遡行図

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古祖母山周辺の谷

 尾平越周辺は尾平断層が走っているせいか魅力的な谷が多い。特に小谷がよく、スリウス谷、でけ山谷、痩尾谷、千筋谷、アキキリ谷、三枚谷、ゆーの木谷、楓谷、栂谷がある。このこの中でアキキリ谷、三枚谷は特にすばらしい。

 

■アキキリ谷

(あききり谷) 初級アキキリ谷の図

 アキキリ谷は地元の猟師さんたちは、あしきり谷と呼んでいますが、一般的には、あききり谷の名前で親しまれていますし、昭文社の地図でも、あききり谷と記されています。 このサイトでは、この谷を、あききり谷と呼ぶことにします。この谷は有名な三枚谷の影に隠れてその存在は知られていない。地図で見ても千筋谷と三枚谷に挟まれた小谷にすぎないが内容はピカイチの存在である。初心者コースとして最高の谷である。

 入渓地はガレた谷でなにもないように思えたが石積み滝のすぐ5mの斜滝、10m、4m、7mと短い間隔で滝が現れる。これなら行けると思い、急傾斜の滝登りをつづける。それが一段落して傾斜が緩くなると「ここにもナメがある」と叫んでしまうほどの花崗岩のナメがある。150mはあろうか、最初は緩く足首まで水流が浸る。傾斜がましてフリクションで微妙なバランスを取るがすべっても全身が濡れるだけで、痛くないのでウォータスライダーで遊んで見たくなる。日が照りつけ、両サイド原生林に囲まれて自然と一体になるような気がしてくる。生きていてよかったと思う瞬間である。

 4mの滝が現れてナメ歩きは終了する。花崗岩に変わって礫岩になると谷の様相は一変。それは地質の勉強になるほど明瞭に変化して滝が連続するようになる。それ程高くなく、ホールドも豊富で登れるが一部の滝は考えながら登るとルート設定も楽しいものになる。14mの滝は登れそうだが水量が多いので左から巻く。その後も小滝がつづく。この辺から祖母傾特有の火山岩となる。連瀑帯やルンゼ状の滝もあり、浸りながら登るとやがて谷は枯れる。
 アキキリ谷の滝は一部を除いて登ることができる。ガレ場もほとんどなく、すっきりした谷で、秋よりも夏場の入門者向けの実に楽しい谷である。

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■千筋谷

(せんすじ谷) 初・中級アキキリ谷の図

 夏の楽しみは涼をもとめて頭から水をかぶるのも楽しい。千筋谷には規模の大きいナメがある。足を浸しながら登るのは爽快である。

 取り付きは川上渓谷の吊り橋の下を通った左から最初の流れ込みを登るが最初はゴーロで平凡だが突然大きな20mの滝が現れる。この滝は登れないので左の巻き道を利用する。立派な道でかなりの大高巻となるが、再び入渓すると第一番目のナメが登場する。流水がトユ状になって上に行くほど細くなって足が痛いほど。ゴーロを過ぎると第二目のナメが登場する。清水が薄膜を張って流れ下る様は喚声を上げられずにはいられない。しばらくは浸りながら登って行こう。傾斜がきつくなって斜滝状になるとさしもののナメは終了する。下山は左の人工林を下る。

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■成瀬谷

(なるせ谷) 初級成瀬谷の図

 宮崎県高千穂町側の小谷である。地図では直線的で平凡そうだが、登ってみると意外によい。この谷は様々な斜滝で構成された見所いっぱいの谷である。

 尾平トンネルを宮崎県側に抜けて林道を500m程行った所が入渓地点。早速小滝が登場する。杉の倒木の後、4m、2m、3mと斜滝が次々と現れる。いずれも直登できる楽しい滝登りがつづく。滝だけかと思ったら短いナメと変化して8mの熊が滝を小型にしたようなトユ状「く」の字滝。流水部は微妙なバランスをとる必要があるので右を登る。
 
すぐナメが現れて初心者には楽しいところ。3mの斜滝を登るとこの谷のフィナーレを飾るナメ滝が現れる。斜滝ともつかぬ大きな滝は青空から水流が降ってくるような風景は新緑とあいまってみごとである。この滝登りは微妙なバランスをとる必要があるのでホールドを探しながら慎重に登っていく。その後はたんたんとガレ谷を登るが一部ゴルジュがあって変化を与えてくれる。

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