特に小谷がよい
尾平越周辺は尾平断層が走っているせいか魅力的な谷が多い。スリウス谷、でけ山谷、痩尾谷、千筋谷、秋霧谷、三枚谷、ゆーの木谷、楓谷、栂谷がある。このこの中でアキキリ谷、三枚谷は特にすばらしい。
アキキリ谷は地元の猟師さんたちは、あしきり谷と呼んでいますが、一般的には、あききり谷の名前で親しまれています、昭文社の地図でも、あききり谷と記されています。 このサイトでは、この谷を、あききり谷と呼ぶことにします。この谷は有名な三枚谷の影に隠れてその存在は知られていない。地図で見ても千筋谷と三枚谷に挟まれた小谷にすぎないが内容はピカイチの存在と思う。初心者コースとして最高の谷。
入渓地はガレた谷でなにもないように思えたが石積み滝のすぐ5mの斜滝、10m、4m、7mと短い間隔で滝が現れる。これなら行けると思い、急傾斜の滝登りをつづける。それが一段落して傾斜が緩くなると「ここにもナメがある」と叫んでしまうほどの花崗岩のナメがある。150mはあろうか、最初は緩く足首まで水流が浸る。傾斜がましてフリクションで微妙なバランスを取るがすべっても全身が濡れるだけで、痛くないのでウォータスライダーで遊んで見たくなる。日が照りつけ、両サイド原生林に囲まれて自然と一体になるような気がしてくる。生きていてよかったと思う瞬間である。
4mの滝が現れてナメ歩きは終了する。花崗岩に変わって礫岩になると谷の様相は一変。それは地質の勉強になるほど明瞭に変化して滝が連続するようになる。それ程高くなく、ホールドも豊富で登れるが一部の滝は考えながら登るとルート設定も楽しいものになる。14mの滝は登れそうだが水量が多いので左から巻く。その後も小滝がつづく。この辺から祖母傾特有の火山岩となる。連瀑帯やルンゼ状の滝もあり、浸りながら登るとやがて谷は枯れる。
アキキリ谷の滝は一部を除いて登ることができる。ガレ場もほとんどなく、すっきりした谷で、秋よりも夏場の入門者向けの実に楽しい谷である。
夏の楽しみは涼をもとめて頭から水をかぶるのも楽しい。千筋谷には規模の大きいナメがある。足を浸しながら登るのは爽快である。
取り付きは川上渓谷の吊り橋の下を通った左から最初の流れ込みを登るが最初はゴーロで平凡だが突然大きな20mの滝が現れる。この滝は登れないので左の巻き道を利用する。立派な道でかなりの大高巻となるが、再び入渓すると第一番目のナメが登場する。流水がトユ状になって上に行くほど細くなって足が痛いほど。ゴーロを過ぎると第二目のナメが登場する。清水が薄膜を張って流れ下る様は喚声を上げられずにはいられない。しばらくは浸りながら登って行こう。傾斜がきつくなって斜滝状になるとさしもののナメは終了する。下山は左の人工林を下る。
宮崎県高千穂町側の小谷である。地図では直線的で平凡そうだが、登ってみると意外によい。この谷は様々な斜滝で構成された見所いっぱいの谷である。
尾平トンネルを宮崎県側に抜けて林道を500m程行った所が入渓地点。早速小滝が登場する。杉の倒木の後、4m、2m、3mと斜滝が次々と現れる。いずれも直登できる楽しい滝登りがつづく。滝だけかと思ったら短いナメと変化して8mの熊が滝を小型にしたようなトユ状「く」の字滝。流水部は微妙なバランスをとる必要があるので右を登る。
すぐナメが現れて初心者には楽しいところ。3mの斜滝を登るとこの谷のフィナーレを飾るナメ滝が現れる。斜滝ともつかぬ大きな滝は青空から水流が降ってくるような風景は新緑とあいまってみごとである。この滝登りは微妙なバランスをとる必要があるのでホールドを探しながら慎重に登っていく。その後はたんたんとガレ谷を登るが一部ゴルジュがあって変化を与えてくれる。