09年総選挙:原和美候補の勝利に向けて
新社会党大阪府本部:総務部
解散時期に揺れる総選挙への取組と情勢
国会は09年度予算の成立を受け、早々と過去最大規模の15兆4千億円に及ぶ補正予算を巡る攻防に移った。6月3日の会期末を控え、政府は今国会での成立を目指す「海賊対処法」など、会期延長の展開も予想される。また、民主党の小沢代表の秘書が政治資金規正法違反容疑で逮捕され、自身が絡むダミー献金問題の処理を巡って党内議論でも混迷を深めており、永田町界隈では5月末か6月初めの総選挙説まで浮上するなど、衆院解散の時期は予断を許さない情勢が続いている。
新社会党兵庫県本部では、福田前総理の突然の辞任、麻生内閣の発足とともに急きょ選挙準備に入り、昨年9月20日の記者会見で原和美・中央本部副委員長が護憲の共同候補として立候補を表明した。それから6ヶ月以上の間、解散時期に何度も揺れながらも党の支持者のみなさんや全国の仲間の支援を受け、原和美予定候補を先頭に闘っている。一方、民主党優勢が不透明となった中で原和美選対では、支援をお願いしている労組や団体の方々と選挙区(東灘区・灘区・中央区)内での総行動も企画中で、党の支持者のみなさんや全国の仲間からの支援要請を検討しているとのこと。
<原和美選対のこれまでの主な活動は以下の通り>
9月20日
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原和美副委員長の立候補表明
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27日
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統一行動と党員決起集会
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10月1日
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原和美を国会に送る会の集い
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13日
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近畿レベルで社民党との選挙協定調印
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18日
19日
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街頭宣伝:栗原君子党委員長、山内徳信・社民党参院議
員、照屋寛徳・社民党衆院議員、服部良一・社民比例区予
定候補
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11月9日
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原和美を国会に送る会:第1回時局講演会
本山美彦さん記念講演:「金融危機について」
連帯挨拶:辻元清美・社民党衆院議員、服部良一・社民比
例区予定候補
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30日
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原和美予定候補が「たかじんのそこまで言って委員会」
にテレビ出演
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1月31日
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原和美を囲む新春の集い、山口哲夫顧問の党公開講座
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3月7日
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原和美を国会に送る会の全体会議、第2回時局講演会
安部誠・全国ユニオン事務局長「年越し派遣村」からの提起
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3月8日
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社民党比例区と合同街頭演説(又市征治・社民党副党首)
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選挙の準備期間の長期化を大いに活用する
原和美を国会へ送る会の第2回時局講演会2009/03/07
麻生政権は発足以来、各種世論調査でも支持率の低迷がはっきりしており、解散したくても実際にはできず、解散は総理大臣の専権事項のために準備期間の長期化を招いている。こうした中でわたしたちにとって、大衆運動の盛り上がりも少ない現状をいかに打開するかが選挙対策上の喫緊の課題となっている。原和美選対は「長期化は、ある意味でチャンスであり、勝つ選挙をめざし、労働者・市民と怒りを共有する闘いをやろう」と呼びかけている。また安倍政権のときに「国民投票法」が成立したことを受け、2010年には同法が実施されることも懸念され、来年の参院選も控えた中でその準備を今からする意味もある。このため兵庫1区の地元総支部では、朝夕の駅頭・街頭の宣伝活動やスポット演説、ミニ集会など精力的に取り組んでいる。これらに加え、新たに結成される「原和美後援会」の会長には、「金融権力」(岩波新書)の著者である本山美彦・京大名誉教授の就任が決まるなど、準備期間が長期化したことを利用し支持層の開拓に努めている。
民主の小沢党首問題は政党政治への不信に
4月半ばに大阪で開かれた会合に参加した原和美予定候補は、日常活動の延長で支持者宅を訪問した際に「企業献金問題で小沢・民主党代表の秘書が逮捕されて以来、民主党への風当たりは予想以上に強い」と感想を述べ、「だからと言って、今までの反自公の流れが反民主となって回帰するか、わたしたちへの支持拡大になっているかと思えば実際はそうでなく、これまで友好的だった方からも『もう政治が信用できなくなった』と嘆かれ、返す言葉を失ってしまうこともある」と語った。
こうした一般有権者の意識は、政治や政党への批判が「怒り」となって集中することなく、「政治不信」の高まりとなって吹き出した、大衆迎合の「小泉劇場」を想起させる事態である。その片棒を担ぐマスコミは二大政党のことしか報道せず、視聴率を上げるための「お茶の間の話題性」のことしか念頭にない。とは言え新社会党は、小政党ゆえに自分たちの力量不足で新たな流れを作り出すことができておらず、その点は残念ながら認めざるを得ない。
護憲のために政治勢力を結集させる努力を
これまで新社会党近畿は07年の参院選挙においても、護憲のための統一候補実現のため「いのちと平和の近畿ネット」の結成など、近畿レベルでの第3極結集に向け努力を続けてきた。今回も党近畿ブロックは、関係労組や市民運動に携わる方々とともに、保守二大政党制に対抗するための政治勢力として、「第3極結集」に向けて努力を続けている。その延長として社民党近畿との選挙協定を結び、その結果、社民党国会議員の方々や又市副党首の共同行動が実現した。
しかしその一方で、新聞報道などによると社民党の中央は、民主党との選挙協力に期待する地方組織もあって対応に苦慮しているのが現状ではないだろうか。比例区選挙の近畿において、社民党との共同行動について話し合う準備が急がれよう。なお、社民党近畿での予定候補は、現職で大阪10区の辻元清美氏を筆頭に比例区単独の服部良一氏、京都2区の藤田たかかげ氏と兵庫8区の市来ばん子氏の計4人となっている。
広い視野で将来の政治地図を考えるときだ
そして解散総選挙の前に、話題の中心が民主党・小沢代表の辞任問題と麻生政権による超大型の補正予算案に加え、憲法9条改悪のなし崩しにつながりかねない「海賊対処法案」への対応である。民主党はこの法案に口火を切ったこともあって、参院でも早期に通過する可能性が高い。
一方、米国発の世界同時不況の嵐ははじまったばかりであり、これまでのように米国への輸出依存で経済の立ち直りを期待することもできず、世界経済がいつ回復するのかも見通せない。世界恐慌はこれからが本番である。そしていま、危機対応を名目に日本の政治が政界再編を含め、保守二大政党制へ進むことが最も危険である。こうした政治体制の確立が、再び新自由主義を蘇らせると同時に憲法9条改悪への道を開かせることにつながるからだ。だからこそ、これを阻止するための政治勢力として「護憲のための第3極」の結集を急がなくてはならない。
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