関西で60人、11.30全国集会に結集!
たなかたもつ
7300人が野音にあふれ大成功の11.30集会
年度内解決を求めて取り組まれた秋の闘いは、全国の自治体の要請決議やキャラバン各県集会を積み重ね、11月30日の日比谷全国集会に結集された。集会は、会場をぎっしり埋め尽くし、会場に入りきれない関東の動員者は場外スクリーンで参加。激励に駆けつけた民主(大島参議院議員)、社民(保坂衆議院議員)、共産(穀田衆議院議員)の各党議員も「これ以上の引き伸ばしは許されない」(大島)と早期解決のため努力することを発言した。久しぶりに引き締まった統一行動となった。
関西では、名実ともに中央の4者4団体とはならなかったものの、兵庫の11.23集会などの取り組みとあわせ国労・労連部隊(126名)とは別個に、関西から約60名が新幹線で統一行動に合流した。
(「ともにGO」ホームページより)
20年間を闘い続けた1047名と家族の思い
集会で家族としてあいさつした藤保美年子さん(音威子府闘争団家族)は次のように訴えた。「夫の解雇から20年、屈辱感や挫折感を味わいながらも20年間闘い続けてこられた。一昨年の判決で解雇が認められたのは当然のこと。だから私たちの要求は解雇撤回でなければならない。当時は小さな子どもを抱え、お金がなければ生活できない。生活できなければ闘い続けられない。毎日その葛藤を繰り返しながら闘ってきた。だからこそあいまいな解決で路頭に迷うことはできない。政府にしっかりと責任を取ってほしい。今後もしっかり求めていく。闘い続けていく。どうか大きな力を寄せてほしい」。
20年の月日は闘争団には過酷だ。すでに46名が亡くなったが、昨年は大谷英貴さん(51歳、留萌闘争団)、前田幸友さん(57歳、鳥栖闘争団)の2名を含む5名が戦い半ばに病没された。30代で解雇され、皆の先頭で身体を酷使してきた中心メンバーが目立つ。熊本闘争団の蓑田君を始め、本当に多くの生き証人の血のにじむ20年を絶対に無駄にしてはいけない。
(「ともにGO」ホームページより)
連続して判決が続く「採用差別」裁判
年初から3月にかけて、係争している三つの裁判のうち二つで判決が言い渡される(別掲)。
裁判名 |
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日時 |
係属 |
全動労鉄運訴訟
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判決 |
1月23日 |
東京地裁 |
ILO国倍訴訟(国労)
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2月13日 |
東京地裁 |
鉄建訴訟控訴審
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7回 |
2月15日 |
東京高裁 |
鉄建公団第2次訴訟 |
判決 |
3月13日 |
東京高裁 |
全動労判決は、分割民営化による差別採用により、全動労組織がこうむった損害の賠償を求めるものである。担当は民事11部(難波孝一裁判長)。難波裁判長は東京地裁の最初の判決(1999年5月28日)で「JRに法的責任なし」の判決を下した裁判長であり、同時に06年9.15鉄建公団判決(折衷判決)と昨年の「郵政4.28処分の取り消し=全員職場復帰」判決、最近では東京都の「日の丸・君が代」処分の違法を指摘した人である。支離滅裂な感じを抱かざるを得ないが、03年最高裁判決を踏襲した論理展開に立っており、当初12月の判決が1月に延期されたことからして、厳しい判決が予想される。
「採用差別はあった。しかし、名簿搭載されたとしても全員採用とは限らない」として、期待権違反の賠償金を認定した鉄建公団9.15判決を一歩でも前に進める判決となるか、また逆転判決となるか、注目される。
前進判決なら、その後の第二次訴訟に引き継がれ、5月にも控訴審判決とあわせて、政治解決の大きな流れを作り出すことができる。
事故は繰り返し、資本の残虐は続くが
今、国労西日本に所属する組合員は1割勢力になった。当初5万2千名で発足したJR西日本は、20年間の合理化の中で3万人を切り、鉄道部門の労働者は2万4千人を割り込んでいる。毎年の退職人数に合わせて、各部門の要員合理化を行い、仕事が回ろうが回るまいがお構いなしで、労働強化・安全要員の削減・外注化・契約社員化を図ってきた。
福知山腺事故から2年と8ヶ月を経過するが、今年6月の事故調査委員会最終報告を受けても、兵庫県警は未だ刑事訴追さえ行っていない。107人もの何の落ち度もない乗客の人命が喪われ、誰も悪い人がいなかった?不可抗力?自然災害?そんな馬鹿な話に遺族は我慢できるだろうか?
刑事告発の焦点は(経営陣の)事故の予見可能性が立証できるか、にあるといわれている。刑事告発さえできなければ、遺族の方たちのJRを相手取った民事訴訟もたいへん困難になるだろう。JR西日本の経営幹部は「すべてJRの責任です」と認めながら、本音は「ひとりの不心得者の運転士のせい」として、信楽事故同様、金銭解決により組織的犯罪であることから逃れようとしている。
JR内の安全闘争のいっそうの強化と「危険なことを危険といえる職場作り」など下からの要求と意見を吸い上げる民主的な職場作りが重要である。そのために国労組織の強化と新規採用者の獲得(昨年は9名)をいっそう強め、「全員西労組加入」の壁を破っていきたい。
また、アスベスト禍に対する闘いでも我々は、今年8月31日の桑名さん(旧鷹取工場機関車職場、55歳で現職死亡)家族の民事提訴をきっかけに「桑名さんと旧国鉄アスベスト被害者を支援する会」を約120名で結成し、全国で続く労災認定と患者の掘り起こし、使用者責任の追及に一歩を踏み出した(現在全国で124名が認定済み)。
国鉄闘争も平和闘争もここ数年が本当の意味で正念場であり、今年は職場の闘いを大きくつなぎ、支援いただいた多くの産別・労働者の仲間に恩返しできる年にしたい。