石垣島 新空港について 知ってほしいこと

石垣島−白保に空港をつくらせない大阪の会




石垣島−白保の青珊瑚群
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「沖縄ブーム」 の中でも、ここ数年、大いに注目を集めているのが
竹富島や 「ちゅらさん」 の小浜島を初めとする
沖縄でも南に位置する八重山諸島。

それらの島へ行くには、まず石垣島へ行き、
そこから各島行きの船に乗る必要があります。

石垣島には1,500mの滑走路を持つ空港がありますが
新たな場所に、大型空港が建設されようとしています。

建設予定地は、パンダのマークで知られるWWFが研究施設を置き、
オーストラリアのグレートバリアリーフに匹敵する規模と言われる
さんご礁の広がる海を擁する 「白保」 (しらほ)地区の海のすぐ近くです。

空港建設が、今でも赤土流入問題などで危機の叫ばれるさんごの海に、
何ら悪影響を及ぼさないはずはありません。
※ 赤土問題については 「沖縄 海は泣いている」(故・吉嶺全二氏/高文研)が
判りやすいと思います


今でさえ、珊瑚の白化(死滅)の深刻さが報道され、
世界中で温暖化による海岸線水没の可能性が語られているのに
地元行政は、「環境に配慮する」 の一点張り、
対策を講じるよりも建設ありき、という姿勢です。
予定地の土壌(滑走路の下に空洞があり、陥没の危険性がある)、乱気流、
過去に石垣を襲った地震による津波、そういった問題への対策が充分でないのに
建設を強行しようとしている動きに恐れを抱きます。


<建設予定地>  地図はクリックすれば拡大します
右の写真 右手がカラ岳、手前は海



私は元々、魚やさんご礁などの"自然"に関心のある方ではありませんでした。
2002年、西表で参加したツアーで、ガイドさんに 「せっかくだから」
と勧められ、気乗りしないままシュノーケルを体験しました。

それは正に驚きと感動の体験でした。
海面下に広がる色とりどりのさんご、寄ってくる魚たちもまた様々。
普段人間の目に見えない場所に、こんな世界が広がっているなんて!

西表を出て石垣へ渡り、早速別のシュノーケルツアーに参加。
ところが、海は澄んできれいなのに、さんごはほとんど見当りません。
さんごは年々失われている、という事でした。

翌年、竹富島の民宿で同室になった人から
「石垣島の白保のさんごはすごいよ!」 と聞きました。
へえ〜、じゃあ いつかは・・・ と思っていた頃、縁あって、
「石垣島−白保に空港をつくらせない大阪の会」 の方と知り合いました。

それまで知りませんでしたが、20年程前、白保の海上に空港を作る計画があり
その時は地元はもとより全国から反対運動が高まり、計画は流れたそうです。
ところが、今は白保の海にほど近い山 「カラ岳」 を削り
新空港を建設する案 (「カラ岳陸上案」) が進められているのです。

1991年には漫画 「美味しんぼ」 (28巻 「長寿料理対決」) の中でも
白保のさんご礁への危機が取り上げられています。

  
カラ岳(左手)中腹からの眺めです。 海からこんなに近い!
ここに空港を建設して、海の環境に影響がないと言えるのでしょうか?
予定地付近には、絶滅が危惧されるカンムリワシ、コウモリなどの希少種が生息しています。


白保の海は、単にさんご礁目的の観光客だけのものでなく、
昔から地元の生活と密接に関わりのある海なのです。

しらほサンゴ村に資料がありますが、 終戦後の食糧難の時代、
白保集落の人たちは、そこで取れる魚や海産物といった
「海のめぐみ」 で命をつないでいました。
現在でも、アーサ (=あおさ/海藻) や豆腐のにがりに使う海水を
採るなど、生活に密着した海なのです。

世界の多くの事が 「経済優先」 で進められていく時代。
残念ながら、白保で 「海のめぐみ」 を受けてきた世代の声は
その中で打ち消されようとしています。
反対の声を上げたくても、地元が推進派 ・ 反対派に分かれて
対立するのを懸念して、自分の想いを声に出せない人々がいます。
 
「石垣島−白保に空港をつくらせない大阪の会」 は、
そういった白保の人々を支援する形で生まれたそうです。

ガチガチの自然保護運動家の集まり!? と正直こわごわでしたが、
海を守りたい白保の人たちを支援する事が目的である事と、
メンバーが大阪を中心とした関西在住の人が主なせいか、楽しく参加しています。


海や自然は、その地域だけのものではなく、世界と繋がる共通の財産です。
決して、誰にも無関係ではあり得えません。

「さんごと人間とどっちが大切なんだ?」 という問題ではないのです。
さんご礁という"海の畑"があるから、私たちは魚や海藻などの海の恵みをいただける。
海や山から生き物がなくなってしまえば、私たちは生きていくことができません。

白保以外の場所に住む私たちも、「沖縄の海ってキレイだね〜」
だけでなく、海や環境を守っていけるよう 共に考える必要があると思います。



地元行政は、現在の空港では大型機の離発着ができず、
経済効果の為、大規模な空港建設をするのが
「八重山郡民の悲願である」、「自然環境に配慮する」 と言っています。

けれど、実際に自分の耳で聞く(白保以外を含む)島の人の声や、
環境アセスメントを見れば、行政の言葉をうのみにはできない、と感じます。

長期的な視点に立って見た時、島外の人から驚嘆される美しい海を損なってまで
新空港を建設する事が、本当に島の利益になるのでしょうか?


八重山から、美しい海や自然の魅力がなくなれば
いくら大きな空港を作っても、観光客は去るでしょう。

外国産より割高な八重山のパイナップルを買う人がいるのは、
「豊かな海と自然の残る八重山」 のイメージがあってこそ。

農産物の積み残し問題解消の為、大型空港を建設しても、
行政が自然環境は二の次、とするならば、そのような土地の産物に対して
安価な輸入品に負けない価値を、消費者は見出すでしょうか?

そして、大きな滑走路を持つ空港建設を推進するのは、
背後に軍事利用の思惑があるから、という話もあります。

「沖縄ブーム」 「八重山人気」 と言われながら、
残念ながら、この問題はあまりに知られていないと思います。

島の人、自然に惹かれて米軍基地のない離島へ内地から移住した人など
新空港建設に疑問と不安を感じながら、しがらみの強い地元では
なかなか声を上げられず、ここにも書ききれない様々な想いもあるのです。


より多くの人が、「これでいいのか?」と立ち止まって考えて行動することで、
事態を変えられる可能性があると信じています。

ネットに数ある沖縄関連のサイトの中からこのサイトに来ていただいた
あなたと、石垣新空港について、何をすべきか? 何ができるか?
一緒に考えていけたら嬉しいです。


「石垣島−白保に空港をつくらせない大阪の会」 では、
会報誌 「青珊瑚」 の発行、不定期集会、飲み会、白保へのスタディツアー
などを行っています。
ご質問、お問い合わせは ↓
E-mail:shiraho25@yahoo.co.jp
TEL/FAX:06-6779-6309

2004年7月のツアーでは、石垣市長と面談しました

2004年7月 石垣市役所にて 画面奥は石垣市長


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