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第二回 「真昼のベビーキョンシー」

 

久しぶりにお茶を飲みました。飲み物といえば、私はここ最近は水かコーヒーしか飲んでおりません。朝、昼、晩の食事の時はいつも水でしたが、こ

ないだある人から緑茶をいただいたので、それを夕食の時に飲みました。久しぶりに飲んだ感想ですが、やはりにがい。緑茶だから余計そう思う

のかもしれませんが、とにかくにがかったです・・・。さあ、このインドア派の城のほうは久しぶりに更新したなんて事のないようにしていきたいと思い

ます。今のところ、遅くても1ヶ月以内には必ず次の更新をしております。今回も何とか出来ました。では 来来!キョンシーズの第二回、 どうぞご覧

下さい。



もう前半の話は知っている。早く後半を見たい人はこちらへどうぞ。  

 

◎今回の登場人物

 テンテン:法術の達人である金おじいさんの孫娘。可愛さ抜群の主人公。

 スイカ頭:テンテンと一緒に暮らしている子供。体はデカいが多少怖がり。

 トンボ:テンテンと一緒に暮らしている子供。カンフーが得意で身が軽い。

 チビクロ:テンテン、スイカ頭、トンボの友達。わがままな所はあるが、両親思いの健気な少年。

 金おじいさん:テンテンたちをいつも見守っている道士。法術はもちろん、武術も使える。頼りになる存在。

 浩雲:こちらも法術、武術にたける若き道士。ちょっと自信過剰なところがある。

 
ベビーキョンシー:その名の通り、小さな子供のキョンシー。いつも騒ぎを起こしてみんなを困らせる。

 黄金コンビ:ベビーキョンシーのようにイタズラ好きなナレーション

  (注:上と同じ色で登場人物の台詞も分けています。)

 

◎ストーリー

第二回は長三道士率いるキョンシー隊の登場シーンはなく、いきなりオープニングシーンから始まります。やはり回転するように『来来!キョンシー

ズ』と表れました。そしてやはりすぐさまサブタイトル紹介、

 〜第二回 真昼のベビーキョンシー〜

キョンシーというのは普通は昼間に現れないもの、このサブタイトルを見てそれが感じられますが、そうなると余計ベビーキョンシーの謎というのが

深まりそうです。



さあ、ここから本格的に始めていきましょう。第一回のラストではピンチのまま終わってるので、当然この第二回の出だしもピンチから始まります。   

寝室の浩雲とカエデの様子を見ている、テンテンとチビクロ。そのテンテン達に、背後からキョンシー化している杜平が襲いかかってきました! いく

らテンテンがキョンシーと互角に戦える力を持ってると言っても、こうして背後から不意を突いて来られては絶対にやられてしまう! しかし、テンテ

ンはいち早く杜平に気づきました。

 「危ない!」

と、チビクロの体を片手で払いのけ、自分は杜平に向かっていきました。今のテンテンの動作で、寝室の中へと吹っ飛ばされたチビクロ。その際

「ワーッ!」と声を発しましたが、浩雲もそのチビクロの出現に「ワーッ!」と声が出ました。そして「何だこのお人形は?」と、未だに人形だと思い込

んでいる浩雲。杜平がまた動き出したというこの一大事に、いつまでも隠す必要はありません。「チビクロだよ!」と自ら明かしました。そして、「父さ

んが・・・!」
とその一大事を嫌いな浩雲ではありますが教えるチビクロ。すでにテンテンは、杜平と戦っています。ですが・・・。小柄で身が軽いという

のは、やはりテンテンのどうしようもない弱点。テンテンは杜平に吹っ飛ばされてしまいました。チビクロに教えられて、すぐにテンテンと杜平のいる

隣の部屋に移った浩雲。ただ隣の部屋に来ただけなんですが、それでも「浩雲登場!」とオーバーに言っております。しかし、そんな意気込み

120%で登場した浩雲のやる気をまるで消すかのように、なぜかテンテンも杜平もその場から消えていました。でも、消えるわけはありません。懸

命に杜平を探す浩雲。そこにパッと現れたのを見て「出た!」と身構えますが、現れたのは杜平ではなくテンテンでした。「テンテンよ! 後ろ危な

い!」
 浩雲の真後ろには、すでに杜平が来ていました。テンテンの一言で命拾いした浩雲。すぐに後ろを向き、杜平の不意打ちを防ぐことが出来

ました。さあ、テンテンVS杜平でしたが、今度は浩雲VS杜平に変わりました。この戦いを作った張本人であるベビーキョンシーは、宙に浮いて「パ

パ。パパ。」
と杜平キョンシーを応援しながら笑って見ています。もうベビーキョンシーにとっては、キョンシーすべてが父親みたいで

す。
そのベビーキョンシーに気付いた浩雲。「ベビだな!」と言っております。2人の戦いをジッと見ているテンテン。しかし、チビクロはそうはしませ

んでした。「父さんに乱暴するな!」と浩雲に駆け寄り、強く言いました。でも、浩雲はまったく無視。お札を出し、杜平のおでこに向かって投げまし

た。これが見事命中。おでこにお札を貼られた杜平は、再び静止状態。おとなしくなりました。これを見て

 「あちゃ。」

と言って消え去るベビーキョンシー。「あちゃ? また逃げられたか・・・」と天を見渡す浩雲。こんなにいつでも簡単にテレポーテーション出来るベビ

ーキョンシーを、今後浩雲は捕まえることが出来るんでしょうか・・・?



次の日になりました。昨夜のこの騒動は、当然金おじいさんの耳に入りました。

 「もうお前たちは・・・。わしが常々言っておるじゃろう! 

  法術には破っていけない決まりがあるんじゃ! 勝手なマネをしおって!」

と、儀荘でお叱りを受けているテンテン、チビクロ、スイカ頭。面白いのはなぜかこの時、テンテンとスイカ頭が両ひざを着いた状態で立っ

ております。
さっきまで正座でもさせられていたんでしょうか・・・。ちなみにチビクロは普通に立っています。

 「浩雲さんはカエデさんと2人っきりになりたかったのよ! だからチビクロを追い出して・・・」

テンテンが訳を言いますが、金おじいさんは「もういい!」とちっとも聞いてくれません。「二度と法術の邪魔をするな! マセた事を言いおって・・・」

呆れたように言って行ってしまいました・・・



さあ、繁華街ような所にやって来たテンテンたち。怒られたので気晴らしに・・・という思いで来たのかもしれません。「どうして分かってくんないのか

なぁ・・・」
 「おじいさんにはおじいさんの考えがあるのよ。」と、なかなか大人らしい事を言うテンテン。しかし、それに水を差すような次のスイカ頭の

言葉が待っていました。

 「そんなこと言っちゃって・・・。テンテンも浩雲がタイプなんだろ?」

 「私そんな悪趣味じゃないもん!」

と本気で怒り、スイカ頭の耳を強く引っ張るテンテン。そんな時、偶然なのか必然なのか、浩雲もここに来ているのをチビクロは見つけました。浩雲

をジッと睨みつけるチビクロ。まだ耳を引っ張られ続けているスイカ頭が、「チビクロ助けて!」と助けを求めますが、チビクロは浩雲に視線を向けた

まま。「どうしたのチビクロ?」とテンテンが聞いた時に、やっと「あいつだよ。」と答えてくれました。「あっ・・・」  「あ、噂をすれば・・・」と、これでテンテ

ンとスイカ頭も浩雲に気付いた事になります。「美味そうなフルーツだ。バナナもらおうか?」と、楽しそうに買い物している浩雲。今のチビクロにとっ

ては、こうして浩雲が上機嫌なだけでも頭に来ることでしょう。だから何かをしたくなる。チビクロは「おい、跡をつけようぜ。」とスイカ頭に言いま

した。「おう。」と答えるスイカ頭。「ダメよ、変な事しちゃ。」 「何もしないよ。」 「そうだよ。」 「知らないわよ。」 テンテンの忠告も聞かず、2人は

行ってしまいました。ラーメン屋に来た浩雲。スイカ頭とチビクロは、隠れて浩雲の様子を見ています。浩雲が鼻歌を歌いながら注文をしました。

 「大盛りすっぽんを・・・。麺は固めでつゆ濃いめ、ネギはたっぷり海苔3枚、

  疲れた時はこれ一番。」

うわ、たった1杯のラーメンを注文するのに、こんなにあれやこれやと細かく言うなんて・・・。もし店長が佐野実だったら、即叩き出されているでしょ

う。さあ、もうすでに割り箸を右手に持って食べる気満々の浩雲。その割り箸めがけ、チビクロは石を飛ばしました。すると石は割り箸に当たり、そ

のうちの1本が浩雲の右手から離れ、何と隣にいたの白い服の客の尻の穴に刺さりました! 「あら?」と不思議がる浩雲。「なんでこんな事をする

んだお前は! ええ!」と、その白服の客は浩雲を怒ります。「待て待て待て! 私じゃないんだ!」 「じゃ一体誰だ!?」 「私じゃないって言って

んの! 誤解だ誤解! 誤解ですよホントに!」
 「じゃ、この箸は何だ!?」 「違うんだ! 向こうから石が飛んできてストーンと・・・」と言い合いに

なる2人。喜ぶチビクロとスイカ頭。さ、今度はスイカ頭の番です。「いくぞ。」と竹の吹き矢で、立ってラーメンを食べている青い服の客に竹の矢を飛

ばしました。狙い通り、その矢が青服の客に命中。驚いた青服の客はラーメンを投げてしまいました。するとそのラーメンが、浩雲とケンカになって

いる白服の客の頭にかかりました。それを見た青服の客が「ああ! 俺のラーメン!」と、自分のラーメンの事しか考えてない所がまた面白いです。

さて、これで3人の言い争いになってしまいました。「何をするんだ! どうしてこんな事になったんだ! ええ! 私は真面目なんだよ!」と3人の中

で一際声が通っている浩雲。大成功と言わんばかりに喜んでいるスイカ頭。「ダメ押し。」とまたも矢を飛ばしました。その矢を受けた青服の客が、ま

たもオーバーリアクション。今度は白服の客の頬を拳で殴ってしまいました。殴り返す白服の客。2人の怒りの矛先が、浩雲に向けられました。すべ

て浩雲のせいだと思い込む2人。客2人対浩雲の本格バトルが始まりました。相手が2人であっても、やはり強い浩雲。ただ今は、なんでこんな奴ら

と闘わないといけないんだという思いでいっぱいに違いありません。浩雲が青服の客を蹴り飛ばした時でした。その吹っ飛んだ客が、スイカ頭の隠

れていたテーブルに激突。スイカ頭は浩雲に見つかってしまいました。「あぁ〜いけね・・・!」と隠れる素振りをしますが、もう遅いです。 「スイカ

頭! お前の仕業か!」
 ところでチビクロは・・・? もう帰ったんでしょうか? いや帰っていませんでした。「コノヤロー!!」爆竹の付いた縄

を振り回し、浩雲に向かっていきました!
 しかししかし、そんな振り回し方をしていたら、自分の体に巻きついてしまうのは当然。案の定巻

きつき、浩雲を苦しめるはずが自分が爆竹の餌食になってしまいました。うわ、これはちょっとバカです。さあそして、テンテンもまだ帰っていません

でした。「大変!」 チビクロのピンチに気がついたテンテン。「ちょっと貸して!」と、隣のおばさんから水の入った花瓶を強引に奪い取りました。こ

んな時に都合よく水入りの花瓶を持った人が隣にいるってのがいいですし、花瓶を奪われたおばさんが「ちょっとあんた!」と結構本気で怒っている

のもまたいいです。そんなおばさんは放っておいて、すぐにチビクロの元に走っていったテンテン。「はい、お水!」と、チビクロに水をかけました。こ

れにより、爆竹の火はすぐに消えました。「危ないとこだった・・・」と、テンテンに頭を下げるチビクロ。しかし、テンテンは怖い顔でチビクロを睨み、

「スイカ頭!」
ともう1人のおバカさんも呼びました。「はーい。」と元気なくやってくるスイカ頭。「何よこの騒ぎ!」 浩雲もテンテン達の所に寄ってきま

した。「フフフ、大丈夫かチビクロ。」と、痛くもかゆくもなかった様子。これを見てまたムッとするチビクロ。

 「お前に関係ねーよ。」

と、ふて腐れた態度を取っています。そのチビクロに同調するように「フン。」と言うスイカ頭。そんな2人に、「謝りなさい。」とテンテンは言いました。

「えぇ〜!?」と嫌がるスイカ頭。「ごめんなさい。」と全然心のこもってない声で謝りました。「まあいい。今度だけは許してやろう。」 おお、大人です

浩雲。しかし、「フン、あばよ。」と一言多いスイカ頭。「スイカ頭!」 チビクロのほうは謝りもせず、「ヘン!っだ。」と言って去っていきました。



チビクロが向かった先は、以前にあの魚釣りをやっていた例の川原です。あの時はテンテンがいる前で平気で裸になって遊んでいたチビクロです

が、今はとてもそんな気分ではありません。「バッキャロー! チクショー!」と泣きながら川に小石を次々に投げ込んでいます。積んである小石を

拾っては投げ、拾っては投げのチビクロ。また小石を拾おうとしたその時、チビクロの手だけでなく、もう1つ手が見えました。何と、あのベビー

キョンシーが現れました!
 「遊ぼう。」 無邪気に言っておりますが、チビクロのほうは「べ、ベビーキョンシー!」とまずは警戒します。子供で

あってもやはりキョンシーなので、そうなってしまうのでしょう。そして、「昼間なのにどうして・・・!?」と疑問に思っています。警戒していたチビクロで

したが、小石を投げて楽しそうにしているベビーキョンシーを見て、すぐにその警戒心は解けました。「こんなに可愛いのに・・・。浩雲のヤロー、君の

こと捕まえようとしてるんだ。」
と同情までしております。さらに、次のことを思いつきました。

 「そうだ! 父さんだって君みたいだったらキョンシーのままでもいいんだ。」

あくまで父親と過ごしたい、チビクロの強い気持ちがこのセリフににじみ出ています。「そうだよね!? 僕の言うこと間違ってないよね!?」 念を

押してくるチビクロに、ベビーキョンシーは「・・・う、うんうん。」と少したじたじ状態。「ありがとう。」 そしてなぜかここで握手。「人が来る。」 これを聞

いたベビーキョンシーは、「バイバイ。」と手を振りました。「え、もう行っちゃうの!?」と言った時には、もうパッと消えていなくなってしまいました。「ベ

ビーキョンシーは昼間でも平気なのかなぁ・・・」
と再度考え込むチビクロ・・・



昼間ではなく今度は夜になりました。昨夜はテンテン達のせいで杜平成仏に失敗してしまった浩雲。今夜また仕切り直し。「彷徨う杜平の霊魂

よ・・・」
と口ごもったような声を出して早速やっております。そして、そばにはやはりカエデがいます。これを黙って見過ごすはずがないチビクロ。や

はり覗きにやって来ました。指で障子に穴を開け、そこから中の様子を見ています。「また2人っきりだ。絶対おかしいよ。」 昨日から用意していた

のか、今日になって新たに調達してきたのかは分かりませんが、米を一つまみ手に持ち、軽く混ぜて投げつける浩雲。すると米は白い煙へと変化

し、さらにその煙は白い絨毯へと変わりました。浩雲のいるこの部屋の中から、閉まっている戸を通り越して外へと繋がっていく白い絨毯の道。部

屋の外にいるチビクロが、その絨毯を踏んでしまいました。その瞬間、わずかに火花のようなものが足元から出たんですが、チビクロはその火花に

も、絨毯にも気づいていません。よっぽど中の様子が気になって仕方ないのでしょう。また障子に穴を開けて中を見るチビクロ。「霊魂を呼び寄せる

道は出来た。あとは待つだけ。」
 浩雲は左手をパー、右手をOKサインにし、その両手のひらを上下にして向い合せ、そして唱え始めました。

 「杜平の霊魂よ、やって来るのだ。早く来い来い来い来い。」

って、待つだけのはずが結局呼んでるじゃありませんか。とにかくこうして浩雲が唱えたことによって、白い絨毯の道に足跡が見えてきまし

た!
 間違いありません。杜平の霊魂は今この部屋に入ろうとしています。ところが・・・。「・・・やって来るのだ。おかしい。やって来るのだやって来

るのだ。おかしい。来ない。」
 杜平の霊魂はもう部屋に入ろうとしているんですが、ちょうど目の前にチビクロが・・・。これでは浩雲の元に行くことは

出来ません。「何かが邪魔をしているようだ。」と、浩雲はチビクロの存在に気づいておらず、またチビクロも杜平の霊魂が来ていることに気づいて

いません。「杜平の霊魂、早く来い! 早く来い来い来い来い来い来い! 早く来い来い来い来い!」とさらに力強く唱える浩雲。顔面ももう汗びっ

しょりになっています。しかしいくら頑張ったところで道の真ん中に障害物、すなわちチビクロがいては通ることは出来ません。なので、霊魂はその

場でウロウロすることに・・・。足跡もあっちこっちに向いた感じに付きまくっています。さあ、その霊魂がついにチビクロの体に触れてしまいました。

その瞬間、これまで付いた足跡がすべて消え、霊魂もどこかに行ってしまいました。浩雲の霊魂呼び寄せ作業はこれで失敗。浩雲も力を使い果た

してしまったのか、気絶するようにその場に倒れてしまいました。心配して駆け寄るカエデ。「浩雲さん! しっかりして下さい! 大丈夫ですか!? 

浩雲さん! 死んじゃダメ! 浩雲さん!」 ってそんな死ぬほどの事じゃないんだから・・・。これが女心なのか、ホントオーバーです。とにかくこれ

で、チビクロの心配はますます大きくなるばかり。

 「父さん。このままじゃ母さんが浩雲のヤローに取られちゃうよ。ちくしょう!」

と悔しさを滲ませながら去っていきました・・・
 

 

ここでこの話の前半が終了です。相変わらず気が気でない日々を過ごす羽目になってしまっているチビクロ。杜平もこの先どうなってしまうでしょう

か!? そして今回意外だったのがベビーキョンシー。敵であるはずの彼が、チビクロに遊ぼうと声をかけてきました。そして、チビクロもベビーキョ

ンシーと少し打ち解け合うように・・・。このベビーキョンシーが、このあとの後半戦でも、浩雲以外の誰かの前に現れるかもしれません。

後半は、こちらです。


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