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番外編

 

本編が終わりました。さあ、いつものように番外編です。本編が終われば番外編、もう皆さんの中にもこのインドア派の城の更新パターンが分かっ

ている人もいるんじゃないかと思います。今回の番外編では、本編で書いたことでぜひもう一度振り返ってみたいところ、逆に本編では触れなかっ

たところ、それから新たに気づいた点、気になった点・・・ていうかスケバン刑事の時と同じですね、これらの点を中心に書いてみました。では、どう

ぞご覧下さい。



◎やっぱりテンテン

この来来!キョンシーズでは色んな強烈キャラが登場してきましたが、やっぱり何と言っても主人公のテンテンがいないと話になりません。かわいさ

は充分すぎるほどあり、それだけでなくカンフーも使いこなし、また法術の知識もしっかりある。あれだけの知識はスイカ頭、トンボ、チビクロの3人

にはありませんでした。さすがは金おじいさんの孫娘。直々に仕込まれたなという感じでした。



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆  本編第二回より  ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

・・・ テンテンは、魔貫光殺砲のように自分の額を指で押さえ、小声で唱え始めました。そして、その指を今度は杜平の額に当て、「天

誅!」
と言いました。うわ、今の杜平はお札を貼られて完全に静止状態。この状態でテンテンの天誅を喰らったら、杜平は二度と動くことも出来なく

なるでしょう。ところが・・・。天誅の炎が出てきてません。「ダメだわ・・・」 すぐに「父さん! 大丈夫!?」と駆け寄るチビクロ。大丈夫だよ、天誅さ

れてないんだから・・・。「どうしてなのかしら・・・? おかしいわ・・・・・ええっと・・・ええっと・・・・・・・そうだ! 今日は仏滅だわ。それにここは湿気が

多くて、天誅の炎が消されてしまうのよ。」
 これを聞いて、

 「じゃあ、父さんここに置いていいんだ!?」

と目を輝かせるチビクロ。

 「ええ。暫くは仕方がないから、私の持っている天の鏡で封じておきましょ。」

その天の鏡とやらを出すテンテン。「これを胸の上に置いておけば、災いを追い払ってくれるわ。」 杜平の胸に置くテンテン。
 ・・・

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



こうして天誅の失敗をすぐに自分なり分析して答えを出したテンテン。さらに、その後の処理も実にお見事でした。これ以外にも、キョンシーに噛ま

れたチビクロを救い出す手段として、黒い犬の血を飲ませることを思いついたりと、法術に詳しい面をしばしばと見せていました。



◎浩雲の長セリフ

これはもう特に特に印象に残ったシーンでした。まずはとにかく、そのシーンをもう一度見てみましょう。



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆  本編第一回より  ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

・・・ さあ、ここからはこの来来!キョンシーズの中でも伝説になっていると言ってもいいくらいの、浩雲の長セリフが登場します。では、それを

聞いてみましょう。

 「カエデさん。今から言うものを用意してほしいのです。黒い魚1匹、白い雄鶏1羽、羊の肉、米、

  線香2束、油1升、白いろうそく1対、生姜菓子3個に豆腐1丁、豆2つ、茗荷、明礬、豆板醤、

  りんご、アボカド、豚の足、鳥のフン1つまみ。

  よく覚えて下さい。1つ足りなくても大変な事になりますからのう。」


って、覚えられるか!! しかし、よほど記憶力がいいのか、カエデは戸惑いながらも「はい、承知しました。」と答えました。 ・・・

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



いやぁ〜総勢17種類、21個の物が出てきました。こうして振り返って見ていていいなと思ったのが、この中のほとんどが食べ物になっている所で

す。肉系のものあり、山の幸や海の幸もそれなりにあって、最後の鳥のフン1つまみさえ除けば豪華な料理をこしらえる事も出来そうです。そういえ

ば、第十回のエンディングでの登場人物紹介の時に各キャラの一言がありましたが、浩雲はこの長セリフにすればよかったのになと思います。

また、浩雲といえばキザなセリフがやけに目立ちました。この長セリフは、そのキザなゼリフが飛び出す前の、いわば前座であったと言えるでしょ

う。



◎チビクロの悲劇

チビクロはもう第一回から悲劇の連発でした。なので、以下のような表が自然と出来てしまいます。では、各回でどんな目に遭っていたのか、その表

を見てみることにしましょう。


第一回 

父・杜平の死を知る。これが悲劇の始まり。 

第二回 

浩雲にカエデを取られるんじゃないかと気が気でなくなってくる。 

第三回 

ついに杜平消滅。しかもそれをしたのは、憎っくき浩雲だった。 

第四回 

カゲカゲ山の500元キョンシーに首筋を噛まれてしまう。 

第五回 

噛まれた影響で徐々にキョンシー化が進行。仲間まで襲い始める・・・ 

第六回 

キョンシー化も本格的に・・・。500元キョンシーに魂まで吸い取られそうになる。 

第七回 

珍しく特に何もなし。スイカ頭にイタズラしたりと、むしろ上機嫌だった。 

第八回 

杜平を殺したのがコウモリ道士であるという事実を知り、泣き叫ぶ。 

第九回 

コウモリ道士に生き血を吸い取られてしまう・・・ 

第十回 

コウモリ道士により闇の特殊霊魂の姿に・・・。最終決戦でも同士討ちをさせられる。 




とまあ、こういった具合に毎度毎度大変な目に遭っていました。唯一心安らげていたのが、特に何もなかった第七回。なので、ある意味貴重な回で

す。色々とありましたが、最終的には闇の特殊霊魂から元の姿に戻りました。母親のカエデもずっと泣きっぱなし状態にしてしまったチビクロ。宿敵

コウモリ道士も倒れ、その後はきっとたっぷりと親孝行をしたことでしょう。



◎キングキョンシーの謎

第三回にパッと現れて野ねずみのように姿を消したキングキョンシー。その実力はかなりものでした。金おじいさんを簡単に投げ飛ばし、浩雲とも互

角以上の戦いをしていました。でも、第十回まで行きましたが、結局現れたのは一度だけでした。杜平キョンシー、カゲカゲ山の500元キョン

シー、海賊キョンシー、そしてあのバンボロキョンシーなど、この来来!キョンシーズでは様々なタイプのキョンシーが登場しましたが、彼らはある程

度戦ったのでどのくらいの強さかだいたい分かるのですが、キングキョンシーだけはわずかワンシーンだったので、もうほとんど実力未知数。ひょっ

としたらバンボロキョンシーよりも強かったのかもしれない、と私は思ったりします。また、可能性は低いですが、もう1つ考えられるのが、実はバン

ボロキョンシー=キングキョンシーというオチ。そういえばバンボロキョンシーも謎な部分がたくさんあり、コウモリ道士がどのようにして育ててきたか

などは全く明らかにされませんでした。なので、金おじいさん達と戦った後、消え去ったキングキョンシーはコウモリ道士にさらわれ、バンボロキョン

シーとして生まれ変わったのではないか・・・。という可能性も全くないとは言えません。いずれにしても、謎が残ったままとなったキングキョンシーでし

た。



◎後半、新キャラが続々活躍

第四回に初登場したフィフィー。彼もまたキングキョンシーのように一度きりの登場で終わってしまうのかと思われましたが、そんな事はありませんで

した。第七回にコウモリ道士の刺客として再登場。そしてここからは海賊キョンシー、ジジ助と、新しいキャラの活躍が目立ちました。では、彼らの戦

闘シーンをちょっと振り返ってみましょう。

 ※フィフィー VS ベビーキョンシー&海賊キョンシーコンビ

  フィフィーや海賊キョンシーがどれだけ強いのか、またそこにベビーキョンシーも加わるという見ごたえのある勝負になりました。この戦いは、1対

  2で人数的には不利だったのにも関わらず、フィフィーが常に押していたなというイメージがありました。ベビーキョンシーにいつもの余裕が感じら

  れませんでした。いや、ベビーキョンシーは誰かと共闘するよりも、1人で相手をおちょくっていた方が性に合っているのかもしれません。結局は

  テンテン達が駆けつけた事により、決着はつかず。フィフィーに捕まりそうになっていたベビーキョンシーは命拾いしました。

 ※バンボロキョンシー VS 海賊キョンシー

  これはまさに夢の対決でした。そして、長時間の戦いとなりました。序盤は海賊キョンシーが押し気味、さらにテンテンたちの加勢もあったんです

  が、やはり最後はバンボロキョンシーが勝ちました。その勝負の決め手となったのは、海賊キョンシーのウィークポイントでもある左の偽脚。これ

  をバンボロキョンシーに気づかれてから、形勢が逆転しました。なので海賊キョンシーが万全の身体であれば、そしてテンテンたちももっと上手く

  戦っていたら、もしかしたらバンボロキョンシーを倒していたかもしれません。惜しい戦いであったと言えるでしょう。

 ※フィフィー VS ジジ助

  これは異色な対決でした。対決というより化かし合いといった感じでした。ジジ助がフィフィーの後ろに回っておちょくっていたかと思えば、今度は

  フィフィーがキョンシーを味方につけてジジ助を襲わせたりと、バタバタとした戦いになりました。しかし、両者とも実力は大したもの。最後は少し

  ビビリ気味になったフィフィーに、ジジ助の蹴りが炸裂。これで勝負あったかと思われたんですが、金おじいさんが現れてこれまた決着はつか

  ず。それにしても、ちゃんと話し合いをすれば戦うこともなかった2人だったなと思いました。



◎不思議なベビーキョンシー

ベビーキョンシーはもう、キョンシーの中でも特別体でした。それを特に感じたのが、やはり第二回。サブタイトルにもなっていますが、ベビーキョンシ

ーは他のキョンシーとは違って昼間も活動出来ていました。そのベビーキョンシーを見たチビクロは、父・杜平をおとなしいキョンシーのまま生かそう

と考えていました。ということはつまり、おとなしければベビーキョンシーに限らずどのキョンシーでも昼間に活動できる、という事なのかもしれませ

ん。それ以外にも、ベビーキョンシーはキョンシーらしくない面が多数目立っていました。あとは凄かったのは、第十回でグレートバンボロキョンシー

をいとも簡単に連れ去っていった所でした。何でもないように連れ去っていきましたが、あのベビーキョンシーの活躍がなければ、やられていたのは

間違いなくテンテンや金おじいさん達の方だったでしょう。こうして、小さいながらも凄い存在感を示した、また実に特殊なキョンシーでし

た。




以上、番外編ということでまとめてみました。今回も6項目書かせてもらいました。スケバン刑事の時は印象に残った回が片寄っていましたが、こう

してみると、来来!キョンシーズはどの回がというより、いい魅力が色んな回にまんべんなく分散されていたなという感じでした。番外編も終わり、こ

れで今度こそこの物語とのお別れの時が来ました。では、こちらのほうもご愛読ありがとうございました。


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