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第十回 「幽幻道士たちの旅立ち」



随分と寒くなってきました。当然もうストーブは出しておりますが、そういえばもうずっとこたつを使っておりません。こたつを使っていたのは、ホント子

供の頃だけです。なぜこんな事を思い出したかというと、今いる家は床が相当冷たいからなのか、冬になると脚が冷えるようになってきているからで

す。足ではなく脚、ホントに下半身全体です。そこで考えたのが、部屋で座っている時は毛布を膝から下にかけること。これで十分温まりますので、

やはりこたつは必要ないなと改めて思いました。さて、この来来!キョンシーズはとうとうラストの回となりました。勝つのは正義かそれとも悪か!?

では、どうぞご覧下さい。



もう前半の話は知っている。早く後半を見たい人はこちらへどうぞ。

   

◎今回の登場人物

 テンテン:法術の達人である金おじいさんの孫娘。可愛さ抜群の主人公。

 スイカ頭:テンテンと一緒に暮らしている子供。体はデカいが多少怖がり。

 トンボ:テンテンと一緒に暮らしている子供。カンフーが得意で身が軽い。

 チビクロ:テンテン、スイカ頭の友達。わがままな所はあるが、両親思いの健気な少年。

 金おじいさん:テンテンたちをいつも見守っている道士。法術はもちろん、武術も使える。頼りになる存在。

 浩雲:こちらも法術、武術にたける若き道士。ちょっと自信過剰なところがある。

 コウモリ道士:キョンシーを使って悪の限りを尽くす、最大最強の敵。

 
ベビーキョンシー:その名の通り、小さな子供のキョンシー。いつも騒ぎを起こしてみんなを困らせる。

 黄金コンビ:ナレーションはこのインドア派の城でしかした事のないナレーション

  (注:上と同じ色で登場人物の台詞も分けています。)

 

◎ストーリー

さあ、第十回も期待を裏切らず、やはりいきなり『来来!キョンシーズ』と表れるいつものオープニングシーンから始まりました。そして、すでに戦い

は始まっております。バンボロキョンシーが動かした棺をよける金おじいさん達。よけた後、まずする事といえば、ぶら下がっているテンテン達を助

けること。それをしたのは、金おじいさんでもなく浩雲でもありません。ジジ助でした。フィフィーと一戦交えた時も凄いジャンプ力など、身軽さを大い

に披露したジジ助ですが、この場面でも軽やかにジャンプし、持ち前のでんでん太鼓でロープを切ってテンテン達を助けました。そして、そのジジ助

にすぐさま立ち向かっていくコウモリ道士。おお、これは意外です。私としては、まずバンボロキョンシーに戦わせて大トリであるコウモリ道士はふん

ぞり返って見ている展開を予想していたんですが、いきなりコウモリ道士自ら戦うとは予想外でした。そのコウモリ道士相手にも、一歩も引かない戦

いぶりを見せるジジ助。やはりでんでん太鼓を使っております。それにしても、でんでん太鼓を武器にする戦士なんて他のアクションドラ

マやアニメでも見た事がないですね。
とにかく、この調子であればジジ助の方は心配ないでしょう。一方、ようやく自由の身となったテンテン達

4人。しかし、チビクロの様子がおかしいです。生き血を吸い取られ、瀕死状態になってしまっただけでなく、何と狂暴化しております。凄い形相でス

イカ頭やトンボに向かっていくチビクロ。これはまさに、あのカゲカゲ山の500元キョンシーの時と同じ状況です。さあ、カンフーが出来るので当然む

ざむざとやられるスイカ頭とトンボではありません。チビクロを押さえようとします。・・・が、狂暴化しているチビクロの方が強いです。2人はアッという

間に倒されてしまいました。こうなるとやはりテンテンの出番。自分の右人差し指・・・中指かもしれませんが噛みました。指からは血が・・・。血の付

いた指をチビクロに向け、「天誅! 天罰!」と言ってかかっていきましたが、これもダメ。身軽なテンテンは簡単に吹っ飛ばされてしまいました。とこ

こで、上からスーッと下りてくるタコ壺。フィフィーの登場です。しかも、テンテンを守るようにして現れました。「フィフィー!」 テンテンもスイカ頭もトン

ボも、フィフィーの後ろへと移動しました。

 「チビクロにはコウモリ道士の法術がかかってる。」

と説明してくれるフィフィー。やはりもう裏切っているので、コウモリ道士のことを親方とは呼びません。さて、ジジ助がコウモリ道士と、そしてテンテン

達はチビクロに相対している。ということは・・・・・・バンボロキョンシーの相手は金おじいさんと浩雲がしています。長三道士も戦力になると私は言い

ましたが、どうやらそうではないみたいです。さあ、金おじいさん、浩雲の2人がかりでも、やはりバンボロキョンシーは強い。仰向けになっているバ

ンボロキョンシーに向かってチャンスとばかりに桃剣で突き刺そうとする金おじいさんでしたが、これをバンボロキョンシーは真剣白刃取りで受け取

り、そして剣を真っ二つにして難なくかわしました。ホントにもう、一体どうやったらこの怪物を倒すことが出来るのだろうと思ってしまいま

す。テンテン達のほうは、フィフィーが現れたことでチビクロも闘争心が失せてしまったのか、一時休戦状態となりました。そして、金おじいさん達を

心配そうに見ています。ここで、「あそこにある蛇の血を持ってきて! 早く!」と言うフィフィー。テンテンがすぐに持ってきました。白いどんぶりにそ

の血が入っております。「いいかい。俺が壺の中に入ったら、その血を上からかけてくれ。」 「うん。」 さっそく首と胴体を隠し、壺だけ状態となった

フィフィー。この間にも金おじいさんと浩雲はバンボロ相手に劣勢の戦いをしております。テンテンはすぐに血をかけました。トクトクと壺の中に入って

いく血。てことは、今のフィフィーの全身は血まみれという事でしょうか・・・。「いくぞ!」 フィフィーは雄叫びを上げ、タコ壺ごとバンボロキョンシーに

向かって飛んでいきました! これはヤバいと思ったのか、とっさに場を離れる金おじいさんと浩雲。フィフィーはタコ壺にある3つの穴から強烈な煙

を出しました。それに驚くバンボロキョンシー。驚いている時間も長くありませんでした。何と、

 フィフィーが自爆! 

 その巻き添えを喰ってバンボロキョンシーも息絶えました!


「フィフィー!!」 と声を上げるテンテン達。対するコウモリ道士も「しまった!」と声を漏らしています。このフィフィーとバンボロキョンシーのまさかの

相打ちは、ここにいる誰もがたまげた事でしょう。しかし、コウモリ道士は切り替えが早いです。即チビクロを人質に取りました。そして、「フハハハ、

貴様らここで死ね!」
と言って金のかんしゃく玉を4つほど放り投げました。この衝撃が相当強かったのか、崩れ始めていく建物。「早く逃げるん

じゃ!」
とみんなに声をかける金おじいさん。一斉に逃げますが、早くと言われたわりにはみんな結構スローモーションなのは気のせいでしょう

か・・・。そんな逃げ去る一同の姿が画面に出たところで、ようやく今回のサブタイトル紹介。

 〜第十回 幽幻道士たちの旅立ち〜

第十回となってますが、これがこの来来!キョンシーズの最終回。コウモリ道士たちを倒してこのサブタイトル通り、新たな旅立ちをする事が出来る

のでしょうか・・・?



全員無事儀荘に帰ってきました。逃げ遅れた者は1人もいませんでしたが、しかし犠牲はあまりにも大きいです。杜平、海賊キョンシー、フィフィーま

でもコウモリ道士の魔手に合って命を絶たれ、そしてチビクロまでがさらわれてしまった・・・。今、全員でフィフィーと海賊キョンシーの供養をしている

ところです。先頭に立っているすでに涙顔のテンテンがまずは言いました。

 「フィフィー、それに海賊キョンシー。せっかくお友達になれたのに、あなたたちを戦いの犠牲に

  してしまった・・・。フィフィー。あなたは私たちを助けるために自分の命を投げ打って

  くれたのね・・・。勇気と優しさをいつまでも忘れないわ・・・。あなたはずっと私たちの心の中で

  生きてるのよ・・・。心から冥福を祈ります・・・。決して恩は忘れません・・・」
 

これを聞いて何とも言えない表情に変わる金おじいさん、さらには他の大人たち。テンテンが線香をあげましたが、続いてトンボとスイカ頭も同じよう

にあげました。 「勇敢なフィフィーに・・・」 「おいしいご飯を毎日お供えするよ・・・」 そうそう、君はもう自分の食料の8割くらいをお供えすべ

きです。
しかしまあ、こういう結果になってしまうと、チビクロとフィフィーも何とか和解してほしかったなとしみじみ思ってしまいます。さて、今度はデ

ブ隊長が線香をあげる番。「心から感謝しています。バンボロキョンシーをやっつけてくれたおかげで、僕は逆さ吊りを免れた・・・」 おお、そういえ

ばそうでした。デブ隊長の罰のことなんてすっかり忘れておりました。この後も「フィフィー、フィフィー・・・」と悲しみの声を出すテンテンたち。おいお

い、もう少し海賊キョンシーの事も思ってやれよという感じなんですが・・・。ここで、カエデがやって来ました。「チビクロ。チビクロ。」と笑顔のカエデ。

みんなが帰ってきたので、無事に帰ってきていると思い込んでいるようです。しかし、様子がおかしい事に次第に気づいていきます。「あら、チビクロ

は?」 「チビクロはどこに!?」とついには裏返るような声に・・・。みんな何も言えずに黙っています。「浩雲さん、あの子は!?」 カエデは浩雲に

聞いてみました。黙っておくわけにはいかないと思った浩雲は正直に答えました。

 「チビクロは・・・コウモリ道士に連れ去られた。許してくれ、助けられなかった・・・」

ガーン!という顔に変わるカエデ。買い物カゴを思わず落としてしまいました・・・。そして、来たばかりなのに再び走り去っていきました。それを見て

「カエデさん! カゴをお忘れで・・・」と言う浩雲。このセリフの内容からしても、彼には悲しみという感情はあまりないようです。別室に移ったカエデ

は、「チビクロ・・・」とやはり泣いていました。そこへ、テンテン、スイカ頭、トンボがやって来ました。「カエデさん。全部私たちが悪いの・・・。ごめんな

さい・・・」
と、膝をついている3人。もう土下座寸前です。テンテンが今、全部私たちが悪いと言いましたが、確かにそうかもしれません。自分たちだ

けで勝手にコウモリ道士に戦いを挑まなければこんな事にならなかったわけですから・・・。しかし、カエデはそんなテンテン達を責めることはしませ

んでした。「分かってるわ。言い出したのはチビクロでしょ?」  「カエデさん・・・」 「俺たちのせいなんだよ・・・」 「私たちが悪いのよ・・・」 ずっと泣

きっぱなしの3人。

 「あなたたちはチビクロを助けようとしたのよ。」

「でも・・・」と、やはり責任を感じているスイカ頭。とここで、ベビーキョンシーが現れました。いつもと同じで宙に浮いております。カエデが両手を合わ

せて言いました。「私は・・・あの子が助かるなら、喜んで命を捧げます。」 これを聞いて涙するベビーキョンシー。さすがに今日だけはいつものよう

にふざける事はせず、すぐにパッと消えました。



さて、その気になるチビクロはどうなってしまったのでしょうか・・・? ここはコウモリ道士の住み家。さっきの場所はもう爆破させてしまったので、

きっと第2の住み家なのでしょう。この住み家にコウモリ道士が帰ってきました。「ズンベラ!」と物に八つ当たりをするコウモリ道士。「ちくしょうめ! 

俺がせっかく手塩に育てたバンボロキョンシーを、あいつらめ粉々にしおって・・・! 許せない! 許せない! 私は許せない!! このままでは闇

の法術は破滅だああぁぁぁぁ!!」 
これまでも興奮気味になる事が何度かあったコウモリ道士ですが、今回は最高潮ですね。しかし、その興奮も

仰向けに気絶しているチビクロを見ておさまりました。そして今度は、「フフフ、そんな事があるわけがない。」と一転して不気味に笑い出すコウモリ

道士。さらに、ガイ骨のある祭壇に向かって座り、次のように言いました。

 「闇の帝王よ、再び我に力を与えよ。我に力を与え、バンボロよりも強く、バンボロよりも賢く、

  バンボロよりも根性がある、グレートバンボロを授けたまえ!

  ズンベラ! ズンベラ! ズンベラ!」


ちなみに言っておきますが、闇の帝王なんて者は登場してきません。あくまでも大ボスはこのコウモリ道士なので・・・。にしても、「バンボロよりも」と

いう言葉を3回も続けるなんて・・・。これまでのバンボロキョンシーは何だったのだろうと思ってしまいます。さあ、いずれにしてこれは大変な事に

なってきました。 コウモリ道士が今度はグレートバンボロキョンシーを誕生させようとしています。いや、もうすでにその法術も始まっ

ております。金おじいさんや浩雲がする法術とはやはり違いますね。テーブルも異様に長く、複数ある器から怪しげな煙が出ている。とにかく不気味

です。「グレートバンボログレートバンボログレートバンボロ・・・」 と鈴を鳴らしながら唱えるコウモリ道士。ガイ骨の目も赤く光り出しました。「闇の帝

王の力を借り、今こそ甦るのだグレートバンボロよ!」
 すると棺の中で眠っていたバンボロキョンシー・・・いやもうグレートバンボロキョンシーと言っ

ていいでしょう、そのグレートバンボロキョンシーの目がパチリと開きました。さあそして最後の仕上げ。コウモリ道士がグレートバンボロキョンシー

のいつ棺に向かって強烈なエネルギーを発射。これにより棺はこっぱみじんに破壊されましたが、その代わり、

 恐っとろしいグレートバンボロキョンシーがついに誕生しました!

まずはキョンシージャンプを見せるグレートバンボロキョンシー。このジャンプも1回1回長く飛ぶという、実に迫力のあるもの。そして、「グレートバン

ボロキョンシー!!」と自ら叫び、近くにあった岩を難なく破壊するという、今まで以上の破壊力を披露しました。

 「フハハハハ。よし。この無敵グレートバンボロを使って、奴らに復讐だ! フハハハハハ・・・」

このコウモリ道士の飽くなき野望、テンテン達への復讐心も数倍となりました。
 
  

ここでこの話の前半が終了です。この第十回は、これまでにはない超とんでもない事態となりました。フィフィーのまさかの自爆。チビクロがさらわれ

たのも衝撃的でしたが、やはり何と言っても一番凄かったのは、あのバンボロキョンシーがさらにパワーアップしてグレートバンボロキョンシーになっ

てしまった事でしょう。果たしてテンテンたちはこの大大大ピンチをどう切り抜けていくのか!? 次の後半戦ですべての決着がつきます。

後半は、こちらです。


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