第八回 「テンテンたちと海賊キョンシーの友情!?」
相変わらず夏真っ盛りという気候が続いております。今年は去年より暑い。・・・・なんてな事をもう毎年毎年聞いているような気がします。もしそれが
本当なら、これから先どんどん暑くなっていくわけで非常に不安になるところでもありますが、ただ夏を涼しく過ごす手段がないわけでもありません。
たとえば怪談話。背筋が寒くなるほどの怪談話を聞けば、少しはこの暑さから解放されるかもしれません。さて、この来来!キョンシーズも結構怖い
シーンが多く出てきますので、こういった暑い夏に見るのがうってつけかもしれません。では、その第八回をどうぞご覧下さい。
もう前半の話は知っている。早く後半を見たい人はこちらへどうぞ。
◎今回の登場人物
テンテン:法術の達人である金おじいさんの孫娘。可愛さ抜群の主人公。
スイカ頭:テンテンと一緒に暮らしている子供。体はデカいが多少怖がり。
トンボ:テンテンと一緒に暮らしている子供。カンフーが得意で身が軽い。
チビクロ:テンテン、スイカ頭の友達。わがままな所はあるが、両親思いの健気な少年。
金おじいさん:テンテンたちをいつも見守っている道士。法術はもちろん、武術も使える。頼りになる存在。
浩雲:こちらも法術、武術にたける若き道士。ちょっと自信過剰なところがある。
コウモリ道士:キョンシーを使って悪の限りを尽くす、最大最強の敵。
ベビーキョンシー:その名の通り、小さな子供のキョンシー。いつも騒ぎを起こしてみんなを困らせる。
黄金コンビ:夏休みの時だけは子供の頃に戻りたいと思う勝手なナレーション
(注:上と同じ色で登場人物の台詞も分けています。)
◎ストーリー
さあ、いきなり『来来!キョンシーズ』と表れるいつものオープニングシーンから始まりましたが、非常にヤバい状況になっております。キョンシーの
中でも最強クラスと言ってもいいバンボロキョンシー。そのバンボロキョンシーが、今デブ隊長を襲い殺そうとしています! が、その前に前回のラス
トシーンを軽く振り返ります。窓に貼った巨大バツ印のお札が剥がされたところで、今回のサブタイトル紹介。
〜第八回
テンテンたちと海賊キョンシーの友情!?〜
来来!キョンシーズ史上、最長のサブタイトル。そして、これは意外な展開になりそうですね。この両者に友情が芽生えますか。ていうか、そんな呑
気な事をやってる場合じゃないと思いますが・・・。しかし、その辺が危ないシーンの連続を断ち切ってくれるかもしれません。
さて、前回のラストシーンはまだ続きます。近づいてきたバンボロキョンシーに向けてもち米を投げつけるデブ隊長。それが効かずに今度は鶏の血
を浴びせようとしたところ、バンボロキョンシーは消え、背後に来ていました。それに驚き、誤って血を自らの頭にかけてしまう所までが、前回のラス
トシーン。そしてこの続きからが今回のシーンです。悲鳴をあげ、転がりながら逃げていくデブ隊長。バンボロキョンシーは、やはりデブ隊長が好物
のうさぎに見えています。なので、当然また襲ってきます。さあ、鶏の血で真っ赤になっているはずのデブ隊長なんですが、なぜかいつの間にか綺
麗さっぱり汚れが落ちております。そのデブ隊長の反撃開始。これもあらかじめ用意しておいたのでしょうか、第6話で500元キョンシーと戦った時
にも使ったあの火薬攻撃を仕掛けました。バンボロキョンシーに向かって次々に火薬を投げつけるデブ隊長。煙の出具合がもうハンパじゃありませ
ん。さあ、たちこめていた煙が消えていきました。すると何とそこには、バンボロキョンシーの姿がありません。おお、これは倒したのでしょうか!?
「やった! やったやっつけたぞ!」と喜んでおりますが・・・。しかし、それがうさぎのダンスに見えてる者がいます。ということは・・・・・。またまたデブ
隊長の背後に現れるバンボロキョンシー。やはり(死んでますが)生きていました。そりゃそうでしょう。考えてみれば500元キョンシーにも通用
しなかった火薬攻撃が、このバンボロキョンシーに通用するはずがありません。さあ、完全にうさぎだと思い込んでいるバンボロキョ
ンシーは、デブ隊長の髪の毛をつかみました。どうやら耳をつかんでいるつもりのようです。そして、それをちぎるような仕草をするバンボロキョンシ
ー。あれ?耳じゃないのか?という顔をするところが面白いです。デブ隊長としては、自分の髪の毛をめいっぱい引っ張られてしまったわけで、これ
はこれで強烈に痛いです。痛がっていても、やはりまだ襲ってくるバンボロキョンシー。息をつく暇がありません。ついに逃げ場を失い、追い詰めら
れてしまったデブ隊長。・・・と思ったのですが、まだまだ備えをしておりました。左右の八角形の天の鏡から赤色のバリヤー光線が発射。それを受
けたバンボロキョンシーが苦しんでおります。「いいぞいいぞ。ここまでおいで。」とすぐ調子に乗るデブ隊長。しかし、今度のこの敵バンボロキョンシ
ーは頭もいいです。発信元である天の鏡をビームで破壊しました。ビームが発射出来るというのも、これまた凄いです。こうして難関を次々と、しか
も軽々と突破していったバンボロキョンシー。ついに金おじいさんと浩雲の待つ屋敷内に突入しました! その突入の仕方も、壁を体当たりでぶち
破るという、実にキョンシーらしく派手でした。さあ、ここからが本番。金おじいさん&浩雲
VS
バンボロキョンシーの対決となりましたが・・・・・・。未だ
襲われ続けているデブ隊長は金おじいさんが助け、バンボロキョンシーの相手は浩雲がしました。
「鎖回転!」
と、鎖でバンボロキョンシーをグルグル巻きにする浩雲。こうして初めのうちはなすがままにされますが、その直後にはいつも反撃に出る。不死身の
キョンシーだからこそ出来るのかもしれません。さて、今回は反撃も出来ないほど縛りまくっている浩雲ですが・・・。「おめでとう!」と言って最後は
しっかりと結んだ浩雲。とどめのキックで鎖づけのバンボロキョンシーを蹴り飛ばしました。「いやぁ〜もうちょっとで食われるところだった!」と浩雲
に感謝するように言うデブ隊長。礼を言うのはまだ早いです。バンボロキョンシーが立ち上がりました。そして、「バンボロー!」と叫びながら身体に
巻きついている鎖をぶっちぎりました! うわっ、凄い力です。おそらくこいつにはギランのグルグルガムも効かないでしょう。「ぎょぎょ。」と金おじい
さんも驚いております。ということで、戦いはまだ続きます。今度は浩雲だけでなく、金おじいさんも向かっていきました。しかし、2人がかりですがカ
ンフーではまったく歯が立ちません。ここで助けに向かうのが、さっきまでビビりまくっていたデブ隊長。「ようし、俺も男だ! やりますよ!」と槍を手
にし、突進してバンボロキョンシーの胸めがけて刺しましたが・・・・・・。その槍を簡単に折られてしまいました。逆に噛まれそうになるデブ隊長。そう
はさせまいと、金おじいさんと浩雲が必死に守っています。助けようとしたのに反対に助けられるなんて・・・。さてその頃、この様子を遠方
でコウモリ道士が笑いながら観察しておりました。もう余裕です。がしかし、その笑みが突然消えました。デブ隊長の顔をジッと見てみるコウモリ道
士。デブ隊長の伯父だと当然コウモリ道士は思っているわけなので、当然おかしい気づきました。
「そいつは偽物だ。」
と、テレパシーでバンボロキョンシーに命令を伝えるコウモリ道士。すると、さっきまで大暴れしていたのがまるでウソのように、バンボロキョンシーは
クルッと向きを変え、この場を去っていきました。「どうしたことじゃ?」と首をかしげる金おじいさん。「フフフフ・・・」と、ここで笑うコウモリ道士。騙さ
れたのにこうして笑うということは・・・・・。やはりこのまま目的を果たさないまま引き下がるコウモリ道士ではありませんでした。退散させたバンボロ
キョンシーを伯父のいる場所へと行かせました。おどおどしながら待機している伯父。そこへ、バンボロキョンシーがやって来ました! そして伯父
は、
アッという間に噛み殺されてしまいました!
その後、金おじいさん達がすぐに来ましたがもう・・・。「遅かった・・・」と悔しさを滲ませる一同。伯父は殺され、バンボロキョンシー退治にも失敗。ま
さに最悪の結果となってしまいました・・・。
夜が明け、次の日になりました。儀荘へと向かう金おじいさんと浩雲。「あ痛たたたた・・・」 浩雲は無傷ですが、金おじいさんは違うようです。「あぁ
金じいさん、大丈夫ですか?」 「なになに、これくらい。」と少しやせ我慢をしているようです。儀荘に着き、中に入ろうとした2人でしたが、その前に
「おじいちゃん!」とテンテンたちが扉を開けてやってきました。テンテン、スイカ頭、トンボ、チビクロ、それから昨夜この儀荘にやって来た長三道士
も一緒です。「大丈夫おじいちゃん?」 「どうじゃった?」と聞く長三道士。「あーあ。負けじゃ。」 「法術が通じなかったのだ。」と金おじいさんと浩雲
は答えました。「そんなに強いの?」
「うん。いやぁ、相当の強敵じゃ。操っているのは只者ではない。だが何としても倒さねば。」
『強敵』の上に『相当』ですからかなりのもんです。それにしても、金おじいさん達は操っているのがコウモリ道士だということにまだ気づいてないんで
すね。まずはそれに早く気づくべきです。でないと、勝つのはとてもじゃありませんが難しいです。「あぁ長三道士、浩雲。体制を立て直し、もう一度戦
うんじゃ。準備をしてくれ。」 これを聞いて、「はい。」 「あぁ〜、こりゃ一大事じゃなぁ・・・」と言ってこの場を去る浩雲と長三道士。「さて、わしは次な
る作戦を考えねば・・・。じゃあな。」と、金おじいさんはテンテン達に言い残してヨタヨタしながら儀荘に入っていきました。「そんなに強いなんてビック
リだな。」 「心配ないよ。俺に任せろ。」と、なぜか強きなスイカ頭。
スイカ頭が目をつけたのは海賊キョンシーでした。仰向けでおとなしくなっている海賊キョンシーの前で、赤い砂を作るスイカ頭。
「スイカ頭! キョンシーを味方にするなんて、どういう事か分かってるの!?」
「分かってるさ。だけどバンボロキョンシーをやっつけるには、こうするしかないだろ。」 「そうだよ。」 赤い砂を海賊キョンシーの足の裏のツボ7箇
所に当てるスイカ頭。おお、これは第二回でチビクロが杜平キョンシーにした時と同じ作業です。その経験があってなのか、ここでチビクロが1つ疑
問を感じました。「なあ。この海賊キョンシーは片足だろ。普通は両足にやんなきゃいけないのに、片足だとどうなんだよ?」 いやいや、今日のスイ
カ頭はいつものスイカ頭とは違う。そのくらいの事はちゃんと考えてるだろう。ところが返ってきた言葉は、
「やってみるっきゃないよ。」
という、やはりいい加減なものでした。赤い砂の施しも終わり、今度は海賊キョンシーのおでこのお札に向かって念を吹き込むスイカ頭。しかし、海
賊キョンシーはまったくもって動いてくれません。「だめだこりゃ。」と落胆の表情を浮かべるスイカ頭に、トンボがちょっとしたイタズラを・・・。お札をお
でこから一瞬離し、海賊キョンシーを一時的に自由にさせました。自由になった海賊キョンシーの左脚、つまり棒が動き、それがスイカ頭の股間に
直撃。男にしか分からない痛みを味わってしまいました・・・。それを見てテンテンがどういうリアクションをするかも見てみたかったのです
が、残念ながらそのシーンはありませんでした。
さあ、気を取り直して今度は4人全員でかかるテンテンたち。見事海賊キョンシーを味方にする事が出来るのでしょうか・・・? 5つのお皿をそれぞ
れ用意したスイカ頭、トンボ、チビクロ。なのでトータル15皿あります。「お米を!」と指示を与えると、3人が皿に米を入れました。仕切るのはやはり
テンテンですね。次に、長い線香を3人に1本ずつ投げて配るテンテン。受け取った3人は、5皿あるうちの真ん中を選び、そこに線香を立てました。
これで線香&お米付きの皿が3つ出来ました。
「天地神明! 霊神!」
とテンテンが声を発すると、3つの線香&お米付きの皿から炎が発生。そしてその炎が、仰向けになっている海賊キョンシーを包みました。さて、も
う1つテンテンのセリフを大きくしましょう。
「光あるところに影の力あり! 秘められた力よ、暗黒の橋を渡り光の中に出よ!
光と影よ繋がれ!」
さあ、事前に準備していた光と影の橋を順番に渡るチビクロ、トンボ、スイカ頭。しかし、スイカ頭は渡れはしましたが、橋を壊してしまいました。その
せいで倒れこんでしまうスイカ頭。「大丈夫かよ!」 「ドジだなぁ!」 「スイカ頭気をつけて! 海賊キョンシーが凶暴化したら取り返しがつかない
わ!」 海賊キョンシーの顔辺りから少し煙が出ています。もう少しで大変な事になるところでした。
さあ、またまた仕切り直し。今度は行き交う途中に米を盛った皿が7つあるという別の橋を作りました。「光よ! 7つの橋を渡れ!」 またまた渡る
チビクロにトンボ。今度は7つの皿すべてに線香を当てながらテンポよく渡らねばなりません。こんな芸当を不器用なスイカ頭が出来る
のでしょうか? 2人は無事成功。問題は次です。「スイカ頭。気をつけるのよ。」 「うん。」 今度失敗すれば、テンテンが言った通り海賊キョンシー
が凶暴化する可能性が大。それだけに慎重にやらねばならないのですが・・・・・。やはり失敗。2つ目の皿に線香を立てようとしたところ、米をこぼし
てしまいました! 「ダメよ! 落ちついて!」 とテンテンが言いますが、すでに遅し。橋に何とも不気味な青白い光が生じ、雷のような音まで聞こ
え、室内は異様な空間に変わってしまいました。
「キョンシーが凶暴化しちゃう!!」
ついに橋は爆発して壊れ、その衝撃で辺りは白い煙に包まれました。「ダメ! 大変よ!!」 いや、もうすでに大変なことになっています。白い煙が
消えるとそこには、
お札なしの海賊キョンシーが目をパッチリと開けて立っていました!
ここでこの話の前半が終了です。サブタイトルでは友情が芽生える・・・みたいな事になってましたが、それどころか凶暴化の恐れも出てきてしまった
海賊キョンシー。テンテンたちはこのままやられてしまうのか!? そしてバンボロキョンシーだけでなく、コウモリ道士にはもう1人、フィフィーもいま
す。コウモリ道士はフィフィーもテンテンたちに差し向けるのか!? バンボロキョンシーにフィフィー、そしてその背後にいるコウモリ道士を倒すの
は果てしなく険しそうです・・・
後半は、こちらです。