インドア派の城に戻る


最終話 「悪魔の三姉妹編 最終回 サキよ永遠に」

 

5月21日は金環日食でした。時間はだいたい朝の7時半頃。普段はこの時間帯はまだ眠っている人も、この日だけはしっかりと早起きをして日食

を見たんじゃないでしょうか・・・。ところで、源平合戦が行われていた時期も、この金環日食があったそうです。何でも、平氏のほうに天文学に詳し

い人がいて、近い日に日食が訪れることを源氏にはいっさい黙っておいて、源氏の動揺を誘い、平氏勝利に大きく貢献したとか・・・。もし金環日食

がなければこの戦いも違った結末を迎えていたかもしれないそうです。さあ、このスケバン刑事でも大事な超2大バトル、サキVS麗巳の対決が残さ

れております。果たして勝つのはどちらでしょうか? ではご覧下さい。



もう前半の話は知っている。早く後半を見たい人はこちらへどうぞ。



◎今回の登場人物

 麻宮サキ:鷹の羽学園2年B組の女子生徒で主人公。その正体は、ヨーヨーで悪を懲らしめるスケバン刑事。

 野分三平:鷹の羽学園2年B組の男子生徒。サキに惚れている。

 沼重三:鷹の羽学園2年B組の担任教師。1シーンの伝説が定着しつつありますが、この最終話でもラストにいいセリフを・・・

 
海槌麗巳:日本支配を目論む・・・いや、目論んでいた海槌一族の長女。いよいよ・・・いよいよサキとの直接対決をする!

 神恭一郎:サキを見守る暗闇機関のエージェント。いつもクール。

 黄金コンビ:黄金コンビよ永遠に・・・・・なんて私も言われてみたいなと思っているナレーション

  (注:上と同じ色で登場人物の台詞も分けています。)

 

◎ストーリー

ついに最終回です。これまでのインドア派の城の各お話の最終回も派手にやってきましたが、今回も同じようにド派手にやっていきたいと思います。  

さあ、今回はこれまでと大きく違う点が1つあります。何と、

 いつものテレビのナレーションがありません。

この『いつものテレビのナレーションがありません。』ってのがナレーションなの・・・? いやいや、そんなくだらんオチではありません。本当に今回は

無いんです。ということで、いきなり本編スタートといきましょう。



妖しい雷、妖しい部屋、妖しい音楽で赤いワインを飲む女、海槌麗巳。その心の中は、もはや尋常ではありません。

 「麻宮サキ。もう我慢できないわ。最後の決着をつけてやる! 

  待ってなさい。私の手で、直接お前の息の根を止めてやるから!

と言い、腰かけていた状態から立ち上がりました。直接息の根を止めるにしても、そのための準備は欠かせません。この辺はもう、いつも通りです。

まずは、三平に狙いをつけた麗巳。通りを歩いているところを、麗巳の部下たちがムリヤリ車に乗せようとしました。「何すんだよ! 放せ!」 

・・・と叫んだところで、彼らが放してくれるわけありません。三平は簡単に車に乗せられ、連れ去られてしまいました。



その夜、サキは自宅で勉強をしておりました。そういえば、サキがスケバンになったのは母ナツの事件があってからのこと。ナツの無罪も明らかに

なって戻ってきた今となっては、スケバンどころか勉強さえもやる気になるほどの女子高生に変わっております。「サキ。三平さんがいらしたわよ。」

と言うナツ。「え、こんな時間に?」 とその時、三平は急にナイフを振りかざし、サキに襲いかかりました! 「キャー!」と悲鳴を上げ

るナツ。「何すんの三平!?」とビックリするサキ。ビックリしながらも、サキは持ち前の反射神経を駆使して三平からの攻撃を何とかかわしていま

す。それにしても、三平のこの異変は一体どういう事なんでしょうか・・・? おそらく昼間に車で連れていかれた事と関係はしているのでしょうが、こ

の異変はただ事ではありません。ついに三平は、サキの首を絞めてきました。これはサキ、この最終回始まって序盤から思わぬピンチを迎えてしま

いました。しかし、このままやられるわけにはいきません。サキは三平の腹を殴り、逆に押さえつけました。押さえつけながら「三平!!」と叫ぶサ

キを映したところで、いつものヨーヨーのオープニングシーンの登場。そして、ここから物語が本格的に始まっていきます。



本格的に始まっていきますと言いましたが、何かいきなりもう本格的になっているというオープニング前でした。さあ、病院に直行となってしまった三

平。そりゃそうでしょう。何が原因でこんなになってしまったのかは不明ですが、とにかくもうまずは病院です。さっきの出来事がまるでウソのように、

今はすっかりとベッドで眠っている三平。その三平を、サキがそばで心配そうに見ています。そして、神もやって来ました。黄色いポルシェから降り、

鍵もかけないでさっさと院内に入っていった神。そして、ノックもしないでサキたちのいる病室に入ってきました。「神。」 無言で頷き、三平の様子を

パッと見てみる神。「鎮静剤で眠っているのか?」 ウンと今度はサキの方が無言で頷きました。ここから暫くの間は、神は担当医のほうに話を聞き

にいき、サキは引き続き三平のそばに居ました。そのサキと神が、再び廊下で顔を合わせました。「神。」 

 「医者からカルテを見せてもらった。症状から見て、P3Yに間違いない。」

「P3Y?」 いや、サキだけじゃないでしょう。誰もがこの3文字が何なのか謎に思ったはずです。「近代ゲリラ戦争で使われた洗脳薬だ。」 『洗脳』

という言葉を聞いてギョッとするサキ。神は続けます。「打たれると思考形態が麻痺し、ロボットのように相手の命令通りに動いてしまう。」 「そん

な・・・!」
 この辺の専門的な知識絡みの話になってしまうと、やはり神の方が押し気味。サキはほとんど言葉が出ず、受け身になっています。「あ

まりの人間性を無視した薬品の兵器だとして、製造禁止になったはずだが・・・」


 「麗巳よ! 海槌麗巳の仕業だわ! 私を殺そうとして、三平まで・・・!

命令通りに動かせるとの事なのできっと、いや絶対に麗巳が三平に命令を吹き込んだに違いありません。ただ、これは私の予想なんですが、サキ

を殺すようにという命令はしていないんじゃないかと思います。なぜなら、麗巳は自分の手で直接やると言っていましたので・・・。それにしては、ナイ

フも持っていましたし、殺気のようなものも感じられましたが、それでもおそらく殺すところまでやらないように命令をしていたのだろうと想像しており

ます。「助かるんでしょ神!? 元の三平に戻るんでしょ!?」 「問題は残された時間だ。」 「時間?」 

 「この薬の恐ろしいのは、確かに解放剤はあるのだが、24時間以内に注射しないと

  麻痺した思考形態が永久に元に戻らず、ついには死に至ってしまうという事だ。」

さすがは最終回。ただ決戦があるだけでなく、そこに時間との戦いも加えられてきました。ちなみに、この後のスケバン刑事U、Vでも、最終回は時

間との戦いが絡んできます。ですが、ここではその話は当然するつもりはありませんので・・・。「三平が打たれたのが今日の夕方だとすれば、タイ

ムリミットは明日の夕方。それまでに解放剤を打たなければ・・・」
 「どこに行けば手に入るの!? すぐ持ってきてよ神!!」 「落ちつけ。製造禁

止になった薬の解放剤だ。簡単に入手できるかどうか・・・」
 これを聞いて、ガックリと俯いてしまうサキ。しかし、まだ絶対に手に入らないと分かっ

たわけではありません。ここで希望を捨ててはいけません。「とにかく、お前はいったん家に帰ってお母さんを本部に連れていけ。万が一でも危険が

あったらいかんからな。」
 そうです。相手はあの麗巳です。ナツ、いやもっと言うと、沼や美也子たちの身の安全も考えた方がいいくらいです。これ

以上被害者を出すわけにはいかない。サキは神の指示通りにすることにしました。とここで今回の、いや今回で最後となるサブタイトル紹介。

 〜悪魔の三姉妹編 最終回 サキよ永遠に〜

序章があれば当然その終わりがある。第11話から始まった悪魔の三姉妹編、いよいよこの回で幕閉じです。



サキは家に戻ったのでしょう。神は引き続き病院に残っています。日も変わり、腕時計の時刻は0時30分を指していました。本当なら帰ってゆっくり

風呂に入って床につきたい所なんですが、そんな事は言ってられません。病室の外のソファに腰かけ、腕組みをする神。とその時、病室から看護婦

の悲鳴が聞こえてきました! すぐさま病室に向かう神。室内に入るとそこでは、三平が目を覚まし、再び暴れていました! 「三平!」 こんな時で

も至って冷静な神。落ちついて三平を落ち着かせようとします。しかし、P3Yを打たれている三平には、麗巳以外の人間の言う事など聞く耳もちませ

ん。パイプ椅子で神を叩きつけようとする三平。もっとも、神はそれを難なくよけていますが・・・。今度は室内にあった小型テレビを手にした三平。し

かし今度は、それを神ではなく、窓ガラスに向かって投げました。当然ガシャンと割れてしまう窓ガラス。おお、懐かしいですね。というのは、以前に

椎名純子を助けた時も、三平は相手の車のバックガラスを石で割りました。もしかしたら三平自身、物を破壊したいという願望を心の中に潜めてい

るのかもしれません。さあその三平なんですが、今割った窓から外に飛び出して逃げていきました。麗巳の元へと帰ってしまう三平・・・



朝になりました。サキの家にすでにナツはおりません。おそらくもう暗闇指令の本部にいるのでしょう。代わりに神が来ております。電話がかかって

きました。いや、というより、画面がサキの家へと変わった時点で電話は鳴っておりました。受話器を取って出るサキ。「はい、麻宮です。」 電話の

相手は当然、「フフフフフ、私よ。海槌麗巳。」でした。「麗巳!」 「どう、サキ。親友の三平に殺されそうになったご感想は?」 「てめえ、三平はどこ

だ!」
 「大丈夫、ピンピンしてるわよ。」と言っておいて、次に重大なことを話してきました。

 「ところで、三平に使用した洗脳薬P3Yだけど、打ったのが昨日の午後3時。

  だから解放剤の
タイムリミットは今日の午後3時。

  あと5時間だという事をまず知らせておいてあげるわ。」


サキがパッと振り返り、壁時計の時刻を見てみると、確かに今は10時です。この最終話は、時計の出番が多くなりそうです。それにしても、第12

話で亜悠巳が三井律子を人質に取った時のタイムリミットも午後3時。海槌一族は、この午後3時という時刻に何か強いこだわりでも持っているの

でしょうか・・・? さあ、とにかくこれで、夕方だと予想していたタイムリミットが、実際はそれよりも少し早い午後3時であることが分かりました。サキ

と神にとっては、ますます不利な状況へと変わってしまいました。「解放剤を必死になって探してもいいし・・・。でも、あなた達の力じゃまず無理ね。

持ってるのよ。この私が、今この手に・・・」
 これを聞いたサキは、「何!?」と大きく心が揺らぎました。おお、確かに麗巳の手には解放剤がありま

す。

 「ほしければ取りにいらっしゃい。時間は今日の午後1時。

  場所はYEAST製薬の城北工場。来なければ三平は死ぬわよ。」

「麗巳、てめえ!」 麗巳は電話を切りました。「これでサキは必ず来るわ。でも、サキが来てもこの解放剤を手に入れることは絶対に出来ない。どう

してか分かる?」

 麗巳は手に持っていた解放剤を床に落とし、足で踏みつけて使えなくしました!

うわっ! これで三平の死が濃厚に・・・! どうしてか分かる? いやいや、充分すぎるくらいよく分かりました。



さあ、そのありもしない解放剤を求めて麗巳の元へ向かおうとするサキ。「行ってくる。」 「待て!」 「止めないでよ神!」 「これは罠だ。お前を誘

い出して殺すのが狙いなんだぞ。解放剤があるというのもウソに決まっている!」
 「でも行かなければ三平が・・・」 ここで神は、信じられない事を  

サキに言います。

 「あきらめろ!」 

「何だって!?」 「こうして誘い出すからには、麗巳は完璧な準備をして待ち受けているはずだ。行けばお前は必ず殺される! 仮に三平を救い出

せても、三平が助かる確率はほとんど0だ!」


 「それが何だって言うんだよ! 三平仲間じゃないか! 仲間を見殺しにする事なんて

  出来ないよ! 三平に、命を助けられた事だってあるのよ!

そうなんです。特に、亜悠巳に銃で撃たれて看病してもらった時は本当に世話になりました。いい具合にその時の回想シーンも出てきました。「信じ

られないよ神! 人間は確率だけで動くのかよ! 今まで私や三平のこと、一体どう思ってきたんだよ!」
 「感情に流されるなサキ!」 互いに言

いたい主張を言いあったサキと神。今度は一転して、無言のまま見つめ合いました。しかしそれも束の間、こうしちゃいられないとばかりに三平救出

に向かうサキ。しかし、神がそうはさせませんでした。サキの腹を殴って気絶させ、ベッドに寝かせました。さあ、神はこの後どうするのでしょうか? 

本当にこのまま三平のことをあきらめるのでしょうか・・・?



さあ、場面は変わりました。どこかというと、もちろんYEAST製薬の城北工場。ここには麗巳と、麗巳の部下が数人、そして三平がいます。今やロ

ボット人間と化してしまっている三平は、暗い目でずっと一点を見つめております。ここにもやはり時計はあり、時刻は12時59分。1時まであと1分

と迫ってきました。「そろそろ時間よ。さあいらっしゃい、サキ!」 間違いなくサキが来ると思って待っている麗巳。しかしこの場に現れたのは、

 「神恭一郎!」

でした。しかも何と、意表をついて天井からのご登場。うわ、これにはビックリです。そして、一瞬ひるんだ麗巳の体を押さえて言いました。「解

放剤はどこだ!」
 「アッハハハ、そんなものがあると思ってるの?」 捕えられても麗巳は全然平気です。さらに、「三平、やりなさい!」と三平に神

抹殺を命じました。サキを襲った時と同じようにナイフを出し、神を刺そうとする三平。しかし、神はこれをギリギリの所でかわしました。このギリギリ

というのが上手いです。神がギリギリでかわしたため、三平のナイフは麗巳の体に刺さりました。うわぁ〜、急所こそ外れていますがこれは痛いで

す。「ギャー!!」と麗巳は思わず声を上げました。さらに今度は三平の腹を殴って気絶させ、かついで逃げました。サキが来ると思っていたのが、

予想外の神が来た。おまけにその神に傷をつけられ、三平まで取り返されて逃げられてしまいそうになる。麗巳はもう完全に頭にきております。

「殺せェー! 2人とも殺せェー!!」と物凄い声を出して部下たちに命令しました。さあ、ここからは追いかけっこです。麗巳の部下たちが銃を持っ

ていないわけがありません。容赦なく撃って追いかけてくる部下たち。大の男三平をかつぎながらの逃走なので、これは神はかなり辛いものがあり

ますが、それでも必死に逃げます。一方その頃、気を失っていたサキが目を覚ました。サキが時計を見ると、1時30分。麗巳との約束から30分も

オーバーしていることを知ったサキ、大変だぁ!という表情に変わりました。さて、またまたYEAST製薬。まさかサキの今の一瞬のシーンの間に神

がやられたなんてことは・・・・・・大丈夫、ありませんでした。ちゃんとまだ逃げ続けております。工場を離れ、止めておいたポルシェのところまで来た

神。追っ手はもう来ておりませんでした。三平を助手席に乗せ、自分も運転席に乗ろうとしたその時、

 突然飛んできたライフルの弾が、神に命中!!

工場の屋上には、いま弾を放ったばかりの麗巳の姿がありました・・・!



ここでこの話の前半が終了です。三平を麗巳の元から救出はしましたが、肝心の解放剤がありません。さらに、神も麗巳に撃たれたことで命が危な

いかもしれない。果たして2人は無事生き延びることが出来るのか!? そして何と言っても、一番の見どころはやはり、サキと麗巳の最終対決。

最後に生き残るのはサキか!? それとも麗巳か!? 何もかもが・・・何もかもがこのあとの後半戦で決着つきます!

後半は、こちらです


インドア派の城に戻る