インドア派の城に戻る


第23話 「恐るべき死の爆弾人形!!」

 

ペンをプレゼントされました。カラフルに12色もあります。プレゼントしてもらえたのはありがたいんですが、使う機会がまったくありません。でも、こ

うして色が多くあるものというのは、見ていて心豊かになるというか、晴れ晴れとした気分にさせてくれる力があります。ちなみに私は、色の中では赤

が一番好きです。さて、このスケバン刑事では、赤色の人が毎回毎回悪さばかりしてくれます。この第23話でも、それが無くなることは120%あり

ません。紺色のサキはそれに対抗することが出来るのでしょうか・・・? では、その第23話をどうぞご覧下さい。



もう前半の話は知っている。早く後半を見たい人はこちらへどうぞ。



◎今回の登場人物

 麻宮サキ:鷹の羽学園2年B組の女子生徒で主人公。その正体は、ヨーヨーで悪を懲らしめるスケバン刑事。

 野分三平:鷹の羽学園2年B組の男子生徒。サキに惚れている。

 沼重三:鷹の羽学園2年B組の担任教師。今回はいつもと違う沼が見られる予感が・・・

 
海槌麗巳:日本支配を目論む・・・いや、目論んでいた海槌一族の長女。その目論みが失敗し、今度は一転してサキ抹殺の鬼と化す。

 神恭一郎:サキを見守る暗闇機関のエージェント。いつもクール。

 黄金コンビ:このページの背景の花が何の花なのか分からなくなったが、もう一度調べ直してみようと思っているナレーション

  (注:上と同じ色で登場人物の台詞も分けています。)

 

◎ストーリー

さあ、亜悠巳に久巳、そして剛三もいなくなり、上記登場人物のほうも少々寂しくはなりましたが、話のほうはこれからは超レッドゾーンへと突入しま

す。では、まずはいつものナレーションから聞いてみることにしましょう。

 海槌一族のすべての野望を打ち砕いた麻宮サキは、12年ぶりに母ナツと再会した。

 暗闇指令によりスケバン刑事の任を解かれたサキに、久々に穏やかな日々が訪れた。だが、

 海槌麗巳は生きていた。それは、どちらかが倒れるまでは止むことのない宿命の戦いだった。

このナレーションの間に、麗巳のサキに対する恨みのこもった言葉もありました。前話のラストとはちょっと違ったセリフになっていますので、せっか

くだからこれも聞いてみましょう。

 「サキ! お前は私の大切な夢をメチャメチャにしてくれたね! 

  今度は私がお前をメチャメチャにしてやる! 覚えておくのね!」

やります。この麗巳なら必ず・・・いや、絶対にやるでしょう。そしてサキも、それは充分よく分かっている。ナレーションの通り、これから宿命の戦い

が始まろうとしています。



さて、場面は変わり、1人のある女子高生を狙おうとしている5人のバイク軍団が・・・。これが、これから始まる戦いのプロローグなんでしょうか? 

そんなことを思っているうちに、バイク軍団が彼女を轢いていきました! このバイク軍団は一体何者なのか? そして、この女子高生は果

たして誰なんでしょうか・・・?



女子高生の方はすぐに分かりました。三平からこの事故のことを聞いて、

 「え、和美が!?」

と驚くサキ。事故に遭ったこの女子高生は木村和美。サキのクラスメイトです。「そうなんだ! 学校の帰り道にバイクにはねられたんだって! 意

識不明の重体だって言うんだよ!」
 それにしても今日の三平、いつもとは若干髪型が違う気がします。いつもと違って、横に自然に流している感じ

です。サキのほうは、毎度お馴染みのポニーテール。そのサキが「行こう三平! 早く!」と三平を急かし、2人が病院へ向かって走っていったとこ

ろで、いつものヨーヨーのオープニングシーンの登場。そして、ここから物語が本格的に始まっていきます。



オープニングシーンの間もずっと走っていたサキたち。まだ病院には着いていなかったようです。しかしもう目の前、着きました。入口をさっさと通過

し、院内に入っていった2人。そこにはすでに、沼や美也子たちが来ておりました。こうして心配してくれる教師や友達たちがいる。なかなか羨ましい

です。「沼先生。」 「ああ、麻宮か・・・」 「どうなんですか、木村くん?」 「今、手術が始まった。」 「家の人は?」とサキが聞くと、沼は次のように答

えました。

 「それがな・・・。木村は幼い妹と2人暮らしなんだよ。2年前にお母さんを亡くしてから、

  木村は一家の主婦代わりだったんだ・・・。お父さんが去年長期の海外出張に出てからは、

  留守を守って妹の世話をしながら学校に通っていたんだよ。」

大声を出すイメージのほうが強い沼なんですが、今のこの喋り方は違っていました。木村の事情を静かにサキに話した沼。沼が話した通り、今ここ

には木村の家族の者は誰も来ていません。いや、その幼い妹が来ていても・・・という所なんですが、心配をさせたくないという配慮からまだ知らせて

いないようです。さあ、手術が続く中、その終わりが来るのを今か今かと待つ一同。その待ち方も様々で、三平はじっと立ったまま、沼は少しウロ

ウロ歩き、サキや美也子たちは腰かけております。黙って待つことの出来るサキと違って、美也子たちはそれが出来ません。「よりによって和美が

事故に遭うなんて・・・」 「事故にでも遭えばいい奴は、他にいくらでもいるのにさ・・・」なんてことを口走っております。と、ここで手術が終わり、担当

医が出てきました。「先生。」と、自分も先生のくせにそう言って容態を聞いてみる沼。

 「出来るだけの事はしました。あとは、患者の生命力次第だと思うんです。」

という、こういう時のお決まりのセリフを言って去っていった担当医。心配そうな眼差しを続けているサキのドアップ映像で画面が止まったところで、

今回のサブタイトル紹介。

 〜恐るべき死の爆弾人形!!〜

麗巳の爆弾を仕掛けた人形がサキに・・・・・という事はだいたい想像できますが、それにしても恐ろしそうです。



さて、和美をバイクで襲った5人組。彼らはやはり、麗巳が仕向けた者達でありました。「サキとクラスメイトを間違えるなんて・・・。あんた達のしそう

な事よ。」
と、5人に言う麗巳。やっぱりサキを襲うつもりだったようです。その失敗を認めているのか、俯いている大の男5人。「サキとあの子は、今

日の昼休みにカバンのマスコット人形を交換した。そんなことも調べずに襲うなんて・・・。所詮暴走族は暴走族でしかないという事よね。」
 てことは

おそらく、麗巳がこの5人に目印となるマスコット人形をあらかじめ教えていた、という事なのでしょう。そしてこのマスコット人形が、今回のサブタイト

ルでも言っている死の爆弾人形なんでしょうか・・・? 何かちょっと違うような気もしますが、とにかく麗巳から言いたい放題言われてたまらなくなる5

人。「で、でも・・・」と返そうとしますが、すぐさま「おだまり!」と一喝されました。「いいわ。狼と間違えて狐を捕ってきたとしても、あなた達があなた達

なりの仕事をしたことには変わりはない。ネズミにふさわしい仕事をね。」
と言い、小切手に150万円と書いて床にポイと捨てる麗巳。そし

て、「何してるの。ネズミはネズミらしく餌をもらったらさっさと帰るものよ。」と、バカにしたような言葉を吐いて5人を帰らせました。



バカにされた5人が麗巳に牙を向くことはありませんでした。場面は木村家へと変わります。ガラガラガラとドアを開けて中から顔を見せたのは和美

の妹、 ゆかりでした。ドアを開けて顔を見せたということは、誰かが来たということ。来たのはサキでした。「こんばんは。」と言ってきたサキに対し

て、同じく「こんばんは。」と返してきたゆかり。きちんと挨拶が出来るかどうか、まずはそれがこれで確認出来た事になります。「ゆかりちゃんね?」 

今度は口を開かずに黙って頷いたゆかり。「あのね。私、お姉ちゃんのお友達で麻宮サキっていうの。お姉ちゃんね、ちょっとケガしちゃって、いま

病院にいるの。」
 「病院?」 「でも何にも心配することないのよ。お医者さんが一生懸命治療してるし、お友達もついてるの。でも、それよりもゆか

りちゃんがお腹空かしてたり、寂しがってたりすると、お姉ちゃん心配して治るケガも治らなくなっちゃうでしょ? だから私が・・・サキお姉ちゃんがゆ

かりちゃんのご飯作りにきたの。ほら。」
と、手に持った紙袋を見せるサキ。ゆかりはサキを家の中に入れました。さあ、一体何を作るのか・・・。い

や、サキは料理が出来るのかというのも気になるところですが・・・。お米を研ぎ、味見もしながら、メインのおかずであるハンバーグを焼くサキ。物

語の時間の都合上、料理はアッという間に出来ました。小さなテーブルを囲むように、エプロンをしたままのサキと、ゆかりが座っております。「さ、

ゆかりちゃん。食べよう。」
 「いただきます。」 さて、当たり前のことながら問題は料理の味です。すると・・・・・・。

 「おいしい。」

と、ゆかりは言ってくれました。「ホント?」 「うん。」 

 「良かった・・・」 

こういう時には、相手が子供というのが実にいいですね。絶対にお世辞を言いませんから・・・。おいしいと言ったのは、正直な感想に違いあ

りません。その食事が終わりました。サキには、もう1つやる事があります。家に電話をすることです。こないだまでは1人暮らしでしたが、今は母ナ

ツが家にいますので・・・。「・・・そうなの。だから母さんも心配しないで。私は和美が戻るまでここにいるから。・・・そう、ちょっとしたママの気分

よ。・・・そうなの。じゃあ、お休みなさい。」
と、ナツに電話をしたサキ。その顔には笑顔が溢れていました。



さあ、今度はいきなりジャンボジェット機が着陸するシーンへと変わりました。お! これはきっとまた何かあるに違いない。では、本日2回目のナレ

ーションを聞いてみましょう。

 その2日後、麗巳がアメリカから呼び寄せた恐るべき強敵が成田空港に降りたった。

と言っておりますが、その間にもう既にその男は、成田空港からタクシーに乗って麗巳の元へと向かっております。そして着きました。サングラスを

し、まるで安岡力也のような感じのするこの男、何者なんでしょうか? 麗巳の待つ個室にまで行きました。「How are you?」 「fine.」 とまずは

軽い挨拶をする2人。そういえば、麗巳もしばらくはアメリカに行っていました。なのできっと英語もペラペラなんでしょうし、あるいはそのアメリカにい

た時にこの男と知り合ったのかもしれません。「超小型ナパームの餌にしたい相手というのは、誰かね? 米国スーパーウェポン研究所の主任研

究員がわざわざ乗り出すほどの相手かね?」と、自分が何者であるかを視聴者側に教えてくれた男。これ以降は、この男のことを主任研究員と呼

ばせてもらうことにしましょう。「相手は小娘1人。だけどこの小娘は本物の牙の持ち主。」 「フフフフ。だいぶお気に入りのようだな、その小娘。」と

言う主任研究員。

 「そう。気に入ってるの。

  だからこそ、苦しみのたうち、屈辱にまみれて血を吐いて倒れるところが見たい!」

ここでようやく主任研究員はサングラスを外しました。

 「いいだろう。私は、その小娘の最期を見て恍惚にふるえるあなたを、見たい!」 

見たい見たいって花火じゃないんだから・・・。さあ、ゆっくりと動く麗巳。この部屋にあらかじめ用意していたモニターのスイッチを入れました。すると

画面には、今現在のサキの様子が・・・。こうして相手の動きを監視するのは、もうお馴染み。海槌一族の得意とするやり方です。「サキは今、6歳の

子供と一緒に暮らしている。あの用心深い麻宮サキが、あの子といる時だけは緊張を解くように見える。子供が、警戒心の殻に閉じこもったサキへ

の侵入口になる。」
 モニターを見てそのサキを確認する主任研究員。あの子とは、無論ゆかりの事です。この時、主任研究員がゆかりとサキとを

見間違えたら面白いなと思うんですが、もちろんそんな事はないでしょう。そんなバカな見間違え方をしたら、さっきの暴走族以下ですから・・・。さ

あ、麗巳が続けてこう言いました。

 「そう。子供に爆弾を仕掛けて、サキもろとも吹き飛ばすのよ!

さっきのマスコット人形が死の爆弾人形だと思ったのは、やはり私の勘違いでした。これから本当の死の爆弾人形が登場することになり

ます。




今度は実験室のような部屋へと移った麗巳と主任研究員。主任研究員が人形を1体出しました。金髪の女の子の人形です。後ろのレバーを引っ張

ると、「こんにちは。私ミカちゃん。あなたはどなた?」と喋りました。この人形にどうやって爆弾を仕掛けるのか・・・。主任研究員の説明を聞いてみ

ましょう。「このありふれた人形に、超小型ナパームと声紋判断する音声センサーをプラスしてみた。」 過去形で言うという事は、すでに実証済みと

いう事ですね。「声紋判断?」 「そう。まあ見ていてくれ。」 麗巳が用意していたテープレコーダーを再生した主任研究員。すると、「鷹の羽学園2

年B組麻宮サキ。」という、もはやこのドラマの決め台詞の一部となっているサキの声が聞こえてきました。「サキの声に間違いないな?」と確認する

主任研究員。サキの声を腐るほど聞いたことのある麗巳は、黙って頷きました。人形の中に超小型ナパームをセットし、再度レバーを引いた主任

研究員。レバーを引いたので、人形はまたも「こんにちは。私ミカちゃん。あなたはどなた?」と言いました。この状態でこの人形に透明の四角いケ

ースを被せ、厳重に鍵をかけました。そして、またまたテープレコーダーの再生を・・・。「鷹の羽学園2年B組麻宮サキ。」というサキの声が流れたそ

の時、

 人形は目を青白く光らせ、爆発しました!

もし透明のケースをしていなかったら、2人とも身は危なかったでしょう。「麻宮サキの声紋と、『サキ』という音にだけ反応するセンサーだ。つまり、

彼女自身がこの人形に名乗った時にのみ、この起爆装置が作動するわけだ。どうだい? 確実に、絶対に過たずに敵を暗殺できるシステムだと思

わないか?」 「サキという音にだけ・・・」 「うん。これはサンプルだが、実際の人形には高性能の盗聴器も搭載する。その盗聴器が爆破によって

破壊され、連中の声が聞こえなくなった時が麻宮サキの最期というわけだ。」 その実際の人形に仕掛ける起爆装置の破壊力は、きっとこのサンプ

ルとは比べものにならないくらいデカイでしょう。さあ、あとはこの人形をゆかりに渡し、サキが名乗るのを待つだけ。麗巳の目が今までにない

くらいキラリと輝きました!




ここでこの話の前半が終了です。恐るべき死の罠をサキに仕掛けようとする麗巳。しかも、サキはそのことにまだ全然気づいていません。一体この

後どうなってしまうのか!? 麗巳がどうやってサキたちに人形を渡すのか、また今回の麗巳の作戦は、タイミング的に上手くいくかどうかの一発勝

負でもあるので、結果が非常に気になるところです。それは、この後の後半戦で間違いなく分かるでしょう。

後半は、こちらです


インドア派の城に戻る