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第11話 「第二部 悪魔の三姉妹編 序章」

 

また新しく話を書いていくことになりました。今度はスケバン刑事。いやぁ〜もう、今の女の子たちに「スケバン」なんて言ったら、「何それ?」と笑わ

れそうな気がしないでもないですが・・・。面白いドラマに今も昔もありません。好きなものは、とことん好きで構わないと思います。ということで、さっそ

く行きましょう。「全体のあらすじ等」でも言った通り、書くのは全部で10話ぶんです。まずは、サブタイトルにも書いてある通り、第二部の始まりとな

る第11話からです。麻宮サキの前にこれまでにない強敵が現れます。果たしてサキをこれを倒すことが出来るでしょうか・・・? では、ご覧下さい。

 

もう前半の話は知っている。早く後半を見たい人はこちらへどうぞ。

 

◎今回の登場人物

 麻宮サキ:鷹の羽学園2年B組の女子生徒で主人公。その正体は、ヨーヨーで悪を懲らしめるスケバン刑事。

 野分三平:鷹の羽学園2年B組の男子生徒。サキに惚れている。

 沼重三:鷹の羽学園2年B組の担任教師。サキを目の敵にしていたが、次第に親身に接するようになる。

 海槌亜悠巳:突如として現れるサキの強敵。プロ級の銃の腕を持つ。

 神恭一郎:サキを見守る暗闇機関のエージェント。いつもクール。

 黄金コンビ:ヨーヨーは小学6年生の時に使えるようになったナレーション

  (注:上と同じ色で登場人物の台詞も分けています。)

 

◎ストーリー

さあ、いきなり気合いの入るシーンから始まりました。もうすでに放課後。ここ鷹の羽学園も、生徒たちはみんな部活動に精を出しています

が、いま体育館では、剣道部が練習しております。対戦している2人の女生徒。他の部員は、全員それを見ております。本当に気合いの入った勝負

をしています。竹刀を打ち込む時の声がハンパじゃありません。ひと勝負が終わったところでマスクを取る2人。1人は剣道部の主将、三井律子。そ

してもう1人は、この物語の主人公である麻宮サキでした。「思った通りだわ。いい筋してるわよ、麻宮さん。」と、サキの剣道の腕を高く評価する三

井。

 「ありがとうございます。でも、どういう事ですか? 

  急に稽古を一緒にやらないか・・・だなんて・・・」 

もっとサキと話し合いたいと思った三井は「外へ出ない?」と言い、そして、部員たちには「みんな、稽古を続けて。」と指示しました。「はい。」と答え

る部員一同。おう、その声を聞いてみると、男子生徒も混ざっています。どうやらこの剣道部は、男女合同の部になっているようです。その中で、女

子でありながら主将の座をつかんだ三井は、やはり凄いと言えるでしょう。さあ、2人は胴着をつけたまま、校舎の屋上にやって来ました。外へ出る

といっても、練習も終わってないのに学校の外まで行って喫茶店に入ったりするわけにはいきませんので・・・。「ごめんなさいね。顔見知りでもない

のに、急に声をかけたりして・・・」 「いいえ。私も、生徒会長さんのことは前から知ってましたから・・・。剣道部のキャプテンをしてらして、すごい人だ

なぁって・・・」 「ホント?」と褒められて満更でもないという顔を見せる三井。いやぁ〜しかし、この三井は生徒会長までやってるんですね。重ねて凄

いです。「実を言うとね、私も前からあなたの事が気になって見てたの。」 「え?」 「だって、似てるんですもの。麻宮さん、マンションに1人暮らしし

てるんでしょ? 私も小さい頃、交通事故でいっぺんに両親を失い、今はアパートで1人暮らししてるの。寂しいわ。寂しくて大声で叫びたくなる時も

ある。でも負けない。ほら、見て。」と、下のほうを指す三井。そこでは、10人ほどの女子バスケ部員が1対1になってパスの練習をしています。た

だ、ワンバウンドパスをしているのはちょっと地味でしょうか・・・。その光景をサキに見せながら、三井は続けて言います。「青春って、高校時代が一

番素晴らしいと思わない? 部活をしたり、恋をしたり、友達もたくさん作って、自由そのものよ。つまらない事なんか忘れて、うんと楽しまなくっ

ちゃ。そうでしょ?」 「その通りだ、麻宮。お前も今日から剣道部に入れ。」と、ここで突然現れたのはサキの担任の「沼先生・・・」、でした。

 「なあ麻宮。俺は嬉しい。お前が剣道の稽古をするとはなぁ・・・。

  少しは人間らしくなってきたんだなぁ・・・。

と、サキのことを褒める沼。この沼の言葉からして、サキがこれまでいかに悪ぶっていたかがよく分かります。「腐ったスケバンの根性を叩きなおす

のは、剣道が一番だ。お前にその気が出てきたんなら、俺はいくらでも手を貸すぞ。」 「先生・・・」 「ハハハハハ・・・」と機嫌よく高笑いしながら去っ

ていったところで、オープニングシーン。サキが格好よくヨーヨーをさばくシーンを見せ、ここから物語が本格的に始まっていきます。

 

次の日の朝になりました。当たり前のことながら、今日もこの鷹の羽学園に次々と生徒たちが登校してきます。もちろんサキも・・・。今サキの隣に

は、同じクラスでいつもサキと行動を共にしている野分三平が、一緒に並んで歩いています。「・・・え? 剣道部に入った!? 一体どういう風の吹

き回しだよ? 今までクラブなんかに目もくれなかったのに・・・」 「さあ、どうしてかしらね・・・」と、すがすがしい顔で答えるサキ。そんな2人の後ろ

から、同じくクラスメイトである三平の友人、タロウがダッシュでやって来ました。「みんなニュースだよ! ニュースだよニュースニュース!」と、朝か

ら何とも騒がしく・・・。まったく、こういうのは必ず1人はいますね・・・。一体何事でしょうか? 聞いてみましょう。「今日から俺たちのクラスに転校生

が来るぞ!」 「ホント? どんな人?」と、これまた同じクラスの一子が興味を持って聞き返しました。

 「女だよ女! 驚くのはそれだけじゃないよ。隣のC組にも1人。3年D組にも1人。 

  今日1日だけで3人も転校してくるんだ! それが全部女!」

もうテンションが高まりまくっているタロウ。その姿を見て、思わず笑顔になってしまうサキを映したところでサブタイトル紹介。

 〜第二部 悪魔の三姉妹編 序章〜

デカデカと画面に表示されました。不気味ですね。悪魔の三姉妹とは一体誰のことなんでしょうか・・・?

 

ホームルームでしょうか、それとも1時間目の授業でしょうか、画面はサキのいる2年B組の教室へと変わりました。「起立。礼。着席。」という号令が

聞こえました。やはり朝の挨拶はこれしかありません。さて、教卓には先生だけではなく、タロウが言っていた転校生も立っております。「今日からこ

の学園に転校してきた、田川泰子さんです。」と、紹介する先生。横にいる田川も、「田川泰子です。よろしくお願いします。」と言ってみんなに頭を下

げました。ここで気になったのは、なぜ転校生の紹介を担任である沼がしないのか、ということ。出張にでも行っているのでしょうか・・・? さあ、ここ

で三平がポツリと呟きました。田川を見て「なあーんだ、全然美人じゃねーじゃねーか・・・」と、小さな声で言う三平。これを聞いて、怖い顔で三平を

睨む田川。うわっ!あんた地獄耳だな! 三平もまさか聞こえるとは思わなかったのでしょう。思わず目を背けています。「田川さん、そこの席が空

いてる。」と誘導してくれる先生。おう、因縁の・・・と言うのは大げさですが、三平のすぐ後ろの席になりました。そこへ座る田川。「それじゃあ授業を

始める。」 いや、始められません。田川が「先生。」と言って右手を挙げました。

 「あの・・・前の人の座高が高くて黒板がよく見えないんですけど・・・」

と言う田川。「何だと!?」と怒る三平。「そいつは困ったな・・・。野分、お前代わってやれ。」 「はい。」と、しぶしぶ先生の言われた通りにする三

平。その三平に「ベー!だ」と言う田川。みんなも笑っています。でも良かったじゃないですか、これで三平はサキと隣同士になれたんですから・・・。

そんなサキに、なぜかここで田川が笑顔を見せました。対するサキも笑顔で返しましたが・・・。さあ、これで三平は、タロウとも隣同士になりました。

そのタロウがさっそく話しかけてきました。「三平。隣のC組に入ったのは、すっげー美人らしいぜ。」 「ホントかよ!?」 ということで、今度はそのC

組の様子を見てみましょう。「どいたどいた! あんたが美人の転校生かい?」と、ガラ悪くかけこんで来たのは、今やサキの代わりにこの学園を仕

切っている女番長の夢小路美也子、とその取り巻き4人でした。ここで普通の生徒であればビビるところですが、肝が据わっているのか、このC組

の転校生・宮原妙子は全然おっとりとした表情で「はい。」と答えました。これを聞いて、自前の手鏡で化粧を直す美也子。そして言いました。

「みんな。私とこいつとどっちが美人だい?」 「そりゃあ決まってるだろ。新しい彼女。」 と口を挟んだのは、いつの間にかここに来ていた三平でし

た。「何だって三平。もう一度言ってごらん!」と、化粧の手を止めて怒る美也子。「いや・・・ですから・・・もちろん美也子様で・・・はい・・・」と、完全

に怖がっている三平。もう無理矢理です。「それでいいんだよ。あんたもよく覚えとくんだね。この学校で一番の美人は、いつもこの私。いいわね。」 

宮原にもそう言い残した美也子。4人と共に教室を去っていきました。「もう1人の転校生は3年生だって言ったな? どんな子だ?」 「それがす

げー秀才らしいぜ。」と教えてくれるタロウ。では今度は、3年D組の様子を見てみましょう。おお、これが転校生最後の1人、横山めぐみ。ポニー

テールに真ん丸眼鏡と、いかにも秀才といった感じの生徒です。「これは去年の東大の試験問題だ。出来たのは、受験生2000名中たったの5人。

どうだ? 誰か出来るのいるか?」という先生の出題した超難題な数学問題にも、「はい。」と即座に手を挙げ、「よし。横山やってみろ。」と言われる

までもなく、さっさと黒板に行って解いてしまいました。「正解だ。驚いたな・・・」と先生から褒められ、みんなから驚かれても、横山は全然意識する素

振りを見せず、席に戻りました。

 

そんなドタバタした1日も終わったようで、サキもマンションに帰ってきました。明かりを点けると、なぜかテーブルの上には、花束とテープレコー

ダーと封筒の3点セットが・・・。なぜこんなものが・・・。サキが花束を取ったその時、テープレコーダーから「こんにちは、サキ。」と声が聞こえ

てきました。すごいです。花束を動かしたら再生スイッチが入る仕組みになっていたんですね。さて、まずはこの声の主が誰なのか伝えておきましょ

う。暗闇指令。サキにスケバン刑事を任命した特殊警察機構のボスです。では、そのボスからのテープレコーダーの伝言の続きを聞いてみましょ

う。「・・・その花束は、日頃苦労をかけている君へ私からのささやかな感謝の印だ。受け取ってくれたまえ。」 サキは嬉しがるどころか、ハイハイっ

てな顔で聞き流しました。「ところで今回の指令だが、封筒の写真を見てくれ。」 3点セットの3点目である封筒をサキが開くと、暗闇指令の言った

通り写真が入っていました。写真は3枚。何と、田川、宮原、横山の写真でした。「君もすでに知ってる通り、その3人は今日鷹の羽学園に転校して

きた生徒たちだ。」 はい、それは我々視聴者も知っています。しかし、問題はその後の言葉でした。

 「今回の君の使命は、その3人を監視することにある。」

「監視!? どういう事だよ一体・・・」 サキがそう思うだろうと予想していたのか、「とにかく今は、充分注意して見張れとしか言えない。健闘を祈

る。」という次の言葉もテープレコーダーに入っていました。

 

また次の日になりました。しかし、今度はいきなり放課後です。ということで、部活動の時間。剣道部は今日も体育館での練習、サキもそこにいま

す。さあ、昨日暗闇指令に転校生たちを見張るように言われましたサキでしたが、意外なことに向こうから、その中の1人田川が近づいてきました。

「・・・え、剣道部に!?」 「麻宮さんも剣道部だったの!? 私も前の学校では剣道部に入ってたの。よろしくお願いします。」と、サキだけではく部

員みんなにも挨拶する田川。「大歓迎よ。そうね・・・どのくらいの腕か、一度麻宮さんとやってもらおうかな・・・」と、三井も満足な模様。さあ、三井の

指示により、サキと田川の剣道対決です。うわこれは・・・オープニング前のサキ対三井と同じくらいの・・・いやそれ以上の打ち合いになっておりま

す。

 「出来る!」

と、思わず心の中でつぶやくサキ。田川の力の凄さを直感しております。見ている三井も、それを感じているようです。さて、本日の練習も終わりまし

た。でも、すぐには帰らずにまだ校舎に残っているサキと三井。いや、ていうか、他の生徒たちも結構まだ残っています。2人は生徒会室に向かって

おります。「疲れたでしょ稽古。最初は誰でもそうなの。すぐ慣れるから。」と、三井がサキに励ましている間に生徒会室に着きました。「ちょっと寄っ

てかない? 来週生徒会の役員会があるでしょ? 準備のほうが忙しくて、稽古が終わってもなかなか帰れないの。」 とここで、「生徒会長さー

ん。」と走りながら、これまた転校生の横山がやってきました。またしても向こうから・・・。思わずジッと横山を見つめるサキ。しかし横山が用があっ

たのは、サキではなく三井でした。「今度転校してきた3年D組の横山です。あの、生徒会の仕事を手伝わせてもらえないでしょうか? 前の学校で

生徒会長をしていたんです。ですから・・・。どんな雑用でも結構です。」と、同級生ではありますが三井に敬語を使って頼む横山。それにしても、さっ

きの田川といい、この横山といい、前の学校でやっていた事と同じ、もしくはやっていた事を生かす活動をしようとしています。これ

はただの偶然でしょうか・・・? いずれにしても、いま生徒会は役員会の準備で忙しいとの事なので、人手があるに越したことはないはず。きっと三

井は、横山を入れたに違いないでしょう。さて、残りの1人宮原ですが、彼女は他の2人と違ってサキに寄ってくることはありませんでした。その宮原

は、音楽部に入部を決めました。さっそくピアノを弾いて腕前を見せる宮原。顧問の先生、部員一同、みな静かにそれを聞いております。ピアノ演奏

が終わった後、みんなから拍手をもらった宮原。「素晴らしい演奏だったよ、宮原くん。」と言う先生に対し、これまたおっとりとした表情で「ありがとう

ございました。」と頭を下げました。さあ、ここまでは特に何も変わった様子はありません。サキも、

 「宮原は音楽部、田川は剣道部、横山は生徒会の手伝い・・・。3人とも、ごく普通の高校生だ。 

  (暗闇)指令は一体どういうつもりなんだ・・・?」

と、ここまでは完全に訳の分からないお手上げ状態です。

 

ここで、画面は鷹の羽学園を離れ、突如射撃場を映しました。と同時に響く銃の音・・・。1人の女が射撃をしております。1発だけじゃなく、2発3発と

撃っておりますが、全部確実に当たっております。凄い腕前です。その凄い腕前を見せている女の名は、海槌亜悠巳。その目はまるで、獲

物を狙う野獣です。まさに今のこの状況にピッタリですね。さあその亜悠巳のところに、「お嬢様、お電話が入っておりますが・・・」と秘書のような男

がやって来ました。亜悠巳はさっきまで使用していた重そうな銃をこの男に手渡し、すぐそばに停めてある車に向かいました。その車についてある

電話の受話器を取る亜悠巳。

 「私。・・・そう! 分かったわ。 計画通り進めて。

と、電話の相手に伝えました。果たしてこの電話の相手は誰なんでしょうか? そしてこの海槌亜悠巳は何者なんでしょうか? それに計画というの

は一体・・・!?

 

3つの疑問を抱えたまま、画面は再び鷹の羽学園に戻りました。場所は生徒会室。生徒会役員が全員そろっており、どうやらこれから三井の言って

いた役員会が開かれるようです。ということは、もう次の週になったという事ですね。三井の隣にいる議長を務める男子生徒が、一番に口を開きまし

た。「えー、ではただいまより、定例役員会議を開きます。今日の議題は、秋の体育祭の予算についてです。ではまず、生徒会長から意見を・・・」 

「はい。」と三井が立ち上がったその時でした! 生徒会に入ったばかりの横山が「はい議長。その前に話したい事があるんですが・・・」と言って手

を挙げました。この物語では、生徒が手を挙げるシーンが多いですね。「何でしょうか?」と聞き返す議長。気になる横山の話したい事とは何なの

か、聞いてみましょう。

 「実は私、転校してきてすぐ感じたんですが、この学校は酷すぎます。

  規律や秩序が乱れているんじゃないでしょうか?」

これを聞いて「ちょっと待ってください。別に僕は秩序が乱れているとは思えませんけど・・・」と反論する議長でしたが、横山も負けません。「じゃあ聞

きますけど、あのスケバンの夢小路美也子って何ですか? あんなのがはびこっていて、乱れていないって言えるんですか?」 今度はさすがに黙

ってしまう議長、そして一同。横山はさらに続けます。

 「そこで提案ですが、今まで生徒たちの規律や秩序は学校側の管理に任されてきましたが、

  これからは私たち生徒の手で自主管理してはどうでしょうか?」

この発言に顔をしかめる三井。しかし、横山はまだまだ続きを言います。「例えば、靴のかかとを踏みつぶしているのをやめさせるだけでも、教師が

注意すると生徒は反発しがちですが、生徒同士注意すれば直るんではないでしょうか?」 おお、確かにそう言われてみれば・・・。この意見に自然

に納得していく生徒会役員たち数名。「そうだそうだ。」という声が、小声ではありますが飛び交っています。しかし、三井はこれに猛反対しました。

「ちょっと待って下さい! 私は反対です! 生徒同士が見張るような真似は・・・。自由を阻害する結果にもなりかねません!」 しかしこれに対して

も、横山は動ずることなく言い返しました。「自由? 自由というのは、責任と規律が守られて初めて言えるんじゃないんですか?」 いやぁ〜しかし

この横山という生徒、かなりの曲者ですね。何を言われても言い返す材料を持っている・・・。しかも初めは手伝いをすると言っていただけなのに、今

やこうしてバシバシと意見を述べている。すごいです。さあ、この横山の緊急提案により、室内はパニック状態になりました。「その通り! 自主管理

賛成!」 「いや、俺は反対だ。」と双方の意見が飛び交うようになり、大騒ぎに・・・。困った表情で沈黙してしまう三井。もう体育祭の予算の話どこ

ろではなくなってしまいました・・・。

 

この話題は、瞬く間に学校全体に広がりました。そして、この横山の提案した自主管理制度に対して怒りを露わにした人物が2名います。まず1人

目は美也子。「何だって!? 私達がやりのまに!?」 「トサカに来ちゃいますよ番長! 私達みたいのがいるから学校が悪くなるって言うんだか

ら・・・」と、美也子の舎弟の1人も言いました。それを聞いてさらに怒る美也子。

 「生徒会の連中め・・・。許せないわ!」

と、もう完全にキレています。そしてもう1人は沼。廊下を歩いていた横山を見つけ、自前の竹刀を突きつけて言いました。

 「待て横山! 生徒会でつまらん提案をしたそうだな。即刻撤回しろ! 自主管理などと

  以ての外だ! そんなことに現をぬかしてる暇があるなら勉強に身を入れろ!」

これにより、くじけるどころか、さらに闘争心に火がついた横山。「こんな横暴を許しておいていいのでしょうか! そのためにも、自主管理が必要だ

と思います!」と、ついに自分のクラスの3年D組全員を自主管理賛成派にすることに成功しました。一方音楽部でも、宮原が「私たち音楽部も、自

主管理に賛成の意思を表明すべきです。」と完全に仕切っています。3年D組や音楽部だけではありません。この自主管理の話題は、ますます生

徒たちの間に行き渡るようになりました。横山や宮原と同じく、田川も「絶対に自主管理委員会を作るべきよ! そうでしょ!」と強く言いまわってい

ます。そんな田川のところに、ちょうど横山が通りがかってきました。転校生ではありますが、この2人は当然面識はないはずです。ところが、どうし

てなのか、とてもそうは見えません。それどころか、まるで2人で何かを企んでいるような、そんな雰囲気さえします。これは一体どういう事な

んでしょうか・・・?

 

さて今日も、剣道の稽古を終えた三井。こないだの役員会では色々と面白くない思いもしたでしょう。でも、部活は休んだりはしません。ましてや主

将ですので・・・。その三井が、胴着から制服に着替えるため、部室に戻ってきました。ドアを開けると、どうやら誰かが入っていたようです。三井が

「何なの、あんた達?」と言ったその時でした! 

 部室に先に入っていたその何者かが、三井の頭を

 黒いメリケンサックのようなもので強く殴りつけました!

「あぁ〜!!」という悲鳴を上げ、血を流して倒れてしまう三井。いくら剣道の腕があるとはいえ、さすがにこの不意打ちだけは、防ぐことが出来ませ

んでした。さらに、そんな非常事態になっている部室へとやって来た沼。「三井のやつ、こんな所に呼び出して何の用だ?」と、不思議に思いながら

ノックする沼。「おい三井! いるか!? 入るぞ!」 入ると、そこにはたった今不意打ちを喰らったばかりの三井が、やはり意識が戻らないまま倒

れていました。ギョッと驚く沼。「三井! 三井! 三井どうした!? しっかりしろ! 三井!」 体をゆらすも、ピクリともしません。と、その時でし

た! 今のこの状況を田川に見られてしまいました。 「キャー! 人殺しィー!」と悲鳴をあげる田川。「何?」 「誰か来て! 沼先生が! 沼先生

が・・・!」 田川のさらに続くこの悲鳴により、近くにいた生徒たちが一斉に集まってきました。「待て! 俺じゃない! 俺じゃないんだ!」と、必死

に無実を主張する沼。そこへサキもやって来ました。

 「キャプテン!」 

と、サキがゆすっても、やはり目を覚まさない三井。青ざめる沼。そんな沼を、サキは悲しい表情で見つめるしかありませんでした・・・

 

ここでこの話の前半が終了です。何者かの手によってやられてしまった三井律子。このままでは沼が犯人ということになりますが、果たして真相

は!? そして、三井の生死の行方は!? サキは今回のこの事件の影にひそむ人物を見つけ、それを打ち倒すことが出来るのか!?

後半は、こちらです。


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