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第19話 「暴かれたサキ出生の秘密!」

 

最近、もちろん私だけなんですが、「全米」という言葉が妙に気になっております。この「全米」には2通りの意味があって、1つはアメリカ合衆国全

体、もう1つはアメリカ大陸全体、という意味があります。世間一般では、前者の、つまりアメリカ合衆国全体のことを指すんですが、漢字だけに注目

してみますと、「北米」、「南米」という言葉もありますので、もう1つのアメリカ大陸全体のほうが適している気もします。なので結局は、アメリカ合衆

国かアメリカ大陸、このどちらかの名前そのものが変わらない限り、どうする事も出来ないんじゃないかと思います。さて、このスケバン刑事第19話

ですが、何とインドア派の城始まって以来、初のアメリカ人の登場となります。どんな話になっていくのでしょうか・・・? では、ご覧下さい。

 

もう前半の話は知っている。早く後半を見たい人はこちらへどうぞ。

 

◎今回の登場人物

 麻宮サキ:鷹の羽学園2年B組の女子生徒で主人公。その正体は、ヨーヨーで悪を懲らしめるスケバン刑事。

 野分三平:鷹の羽学園2年B組の男子生徒。サキに惚れている。

 沼重三:鷹の羽学園2年B組の担任教師。前半戦での感動するセリフ(?)に注目。

 海槌麗巳:日本支配を目論む海槌一族の長女。今回はあまり動くことはないが、その裏で・・・

 海槌亜悠巳:日本支配を目論む海槌一族の二女。今回は久巳と行動をとることが多くなる。

 海槌久巳:日本支配を目論む海槌一族の三女。今回は・・・というより、いつもサキを殺したがっている。

 海槌剛三:日本支配を目論む海槌一族の主。その日本支配のため、今回はある生物工学博士を捕らえようと企てる。

 神恭一郎:サキを見守る暗闇機関のエージェント。いつもクール。

 黄金コンビ:69を英語にしろと言われて危ない答えを言いそうになった事のあるナレーション

  (注:上と同じ色で登場人物の台詞も分けています。)

 

◎ストーリー

さあ、もはや定番です。ナレーション付きで始まるようになっているスケバン刑事。この第19話も、まずはそれから聞いてみましょう。

 麗巳の策謀により、鷹の羽学園は海槌三姉妹によって完全に制圧されてしまった。

 麗巳に操られた責任を感じた美也子は自殺を図り、海槌家を調べていた特命刑事・片桐

 までが殺された。そしてサキは、三姉妹の魔の手の前に打ち倒されてしまったのだった。

ちょっと最後の言い方が複雑すぎる気もしますが、今回も綺麗に3行にまとめられたこのナレーションを見たところで、さっそく本編開始といきましょ

う。麗巳たち3人によって捕らえられ、海槌重工、つまり海槌剛三の会社へと連れてこられたサキ。今、剛三の部屋へと向かっております。サキの気

性からして、このまま捕らわれたままでいるわけはありません。ということで、今すぐにでも逃げ出したいのでしょうが、残念ながらそうはさせないよう

に手が縄で縛られています。そんなサキを連れていきながら、「お父さまがサキに会いたいなんてどういう事? お姉さま?」と麗巳に聞く亜悠巳。

剛三の真意が分からないのか、麗巳は黙ったままです。血の気の多い久巳は、そんなこたぁどうでもいいという感じで「こんな奴ぶち殺してやればい

のに!」と、サキを睨んでおります。さあ、そんなあまりまとまりの無さそうな三姉妹が、剛三の部屋にたどり着きました。広〜い部屋にデスクはた

ったの一席。その一席に今、剛三がいます。「お父さま。」と声をかける麗巳。おお、麗巳が相手を「さま」呼ばわりするのは、この剛三しかいないで

しょう。しかし当の剛三は、もうすでに麗巳ではなくサキの顔をジッと見ております。対するサキのほうも、この男が噂の海槌剛三かと憎しみい

っぱいの視線を送っております。さあ、相対する2人。どちらが先に喋るでしょうか? 先だけにサキが喋れば・・・なんてベタなことを考えてみました

が、残念ながら剛三の方が口を開きました。「お前が麻宮サキか。お前には資格があるかもしれん。いや、少なくとも試してやるだけの価値はあ

そうだ。」 ほう、これは一体どういう事なんでしょうか? さらに、「2人だけにしてくれ。」と言う剛三。「だってお父さま、こいつは・・・!」 「下がって

いなさい!」と、久巳をも一喝しました。とりあえずここは剛三に従うことにする麗巳。亜悠巳に久巳を連れて退出していきました。さあ、これで剛三

の望み通り、サキと2人っきりになりました。まずは紳士的に・・・というよりやや乱暴にサキの手を縛っている縄をほどく剛三。そして、ほどきながら

こう言いました。

 「どうだサキ。お前、海槌コンツェルンのために働いてみる気はないか? 

  いずれ海槌コンツェルンは、実質上日本を支配する。

  そうすれば、死刑囚であるお前の母親を解放してやることが出来るかもしれんぞ。」

そう言われて動揺するサキ。なぜ剛三が自分に働いてほしいと言ってくるのか? それもありますが、母親のことを言われた事がもしかしたら一番

こたえたかもしれません。さあ、非情そうな顔で机の引き出しから1冊のアルバムを取り出す剛三。「まあ、かけなさい。」 何が何だか分からないと

いった感じのサキですが、とりあえずここは言われた通りソファに腰掛けました。サキに向かい合うように座った剛三。いや、実は剛三の方がもう先

に座っております。剛三がアルバムを開き、中の写真を見せました。写真には2人、外国人の男女が写っていますがこの2人は何者でしょう

か・・・? 剛三の説明を聞いてみましょう。「男はアメリカ人、ラルフ・ホーナー。生物工学博士でサイバネティックスコントロールを完成させた男

だ。」 

 「サイバネティックス・・・コントロール・・・?」 

急に横文字が出て舌が上手く回らなくなってしまったサキ。ということで、このサイバネティックスコントロールの意味もおそらく分かっていないでしょ

う。それも、剛三がこれから言ってくれます。「遺伝子のフィールドを操作して、生物のライフサイクルをプログラムする。即ち、生まれる前から1人の

人間の性格や能力を思うように作り上げることが出来るのだ。」 とまあ、さっきより更に多くの横文字が出ましたが、これで意味は分かって

きました。そしてそのサイバネティックスコントロールの驚くべき力を聞いてビックリするサキ。剛三が続けます。「この事を知って、東西両陣営がこ

の人物を奪い合って熾烈な交錯合戦を始めた。だが、ホーナー博士はこれを嫌い、また自分の仕事を後悔嫌悪して姿を消した。自殺したという噂

も流れた。ところが、残された1人娘のエイミーが近々日本にやって来る。この旅行の目的は、日本に潜伏したホーナー博士と密会する事だという

情報が入った。私はホーナー博士の技術がほしい。何のためかは言うまでもないだろう。」 「日本の支配のために人間を操作する、そのためだ

ろ?」と、厳つい顔で吐き捨てるように言うサキ。ということは、写真に映っていた女性が、ホーナーの娘という事ですね。

 「この娘をマークして博士の所在を突き止め、その身柄を収監する。その任務をお前に与える。

  どうだサキ。お前の腕を見せてみろ。」

少しのあいだ沈黙はありましたが、サキの答えはもちろん、

 「なんでこの私が海槌コンツェルンのために働かなくっちゃいけないんだよ! 寝ぼけんなよ!」

でした。そりゃそうでしょう。こんな申し出を受ける気に誰がなるでしょうか・・・。剛三の身勝手な性格が、本当に伝わってきます。しかし、剛三も負け

ません。「その向こう意気がますます気に入ったな・・・。どうでも海槌一門に迎えたくなった。」と、まるでサキが怒るのを楽しんでいるかのようです。

それにしても、このスケバン刑事では海槌一族のことを色んな言い方しますね。海槌家、海槌重工、海槌コンツェルン、海槌一門・・・。ついには林

家一門みたいに、まるで落語界のようになってきました。この剛三が落語に興味あるかどうかは分かりませんが、サキも言い返しました。「なめるん

じゃないよ! 海槌の名の下に、私がどれほど苦しんだか・・・!」 

 「交換条件を出そう。お前がホーナー博士を探し出してきたら、

  私は麗巳に命じて鷹の羽学園から手を引かせよう。」

そんな約束を守るような男とはとても思えませんが、今の言葉にもサキは心動きました。「鷹の羽から!?」 「学園を自分達の手に取り戻したく

いのか?」と、あくまでも冷静な剛三のセリフが終わったところで、いつものオープニングシーン。そして、ここから物語が本格的に始まっていきま

す。・・・というところですが、今回は珍しくすぐにサブタイトル紹介となりました。

 〜暴かれたサキ出生の秘密!〜

この興味津々となるようなサブタイトル。果たしてどんな話になっていくのでしょうか・・・?

 

サキが海槌重工から出てきました。改めてそのバカ高いビルを見上げております。そして、心の中で呟きました。

 「海槌剛三。どういうつもりなんだ? どういう・・・?」

さあ、剛三がサキとどういう話をしたのか当然気になっている三姉妹。再び剛三の部屋に来ていました。4人とも難しい顔で沈黙状態・・・。しかも、4

人とも結構バラバラの位置にいるのもまた面白いです。やはりそれだけこの部屋が広いことが言えるでしょう。この静寂を、久巳が一番に破りまし

た。「私たちに、サキと競ってドクター・ホーナーを探せって言うのお父さま!?」 「そうだ。」 「どういう事なのお父さま!? サキは敵なのよ! 素

直にドクター・ホーナーを渡すはずがないわ!」 「それは承知だ。考えがある。お前たちはただサキと競い合えばいい。」 「殺してやるわ今すぐ!」

「待て! 今はまだ許さん。」 「お父さま!」 「その時が来れば私が指示する。だが、今はまだ待て。あれにチャンスを与えてやるんだ。」 い

やぁ〜しかしまあ、1人の人間が口を開いたら、それまでの静寂がウソのようにこうしてどんどんと会話が飛び交うようになる。やはり皆それぞれ言

いたい事を溜めていたという事なんでしょうが、そうなると、ここまで一言も発してない麗巳が不気味でもあります。

 「お前たち! 誰が海槌一門の後継者たるにふさわしい人間かを、私に見せてくれ。

  サキと競い合って打ち勝ち、私の迷いを断ってくれ。

この私の迷いを断ってくれとは、一体どういう意味なんでしょうか・・・? どうも今回は、剛三の言っている事に謎が多いです。さて、麗巳の部屋へと

場所を移した三姉妹。3人とももちろん、納得できるわけがありません。特に、

 「私は絶対イヤ! サキを仲間にするなんて!」

 「お父さまは一体何を考えてらっしゃるの!? 

  あんな重大な秘密を漏らしてしまうなんて! お姉さま!」

と、亜悠巳と久巳のその思いは一段と大きい模様。そして、長女の麗巳へと助けを求めております。その麗巳が、気づいたように言いました。

 「もしかしら、お父さまとサキの間に何かがあるのかもしれない。

これは、前話のラスト辺りで片桐がサキに言った事と同じこと。どうやら、その点に向かって今、物語が静かに動いているようです。

 

その頃、歩道橋から飛び降り重傷になっていた美也子が、退院することになりました。・・・と言っても、腕はまだ吊っています。「どうぞお大事に」と

言ってくれる看護婦。不良のイメージが強い美也子ですが、さすがにここは「ありがとうございました。」と、礼儀正しく頭を下げてお礼を言いました。

そこへ、「おめでとう、番長。」 舎弟の4人が来てくれました。いや、彼女たちだけではありません。三平も、タロウも、そして沼も・・・。「退院おめでと

う。」 「おめでとう。」と、次々に温かい言葉が出ています。沼と三平は違うんでしょうが、あんたたち一時は、退学になったのを美也子のせいにして

たんだからな。しかし今、沼に説得されたからかどうかは分かりませんが、こうして退院した美也子を迎えにきてくれました。みんなから花束をいっ

ぱい貰う美也子。「ありがとう。」と泣きながら言っております。その姿は美也子らしくないといえば美也子らしくないのですが、

 「泣くな美也子。自慢の美貌が形無しだぞ。」

という沼も、あんたもあまりそういうキャラじゃないだろという感じです。「使ってよ。前のやつ壊れちゃったから、みんなでお金出し合って買っ

といたんだ。」と、花束に加えて化粧パックまで渡された美也子。もう涙が止まりません。いい意味でシーンとしてしまいそうになりましたが、三平が

「よし、これから番長の快気祝いにくりだそうぜ!」と言って、みんなを盛り上げました。

 

さあ、いつまでも主役を登場させないわけにはいきません。サキの出番です。剛三の意外な言葉に頭を抱えてしまっているサキ。神に相談しまし

た。いや、もう神にしか相談する人はいないでしょう。「・・・何? 海槌剛三が?」 「なぜ海槌剛三は、私を仲間に入れようなんて考えるんだろう?」

「さあ・・・。分からんな・・・。」 「とにかく、麗巳たちが黙って鷹の羽を手放すわけもないし・・・。誰があんな奴の手に乗って腕試しなんかされてやるも

のか・・・!」 おお、サキもこれが罠であるだろうという事を充分分かっているようですね。しかししかし、神はもっと大切なことに気づいていました。

「いや、それは違うぞサキ。」 「え?」

 「お前が動かなければ、ホーナー博士は奴らに捕まって恐ろしい仕事をさせられるんだ。

  それに、なぜ剛三がお前を仲間に入れたがるのか・・・。

  奴のシッポを掴むためにも知っておくべきだ。そうは思わないか?」

さすがです。やはり冷静な人間は、考えることが違います。「ここは奴らの手に乗ってみせてやるんだ。」 「だって! だってみすみす相手の思惑通

りに動かされるなんて、そんなの悔しいよ!」 「サキ。これは遊びじゃないんだ。剛三の望み通りホーナー博士を探し出せ。ホーナー博士を海槌の

魔の手から救うためにも、そうすべきだ。」 サキは不本意ながらも、神の言うとおりにすることにしました。

 

場面は、新東京国際空港へと変わります。いつぞやに亜悠巳と久巳が麗巳を迎えにいった空港です。そして今回もまた、亜悠巳と久巳が来ていま

す。これはもしかして、あの時の再現か!? ・・・いや、違います。同じこの空港に例の写真の女性、つまりホーナーの娘であるエイミーが来ていま

した。初めて日本に来たのかこのエイミー、不安そうにキョロキョロしております。さあ、今まさにこのエイミーに、亜悠巳たちが迫ろうとしていま

す。・・・と、その時でした。サングラスをかけたサキがいち早くエイミーの元に来ました。「走って!」と小声で言うサキ。そして、エイミー

の左腕を掴んで一緒に走り出しました。サキがサングラスをかけたのは正解でした。そのぶん、亜悠巳たちがサキの存在に気づくのが遅れました

ので・・・。しかし、亜悠巳たちのほうは今更そんな事を後悔しても仕方ありません。すぐさま、サキたちを追いかけました。空港から外へと出たサキ

たち。あらかじめ停めておいたスクーターに乗って走り、追っ手である亜悠巳たちから逃れることに成功しました。そのスクーターでどんどん遠方に

行くサキ。そして、広い建物のあるところで停まりました。おそらく、サキが用意していた隠れ家でしょう。エイミーを連れてその中へと入ったサキ。そ

して言いました。「悪いけど、当分ここに隠れててもらうわ。ある連中があんたのお父さんを捕まえようとしてるのよ。」 するとエイミーは、「Who

are you? Where are we? Why do you catch me?(ココハドコ? アナタハダレ? ナンノツモリナノ?)」と言ってきました。

 「あぁ〜、英語かぁ・・・。まいったなぁ・・・」

そうです。エイミーは日本語の分からないアメリカ人でした。ということで、サキが英語を分からないと会話は出来ないのですが、当のサキ

は英語がまるでダメのようです。まいったなぁと言いながら、内ポケットから無意識にボールペンを出してしまったサキ。それを見てビックリするエイミ

ー。どうやら武器と勘違いしたようです。さて、ここから先のエイミーのセリフですが、上記のように英語(和訳)といった表記にするのは面倒なので、

和訳の部分だけを記すようにしますので・・・。「ソンナモンデオドカシテ、ワタシヲドウスルツモリナノ。」 「駄目だ、一言も分かんないや・・・」 「カエ

ル。」と言ってその場を去ろうとするエイミー。それをサキが止めました。「ナニスルノヨ!」と、もう完全に気が立っているエイミー。サキはとりあえず

エイミーの腹を殴り、気絶させておとなしくさせました。このままではいけないと思ったサキはさっそく本屋へ・・・。英語の参考書を見ることにしまし

た。おいおい、そんな事で急に英語が分かるわけないだろう。別の例えで言うなら、身長を伸ばそうと急に大量の牛乳を飲むのと同じよう

なもんです。とここで、後ろからサキの肩をポンと誰かが叩いてきました。振り向くとそこには、「三平! あ、みんな!」 三平、タロウ、美也子た

ちが来ていました。本屋を出て、外を歩く一同。

 「・・・なあサキ。これはもうみんなの戦いなんだ。

  海槌一族は大きい。俺たち力を合わせなきゃ絶対に勝てないよ。」 

「お願いだから放っといてよ。これじゃ目立ってしょうがないじゃない。」 「わがまま言ってんじゃないよ。サキ、あんたが何か1人でコソコソ動いてん

のは分かってんだ。身勝手は許さないからね。」と言う美也子。三平と同じくやる気満々です。三平と美也子だけではありません。「ねえサキ。僕たち

きっと役に立てるよ。だからさ、協力さして。」とタロウまで・・・。サキはここで、三平に小声で聞きました。「私の秘密、まさかみんなに・・・!?」 「と

んでもない。」と、三平も同じように小声で答えておいて、「でも、みんなの気持ちも分かってくれよ。戦いたいんだよ、海槌と。何でもいい。奴らに対

抗するために頑張りたいんだ。サキ!」と、今度は大きめの声で言いました。三平に続いて声をそろえて「サキ!」と言う一同。これだけやる気を出

しているみんなの気持ちを無にするなんて出来ません。

 「私の負けね。」

と、サキは折れました。一致団結するのはいいんですが、この様子を何者かに見られているのを知らないサキたち・・・

 

エイミーの所にみんなを案内するサキ。エイミーは、口も手も足も縛られて身動きの出来ない状態になっていました。サキも何もここまでしなくて

もいいのに・・・。たぶん気を取り直したらすぐに逃げ出すと、サキが判断したのでしょう。口を塞がれた状態なんですが、「ナニスルノヨ! ハナシテ

ヨ! イイカゲンニシテ!」と精一杯反抗するエイミー。そんなエイミーを見ながら、「うわぁ〜、こりゃあ気が強そうだ・・・」と言うタロウ。「よーし、任せ

といてくれよ。サキ。」と意気揚々な三平が、エイミーの口を自由にしました。この後、三平や美也子がカタコトの英語でエイミーに事情を説明するシ

ーンとなりますが、エイミーのセリフとダブりそうな気もしますので、そこは省略させてもらいます。結果だけ言いますと、その三平たちの試みは失敗

しました。いや、それどころか、三平はエイミーに急所を蹴られ、美也子はカタコトすぎるため舎弟たちに笑われてしまいました。それにしても、縛ら

れてい足で三平に蹴りを入れるとは・・・。エイミーの向こう気の強さがよく表れています。しかし、これで結局はエイミーを説得することは

出来ない結果に終わり、サキもため息をつきました。

 

一方、再び海槌家。麗巳が自分の部屋で部下と電話で話しております。

 「何ですって!? サキの母ナツが、お父さまの秘書をしていた!? 

  その母親が死刑囚!? 夫殺し!? 火事!?」

と、もう驚きっぱなしの麗巳。「・・・そう・・・そうなの・・・分かりました。続けて調査してちょうだい。特に、ナツがお父さまの秘書をしていた時代のこと

を詳しくね。」と言って、静かに受話器を置きました。そして今度は独り言。「妙なつながりが出てくるじゃない。これは面白くなりそうだわ。」と、笑いな

がら言いました。この麗巳、また何か企んでいるのでしょうか・・・? 今この部屋には、亜悠巳も久巳もいません。麗巳1人だけです。それがまた、

より一層の恐ろしさを醸し出しております。

 

ここでこの話の前半が終了です。まずは、海槌一族より先にエイミーを保護することに成功したサキ。しかし当のエイミーは、まったく心を開かない

様子・・・。果たしてサキは、ホーナーとも会うことが出来るのか!? そしてもう1つの問題である、サキと剛三との関係。この前半ラストでその一部

が見えてきましたが、まだまだこれだけとは思えません。これから先、一体どんな秘密が明らかになっていくのか!?

後半は、こちらです


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