インドア派の城に戻る


第17話 「鷹の羽学園は燃えているか」

 

ビデオデッキを修理に出しました。もう知っている人もいるかもしれませんが、このインドア派の城は、録画しているビデオを見ながらいつも書いてお

ります。ということで、ビデオデッキは私にとっては命綱でもあるんですが、今回はそれを使えませんでした。なのでやむなくパソコンの動画を使わせ

てもらったんですが、案外こっちのほうがビデオよりもやり易いかもしれません。ただ、パソコンの動画だと、いつ消えてしまうか分からないという

安はありますが・・・。でも、何とか大丈夫でした。さあ、ちょうど2月3日の節分の日に発表となったこのスケバン刑事第17話。鬼のような悪い登場

物は出てくるのでしょうか? では、どうぞご覧下さい。

 

もう前半の話は知っている。早く後半を見たい人はこちらへどうぞ。

 

◎今回の登場人物

 麻宮サキ:鷹の羽学園2年B組の女子生徒で主人公。その正体は、ヨーヨーで悪を懲らしめるスケバン刑事。

 野分三平:鷹の羽学園2年B組の男子生徒。サキに惚れている。

 沼重三:鷹の羽学園2年B組の担任教師。鷹の羽を悪の手に染めさせないようにと、しぶとく学園に居残るが・・・

 海槌麗巳:日本支配を目論む海槌一族の長女。非道な手で鷹の羽学園を手中におさめていく。

 神恭一郎:サキを見守る暗闇機関のエージェント。いつもクール。

 黄金コンビ:最近テレビのほうのナレーションにすっかり押され気味のナレーション

  (注:上と同じ色で登場人物の台詞も分けています。)

 

◎ストーリー

さあ、ストーリーのほうはやはり今回も前回の第16話を、いや正確にいえば前々回の第15話とを合わせた2話ぶんを軽く振り返ることになります。

ではまずは、いつものテレビのほうのナレーションを聞いてみましょう。

 海槌家の罠にハマったサキは、殺人犯のぬれぎぬを着せられ、少年院に送り込まれた。

 長く辛い時間が過ぎ、そしてサキは釈放された。

・・・と、このナレーションの後、私もいつもの通りすんなりと行きたいところなんですが、このインドア派の城では第15話と第16話を書いていないた

め、それが出来ません。なので、私の方からもそれを繋げるための説明をしておきましょう。まあ今のナレーションの通りなんですが、海外から帰国

した海槌麗巳の策略により、サキはクラスメイトの長谷川一子という少女を殺した疑いで逮捕されました。さらに少年院でも麗巳の手の者が入って

おり、サキはそこでも追いつめられますが、神恭一郎の助けでようやく釈放されました。ということで、一子が殺されるという、私の知らない間にまた

も犠牲者が出てしまっております。

 

さあ、ではその釈放されたサキと、神との港でのたそがれシーンから物語を始めていきましょう。海の向こうを見ながら、並んで立っている2人。サ

キが静かに口を開きました。「・・・神。こんな綺麗な景色、二度と見られると思わなかった。毎日毎日鉄格子を見め、生き延びたい、生きてもう一

度みんなに会いたい。それしか考えられなかった、それしか・・・。」 思いの詰ったその表情からは、本当にその1つしか考えられなかったんだなと

いうのが窺えます。そして今度は、海槌家に対する怒りが一気に湧いてきたサキ。奴らのせいで、これまで三井律子、椎名純子、長谷川一子など、

サキの友が次々とひどい目に遭わされてきました。しかも、一子は命まで失っています。「学園に戻るよ。一から出直しい。」と言って、ここまで何

もしゃべっていない神を残して行こうとするサキ。とここで、神がようやく喋りました。

 「待て。お前はもう鷹の羽学園に戻ることは出来ない。今度の事件で退学処分になっている。」 

それを聞いて足を止めるサキ。「どういうこと!? だって無実だったんだから・・・!」 「海槌家に経営権を乗っ取られた。」 そうです。実は麗巳

は、サキを罠にハメると同時に、鷹の羽学園の制圧も着々と進めておりました。しかしもう経営権まで乗っ取っていたとは・・・。恐るべしです。そして

そうなると、当然麗巳がいつまでもサキを鷹の羽に置いておくわけがありません。ということで退学処分になったサキですが、

 「そんな・・・。納得できないよ! 学園に戻れないなんて・・・!」

と、嘆いております。釈放されたと思えば、今度はこんな現実が待っているとは・・・。そんな災難続きのサキを映したところで、いつものオープニング

シーン。そして、ここから物語が本格的に始まっていきます。

 

本格的に始まると同時に、次の日になりました。電車のガード下あたりで、他校の6人の女生徒からボコボコにされている夢小路美也子。おお、6

人相手とはいえ、無敵なはずの番長・美也子様がやられてるではありませんか! 何とか殴ろうとしていますが、反対に殴り返されている美也子。

ついには、抵抗出来ずに座り込んでしまいました・・・。6人いるうちのリーダー格っぽい女が、「下手なケンカ売りやがって。相手が違うんだよ相手

が。」と言ってとどめのビンタを美也子に浴びせました。うわ、案外こういうビンタのほうが、パンチや蹴りよりも威力があるかもしれません。満足して

笑って帰っていく6人。その頃、沼は学校を飛び出していった美也子を探していました。ていうか沼。あんたいつも、灰色とえんじ色のストラ

イプのネクタイしてるな・・・。どうやらオシャレにはあまり関心がないみたいです。その沼が、傷だらけの美也子を見つけました。「夢小路!」 

「先生・・・」 「どうした? しっかりしろ! さあ、とにかく学校に帰って傷の手当てをしよう。」 「誰があんな学校に・・・!」と、嫌がる美也子。もうセ

ーラー服のスカーフなんかもボロボロです。「夢小路・・・。変わったなお前も・・・。」

 「分かったようなこと言うなよ。変わったのは・・・・・学校の方じゃねーか!

と、目をギンギンに光らせて言う美也子。沼も美也子とは同意見で、今の鷹の羽学園の現状には相当頭に来ております。ではどんな状態になって

いるのか、ここでまたテレビのほうのナレーションがありますので聞いてみましょう。

 海槌家に乗っ取られた鷹の羽学園は、このひと月の間に全く様相が変わった。

 今までいた生徒たちは次々に学園を去り、代わりに裕福な家庭の子供たちが転校してきた。

 海槌家の方針に従わない教師たちも、同じように追い出された。

・・・なるほど。しかしこうして見ると、「生徒たち」「子供たち」「教師たち」など、大勢の人間の変動が目につきます。それだけ凄いことが言えます。今

のナレーションの間にも、麗巳の手下である高倉という教師が生徒から取り上げた本を燃やしたり、元いた教師が荷物をまとめて学校から去って

いったりと、なかなかリアリティ溢れるシーンが映し出されました。さあ、沼と美也子の2人に場面は戻りました。「あんな学校、さっさとやめたいよ。で

も、私みたいな半端モン、どこの学校が面倒みてくれんのさ!」 「ヤケを起こすんじゃない。一生懸命やりゃ必ずいい日が来る。」 「フン、そんなこ

と言った日にゃ、ババアになっちまうよ。」と、諦めに近いような笑い声を出しながら行ってしまう美也子を映したところで、今回のサブタイトル紹介。

 〜鷹の羽学園は燃えているか〜

まさに正念場の鷹の羽学園、今回はサブタイトルも気合いが入っています。

 

さあ、今度は超高層ビルが画面いっぱいに出ました。そのビル内へと入っていく神とサキ。一体ここには何があるんでしょうか・・・? ある一室へと

入っていった2人。そこには、後ろ向きで窓を見つめて立っている1人の男の姿が・・・!

 「指令!」

そうです。この男こそ、これまで何度もサキに指令を与えていた暗闇指令(以下、指令と言いますので)でした。ついに指令と会うことが出来たサキ。

それにしても、「指令!」とすぐさま気づいたサキはすごいです。「よく来たなサキ。さて、お前は今まで海槌家の陰謀については何も知らされずに戦

ってきた。それは我々も真相を掴みかねていたからだ。しかし今やっと、その全貌が見えてきた。・・・神。」と、指示を与える指令。その指示を受け、

指令のデスクに行き、そこにあるスイッチを押す神。すると、部屋中央に置いてあるどでかいカバー付きテーブルのカバーが開きました。カバーの

開いたそのテーブルの上には、学校らしき模型が真ん中に置いてあり、そしてそれを囲むようにして、点滅状態のランプがいっぱいありました。「鷹

の羽学園だ。そしてこれらの点滅している明かりは、今度鷹の羽に転校してきた金持ちの生徒たちの家のある場所を示している。」と、サキと我々

視聴者に丁寧に説明してくれる神。「鷹の羽の周りに、こんなに大勢の金持ちの家が?」

 「サキ。海槌家の最終目的は日本支配だ。」

おお、さっきまで後姿だった指令が、ついにサキと面と向かうようにして喋りました。指令はさらに続けます。「金持ちの子供たちに洗脳教育を施し、

やがて彼らが親の跡を継いで日本の指導的立場に立った時、それを背後から海槌家が操ろうと企てているんだ。」 さらにさらに、今度は模型の鷹

の羽学園を指差して言う指令。「サキ。鷹の羽学園にもう一度戻りたくないか?」 するとサキは、

 「戻りたい。鷹の羽は私の母校だ。」

と、マジな顔で答えました。

 「よし。そこでお前の使命だが、鷹の羽学園に前からいて今でも残っている生徒の数は全部で

  32名いる。その連中がこれ以上1人も脱落しないように、背後から守ってやってほしい。

  今は教師たちの挑発に乗らず、じっと耐えることが大切だという事を教えてやるんだ。」

と、サキに新たな指示を与える指令。なるほど、サキは現時点では退学処分になっているわけですから、表立ってではなく背後から守るしかありま

せん。海槌一族にこれ以上好き勝手させてたまるかという思いの、指令、神、そしてサキ。いや、学園に戻れるかどうかが懸かっているサキが、そ

の思いは3人の中でも一番強いかもしれません。サキは、もちろん指令の言う通り動くことにしました。

 

さあ、今度は海槌家。ここは麗巳の部屋なんでしょうか・・・。非常に座り心地の良さそうな白いソファーにどっしりと座っている麗巳。

ここには、高倉も来ておりました。「あと32名・・・。遅いわ。早く全員学校から追い出して。」と、少々声高く高倉に言う麗巳。「それが・・・残っている

のは自分からやめそうにもない連中ばかりで、これ以上は何か口実がない限り、学校側から退学させるわけにもいきません。」と困った表情で答え

る高倉。麗巳はゆっくりと立ち、少し考えるように歩き出しました。いま麗巳が通り過ぎた後の壁には、大きな緑色の日本地図が・・・。これは即ち、

海槌一族がいずれ日本を支配するんだという意味のものなんでしょうか・・・。さあ、頭のいい麗巳はいつまでも考えることはなく、すぐに策を思いつ

きました。

 「あるわ、いい方法が・・・。ちょっとしたゲームになりそうね。

  退屈紛れに私がやってみようかしら・・・」

「は?」と、ちょっと意味分からずといった感じの高倉。「いいから私に任せておきなさい。」と、1人笑う麗巳。怖いです。果たして一体何をする気な

のでしょうか・・・?

 

さて、ところでその32名というのは、どんな面々なのでしょうか? 「・・・え!? 1クラスにまとめられてるの!?」というサキに対して、

 「ああ。隅っこの教室に32人。まるでのけ者だよ。」

と三平が答えるということは、とりあえず三平は32人のうちの1人であるという事でしょう。友である三平がまだ退学しないでいてくれたことは嬉しい

んでしょうが、それでもこの現状はあまりにも酷すぎる。サキは思わず「ひどい。」と言いました。あとは、この物語の序盤での内容からして、美也子

もまだ32人の中に残っている事は間違いないようです。その美也子の話題へと移ります。「それが我慢できる奴ならいいけど、美也子なんてあれで

結構プライド高いだろ。」 「それでふて腐れて学校休んでるってわけね。」 「沼のやつが戻そうとして一生懸命なんだけど、ダメみたいなんだ。しか

し沼もおかしな先公だよ。今までいた先生みんなやめちゃったのに、校長と2人だけで頑張っちゃって・・・」 他の先生のことを「先生」と呼んでいる

のに、沼のことだけ呼び捨てや「先公」呼ばわりするのは、きっとサキのことを沼は以前は目の敵にしていた、その思いが三平の中に未だにあるか

らだと思われます。しかしそれにしても、沼はともかくとして、校長がまだちゃんと残っているというのは大きいですし、まだまだ救いはあります。そし

て、美也子の事ももちろんこのまま放っておくことは出来ません。サキは、

 「分かったわ。美也子は私が説得してみる。」

と、三平と約束しました。

 

夜になりました。その夜の街を、1人でぶらついている渦中の人、美也子。おいおい、若い娘が夜に1人なんて危険なんじゃないか? いや、でもあ

んた結構強いから大丈夫か・・・。途中ゲームセンターに入るも、全然遊ぶ気分にはなれず、すぐに出てきました。次に向かったのは、高そうなドレ

スを中心に売っている洋服屋。やはり女の子です。しかも、自分のことを美人と思っている、いや思い込んでいる美也子にとっては、ドレスだらけの

洋服屋は天国のようなもんです。さあここで、その天国に悪魔が、麗巳がやって来ました。「素敵なドレスね。あなたが着たら、きっと似合って

よ。」と、美也子に言う麗巳。今画面では美也子の表情は見えませんが、麗巳の登場にきっとちょっと面喰らってるんじゃないでしょうか・・・。おっと、

言い忘れました。実は麗巳はまだ、サキや神、それから鷹の羽学園の人間とは一度も会っておりません。従って、今ここにいる麗巳と美也子は初

対面です。ということで、サキと麗巳がいつ会うのかというのも非常に見ものになってくるんですが・・・。話を戻しましょう。

 「ごめんなさい、いきなり声かけちゃって・・・。

  どうかしら? 私にどれかプレゼントさせてくれない?」

と言う麗巳。美也子は思わず「ええ!?」と驚きました。すでにこの店の2階に向かっている2人。しかし美也子は、「本当に困ります。あなた誰なん

ですか?」とまだまだ不安気です。「美しい人を見ると我慢できない人間・・・。いいでしょそれで。」 「そんな・・・」 「さあ、着てみて。」と、この文字と

同じく赤色のドレスを取って美也子に渡す麗巳。その巧みな誘いに、美也子は徐々に引き込まれることに・・・。渡されたドレスを試着してしまいまし

た。「素敵だわ〜。やっぱり私の思った通り。お似合いよ。」と言う麗巳に対し、「でも〜。」と今度は言葉とは反対に笑顔がこぼれている美也子。し

かしまた、表情が曇りました。値札には89000円というとてつもない額が・・・。「やっぱり困ります。」と改めてキッパリ断ろうとする美也子でしたが、

「ダメ。贅沢は美しい人間だけに与えられた特権よ。我慢したら美人じゃなくなっちゃう。」と、あくまでドレスをプレゼントしようとする麗巳。うわ、これ

が麗巳の考えた謎の作戦なんでしょうか・・・? よく見たら、今日の麗巳は割りと地味な服装をしています。これも美也子をおだてるために敢えてそ

うしていると思えますが、しかしそこまでする真の目的は一体何なんでしょうか? さあ、今度は美也子の今履いている靴を見る麗巳。「そ

の靴じゃ似合わないわね。靴も買わなくっちゃ。」 次に、靴を何足か試し履きしてみることになった美也子。赤1足、白2足の計3足が、すでに美也

子の足元に出ております。やはり赤いドレスに合う靴と言えば、この2色でしょうか・・・。「形はいいんじゃない? 赤がいいかしら? それとも白か

な?」 「でも、私やっぱりそんな・・・」と言いかけた美也子でしたが、「赤がいいです。」ともう完全に誘惑に負けております。ここでお互いに笑顔を交

わす2人。そのうちの1人は絶対に心から笑ってないことは、もはや言うまでもありません。すっかり意気投合した、と思っている美也子。2人は店を

出て、外を歩きました。すると麗巳のほうが、「私の家に来ない? お食事でもしましょ。」と言って、止めてあった車の運転席に先に乗り、助手席を

開けました。「さあ乗って。」 ついに美也子は、

 「もう夢でも構わない! こうなったら行くとこまで行くわ!」

と、麗巳の車の助手席へ、禁断のレッドゾーンへと入ろうとしました。・・・とその時、美也子を探していたサキが、タイミング良くこの辺りまで来ていま

した。車に乗った美也子を見つけたサキ。「美也子!」と言った時には、もうすでに遅し。車は発進してしまっていました。しかしその代わり、サキ

車のナンバーを覚えました。おお、さすがはスケバン刑事。刑事らしい事をここでしました。

 

さあ、麗巳の家に着いた2人。しかしここ、本当に麗巳の家なんでしょうか? もしかしたら、美也子を誘うためだけに作ったのかもしれません。た

だ、ここから見える夜景はすごく綺麗です。「さあ、食べましょう。」 うお、テーブルにはなかなか豪華なご馳走が・・・。「おいしそう。」と美也子も見と

れております。向かい合って座る麗巳と美也子。「はい。じゃあ乾杯。」と言って、シャンパンかどうかは分かりませんが乾杯をして食事をする2人。

その食事の場面はなく、すぐにデザートのショートケーキを食べるシーンへとなりました。今度は向かい合ってではなく、ちょうど2人用くらいのソ

ファーに並んで腰をかけました。「・・・あなた、高校生でしょ? 学校は?」と聞かれて、さっきまで浮かれ気分だった美也子はちょっとうつむき加減

になりました。「嫌なことがあるのね? ダメよ逃げちゃ。」 「でも私、どうしたらいいか・・・」 

 「しっかりするの。話してごらんなさい。きっといいアドバイスが出来ると思うわ。

  私達、お友達でしょ?」 

と、全く心にもない事を言って美也子の手を握る麗巳。

しかし美也子は、「お姉さま・・・」と完全に信じきっております。美也子は、完全に麗巳の虜になりました。

 

ここでこの話の前半が終了です。美也子を我が虜にし、鷹の羽学園の完全制覇を狙う麗巳。この後どういった行動を起こしていくのか!? 美也子

は麗巳の手から無事解放されて戻ってくるのか!? そして、反海槌派の生徒32人を退学させないよう指令から言われたサキ。鷹の羽学園の運

命をかけたこの大事な使命を、サキは全うすることが出来るのか!?

後半は、こちらです


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