番外編
本編が終わりました。わずか1時間足らずでしたが、なかなかボリュームのあるお話だったと思います。さて、お待たせしましたと言うべきでしょう
か、実は私は本編を始める前に、「この話だけは出来れば書きたくなかったなと思っております」と言っていました。そしてその理由を、この番外編
で明かすことを約束していました。では、その理由を言いましょう。それは、すでに他のサイトでこのストーリーを出しているところを見つ
けていたからです。やはり私としては、なるべく未知に近いものを皆さんにお見せしたいという思いがありますので、出来れば避けたかったところ
でした。でも、その事をあまり意識せず、こうして私なりに書かせていただき、無事本編を終えることが出来ました。ということで、いつもの通り今度
は番外編といきましょう。本編の中で印象に残った場面、個人的に感じた点、などを書いてみました。では、どうぞご覧下さい。
◎石橋先生は理想の教師?
やはり何と言っても主人公。いくら生徒達が舞台のドラマと言えども、この石橋先生の存在はもちろん欠かすことは出来ません。その石橋先生です
が、実に理想の教師だなぁという感じがしました。基本的に厳しくなく優しい、それゆえ生徒達からも好感を持たれているわけですが、ただ優しいだ
けじゃないように思います。言うべき時にはビシッと言い、またそれをやるタイミングも上手い。生徒達の心理状態、状況などもしっかりつかんでいま
した。では、そう思わせるような場面を3つほどご覧いただきましょう。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 本編第2章より ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
・・・ 石橋先生も、みんなに向かって「コラ、静かにしろコラ。静かにしろ。」と注意はしますが、小林にも「おう小林。お前、ちゃんと復習してたら出来
るはずだぞそんなもん。え?」と、厳しい視線を送ります。それでも出来ないものは出来ないんだという感じで頭を掻く小林。「いや、焦らなくていいか
らさ、ゆっくりやってみろ。」 厳しい言葉の後の、このやさしい言葉。この辺りは、さすがに先生という感じですね。 ・・・
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この場面では、厳しさもありましたが、小林のやる気を失わさせないような配慮も絶妙でした。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 本編最終章より ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
・・・ 先生もここじゃ話さないと思ったのか、個室で竹田と2人きりになり、話を聞くことにしました。その個室へと画面は変わりました。「・・・沈黙刑
か・・・。そりゃひどいな・・・。え? 1週間つらいな・・・。よしじゃあ、先生がみんなに頼んでやろうか? ん?」 しかしここでも竹田は口を開きませ
ん。 ・・・
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沈黙刑を受けショック倍増になっている竹田に、石橋先生が話を聞いてあげているシーン。上原を殴った竹田にも非があるとはいえ、さすがに沈黙
刑はやりすぎ。きっと見てる人みんながそう思ったことでしょう。しかし先生は、まず竹田の気持ちを確かめ、無理に沈黙刑をやめさせるような事は
しませんでした。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 本編最終章より ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
・・・ するとそこには、芯が折られた鉛筆ばかりが入っていました! やはりそうでしたか、これはあの広瀬の筆箱の時とまったく同じです。
しかし先生は特に驚く様子もなく、
「・・・よし。じゃあな、約束をしてくれないか?
先生が上原と話してみる。だから、みんなには内緒にしといてくれ。な?」
と穏やかな口調で言いました。・・・
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竹田だけではなく、上原の気持ちも考えたこの決断。もっとも、この約束は吉岡達により破られてしまいましたが・・・
こうして3つを見てみても、どれも行き過ぎといった感じが全然ないのがいいですね。
◎石野VS竹田
さあ、次は生徒側のほうを注目してみましょう。この物語の中で、私が最も衝撃的だなと思ったのが、石野正代の牛乳ぶっかけシーンでした。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 本編第1章より ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
・・・ しかし、言われた石野は当然ムッとした顔。残っている牛乳の瓶を片手に持ち、竹田の元へと向かいました。そして何と、
竹田の頭にその牛乳をかけました!
当然びっくりする他の生徒達、さらに、
「なめたらあかんぜよ!」
と、なぜか土佐弁で一喝。さらには、片足を椅子の上へ乗っけちゃっています。 ・・・
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いやぁ〜、この場面は何度ビデオを見返してみても凄いものがありますね。オープニングに行く前の一大イベントといった感じで、本当に度肝を抜か
れました。女のほうが男よりも強い、それを感じさせる場面と言えば本来はユーモアがあるんですが、この場面はそのユーモアを越えた壮絶ささえ
ありました。やられたほうの竹田ですが、実はこの第6話以前から、石野に対してちょっかいを出していました。そして、石野が怒るのを楽しんでいま
したが、さすがにここでは半泣き状態になってしまいました・・・。
◎石野VS上原
石野の男勝りさはまだ続きました。今度は同クラスの生徒、荒井京子の筆箱がなくなった時のことでした。犯人を松山と決めつける石野と、逆に松
山をかばう竹田との取っ組み合い(やはり竹田が一方的にやられましたけど・・・)がありましたが、そこへあの男、上原が割りこんで来ました。まず
は石野対竹田。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 本編第2章より ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
・・・ さあ、ここで見かねた竹田が、「弱い者イジメすんなよ。」と松山を助けにきました。しかし、相手が代わろうと、石野は決して負けません。
「泥棒をかばったりしたら共犯なんだぞ。分かってんのかよ!」
と、竹田の体を突き飛ばしました。なす術なく尻餅をついてしまう竹田。 ・・・
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牛乳ぶっかけに続いてまたもやられてしまう竹田。しかし、松山の無実が判明。今度は上原が間に入り、石野に強く言います。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 本編第2章より ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
・・・ 「ちょっと、松山君に謝れよ。」と、石野の腕を取る上原。「何すんのよ、離してよ。」 しかし上原は離しません。「離せよキザ男!」と言ったその
時でした! 上原の強烈なビンタが、石野の左頬に決まりました! 思わずその左頬を手で押さえる石野。他のみんなも、予想もしなか
った事態に面食らっております。そして、この後の上原のセリフが何とも言えません。
「ごめん・・・。」
しまった!といった顔つきでやや下を向き、そしてこのセリフ。 ・・・
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まさかの展開になりました。まさか石野に手を出す命知らずがいたとは・・・。この時は、上原が本当に勇ましく見えました。そして、この事
件をきっかけに、石野はガラリと変わりました。上原に心を開くようになり、公園のゴミ拾いも率先して参加するようになりました。やはり計算高い上
原のことですから、石野の女心までしっかり掴んでいたのかもしれません。その上でのあのビンタだったように思えます。
ということでこの物語、序盤は女の強さ、中盤は男の頼もしさというものが光ったのではないでしょうか・・・。
◎筆箱事件の真の真相
「真の真相」って、何だか変な日本語のタイトルになってますが・・・。筆箱事件は、結局上原が犯人ということでカタがつきました。決め手となったの
は、主に2つでした。平野千秋の証言と、上原の自宅で石橋先生に見つけられた証拠品の筆箱の数々でした。しかし、本当に上原が犯人だった
の?と思わせるような場面も2、3ありました。体育の時間に上原が1人教室にいた時も、机の上の衣類をめくり、筆箱があるところまでは見せてく
れましたが、実際に上原が盗むシーンはありませんでした。あと、上原の父親が「筆箱泥棒に間違えられたり」という言い方をしていたこと。そして何
より、上原自身、筆箱を盗んだことを自供しておりません。こうしてみると、上原犯人説というのは仮の真相であって、真の真相というものがあるので
はないだろうか、とさえ思えてきます。まあそれは考えすぎですが、その辺の微妙さ加減が実に上手く演出されているなと思いました。
◎ラストは感動、しかし・・・
ラストはなかなか感動でした。感動というのもありますが、まさか竹田と上原があんな形で仲良くなるとは思いませんでした。少し話は飛びますが、
キン肉マンのキン肉星王位争奪編では、宮本武蔵と佐々木小次郎と言われるくらいの犬猿の仲であった、キン肉マンとネプチューンマンが手を組
みました。付いたコンビ名が「巌流島コンビ」ですが、まさにこの竹田・上原も「うちの子にかぎって」の「巌流島コンビ」と言えます。仲直りする場面は
特に映されないまま銭湯の富士山へと変わったところも、これまた製作側の上手さを感じました。その富士山での最後の場面を、もう一度見てみま
しょう。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 本編最終章より ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
・・・ その間、じっと温まるだけで2人とも一切言葉を交わしていませんが・・・。いやいや、これだけでもう充分です。真に分かりあったこの2人なら、
もはや言葉などなくても、お互いに通じ合えている。まさにこれぞ、男の友情と言えるでしょう。まあ何にせよこれで、
上原にようやく本当の友達が出来ました。
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実に感動のフィナーレでした。しかししかし、これがラストではありませんでした。次の日、上原と入れ替わりに転校生がやってくるというオチが待っ
ていました。しかもそれが、ツッパル風の男子という、上原の優等生とは正反対のキャラだったというのが笑えました。それにしても、感動のまま終
わっても良かったのかなという気もしましたが、そうはなりませんでした。やはり、最後までこれはコメディドラマでした。
以上、番外編ということでまとめてみました。この番外編はいつも6項目か5項目ですが、今回は5項目書かせてもらいました。まあ1時間ドラマでし
たし、このくらいが妥当なところでしょう。番外編も終わり、これで紛れもなくこの物語とのお別れの時が来ました。では、こちらのほうもご愛読ありが
とうございました。