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第17話 「私」SEVEN I

 

今回のお話の舞台は、とある女子高校。行方不明の妹捜索のために、ミサはこの高校に転校生としてやってきます。女子高だから甘く切ない物語

が用意されているように思えますが、まったくその反対で、とんでもない事件が次々と待ち構えています。SEVENシリーズは、3話続きます。まず

は、その1話目の第17話「私」を紹介します。すいません、第16話は無理です。あまり見てないもので・・・。

 

もう前半の話は知っている。早く後半を見たい人はこちらへどうぞ。

 

◎今回の登場人物

 黒井ミサ:黒魔術を使う少女で主人公

 平野マヤ:援助交際にいそしむ女子高生。悪夢にうなされ事件に巻き込まれることに・・・

 矢島恵子:マヤと同じ学校の女子高生。援助交際に関してはマヤより上手で、色んな相手を友達に紹介する事も出来る。

 三浦えり:やはり同じ学校の女子高生。援助交際は奥手の方だが、上2人に誘われてやってしまう。

 田村秀美:こちらも同じ学校の女子高生。上3人とは友達だが、援助交際にはまったく興味なし。むしろ、やや呆れ気味・・・。

 黄金コンビ:恋愛経験の少なめのナレーション

  (注:上と同じ色で登場人物の台詞も分けています。)

 

◎ストーリー

「あの、割り切ってお付き合い出来る人はベルに入れて下さい。ベル番は・・・」「まだエッチした事が2人しかいません。」「パパ募集中で〜す。」

このような女子高生たちの携帯での会話が、ナレーションがらみで流れてきます。この年代は、援助交際、テレクラというものが、一時大きく世間を

騒がせていました。今回の話は、そういう所を上手く練りこませて作られた話と言えましょう。

 

さて、その流れのまま、場面はあるホテルの一室へと変わります。ベットの上にポツンと座っている少女・・・マヤです。ということは、もちろん相手の

男もいます。「完・・・・・璧な女子高生だ。」と見とれるようにマヤに向き合っているその男ですが、見た目は、

 阿藤快と江頭2:50をたして2で割ったような感じ

これが私の第一印象でした。眼鏡をかけていて分かりずらいというのもありましたが、もしかして本当に江頭!?と思い、エンディングの出演者を確

かめてみましたが、やはり違っていました。別の人でした。さて、男がマヤの方に徐々に近づいていくと、彼女はまるで獲物を狙うかのように、自分の

上唇をベロでなめます。興奮した男は、甘えるように、マヤの体にすがりつきます。マヤは全然平気といった感じ。そして、その男の眼鏡を外します。

「それを外されると、何も見えないんだよ〜。」 と半ば泣きそうに男は言います。ついに唇を重ね合う2人。なぁーんだ、やっぱりただの援助交際かと

思ったその瞬間、マヤの目が赤く光りました。さらに、まるでライオンのような声を上げ、キスをしながら、その男の血と肉を吸いまくっていま

す。・・・う、気持ち悪い・・・。当然男は苦しみますが、まったく抵抗する事が出来ず、あの世行き。マヤは吸い取った肉の塊を、そのままペッ!とどこ

かに飛ばし、不敵な笑みを浮かべます。目的を成し遂げたのか、マヤは上半身に返り血を浴びたまま、ゆっくりと階段を上り、自分の部屋に戻りま

す。そして、部屋に入ってドアを強く締めます。バタン!!

 

と、ここでマヤは目を覚まします。今までのは全部夢!? まあ、普通なら夢で片付くのですが、エコエコアザラクだけにただの夢ではないようです。

何はともあれ、マヤは悪夢から一時的に開放されました。そして、彼女の心を落ち着かせるかのように、ハト時計の音が鳴ります。さて、制服に着替

え学校に行く準備をするマヤ。鏡で自分の顔を見て最終チェックです。あぁ、悪夢のせいで相当顔色も悪いみたいです・・・。部屋を出ようとしたマヤ

ですが、ふと、金魚バチの異常に気づきます。いつも通り2匹元気に泳いでいるのですが、何とバチの中に誰かの眼鏡が・・・。これはもしかして、あ

の江頭の眼鏡?(だから江頭じゃないって!) やはり、夢でみたものと現実とが、何らかの関係でつながっているようです。ところがマヤは、

「何これ?」と言って、その眼鏡をゴミ箱に捨てます。どうやら、夢の内容をまったく覚えていないようです。でも、わずかに気になっているようで、部屋

を出ると同時に、もう一度そのゴミ箱に目をやります。ここでサブタイトル紹介。

 〜「私」SEVEN I〜

 

画面は、登校中の場面へと変わります。マヤは、友達の恵子とえりに尋ねます。「ねえ、私って今日すっごくブスじゃない?」 「いつも通りだよ。」 

「ちょっとそれ、どういう意味よ?」 とごく普通の会話。でも、その普通の会話から、次第に不純な話題へと変わっていきます。「・・・つってもね、最近

あっちの方はご無沙汰だし・・・」 と同時にニヤニヤするマヤと恵子。そして、2人はえりを真ん中にして肩を組むように、横に並びます。お前らラ

グビーか? と言いたくなるのですが、マヤが話を切り出します。「ところでえりちゃん、君も本当のところ、ただの女子高生?」 「んなわけない

じゃん。」 と、やや強がり気味のえり。「余計なお世話だってのは分かるんだけど、えりちゃんも早いとこ誰かに手ほどきしてもらって、パパとか作っ

た方がいいと思うんだよね。」 「面白いよおじさん達。お茶飲むだけでお金くれたり・・・」 「うーん。」 とあまり乗り気じゃないえり。そんな彼女の携

帯がなります。誰かから連絡が来たようです。「はい?」と出ようとしたえりから、マヤが何と携帯を取り上げてしまいます。そして、勝手に話し始めま

す。「はい、もしもし。あ、はい、電話に入れた通りです。え、そんなぁ、歳なんて関係ありません、気が合えば・・・。えーと、(えりを見ながら)髪はまだ

茶髪じゃないかな・・・。はい、分かりました、じゃあ今日の夜。それまでお仕事がんばって下さい。」 と言って電話を切ります。一方的に自分の予定

を作られたえりは、もちろん文句を言います。「ちょっとどういうつもりよ!」 「手ほどき手ほどき♪」 「そんな勝手に・・・」 「結構いい男だよ。私達で

いいパパ紹介してあげようと思ってさ。ま、私のパパの1人なんだけどね。」 「えりちゃんはいい友達を持って幸せよね。」 「でも・・・ホント? お茶

だけでもいいの?」 「うん。」 「あとで、待ち合わせ場所メモして渡すよ。」 「てことは、恵子もしかして家でおとなしくしてるってこと?」 ・・・なるほ

ど。つまりこのシーンから察するに、

 マヤと恵子が、えりの知らないうちに、彼女の携帯に男から電話が来るように手ほどきをしてお

 いた。

という事だと思います。まったく、こうなってくると、もはや彼女達は素人ではありません。おっと、この彼女達のやりとりを呆れて見ていたのは、何も

テレビの前の人だけではありませんでした。ここで、ミサと秀美の登場です。「まったく、あの子達もよくやるわよね。ミサの前にいた学校はどうだっ

た?」 と聞いているのですが、ミサはなぜかマヤの方をジッと見つめたまま、秀美の質問無視で次のように語りだします。「あの人、助けを必要とし

ている。もう手遅れかもしれないけど・・・。」 「助け? 誰が?」と訳の分からない様子で、ミサとは正反対にキョロキョロする秀美。ここで、さっきのミ

サの意味深そうな台詞に呼応するかのように、マヤにわずかですが頭痛が襲ってきます。おそらく、あの悪夢に関係していると思われる頭痛のよう

です・・・。

 

場面はいきなり夜に変わります。私服姿でビシッと決めているえり。そっか、マヤ達に手ほどきしてもらった相手にこれから会うわけですか。

「結構いい男って恵子言ってたんだけどなぁ・・・。」と、その相手を探しております。すると、タバコを吸いながら明らかに誰かを待っている人を見つけ

ました。おぉ、背も高く、なかなかいい男です。えりの顔も自然と笑顔になります。男に声をかけようとしたえり。ところが、なぜかそこにマヤが現

われます。2人でどこかに行こうとするマヤとその男。当然えりは、このマヤの身勝手な行動に不服そうな顔をします。音楽で台詞が聞こえません

が、口の動きから想像して、「どうして? ・・・もう!」と言っているのが分かります。そして、パッと画面は変わって、いきなりその男の死体のシーン

が・・・。これはですね、本当にもう少し心の準備をさせて欲しかったです。いきなり見せるんだもん! その死体を、赤目を光らせてライオンの声を出

しながら見ているマヤ・・・。なるほど。最初にあの江頭(もう江頭でいいでしょ)を殺害した時と、まったく同じです。それから階段を上っていき、自分

の部屋に戻ります。ここもまったく同じですね。部屋に入りドアを強く閉めます。バタン!! そしてここで目が覚める。やはりマヤは何も覚えていな

い・・・。

 

日が変わり、またも登校途中の場面。マヤと恵子が一緒に歩いています。「マヤ、最近顔色悪いよ。どうしたの?」 と恵子に聞かれたマヤは、

 「何かさ、最近あったまの調子がすっごい変。」

この言い方、やはり女子高生って感じがします。普通に、頭の調子がすごく変・・・と言えばいいのに。しかし、そんな思いを吹き飛ばすかのように、

後ろからえりが不機嫌そうに2人の間を割って前に現われます。「えり??」 「昨日からかったでしょ?」 「どうしたの?」 「昨日あそこ行ったんだ

よ。そしたらね、マヤが先に来てたの。」 「そんな・・・?」 「(驚いて)マヤが行ったの? どうしてマヤ?」 「いや、私行ってない。」 「見たんだも

ん、間違いないよ。」 「えりに紹介って言ったのに、なんでマヤ?」 「だから! 私じゃないって! 私行ってない!」 「(えりに向かって)人違いじゃ

ないの?」 「あれは、マヤだった。」 「あーバカバカしい! そんな話だけなら、ウザったいから私行くから!」 「マヤ、ちょっと待ってよ!」 と、恵

子はどちらの味方をすればいいか分からない様子。と、この会話をまたもや傍で見ていたミサと秀美。マヤが恵子たちから離れると同時に、ミサは

早歩きをし、マヤを尾行しようとします。それを見て秀美は、「あ、ミサ。どこ行くの?」とのんびりした口調で尋ねますが、ミサはササッと行ってしまい

ます。もしかしてミサ、秀美を全面的に無視してない? という疑問が浮かびますが、そんな事は言ってられません。ミサは、マヤの異変にす

でに気づいているようです。

 

マヤが行き着いた先は、とある電話ボックス。手帳を見ながらどこかに連絡している模様です。スケジュールがぎっちり詰まっているその手帳。

どうやら援助交際の相手と電話しているようです。しかしその途中、自分の財布の中に見た事もない名刺が・・・! その顔写真を見ると、えりと会う

はずだったあの殺された男ではありませんが! やはりマヤが・・・!? あの金魚バチの中の眼鏡と言い、少なくともマヤと亡くなった2人とは、何

らかの関係があると思わざるを得ません。その名刺を見たマヤは、例の頭痛でどんどんと苦しんでいきます。

電話を済ませ、待ち合い場所に着いたマヤ。そこに現われた相手の男は、えりの時とは、うって変わって3枚目。地味な服に太目の体。マヤの頭痛

は、ますます酷くなっていきます・・・。そのままお決まりのパターンで、ホテルに向かった2人。「こんな事する時は制服じゃない方がいいぜ。」 とそ

の男は、すでにズボンを脱ぎ始めています。「いくらくれるの?」 こうなると、マヤだってもうお金の事しか頭にないでしょう。「つまんないこと言うな

よ。」と、いきなりマヤの唇を奪おうとします。ちょっとちょっとおじさん、それはいくら何でもデリカシー無さすぎですよ、と言いたくなってきます。

負けん気の強いマヤは、すぐに男を引き離して、「ざけんじゃねーよ。金もねーのに高校生引っ掛けてんじゃねーよ、このエロオヤジ!」 と一喝。

男は逃げるマヤを追おうとしますが、脱ぎかけのズボンのせいで、不様に転倒してしまいます。あぁ〜、こうはなりたくありません。「バーカ!」

とどめの一言。ホテルの入り口を出たマヤは、ミサが気にかけて見張っている事に気づきませんでした。

マヤの頭痛は、さらに酷さを増していきました。意識がもうろうとしながら、フラフラと歩いているマヤ。そこに、恵子がやってきます。「マヤ! 探した

んだよ。」 「脅かさないでよ、まだそんな事言ってんの?」 「えりにって話だったから、あの晩いいパパ紹介したのにさ・・・。」 「だから私じゃないん

だってば!」 「でも、えりは・・・」 「見間違いだよ。」 声を出すたびに、苦しんでいくマヤ。その異変にようやく気づいた恵子が、「大丈夫?」と心配し

ます。が、全然大丈夫じゃありません。ついに立っている事さえ辛くなり、ひざを地につけてしまいます・・・。と、そこで、マヤはその場に捨てられてい

る新聞に気づきます。そこに書かれていたのは、えりと会うはずだったあの男が殺されたという記事。当然恵子も男の顔は知っていますので、驚い

てマヤに問い詰めます。「これってもしかして・・・。マヤ・・・。マヤがやったの!?」 「私知らない! 何も知らない!」 ついに意識を失ってしまいま

した・・・。

 

数時間後、マヤが意識を取り戻します。ここは、マヤの部屋のベットの上。意識を回復したばかりのマヤは、自分の周りに、恵子、ミサ、秀美の3人

がいる事に気づきます。「気がついた? マヤが倒れた時、近くを通りがかった2人(ミサと秀美)がここまで運んでくれたの。秀美の事は知ってる

よね。こちらは黒井さん。」 とマヤにミサを紹介する恵子。ミサも、「隣のクラスの黒井ミサです。転校してきたばかりなので、よろしくね。」 と丁寧に

挨拶をします。てことは、これは私の予想なんですが、マヤと恵子とえりは同じクラス。で、隣のクラスに秀美がいて、そこにミサが転校生としてやっ

てきたんだと思います。挨拶したミサですが、マヤの方はそれどころじゃないという感じで、再び、「私じゃない!!」と叫び出します。「分かった。分

かったよ。もういいよ。寝ててよ。」と、恵子はラチがあかないといった表情になります。そしてわずかにシーンとした空気・・・。その空気を、まずは秀

美ののんびりとした口調が破ります。「じゃあ私はこれで・・・。(マヤに)今日はゆっくり休んだ方がいいよ。」 「私も出かけるところがあるから。」 と2

人は行ってしまいます。ミサも一旦ここは退くようです。「さようなら。今日はもう外出しないよね?」 弱々しく首を縦に振って返事をするマヤ。

 「自分をしっかり持って!」

と念を押すように言って、ミサも帰ります。

ハト時計の時間は、深夜の1時。マヤは、みんなのアドバイス通り、ちゃんとベットで寝ているんですが、やはり悪夢にうなされているようです・・・。

 

ここでこの話の前半が終了です。果たして、マヤはどうなってしまうのか!? ミサは、彼女を救って今回の一連の事件を解決する事が出来るの

か!?

後半は、こちらです。


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