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番外編

 

長い長い本編もようやく終了したことなので、番外編といきましょう。このエコエコアザラク THE SECONDでは、数限りない人間離れした能力のシー

ンがありました。特に主人公の黒井ミサの能力は、本当に凄いものがありました。そこでこの番外編では、ミサの能力の種類ミサ以外の能

力者、この2項目について分析してみようと思います。

 

◎ミサの能力の種類

まずは、何と言っても黒井ミサの力でしょう。普通の人間とは違うんだ、ってところを次々の見せてくれました。第14話から最終話までを振り返って

みて、主に次の能力を使っていることが分かりました。

 ・テレポーテーション(第14話、第15話、第16話)

   やはりこれは外せません。しかもミサの使うテレポーテーションは、自分だけでなく、その場に居合わせている者全員をも、同じ場所に移動させ

   ることが出来ます。第14話では実体化した『レヴィアタン』を黒井医院に、第15話では残虐非道の薫をやはり黒井医院に、第16話では強敵

   麗奈を魔方陣に引きずり入れるため、瑞紀も連れてゴミ処理場へとテレポートしました。

 ・念力(第15話、第16話)

   ミサも高校生の女の子。従って、腕力に関していえば、やはり並みの男には太刀打ちできないでしょう。しかしミサには、それを充分に補う念力

   の能力も備わっています。第15話では月子を轢きそうになった車を難なく止め、第16話では麗奈めがけ十字型の大きな瓦礫を落としていま

   した。かなり重いものでも、止めたり動かしたりする力があるようです。

 ・魂の吹き込み(第15話、第16話)

   すでに亡くなった者、壊れてしまったものに対し、命を吹き込んで蘇らせることが出来ます。第15話では愚劣な3人によって殺された月子を黒

   魔術の手術で目覚めさせ、第16話では壊れてしまっているテレビのモニターに、過去に起きた出来事を映し出していました。しかし、この能力

   はちょっと他の能力に比べて完璧ではないような・・・。月子の復活も時間制限ありの一時的なものでしたし、テレビのモニターもいつまでも使え

   ていたとは思えません。特に月子のほうは、本当に生き返ることが出来ればいいのにな・・・と、私を含め、きっと他の視聴者たちも心情的にそ

   う願っていたでしょう。

 ・分身の術(第17話、第20話)

   これは分身の術・・・ということでいいんでしょうか? 相手に自分の体を傷つけたと思わせておいて、実は無傷で、その実態はいつの間にか違

   う場所に移動させている、という能力です。第17話ではドッペルゲンガーに対し、第20話では奈美子、愛倉に対し、この能力を披露しました。

   思えば、3人とも軽くだまされていたような気がします。3人とも、ミサにとってはそれほど大きな敵ではなかったようです。

 ・幻覚破り(第22話)

   第22話の魔女裁判で見せた、ミサの意地が勝ったこの能力。リツコの作った幻覚の罠に、まんまとはまってしまったミサ。精神的にもどんどん

   と追い込まれ、もはやこれまでかと思われましたが、わずかな隙を突いて得意の呪文でこの幻覚を破りました。この回の主な登場人物の中

   で、ミサ以外の佐多、那須、弁護士、アンリの4人は、結局はリツコの幻覚の中でのキャラクターでした。やはり第22話は、他の話と比べて、ち

   ょっと異色だったなと、改めて感じられます。 

 ・剣を使ったパワー(第22話、第25話)

   ミサの使う剣は、敵を刺すだけではありませんでした。剣を身構え、その状態で魔術を使う戦いも見られました。第22話ではリツコの体を後方 

   へと飛ばし、第25話では剣を投げ死界の区域を作って、そこへ襲ってくるシスター達を誘導して倒していました。ミサの武器といえばやはりこ

   の剣だったので、この剣をさらに多用した戦いをもっともっと見たかったところです。

 ・浄化(第16話、最終話)

   体内に宿った得体の知れないものを消滅させる能力も持っています。第16話では悪魔の力で受胎してしまった瑞紀の体を正常に戻し、そして

   最終話のダイモンとの世紀の一戦では、アンリの体を乗っ取ったダイモンを浄化させていました。しかしこの最終話では、敵の力はあまりにも

   強大で、なおかつ、もう浄化も無理なほどの状態にまでなっていました。結局ミサは、浄化をあきらめ、アンリの体ごとダイモンを倒すしかなくな

   ってしまいました・・・。

 

◎ミサ以外の能力者

次に、ミサ以外の能力者について見ていってみましょう。このエコエコアザラク THE SECONDでのミサ以外のキャラクターは、普通の人間、何らか

の力が加わって能力を使えるようになった者(半能力者と言わせてもらいます)、能力者、主にこの3つに分けられます。普通の人間を紹介しても仕

方ありませんので、残りの半能力者、能力者について見ていきたいと思います。

 ☆半能力者

  ・綱島樹(第14話)

    同じ陸上部のライバルである翔子を蹴落とすため、能力開花を志願しミサのところを尋ねた少女。しかしその能力開花は、ミサの計画してい

    たものでした。嫉妬の象徴『レヴィアタン』を捕獲するため、樹の脳を利用していました。しかし、『レヴィアタン』は樹の体を乗っ取ることに成

    功。ヘドロの顔と化した樹は、ミサをふっ飛ばすくらいの念力、あと首をつかんだり強烈な蹴りを放つことの出来る力を得ました。

  ・大崎月子(第15話)

    自分の命を救ってくれたミサにオルゴールをプレゼントしようとしていましたが、非道な3人に殺されてしまいます。ミサは、月子を黒魔術の手

    術で復活させ、3人に復讐するだけの能力を与えました。ナイフで背中を刺されてもビクともしない不死身の体と、やはり何と言っても3人のう

    ちの千秋、哲也を葬ったあの残虐性は、一度見ると忘れられないくらいの凄いものだったと言えるでしょう。

  ・平野マヤ(第17話)

    まるで野獣のように次々と男達を襲い、殺していくマヤ。しかしそれはすべて、マヤと瓜二つであるドッペルゲンガーの仕業でした。そのドッペ

    ルゲンガーはとうとうマヤの体を乗っ取り、マヤ自身も亡くなってしまいました。それにしても、マヤ似のドッペルゲンガーがホテルで男の肉体

    を引きちぎり、目ん玉までえぐって喜んでいたシーンは壮烈でした。本編で書いたことを繰り返しますが、このシーンを初めて見た時は、本当

    に1週間肉が食べられませんでした。

  ・三浦えり(第17話、第18話)

    自宅にミサを誘い込み、五茫星の写真を使いミサの能力を封じ込めて倒そうとした少女。完全にミサを追い込んでいましたが、あと一歩の

    ところで五茫星の封印を解かれてしまい、敗れました。マヤと同じで、やはり真の能力者ではなく、一連の事件の黒幕ではありませんでした。

  ・愛倉太(第20話)

    アンリと名乗ったシスターからもらった面の力と、卑怯な作戦でミサを倒そうとした男。この男自身に能力はなく、すべて面の中にいた赤い液

    体が愛倉に力を与えていました。最後は命だけは助かったようですが、再び目を奪われた愛倉にとっては、まさに死んだも同じ結果になって

    しまいました。

  ・岡本薫(第21話)

    愛倉の時と同じようにアンリと名乗ったシスターからもらった薬を飲み、吸血鬼のような能力を身につけたしまった女性。最後は夫である史郎

    の血まで吸い、2人とも砂になるという可愛そうな結末を迎えてしまいました。

 

 ☆能力者

  ・黒井サトル(第14話〜第16話)

    本編で私は「一流の黒魔術師」と書いていますが、果たしてこのおじさんは本当に能力者なんでしょうか・・・? 確かに魔術がらみの手術は

    一流だし、魔術に関する知識も相当持っていますが、ミサのように敵を倒すような能力を見せたことはありませんでした。でも、やはりミサの

    家系なので、能力者と見てたぶん間違いないでしょう。

  ・袴田瑞紀(第16話)

    第16話で、魔術とはまた違った能力、人の心を読む能力者が登場しました。この瑞紀もその読心術者の1人でした。ただ、それ以外の能力

    は特になく、その読心術にしても、思わず人の心を読んでしまったりと、上手く抑えが効かなかったようです。

  ・吉沢早苗(第16話)

    瑞紀と同じ読心術者。夜の街でハンバーガーを食べながら瑞紀と心の中だけで言い合うシーンは、なかなか面白いものがありました。結局ミ

    サとは一度も会うことがなかったという珍しい能力者でした。

  ・小杉麗奈(第16話)

    カウンセリングルームを経営する医師。しかしその正体は、命のない操り人形と化した悪魔でした。かなり強大な力を持っていましたが、怒り

    に燃えたミサの一方的な攻撃の前に敗れ去りました。

  ・田村秀美(第17話〜第19話)

    第17話〜第19話にかけてのSEVENシリーズの黒幕。永遠の命を手にするため、同じ高校のクラスメイトを次々と殺していきました。その

    能力も計り知れないくらい強く、体を触れずに階段から突き落としたり、無数の切り傷を負わせたり、また恵子を操ってミサを倒そうとまでしま

    した。秀美に能力を封じられ、今度ばかりはどうしようもなくなっていたミサ。バッグの中の両親の人形がもしなかったら、間違いなくやられて

    いたでしょう。恐るべき敵でした。

  ・リツコ(第22話)

    奇妙な人形使い。魔女裁判という幻覚を作り、ミサを苦しめていました。そのやり方は実に残忍で、アンリや人形にされた両親というミサの家

    族の者、さらにミサの過去まで巧みに利用していました。しかし、このリツコはただの人形で、実は人形のような奴のほうが操っていたという、

    何とも変なオチでした。

  ・カスミ(第24話、第25話)

    ラスト3話の最終章、ANRIシリーズに登場したトップクラスの敵。大門村で恐ろしいまでの儀式を繰り広げていたシスター達の頭でした。変身

    の能力も備えており、ミサの身を神に捧げようと、アンリに化けてミサに近づいてきましたが、リョウの捨て身の攻撃により見破られてしまいま

    した。死ぬ間際になっても命乞いすることはなく、神の存在を強く言い張り、ミサに勝ち目がない事を言い残して事切れました。

  ・樹梨(第24話)

    カスミの部下。寝ている者に予知夢のようなビジョンを送ったり、またミサと同じように呪文を唱えて相手を苦しめることもできます。さらに格

    闘に関してもなかなかの腕前で、ミサとの対決の時は激しい立ち回りを見せてくれました。血まみれになっても見せたあの不敵な笑いは、本

    当に不敵でした。

  ・リョウ(第24話〜最終話)

    シスター達に声を奪われ、親まで殺されてしまった大門村の住人。声を奪われても、ミサや視聴者側に言いたいことを全部伝えられるのは、

    やはり能力があると言っていいでしょう。またテレポーテーション能力や武器のナイフなど、さまざまな力を披露し、ミサを何度も助けました。ミ

    サの手当てを受けていたあのほのぼのするシーンは、彼の素直な心が写し出されていて実に良かったです。

  ・黒井アンリ(第23話〜最終話)

    ご存知ミサの妹。このエコエコアザラクで、もしミサがいないとなると、次に挙げられる能力者はもちろん彼女しかおりません。ミサと同じよう

    に、呪文を唱えたり、人の記憶を消したりすることが出来ます。もちろんそれだけではありません。ダイモンに体を奪われた後も、その能力は

    ちゃんと見せてくれます。なんとミサの体に魂をうつし、ミサの力となり、一緒にダイモンと闘っていました。思えばミサとアンリ、この2人が組

    めばどんな敵だって簡単に蹴散らしてきたんじゃないでしょうか・・・。残念ながら敵同士となった2人でした。

 

以上、今回は番外編ということでまとめてみました。インドア派の城の中でも最古参であるエコエコアザラク THE SECOND。これでようやく幕を閉じ

ることになりました。本当に長い間、ご愛読ありがとうございました。


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