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第14話 「嫉妬」THE JEALOUSY

 

この第14話がエコエコアザラク THE SECONDの最初の話になるわけですが、実はすでに、第15話、第17話〜第26話(最終話)を完成させて公

表しております。特に次の第15話なんて、随分前に作ったものです。人が作ったものというのは不思議なもので、年月が経つとこんなに変わるもん

なんだなと、特に第14話と第15話を比較して感じました。内容的にも、もしかしたらちょっとしたくい違いが出てくるかもしれませんが、どうかご了承

下さい。では、第14話の「嫉妬」をご覧下さい

 

もう前半の話は知っている。早く後半を見たい人はこちらへどうぞ。

 

◎今回の登場人物

 黒井ミサ:黒魔術を使う少女で主人公

 黒井サトル:ミサのおじさん(叔父か伯父かは不明)、一流の黒魔術師

 綱島樹:ある高校の女子陸上部員。今回のサブタイトル通りの非常に嫉妬深い性格。

 関根翔子:樹と同じ高校の女子陸上部員。実力は樹より上なのだが・・・

 大久保涼介:樹や翔子のいる陸上部のマネージャー。2人から好かれ、両手に花状態のうらやましい男。

 黄金コンビ:走りでは、こけて大怪我をした経験があるナレーション

  (注:上と同じ色で登場人物の台詞も分けています。)

 

◎ストーリー

まずはいきなりミサの真剣なシーンから始まりました。上下左右に俊敏に手を動かすミサ。下に置いてあったある箱が閉じた時点で、その動作をや

めました。この箱の中に何かを閉じ込めたのでしょうか・・・? ホッとしたのも束の間、すぐにまた箱のフタが開き、中から強烈な風がミサを襲いまし

た。さらに、バタバタと鳥のように何かが逃げるような気配が・・・! それを目で追うかのように辺りを見渡すミサ。「逃げられた・・・。ここ

まであいつの成長速度が早いなんて・・・。」 やがてバタバタという音もなくなり、ミサが言う「あいつ」が外へ逃げたようです。

 

早くも画面は変わります。どこかの高校の運動場。そこでなかなか見事な走幅跳を披露する陸上部員、翔子。これはかなり飛んだんじゃないでしょ

うか? マネージャーの思われる青いジャージを着た大久保がメジャーで測っております。「ねえ大久保くん。どうだった?」 「完璧。俺からお前にア

ドバイスする事なんて何もねーよ。」 と絶賛する大久保。しかし、そんな2人の会話をまるで遮るようにして、「ねえ、飛んでいいの?」ともう1人の陸

上部員、樹の声がしてきました。飛ぶ前に足腰の準備運動をしている樹。視聴者サービスでしょうか、樹も翔子もブルマ姿。そして、野球部とかであ

れば男子部員に女子マネージャーが付いたりするんですが、これは逆。女子部員たちに男子生徒である大久保がサポートしているクラブ体制にな

っているようです。「綱島(樹)のやつ、随分気合い入ったツラしてんなぁ・・・。出るんじゃねーか、新記録。」 「かもね。」と、気合いの入ったツラの樹

とは正反対に、あまり面白くなさそうな顔を見せる翔子。さあ、樹も飛びました。同じくメジャーで測る大久保。「惜っしい〜。あとちょっとなのに

ね・・・」 「踏み込みの時もっと力入れたほうがいいのかな?」と、大久保からアドバイスを聞こうとした樹でしたが、そこへすかさず翔子が割って入

ってきました。「ねえ、もう1本飛ぶからスタートの時のほう見てもらえるかな?」 「別に完璧だと思うけどね。」 「いいじゃない。」と言って、樹から遠

ざけるようにやや強引に大久保を連れ去っていく翔子。唇を噛みしめて不満がる樹の表情がドアップで写りました。と、ここで切りよくサブタイトル紹

介。

 〜「嫉妬」THE JEALOUSY〜

嫉妬といえば炎。このサブタイトルが画面に出ている間は、炎の音も聞こえてきました。

 

今日の練習はこれで終わりでしょうか、水道のところで並んで足を洗う樹と翔子。やはり走幅跳ですからね、足が砂だらけになります。「何も力んで

練習することないんじゃない? 楽しみながらのほうが絶対成果出るって。」 「選考会近いんだから、普通誰だって力入るでしょ。」 「そう? 別に

私は意識してないなぁ・・・。」 「自信あるんだ?」 「どうかな?」 ライバル同士の2人、お互いに胸のうちを探りあっております。さあ、足も洗って制

服姿に着替えた2人。こうしたこれまで一連のシーンを見ていると、今はもうきっと夕方近くなんだなというのが、ひしひしと伝わってきます。「ねえ

樹、恨みっこなしだからね。」 オープニングで仲の良くなさそうな感じがした2人ですが、ここまでは結構2人だけの場面が多くなっています。

 「選ばれるのは1人。勝負の世界って、何か嫌だよね。」

「だけど避けられない道でしょ。」 「だよね〜。・・・あ、そうだ。ちょっと私、約束があったんだ。それじゃお先に。」と、先に帰ろうとした翔子でしたが、

ここで立ち止まり、改まって「ホント、私が選ばれても絶対恨みっこなしだからね。」と樹に言って去っていきました。これを聞いた樹の嫉妬心がまた

も倍増。近くにあったゴミ箱をロッカーに擦りつけ、頭を抱えながら去っていった翔子の方向を睨みつけました。

 

おう!やはり夕方でした。今度は樹の帰宅シーン。その途中にミサに会いました。ミサは樹の顔を見るなり小走りにやってきて、「匂うわ。」と言って

彼女の肩あたりを嗅ぎ始めました。「何なんですか!」 そりゃそうでしょう。誰だって初対面の人にこんな事されたら頭にきます。しかも、樹は今日

は面白くない事ばかりあったので尚更です。

 「嫉妬の匂いが強烈にしてる。」

「何よ気持ち悪いわね。」 「気をつけたほうがいいわ。嫉妬は、自分も周りも傷つけるから。」と忠告してくれるミサでしたが、樹は「おかしいじゃない

の。」とまったく相手にしないでミサから離れて行きました。さあ、樹の帰宅シーンはまだ続きます。なぜか公園内を歩く樹。自宅への近道でしょう

か・・・。途中、夕刊配りの男とぶつかって倒れますが、お互いに特に「すいません」と言わなかったという、あまり意味のないシーンもありました。し

かししかしその直後、今度は実に意味のあるシーンがやってきました。何と翔子と大久保が一緒にいるではありませんか! どうしてこう不運なとこ

ろに出くわしちゃうのでしょうか。偶然見てしまった樹。始まって早くもこれで3度目の不満顔になりました。不安のまま再び帰ろうとする樹。とここで、

電信柱に『黒井医院』の書かれた貼り紙を見つけました。さらにその『黒井医院』と書かれた右隣に『能力開花』とありました。どうやらこれに目が止

まったようです。それを求めて、商店街の通りに来た樹。今度はそこの電信柱に『黒井医院 この奥』とありました。それに導かれるようにして行く

樹。さらに歩くと、今度は『黒井医院 こちら』とありました。おいおい、いくら何でも貼り紙多すぎだろ!という感じですが・・・。とうとう狭い路地の

中までやってきた樹。もう夕日も沈んですっかり暗くなってきました。貼り紙の通りにここまでやって来た樹、しかし、「何よ、行き止まりじゃない。」 

いや〜、それにしても長い沈黙でした。およそ1分40秒、誰も何も喋りませんでした。貼り紙に騙されたのか、諦めがつかずにキョロキョロとしてい

る樹。するとよく見ると、目立たないところに『黒井医院』と書かれた建物を見つけました。そこへ近づき、入り口のドアを開けようとした樹。しかしそ

の前にドアが開き、中から妙な男が・・・! 樹にとっては引き手だったため、ドアのノブで軽く頭を打ってしまいました。さあ、その妙な男に迎い入れ

られ、院内に入っていった樹。ここで、

 「いらっしゃいませ。」

というミサの声が・・・。ちょっとちょっと、病院なんだから「いらっしゃいませ」ってのは少し変じゃないでしょうか・・・。ともかく声のする方に樹が振り向

くと、そこにはナース姿をしたミサがいました。「あなたさっきの・・・!」 「初診ですね、こちらへどうぞ。」と、ここから先は男に代わってミサが診察室

へと案内しました。その診察室に入るミサと樹。そこには、いつのまにか先ほどの男がいたのと、もう1人、白い妙な玉2個を片手に持った男

がいました。その男の手がすべり、持っていた玉の1個が落ち、樹の足元へと転がっていきました。「恐縮ですが拾っていただけますか?」と言う

男。樹がそれを拾うと、その玉の中心には黒目のようなものが・・・! まるで人の目玉に見えるこの玉。樹は気持ち悪がり、思わず玉を落としまし

た。しょうがないなという感じで代わりに拾うミサ。そして、男に手渡しました。さて、ここで登場した男2人の紹介をしておきましょう。玉を持っていた

のは、この医院の医者でミサのおじでもあるサトル。最初に樹が出会ったほうの男は、助手の小岩井であります。「それで、どこか具合でも?」と樹

に尋ねるミサ。「能力アップ出来るっていうのは、本当なんですか!?」と、樹はやや興奮気味に言いました。「ウソ偽りはありません。一体どんな能

力開花をお望みなのですか?」 「あの・・・陸上をやってるんですけど・・・」と、さっきの興奮状態とは一転して、ちょっと話しにくくなってきたようで

す。「良い筋肉を蓄積してますね。服の上からでも脈々と感じられますよ。」と、この親父、見るとこ見てます。「私、もう我慢できないんです! 同じ

部員なんですけど、男に媚びて色々とアドバイス受けて・・・。私が一番だなんて顔しちゃって・・・。」 「それで?」 「私の能力アップして下さい! 私

よりほんの少し記録がいいからって、これ以上デカい顔されたくないんです!」 樹とは反対に非常に落ち着いた状態で話を聞いているサトル。ここ

で、例の2つの目玉をまさぐっていた手を止め、眼鏡のズレも微妙に直して、樹に念を押します。「いいんですね? うちの手術は特別ですよ?」

 「あの子に勝てるんだったら、悪魔にだってこの身を捧げるわ!」

もう、これ以上の覚悟はありません。サトルも、

 「小岩井君! 第2級手術配備にて待機!」 

と、専門用語らしい言葉で小岩井に指示し、手術の準備へととりかかりました。待機時間のことはどうやら省略されており、すぐさま手術のシーンへ

と変わりました。すでにオペ用の服装だったサトルはそのままの姿で、そうでなかったミサや小岩井もオペ用の服装に着替えております。ベッドの上

には、おそらく麻酔で眠らせたと思われる樹の姿があります。小岩井に「メス。」と要求するサトル。しかしそれは、とてもメスとは思えません。まる

で、チェーンソーの小型盤のようなものでした。これで樹の体の一部を切ろうというのでしょうか!? さすがに特別と言っていただけのこと

はあります。さらに、「この子は使えるな。」と言うサトル。これは樹が望んだ手術なんですが、今のセリフからして、サトルのほうにも何か目的がある

のかもしれません。

 

サトルが樹の体にメスを入れようとしたところで画面が変わりました。やはり凄すぎるのでしょうか・・・? 手術中のところは見させてくれませんでし

た。次の日になったのでしょう。再び運動場のシーンになりました。今日も快調な走幅跳を見せる翔子。と思いきや、飛んだ後に苦しそうに頭を抱え

ました。心配して慌てて駆け寄ってくる大久保。「どうした? 調子悪いのか?」

 「最近ずっと、何か頭痛くて・・・」

「休んだほうがいいんじゃねーか?」 「平気よ。選考会前に休みたくないし・・・。」 ここで、「ねえ、飛んでいいの?」と、まるで昨日の再現を見てい

るような、樹の遮る声がやって来ました。今度は樹が飛ぶ番。結果は・・・・「すっげえ。」 翔子の記録を抜いたようです。やはり頭を抱えて苦しむ翔

子。逆にほくそ笑む樹。

 

さあ、いきなりとんでもないものを画面に出すのが、このエコエコアザラクのすごいところ。なんと、1人の人間の脳が画面いっぱいに出ました。しか

も最近抽出したばかりなのか、脳の下あたりに血が垂れ落ちております。その後に出てきた、額とあごとを包帯で巻いた樹の姿。ということは、

 「きれいでしょ? あなたの脳よ。

と、ミサが樹に教えてあげました。なんで自分の脳がここにあるのに私意識があんの?という感じで不思議がる樹に、ミサがさらに付け加えます。

「この脳はここで、あなたの望むものの脳波を受信して吸収するわ。」 「吸収??」 「あなたの脳が、相手の脳を食べるってことよ。」 「相手は?」

 「死ぬほど苦しむでしょうね。」

そしてその言葉通り苦しんでいる翔子。どうやらこの脳の出てきたシーンは、手術が終わったばかりの時のことだったようです。樹が翔子の記録を

抜いた運動場のシーンに戻りました。苦しむ翔子に、「調子悪いの? ねえ、大丈夫?」と言ってますが、顔は明らかに笑っております。「ねえ大久

保くん、どう私のフォーム?」 しかし翔子が心配な大久保は、そんな樹の言葉を聞く余裕もなく、「おい、今日は練習切り上げたほうがいいみたいだ

な。」と言って翔子と一緒にグラウンドを去って行きました。これを目の当たりにした樹は、やはり不満顔。これで4度目です。とその時、ミサの逃

た「あいつ」が樹の元へとやってきました!

 

ここでこの話の前半が終了です。ミサが逃がした「あいつ」とは何なのか!? 再び捕まえることが出来るのか!? そして、樹と翔子の選考会をか

けた勝負の行方は!?

後半は、こちらです。


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