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第15話 「復讐」THE REVENGE

 

今回のお話は、ミサの家族とはほとんど無関係なもの。ミサは、純粋な女子高生月子と出会います。いい感じで友達同士になりそうな2人。しかし、

彼女達にとんでもない魔の手が現われます。果たしてミサ達の運命は・・・?

 

もう前半の話は知っている。早く後半を見たい人はこちらへどうぞ。

 

◎今回の登場人物

 黒井ミサ:黒魔術を使う少女で主人公

 黒井サトル:ミサのおじさん(叔父か伯父かは不明)、一流の黒魔術師

 大崎月子:ミサにオルゴールをプレゼントする女子高生

 北条薫:悪党3人組の1人、リーダー的存在

 高津哲也:悪党3人組の1人、かなり危ない

 船橋千秋:悪党3人組の1人、3人の中では下っ端か・・・?

 黄金コンビ:ただの不真面目なナレーション

  (注:上と同じ色で登場人物の台詞も分けています。)

 

◎ストーリー

どこかの階段(どこかってどこだよ!)を楽しそうに弾みながら下りている少女・・・月子です。今回の話は、月子のそんな健気なシーンから始まりま

す。階段を下りたら当然のように道路に出る。そして向こうから車が、もう目の前まで近づいて来ています。はしゃいでいる月子にそんな注意力はな

く、ぶつかる!と思った瞬間、ミサがそれを助けます。

 「カルベリアルバストリアル。」

とこんな感じの呪文だったでしょうか・・・? なんせ聞き取りにくいもんですから、カタカナの1、2文字くらいは違うかもしれません。とにかく、ミサはこ

の呪文を唱えて車を止めましたので、月子は一命をとりとめました。そして「大丈夫?」と一言。ここでサブタイトル紹介となります。

 〜「復讐」THE REVENGE〜

タイトル名と一緒に砂時計が出ています。この砂時計が今回の重要なアイテムの1つとなるわけですが、画面はすぐにストーリーの方に戻ります。

 

「ありがとうございました。」 まあそうでしょう。誰だって自分の命を助けてもらったら、そう言うに違いありません。しかしここで、どういたしましてと言

わないところがミサらしいと言えばミサらしいです。それよりも何やら嫌な予感を感じているようです。「まったく、耳元でうるさい風ね。」 「え?」

「あなたを取り巻く風の精霊たちが忠告してやるってうるさいのよ。」 「風の・・・精霊・・・ですか?」 「あなたに気をつけなさいと言っているわ。」

何やら月子の身に何かが起こるようです。車に轢かれそうになった事以上の何かが・・・? そしてお互い笑顔で見つめ合う2人。こういうシーンを見

ると、いかにこの2人が心清き人間かが分かります。

 

さて、場面は変わります。ここは・・・どこかの駐車場でしょうか・・・? 1台の車の中で猛烈にやりあっている哲也と千秋。そう、夜の営みってヤツで

す。いや今昼間だから、昼の営みといった方が正しいでしょうか? さらにその車を不機嫌そうに点検している女、薫もいます。・・・お、哲也と千秋、

どうやら一段落ついたようです。車から降りてきた2人に向かって、まずは薫が皮肉を一言。「ったく!昼間っからよくやるわよね?」 しかし2人はま

だ興奮冷めやまないのか、そんな言葉は皮肉にも聞こえないようです。「ほんでも千秋のヤツがやな・・・。」 「盗んだ車でやるとなんか燃えんだも

ん。」 それに対し、短気な薫はすぐに怒り出します。「汚して売値落としたら無駄になる(車のこと)って何度も言ってるでしょ!」 「薫ちゃん怖〜

い。怒鳴らないで。」 「香港のやつらがビジネスに徹している事くらい知ってるでしょ?」 「ほな、電気製品のおまけでも付けるか?」 うーん、どうや

らこの3人、かなり悪どい事をやっているようです。

 

その頃、ミサは仕事をしていました。ミサの職業と言えば占い師。今日も占い師らしい格好で客が来るのを待っております。そこに、こないだ助けた

少女、月子がやってきます。そして、「これ、お礼です。」 と見せたのは、高さ10センチ表面積100平方センチくらいのオルゴール。このオルゴー

ル、月子自身が作ったようです。よく考えたら、女子高生がオルゴールを作れるなんてすごいんじゃないでしょうか? 「(このオルゴールで)雰囲気

明るくしたほうが・・・ほら、お客さんもいっぱい集まってくるし・・・」 「私ってそんなに暗い?」

 「正直言って、かなり暗いと思うんですけど・・・」

あ〜あ、言ってしまいました・・・。今まで誰もそれだけは口が裂けても言わなかったのに、月子は実に正直者です。ここで普通なら、「誰が暗いっ

て!? えぇ!?」と反論するんですが、ミサはそんなキャラじゃありません。

 「私って、暗かったんだぁ・・・。」

ちょっとショックを受けているようです。そのミサをなぐさめるかのように、「聞いて下さい。これすっごくいい曲なんですよ。」 とオルゴールのふたを開

けます。ところが、

 音が出ない。

なぜ??と思う間もなく、ミサの使うタロットカードが、数十枚ほど風のせいで吹き飛ばされます。これもさっきミサが言っていた風の精霊の仕業で

しょうか・・・? とにかくそのカードを、ミサよりも真っ先に月子が拾い集めます。ミサも拾おうとするんですが、月子のその動作の速いこと速いこと。

全部集めて渡し、「ありがとう。」 「やっぱり雰囲気明るくした方がいいですね、(オルゴール)直ったら聞いて下さい。」 しかし、ミサは険しい表情で

首を横に振ります。「どうしてですか? すごいいい曲なのに・・・」 「嫌な風。ザラザラしてるわ。この街を取り巻く風がザラついているの。胃の奥が

ザラザラするような、すごく嫌な風。」 やはり月子に何か不幸が訪れるのでしょうか? 心配です。

 

さて、陽もおちてきました。静かな夜に、1人の電気店員の怒鳴り声がこだまします。「待てー!!」 その電気店から、薫、哲也、千秋の3人が逃げ

るように出てきます。そして、盗んだテレビを先程の自分たちの車につめています。なるほど、哲也が言っていた電気製品のおまけというのは、こう

いう事だったのか。本当に悪いやつらです。追ってきた店員に対して、薫がナイフを取り出して向かいます。「ほら!ほら!」 と楽しむようにナイフを

振り回す薫。ついに店員を刺してしまいます。さらに、「何がそんなに苦しいの〜?」 とナイフに付いた血を彼の顔に塗っております。それだけでは

ありません。千秋も、車の廃棄ガスを出すところと彼の口とを、太いホースのようなものでつなぎ、ガスを体内へと送りこんでします。「酸素注入〜。

ハハハ、美味しい酸素吸うてや。」 「超おかしい〜」 「あーばーよー。」 と言って車で退散する3人。世の中にこんな犯罪があっていいんでしょう

か? と言うより、これだけ大胆な殺し方をすると、嫌でも警察の目に届くと思うんですが・・・とにかく怖いです。

・・・お! そして月子のオルゴールが直ったようです。これからミサに届けようとしますが、いやいや止めたほうがいいぞ。夜中の女子高生の1人歩

きは。と思う間もなく、また画面は悪党3人衆に戻ります。逃走する車の中でゲラゲラ笑う3人。「人を刺した時の感触って、いいよね〜。」 「そんなに

気持ちいいの?」

 「けっこう。脳天にズーン!って来るからね。」

なんでそこだけ強調すんの? なんだか必要以上に強調していたように思えます。それにしてもこの3人、一番左の運転席に哲也が座り、隣に薫、

さらにその隣に千秋がいます。どうやら相当高い車のようです。さすがに売りに出そうとしているだけの事はあります。

またまた月子のシーンに変わります。完成したオルゴールを持って、嬉しそうに弾みながらミサの元に行こうとします。ここでは、月子と3人のシーン

が数秒くらいで何度も入れ替わります。もしかして・・・!? 何だか嫌な予感がしてきました。

上の薫の言ったセリフに対し、「今度私もズーン!と感じてみた〜い。」 「じゃあ、俺がズーン!と感じさせてやるから。」 「そういうズーン!とは違う

ズーン!なのよ。」 どうでもいいですが、薫は完全なツッコミ役のようです。哲也もそれに負けないくらい(?)のツッコミで、「じゃあ、どういうズーン!

やねん? えぇ? どういうズーン!やねん? 言うてみい。」 いやもうこの男、この時点でまったく前を見ておりません。完全に運転を放棄していま

す。「あ!前!」 とそこには月子の姿が・・・。そして完全衝突! 月子の体はアッと言う間に吹き飛ばされてしまいます。いやいや、今回は月子は

悪くないぞ。ちゃんと前見て歩いてたんだから。悪いのは明らかにこの3人です。3人は車から降りましたが、月子はまったくもって動きません。やは

り即死だろうか・・・? ここで普通だったら、「どうしよう・・・」と動揺するのですが、

 「バッカじゃあん・・・って感じ。」 「ねえ高津、今年入って何人目?」 「・・・・・・・忘れた。」

本当にもう、人間やり直したほうがいいです。ところで、なぜ哲也の事だけ「高津」と呼んでいるのでしょうか? 他の2人は「薫」「千秋」なのに・・・。

もしかして、哲也だけそこまでの域に達していないという事でしょうか? それとも2人から密かにいじめを受けているとか・・・? 女子のいじめって陰

湿っていうからなぁ・・・。いや、そんな事を言っている時ではありません。問題はこの状況です。もうこの3人には、月子を轢いた罪悪感よりも、車の

傷のほうに気が行っています。「傷物の車なんて売値ガタ落ちよ。ねえ、何か金目のもの持ってない?」 と言われて月子の身の周りを探る哲也と千

秋。この辺りは、さすがに薫はリーダーって感じがします。「何やこいつ、ホンマに今時の高校生かこれ。」 「ホント。なんにもいいもの持ってない。」

とその時、なんと月子が意識を回復し、瀕死の状態ながら必死に動こうとします。必死にオルゴールを手にとろうとします。しかしそれを見た薫が、容

赦なくオルゴールを取り上げます。月子も完全に動けなくなり、息を引き取ってしまいました・・・。「あんた、ろくなもの持ってないから、これもらってい

くわね。」 「相変わらずやる事ひどいのぉ。」 お前が言うな! おそらく見た人全員がそう思ったことでしょう。しかし、薫はまだまだ物足りない様子

です。「なんか面白くないね。」 これ以上何をする気だよ!? 薫は自分の口紅を取り出し、月子の顔に落書きをし始めました。そこまでやるか!?

「ハハ、極悪人やの。」 「超おかしい」 と2人も笑いながら見ています。千秋の「超おかしい」は決め台詞になっているようです。いや、彼女のキャラ

なんてこの際どうでもいいです。

この3人によって道路に放置された月子の死体は、何とも無残でした。顔は落書きされ、靴をうさぎの耳代わりのようにして置かれ、彼女の血で道路

に「マヌケ」と書かれていました。さらに見開いた目からは大量の悔し涙が・・・。これでもし、服まで脱がしていたら、あの3人、正真正銘の悪魔

です。そこにミサも掛けつけますが、すでに時遅しでした。ミサも、この卑劣な犯行には憤りを隠せません。かわいそうに思う涙顔から、次第に怒りの

表情へと変わっていきます。そして、復讐を誓うのでした。

 

怪しい音楽と共に、また場面が変わります。ここはミサの家の実験室。そこにはミサの他に、おじのサトル、助手の小岩井がいます。この小岩井、気

を付けの姿勢をしているわりには、なぜか両手は手悪さをしています。実にどうでもいいシーンでした・・・。さて、魔法医学を使って月子を復活させよ

うとしたいミサですが、サトルのほうは乗り気ではありません。魔法医学で死体を生き返らせるべきではないという考えらしいです。しかし、月子のた

めにも、ミサは決して諦めません。月子の目を見るようにサトルに言います。

 「この子の目、何かやり残した事を悔やんでいる目でしょ?」

うわぁ〜、本当にすごい目つきです。一体今までどんな修羅場をくぐり抜けてきたんだ!?という程すごい目つきをしています。「角膜の

裏に焼きついた愚劣なものへの復讐心・・・と言ったところか・・・。」 いや、そんな難しい言葉で言わなくても、あの3人に対する復讐心と言えば分か

りますって。あくまで復讐には反対のサトル。しかしミサの熱意に負け、ついに手術を開始します。「小岩井くん! 第1級手術配備にて待機!」 い

や、ちょっと意味が今1つ分かりませんね・・・。第1級ってどんな位なんだろう? と思いました。そんな思いを消すかのようなテンポの良さで、「第1

級手術配備にて待機します。」 と小岩井も即答します。

そして手術開始。まずは肉体の蘇生からです。サトルが主にオペを行ない、ミサと小岩井が両脇につく感じで・・・。オペ中に月子の飛び散った血が

サトルのレンズに付いてしまいますが、ミサが優しくそれを拭いてあげています。それにしても、刑事が死体を見れないでどうする! とよく言われま

すが、オペ中の医者や看護婦にも同じような事が言えますね。目を当てられないものに対してしっかりと向き合わなければいけない。大変な職業で

す。そんな余談をしているうちに(?)手術が無事終わったようです。あとは魂を吹きこむだけ。ここでミサが呪文を唱えます。

 「ベールベゼル・・・(あと分かんない)」

やっぱりミサの呪文は書くのが難しいです・・・。難しく長い呪文も終わり、月子の目がゆっくりと開いていきます。「おはよう。」

 

ここでこの話の前半が終了です。果たして月子の運命は!? 何かやり残した事とは何なのか!? やはり3人への復讐か!? それとも・・・!?

後半は、こちらです。


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