第25話 「妹」ANRI II
今朝出かける前のことなんですが、靴のヒモが両足ともほどけていました。これって結構珍しくありません? ・・・と言いたいところですが、このエコ
エコアザラクでは靴のヒモがほどけるどころか、ちぎれてしまうほどの不吉な展開が続発しております。もうこうなるときっと、留まることはないでしょ
う。せめて最終話くらいはハッピーエンドで終えてもらいたいですが、果たしてどうなるでしょうか・・・? では、最終話の1つ前、第25話をどうぞご覧
下さい。
もう前半の話は知っている。早く後半を見たい人はこちらへどうぞ。
◎今回の登場人物
黒井ミサ:黒魔術を使う少女で主人公
リョウ:大門村に住む謎の男。その謎が、今回明かされる!
カスミ:大門村を支配するシスター達の首領格。悪の所業を平気でやり遂げる。
黒井アンリ:ミサの妹。大門村で捕えられている可能性が高くなってきたが、未だ行方知れず。
黄金コンビ:たまに黄緑色でハイテンションになるナレーション
(注:上と同じ色で登場人物の台詞も分けています。)
◎ストーリー
さて物語は、いきなり例の儀式から始まりました。例の儀式・・・つまり前話で静香を死に至らしめた、あのグロすぎる儀式です。おいおいまたやるん
かい!という嫌悪感もありますが、その前に、仲間の樹梨が死んだばかりだというのに平然としているカスミに驚きです。いやいや、所詮悪
役間の仲間意識なんて、この程度なのかもしれません。さあそのカスミですが、静香にした時と同じように、今仰向けになっている女性の体にゆっく
りと器の水をかけていきます。特に今回は、赤ん坊がいると思われる腹の辺りに、念入りにかけております。それをすぐ近くで見ている身内の者2
名。彼らは無論カスミに操られております。いやもう、正気ならとっくにこの場を逃げ出していることでしょう。そよ風の音を感じ始めようとする仰向け
の女性、身内の2人に対しゆっくりと頷いて合図を出すカスミ。この辺りも、やはりまったく同じです。合図を受けた2人のうち、年配のおじいさんのほ
うが斧を振り上げました! そして女性を切る音! いやしかし、今度は静香の時とは違って、このシーンはここで終わりとなりました。視聴者側へ
の配慮でしょうか・・・。ホントに絶妙なところで止めてくれました。
ということで、画面は儀式が終わった後のシーンへとワープします。そこには、今息絶えたばかりと思われる女性の血まみれ死体が・・・。切り裂くシ
ーンを省略してくれたとはいえ、やはり怖いものがあります。すぐ近くには、カスミが立っております。カスミの反対側には、操られた村人たちが20人
ほどでしょうか、座っております。この教会の中の神側のほうから、カスミ、死体、村人たちというような位置関係になっており、村人たちが全員カス
ミのほうに注目しております。しかし、カスミはここでその場を離れました。そして、今カスミが立っていたところに、アンリが現われました。どこか
ら出て来たのだろうかということと、このアンリはミサの探している本物なんだろうかという2点の疑問がよぎるところですが、そんな一時的な疑問を
打ち消すかのように、
「守護神様〜! 守護神様〜!!」
という村人たちの声が、次々と出ました。これもまた疑問ですが、事実として言えることは、やはりアンリはカスミ達の手に堕ちていると見るべきでし
ょう。しかもこのアンリ、ちょっと引いてしまうようなウスラ笑いを浮かべています。やはりこれは幻である可能性が高いです。さあ、カスミがその場を
去ったと言いましたが、教会の外まで行ったわけではありませんでした。村人たちのとこへ移動しただけでした。「守護神様は更なる光でこの村を照
らし、幸福をもたらす。」と、みんなに穏やかに言い始めました。「しかし、更なる光をもたらすためには、新たなる器を必要とする。」 さらに、
「新たなる器とは・・・黒井ミサよ。」
と言って、非情極まりないカスミの表情がだんだんとドアップになってきました。そして、ドアップのままカメラ目線も決めてくれたところでサブタイトル
紹介。
〜「妹」 ANRI II〜
真っ黒の画面に水色の字という、前回とさほど変わってない色使いになっています。
さあ巻島家に戻ってきたミサ。しかし、家の中には誰もおらず、明かりも点いておりません。「静香さん・・・。おじさん・・・。おばさん・・・。」と声をかけ
るも応答なし。もう少し大きな声を出したいところですが、やはり敵の潜伏も考えてちょっと警戒している模様です。それでも、家の中へと入っていっ
たミサ。仏壇の上に、あるものを見つけました。
「逆十字・・・。」
そうです。これは、静香が切り裂かれた時に使われた逆十字の札であります。その札が、まるでこの仏壇の神様であるかのように、立てて飾ってお
ります。とその時、後ろから誰かが入ってきたような音がしました。慌てて振り向いたミサは驚きました。それは、辰雄と菊江が目の前まで近づいて
やってきていたからです。しかも、今やカスミの配下になってしまった2人。顔つきも正気じゃありません。そのただならぬ状態をミサもすぐに感じと
り、ゆっくりと2人を避けようとしますが、2人もまたジワジワとミサに近づいてきます。そういえばサブタイトル前に、新たなる器としてミサが必要だと
カスミが言っていました。なるほど、きっとカスミは、村人たちを使ってミサを殺して、あるいは生きたままの状態で捕らえようとしているのでしょう。さ
あそのミサですが、ついに2人の毒牙にかかってしまいました。菊江がミサの胴体を押さえ、辰雄が首を絞めようとしています。どうやら、生きたまま
ではなく、殺すほうが正解のようでした。しかし、ミサは苦しみますが反撃をしようとしません。いつもなら、これくらいの事なら得意の魔術で難なく切
り抜けるんですが、2人は洗脳されているだけであって悪人ではありません。それも今日お世話になったばかりの人達です。「やめて・・・。」と、まっ
たく抵抗のないミサ。しかしついに耐え切れなくなったのか、魔術は使いませんでしたが、2人を力ずくで払いのけました。それでも再び立ち上がって
襲おうとする辰雄と菊江。とここで突然、リョウが間に入ってミサを助けにきました。手には樹梨を仕留めたあのナイフを持っております。うわ・・・こ
れを喰らったら、一溜まりもありません。リョウはまったく躊躇することなく辰雄たちを刺そうとしますが、「やめて! この人達を殺さないで!」と止め
ようとします。ここで、この村全体に大きな鐘の音が鳴り始めました。私は鐘の音が鳴るのは、アタック25のアタックチャンスとクイズダービ
ーの最終問題ぐらいしか知らないのですが・・・。ともかくこの鐘の音を聞いた辰雄と菊江は、なぜか急ぐようにして家を飛び出していきまし
た。一方のリョウも、ミサを連れてどこかに向かおうとし始めました。
問題の鐘の音は、まだ止むことなく鳴り続いています。それに呼応するかのように、リョウとミサもどこかに向かって走っております。その間に、第2
4話で樹梨と戦った時のシーンが出てきました。いわゆる回想シーンです。いや出てきたというよりかは、この回想シーンと、リョウ達が走っている現
在のシーンが交互に替わると言ったほうが正しいです。さあ現在のシーンにまた戻りましたが、リョウ達は走るのをいったんやめて止まりました。周
りを見ると村人たち何人かがいますが、彼らはリョウ達を見るなり、まるで避けるようにしてスピーディーに自分たちの家に入っていってしまいまし
た。それはなぜか・・・。特にミサのほうは気になっているようですが、2人はまたも走り始め、別の場所へと向かいました。また対樹梨戦のシーンに
なってまた現在のシーンに戻りますが、この辺の説明はさすがに省かせてもらいます。ただ1つだけ言っておきましょう。樹梨を倒した後にミサは、
木になってしまっているリョウの腕のことが気になったようで、「あなたは一体何者? その腕はどうしたの!? 奴らのことを知ってるの!? 答え
て!」と尋ねております。さあ走り続けていたリョウとミサですが、またも立ち止まりました。行く手を阻むかのように、シスターが5人現われたからで
す。きっとカスミの部下でしょう。顔が黒ずんでよく見えないところが、何とも不気味です。妙な呪文を唱えながら両手を組んだ状態でゆっくりと近づ
いてくる5人。しかし、ゆっくり過ぎたのが幸いしたのか、リョウ達は逃げることに難なく成功しました。またも走る2人。ホントに忙しいことです。2人
は、草木の多かったとこから一転して河原のところまでやって来ました。ここはひょっとして、リョウが入浴後の静香を襲おうとした場所では・・・? と
思いましたが、そんな呑気なことを思い出している場合ではありません。振り切ったと思ったはずのシスター5人が、またも2人の前に現われまし
た。いつのまにここへ・・・!? まさに瞬間移動ですね。どうりでさっきは簡単に逃がしてくれたわけです。それでも、やはりゆっくりと近づく
シスター達。追い詰められた2人ですが、ここでリョウが自分の額とミサの額を合わせてきました。その瞬間、2人の周りだけですが、強烈な風が舞
いました! 額と額を合わせるなんて、まるでパーマンのおでこタッチを思い出しますが・・・関係のない番組の事ばっかり言ってすみません・・・。た
だパーマンのおでこタッチの場合は、相手の記憶を自分に写すというものでした。私も一瞬、リョウはミサの記憶を知りたがっているのかなと思いま
したが、そうではありませんでした。風が舞うと同時に、リョウとミサの姿がなくなっていました。やりますね、相手が瞬間移動ならこちらも瞬間移動。
リョウ達2人は、静かな山奥へとテレポートしました。ホントに静かです。どうやら、少なくとも敵の魔の手からは逃れたようです。しかしそれとは引き
換えに、2人はとんでもないものを見てしまいました! それは、例の儀式で犠牲になった2人の女性の腐乱死体でした。しかも1人はすで
に白骨化しており、毛虫のような妙な虫が群がっており、非常に気味が悪いです。リョウをミサの手を掴んでまた別の場所へ行こうとしますが、まだ
リョウのことを好きになれないミサは、それを振り払って自分のバッグだけ持って1人で行ってしまいました。
しかし結局一緒になってしまった2人。小屋を見つけ、そこでひとまず身を隠すことにしました。ミサはこの小屋の中で魔方陣を書き、「結界を張った
からしばらくは凌げるわ。」と言いますが、リョウは黙ったまま一言もありません。実は今まで何度問いかけても、リョウは一言も答えませんでした。
溜まりかねたミサは、「何とか言ったら!?」といい加減怒ってしまいました。さあ、ここでついにリョウがしゃべります。今までどんな状況であって
も、ずっと沈黙し続けたリョウがついにしゃべります。果たしてその第一声はどんなものか!? では、特別サービスで文字を大きくして聞いて見まし
ょう。
「消えろ。この村から消えろ!」
っておいおい、確かに「何とか言ったら!?」と怒るように尋ねられたとはいえ、初めて出た言葉がこんな内容とは・・・。いやしかし、ミサはリョウの
言葉の内容よりも、リョウの様子に驚いております。それは、しゃべった時にリョウの口が開いていなかったこと。さらに、首すじの部分に誰かに切ら
れたような傷跡があります。なるほど、つまり簡単に言うと、リョウは声を奪われてしまっているわけですね。驚いているミサに対し「何だ?」
と、やはり口は閉じたまま言っております。ミサはリョウのそんな姿を察したうえで、敢えて次のように言います。「嘆きの海からは這い上がったほう
がいい。絶望は暗闇しか生まない。でも希望なら・・・」 「希望が何だって?」 「希望は・・・」 「ちっぽけな希望があるから、絶望しきれない。だから
人間はもがき苦しむ。希望を捨てれば、残虐にも非道にもなれる。」 すでに希望を捨て、残虐非道に徹することを自分に言い聞かせてきたリョウ。
さらに、
「奴らをぶっつぶすために、俺はこの村ごと壊滅させる!」
このリョウの言葉に、ミサはまたまたエキサイトします。「何言ってるの! この村全部が悪いわけじゃないわ!」 「関係ない!」 「あるわ!」 「お
前は何も分かっていない。それとも、目の前で親を虐殺され、声を奪われ、呪いをかけられた俺の気持ちが分かるって言うのか!」 リョウの目は
だんだんと、悲しみ溢れるそれへと変わっていきました。それを見たミサは、ゆっくりと自分のバッグの置いてある方へと行き、そのバッグの中から
人形にされた両親を出しました。そして、それをリョウに見せます。「・・・あの日は前ぶれもなくやってきて、私は訳が分からないまま、パパとママを
取り返したの。だけど、妹は奴らに捕まって・・・!」と言って、惨劇のあった日のことをリョウに打ち明けるミサ。
「でも私はあきらめない。パパとママを戻し、必ず妹を連れ戻してみせる!」
と、手に取っている人形に誓うかのように、決意新たに言っております。そして、この村の事情は自分よりもリョウの方が知っている。そう思ったミサ
は、「奴らは一体何なの!? この村は何を崇拝しているの!?」と聞きますが・・・
とここで画面は突然変わります。その崇拝されているであろう、例の包帯女の顔がドアップで写りました。いや、普通ならそんなに突然だなとは感
じないのですが、なんせ顔中包帯巻いてありますから・・・。さすがにインパクトがデカいです。そして、以前は樹梨1人がこの包帯女の血を舐めてい
ましたが、今度は別のシスターたち数名が一斉にそれをやっております。さらにその気味の悪い光景を、カスミが少し後ろのほうで平然と見ておりま
す。このシスター達、もしかしたらさっきミサとリョウを襲おうとした女たちかもしれませんが・・・。さて、画面はまたミサ達のほうに戻ります。さっき途
中止めになったミサの質問に、リョウが答えてくれます。「この村に現われた大いなる門は・・・象徴だ。」 「大門・・・。悪魔の語源・・・。」 「同時に守
護天使の意味合いを持つ。」 「村にとっては、悪魔じゃなく守護天使。」 「奴らが崇めるものが降臨するためには、それなりの器が必要だ。」 「だ
から能力者たちが・・・」 つまりミサは、「アンリのような能力者たちが狙われるのか・・・」と言いたいのですが、そこは省かされています。ここで、リョ
ウは真顔になってミサのほうを向き、
「だが能力者でも、体内に降臨されれば、いずれ肉体は崩壊する。」
と言います。不吉な予感がするミサ。もしかしてアンリの肉体も、すでにその崇めるものとやらの体内に入れられたしまったのではないだろうか・・・。
そしてその崇めるものとは、包帯女のことでは!? その包帯女の画面にまたも変わります。相変わらず気持ちよさそうに舐めまくっているシスター
達。あなた方は気持ちいいかもしれませんが、見ているこっちは気持ち悪いです。とここで、包帯女の体が揺れ動き、胴体のある部分から血
が出てきました。胴体にも当然包帯を巻いているので、その包帯に血がにじむような感じになり、本当に痛々しさを感じさせます。それを黙って見て
いるカスミ。「新たなる器、黒井ミサ。お前の肉体が欲しい!」と、鋭い目を光らせ言っております。またまたミサ達の画面に戻ります。この間に、今
度のターゲットは自分だと知らされたであろうミサは、「だから私が!?」と驚きます。「お前のそのパワーなら、器にしても簡単には崩壊しない。」
そういえば第19話でも、不老不死を手にしたがっていた秀美は最後のターゲットに、普通の人間である恵子ではなく能力者のミサを狙いました。主
人公の命を狙う設定が上手く成されていて、実にいいと思います。とここで、ついにこの小屋が敵に知れてしまいました! ミサの作った結界が難な
く破られてしまいました。「結界が・・・!」 驚く暇もなく、ミサとリョウはすぐに小屋から脱出して、再び逃げ始めました。おいおいおい、また走る
気!? と言いたくなりますが、その後の彼らの運命は、また後半に話すことにしましょう。
ここでこの話の前半が終了です。この前半で、リョウの正体がずいぶんと明らかになりました。まだ信じられない面も多少ありますが、少なくとも敵で
はないようです。さてこの後の後半では、実に意外な展開が待っております。果たしてその意外な展開とはどんなものか!?
後半は、こちらです。