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本編(終着駅殺人事件)

 

さあ、インドア派の城12個目は終着駅殺人事件。実は今回、更新する前の段階で私は『何かが起きるかもしれません』と伝えておりました。で、こ

の終着駅殺人事件なんですが、私が長いこと見たかったな、書きたかったなと思っていた物語で、それが叶ったという事と、あと元より書いていたは

ぐれ刑事純情派5「消された指紋 安浦家に来た家政婦」、それと探偵神津恭介の殺人推理11「密室から消えた美女」も再度録画する事が出来ま

したので、これで3つの物語をこれから書いていく事になりました。なので何かどころか、色んな事が起きたと言えましょう。これからこのインドア派の

城は一気に賑やかになってきそうです。
あ、ではく終着駅殺人事件、話を始めて行きましょう。いきなり全部を作るなんてどうやったって無理

なので、第1章〜第8章 (最終章)に分けていきたいと思いま す。
ではまず、大元であるストーリーの第1章からどうぞ!



もう第1章の話は知っている。

早く他の章を見たい人は、こちら(
第2章第3章第4章第5章第6章第7章最終章)へどうぞ。  

 

◎主な登場人物

 亀井定夫:この物語の主人公。警視庁捜査一課の刑事。今回起きていく事件を誰よりも執拗に追い、そして誰よりも解決を願う。

 宮本孝:青森県第二高等学校仲良し7人組のリーダー。卒業して7年が経ち、みんなと再会したのだが・・・

 町田隆夫:青森県第二高等学校仲良し7人組の1人。シナリオライターをやっているというが実は・・・

 村上陽子:青森県第二高等学校仲良し7人組の1人。芸能プロダクションのマネージャーをやっているというが実は・・・

 
片岡清之:青森県第二高等学校仲良し7人組の1人。物産店勤務。淡々とした性格で、少しなめきった態度を取る事もある。

 橋口まゆみ:青森県第二高等学校仲良し7人組の1人。デパートに勤めている。結構涙もろい。

 清水刑事:警視庁捜査一課の若き刑事。若いゆえか、すぐに興奮して熱くなる。

 
十津川警部:警視庁捜査一課の警部。部下の亀井、清水と共に今回の事件を追う。現在禁煙中。

 黄金コンビ:友人は7人もいれば十分だろうと思っているナレーション

  (注:上と同じ色で登場人物の台詞も分けています。)

 

◎ストーリー(第1章)

さあ、画面に『津軽 昭和四十九年・春』と表示され、物語がスタートしました。ということで、ここは青森県の津軽であることを指しているのですが、

それにしても昭和49年春というと、私が生まれる約半年前のこと。そんな古い時期のお話になっていくのでしょうか・・・? ともかく、今回は私では

ないテレビのナレーションもあるので、まずはそれを聞いてみましょう。

 青森県第二高等学校で、『ひょうたん通信』という校内新聞を発行していた宮本孝、町田隆夫、

 川島史郎、片岡清之、安田章、村上陽子、橋口まゆみの男女7人組の生徒が、卒業の時に、7

 年後にまたみんな一緒に会おうと約束しあった。この7名のグループの中で、まゆみ、町田、川

 島、陽子の4名は、集団就職で上京していった。一時さかんだった集団就職も、この頃は企業の

 地方進出などにより、地元に受け入れ体制が出来、下火になっていた。町田たちは、集団就職

 のほとんど最後の組と言って良かった。一方、宮本、片岡、安田の3名は、上京して3人とも別々

 の大学に入学した。以上7名、ふるさと青森を出発。上野駅へ降りたった。

・・・と、長く説明をしてくれたナレーション。サスペンス劇場の出だしというのは、見ていてなかなか分かりづらいなと思う事があるのですが、こうして  

文章にして書いてみると、書いている私自身も何だか理解しやすいなという感じがします。にしても、集団就職とはホントに時代を感じます。このナレ

ーションの途中に、その宮本たちと思われる7人の高校生活風景が映し出されましたが、みんな楽しそうな表情を浮かべていました。でも、これは

サスペンス。そんな表情がいつまでも続くことは100パーセントありえないでしょう。さあ、7人が降りたであろう上野駅が、今度は出てきました。『上

野ぉ〜』というアナウンスも、実に昭和といった感じです。

 約束の、7年が経った・・・

おっと、実はまだナレーションが終わっていませんでした。これで今度こそ終わりました。ということで、7年後の昭和56年の時のお話になりそうで

す。でも、結局は今からすれば古い時期である事に変わりはありませんが・・・。さて、ようやくこの物語の登場人物の1人、宮本孝の声が聞こえてき

ました。誰かと電話をしているようです。「・・・はい、分かりました。では先生が帰りましたら伝えておきますので・・・。はい、どうぞよろしく。」 ここで

受話器を置きました。ここでやって来た宮本の同僚の女子社員。彼女は今の電話より、宮本のデスクに置かれている書きかけの手紙を気にし

ました。
「何書いてるんですか?」

 「ん? プライベート。」 

「怪しいですよ宮本さん。」 「そんなんじゃないよ。」 軽く談笑した2人。彼女が去り、再び手紙を書き始める宮本。その内容は次の通りです。

 ―― 7年前のロマンチックな約束は覚えているね? 日時は8月12日からお盆にかけて、帰京の旅というプランにさせてもらった。君が通産省

 のお役人になった事も最近知った。いかにも君らしい職業を選んだものだと・・・。近頃役人の不正が騒がれているが、誠実な君なら間違ってもそ

 んな役人にはならないだろう。全員に、手紙とゆうづる7号の切符を送った。君にもぜひ参加してもらいたい。1人でも欠けると寂しいからね。で

 は、上野駅での再会を楽しみにしているよ。青森に行こう7人組、宮本。 ――


この手紙のセリフが終わる頃には、宮本から安田章の職場へと画面が変わりました。ということは、この手紙は安田宛てに書いた事が言えます。

おお、通産省のお役人ですか・・・。安田は冒頭でのオープニングでもあった通り、高校卒業後は就職ではなく大学に進学しましたので、きっと頭も

良く、この道を選ぶ事も出来たのでしょう。さあ、宮本の手元にはこれ以外に残り5通の手紙が用意されていました。ということで、他の5人にも同じ

ように手紙を書いたようです。現在運送会社の社長をしている川島史郎の所にも届きました。「社長。手紙です。」と持ってきてくれたこちらも女子社

員。川島は「え? 請求書か?」と言いながら受け取りました。何だか運送会社でラフな格好をしているせいか、ちっとも社長らしく見えないの

ですが、
そこは放っておいてあげましょう。さて、次に画面に出てきたのが村上陽子。芸能関係の仕事をしているようです。帰宅する同僚に「おつ

かれさま。」
と挨拶をする陽子。同じく、来た手紙に目を通しました。続々と7人が登場してきます。宮本、安田、川島、陽子、続く5人目は片岡が登

場しました。片岡は、とある物産店に勤めております。宮本からの手紙を見た後、すぐに電話をかけた片岡。律儀に手紙のお礼でもするのかと思い

ましたが、かけた先は宮本の所ではありませんでした。「・・・あ、すみません。おもちゃ売り場の橋口さんお願いします。」 電話に出た橋口まゆみ

は、「・・・うん。絶対行くつもり。休暇のほうは何とかなるわ。誰かに代わってもらうから・・・。うん・・・。懐かしいわね、みんなどんな風になってるのか

しら・・・」
 ゆうづる7号の切符を手に持ちながら、ややはしゃぎ気味になっているまゆみ。7人の中で一番行きたがっているのは、このまゆみかもし

れません。さあ、そして町田隆夫の所にも当然のように手紙が来ました。読み終わった町田は、「8月12日か・・・」と言ってカレンダーの8月12日の

所に丸印を入れました。これで7人全員が出てきました。8月12日の暑い時期に若者7人がそろって、そしてきっと何かが起きる。まるで『男女7

人夏物語』みたい
と言いたい所ですが、このドラマに関しては私は全く知りませんので、これ以上その話題を続けることは避けましょう。



数日が経ち、そして約束の日が来ました。画面にも『約束の日 八月十二日』と出ました。ホントにご丁寧です。上野駅でみんなが来るのを今か今

かと待っている宮本。こういう場合は、こうしてプランの主催者である宮本が一番に来て待つのが自然であります。間もなくして、「宮本くんじゃな

い?」
と陽子が現れました。まだ口を開こうとしない宮本に向かって、「やっぱり宮本くんだ! 村上陽子よ。分かんない?」 「・・・あんまり変わっ

ちゃったもんで・・・」
と、ようやく口を開きました。なるほど、最初誰だか分からなかったので思わず黙ってしまったわけですね。「よく来てくれたね。」 

「7年ぶりだもん。手紙もらって嬉しかったわ・・・」
 とまだ言い終わってないところで、まゆみが来ました。「陽子!」 「まゆみ! 懐かしいわあ!」

と、今度は7人の中で唯一の女同士でもあるこの2人が、手を取り合っています。「あれ、町田くんじゃない?」 「町田!」 次に町田が現れました。

「よう、しばらく。」
 なかなか笑顔も素敵な町田。「元気か?」  「うん。みんなも元気そうだな。」 これで残るは片岡、川島、安田の3人。次は誰かと

いうと・・・ 「あ、片岡くん。」 でした。「いやぁ〜、懐かしい顔そろってんなぁ・・・」と、宮本たちと違って手ぶらではない片岡。これから列車に乗ると

いうことで飲み物をみんなに渡そうとした所で、川島がやって来ました。「おーい! おーい!」と、もう十分話せる距離まで近づいてきているのに大

声を張り上げている川島。よほどみんなと再会するのが嬉しいと見えます。「いやぁ悪りぃ悪りぃ! いやまいったよ。出がけにさ、変なバーの女に

絡まれちゃってさ。・・・・・・おい、お前、陽子か?」と、ここで声が小さくなってしまった川島。「そうよ。」 「いやぁ〜、随分と綺麗になったなぁおい・・・」

と、宮本と同じように陽子の変わり具合には驚いております。さあ、これで残りはいよいよ1人になりました。「あとは安田だけだな。」 フン、この流

れでいけばどうせあと数秒もしないうちに来るだろう、と私は思いましたが、なぜかなかなか姿を見せません。 「遅いな・・・」 「あいつが来てく

れたら全員そろうんだけど・・・」
 その頃、この上野駅にある公衆トイレに1人の男が入っていきました。50代くらいの男でしょうか・・・。決して若くは

ありません。不満な事でもあるのか何やらブツブツ言っておりますが、それがもう若くないという証拠でもあります。さて、その男がトイレの個室から

血が流れているのに気づきます! 恐る恐る個室を覗いてみる男。すると・・・・・・・

 そこには何と血まみれになっている人間の死体が・・・!!

凶器と思われるナイフも、その場にありました。当然驚き、「だ、誰か!」と逃げていく男。いや私は、この時の演出をホント評価したいです。まずトイ

レなんですが、1980年前半という時代もあってか、決してオシャレではなく、むしろ汚らしさが目立つ感じになっています。そのトイレの便器に、死

体の血がめいっぱい付着しております。そして、発見した男の驚き方、逃げ方も実にリアル。実際に殺人事件が起きたらこんな感じになるんだろう

な、というくらいの凄まじいシーンでありました。さらに、その凄まじいシーンだけでなく、この死体が誰なのか、ご丁寧に画面に出してくれました。

 第一の被害者・安田章

と・・・。うわ、安田といえば宮本たち7人のうちの1人。ここでこうして殺されているという事は、そりゃいくら宮本たちが待ってたって現れるわけがあ

りません。 それと、『第一の』という表現が気になります。これはもうこの後、第二、第三と死者が出てくる、つまり連続殺人になっていくことはほぼ

間違いないでしょう。この後は一体誰が犠牲者になっていくのでしょうか・・・。さあ、またまた画面には文字が出てきました。『事件発生十三分後』と

出ました。13分後であれば、さっきの発見した男がすぐに通報したとしても、まだ警察は現場には来てないでしょう。現在駅ホームでは、21時53分

発青森行きのゆうづる7号が間もなく発車するというアナウンスが流れております。ということで、逆算すれば昭和56年8月12日の午後9時40分

に安田は殺された事になります。さあ、発車したゆうづる7号の車両マークが画面ドアップとなり、今回のタイトル紹介。

 〜終着駅殺人事件〜

と出ました。ちなみにこの『終着駅』ですが、この物語では『ターミナル』と読みます。そしてこれもまたご丁寧に、ちゃんとふりがなを書いてくれており

ます。このタイトル紹介の後、『上野〜青森 ミステリー特急ゆうづる』と表示が出てきました。さらにその次に、主な登場人物紹介となりましたが、そ

の紹介はもうすでに上でやった人物とまったく同じという事もあり、ここでは省かせてもらいます。では、物語を続けていきましょう。



青森に向かっているゆうづる7号にすでに乗車し、くつろいでいる宮本たち6人。これが全員そろって7人であれば、7号と数字も合うのですが、すで

に安田は殺されました。そんな事など知りもしないであろう宮本たち。「安田のやつ、とうとう来なかったな・・・」 「手紙は出したんだ。」 「俺と違っ

て、あいつが遅刻するはずねーんだけどな・・・。でも、いいじゃん。向こう着いたら電話すりゃ。」と言ったのは、この6人の中で1人だけ私がセリフ

の色を与えていない川島。さあ、上野駅の方ですが、今パトカーが着いたところ。発見者のあの男は腰を抜かすほどビビリまくっていましたが、どう

やら通報だけはちゃんとしたようです。パトカーを降り、「どいてどいて! あけて!」と少しぶっくらぼうな感じで現場のトイレへと向かう刑事たち。そ

の数分前に来ていたと思われる刑事たちも何人かいます。たぶん上野管轄の刑事たちなのでしょう。そのうちの1人が、あとから来た刑事たちに声

をかけました。「やあ! 十津川警部! ごくろうさんです!」 十津川は無言のまま軽く手をあげて挨拶をしました。あとから刑事は十津川と亀井、

清水、他数名いました。にしても、やっとこの物語の主役級の人物である十津川と亀井が登場しました。これまではずっと宮本たち7人が画面に

映っていたわけで、十津川も亀井も、

 お前ら誰が主役だと思ってんだ!!

という思いで待っていたかもしれません。「ナイフで胸部から腹部を数ヶ所刺されて即死ですわ。」 「ガイシャのそばにあったんですけど、コイツで

殺ったんだと思います。どこにでも売っているシロモノですよ。」と十津川に状況を報告する先着刑事たち。「目撃者は?」 「いやそれが場所が場所

ですからね。あいにく・・・。で、被害者のポケットに今夜の21時53分発のゆうづる7号、これの寝台券と、手紙が入ってました。」  「ゆうづる?」 

ここで初めて口を開く亀井。今の説明でこれといって食いつくような所は無かったと思うのですが、亀井が異常に気にし出してきました。 「カメさん、ど

うかした?」
 

 「いや、私が故郷に帰る時、いつもゆうづるを使うもんでね。

  でその、ゆうづるは東北の夜の主役なんて言われてる列車でしてね・・・」


やはり故郷を思い出す話になると、大変な捜査中であっても自然と笑みが出るのでしょうか・・・。亀井の顔もいささか緩んでおります。「東北の夜の

主役ね・・・」
と言いながら、問題の手紙を見る十津川。差出人は言うまでもなく、宮本孝でした。



さあ、再びゆうづる7号の車内。私はインドア派の城では、場面が切り替わる時はいつもこうしてその場所を言っておりますが、列車の車内というの

はあまり言った事がないです。さてその車内の休憩室で、陽子が鼻歌を歌いながら化粧直しをしております。そこへ、ビールを飲んでいる川島が通

りがかりました。「どこ行くの川島くん。」 「お?」とフラフラした足取りになっている川島。「酔ってるのね。それで24歳社長だなんて威張ってんだか

ら・・・。見えないね。」
 「陽子。お前、芸能プロダクションのマネージャーってのをやってんだってな?」 「そうよ。レインボープロダクション。有名

よ。」
 「ああ、知ってるよ。石田さなえがそうだろ。」 「そうよ。」 「石田さなえか・・・。我が川島運輸のCMタレントにでも使ってやろうかな・・・」 と

ここで、列車が一時的に激しく揺れました。このため、川島が陽子を抱きつく格好になりました。「陽子・・・」と、川島はそのままキスしようとしました

が、「ちょっとやめてよ・・・」とさすがに拒否する陽子。ただ、顔は笑っております。これは顔見知りの男であるからそれだけ余裕があるわけで、もし

相手が見知らぬ男であったりすれば、女性としては溜まったもんじゃないでしょう。
川島の方も、それ以上は何もしませんでした。「み

んな。もう寝ちまったのかな・・・」 「そうなのよ。7年ぶりに会ったっていうのに・・・。いつだって眠れるのにね・・・。それも我がリーダー宮本くんの真

面目な性格のせい。」
 夜11時になったらみんなちゃんと寝よう、とでも言ったのかもしれませんね。「あいつは昔からそうだからな。そんじゃ。」 

「どこ行くのよ?」 「水戸の駅でな、かわいい女の子が俺を待ってんの。」 だからさっきはお前にキスをしなかったんだよ、なんてそのあと言ったら

陽子から強烈なビンタが来そうですが・・・。「もうお酒なんか売ってないわよ。」  「いいからいいから。それじゃな。」 「酔っ払いが。」 間もなくして、

ゆうづる7号は水戸駅に着きました。時刻は23時28分。ホームの時計が画面いっぱいに出てきましたのでよく分かります。再び発車するのが23

時36分という事なので、8分間この水戸駅で停車となります。列車を降り、かわいい女の子とやらに会いに行く川島。その川島の後を、何者かが

尾けていました。




水戸駅を出発し、ゆうづる7号は再び青森へと向かいました。そして時間はだいぶ経ち、『四時間十分後』と画面に出ました。たぶんこれは安田が

殺されてから4時間10分後という事だと思うので、きっと現在の日時は8月13日の午前1時50分でしょう。それにしても漢数字で出してきてくれる

ので、私も変換がいちいち大変です。全員寝ているはずの宮本たちでしたが、ある異変に気づいた町田すでに目を覚ましており、「宮本。宮本! 

ちょっと起きてくれないか。」
と言って宮本も起こしました。 「・・・・・・町田か。どうした? 具合でも悪いのか?」 いや違います。ある異変とは、

 「川島がベッドにいないんだよ。」

でした。「川島が? いないってどういう事なんだ?」と欠伸をしながら聞き返す宮本。真面目な宮本も、さすがにこんな真夜中に起こされたらシャ

キッとは出来ないようです。「どうしたんだ?」と、ここで片岡も目を覚ましました。川島のベッドへと行く宮本、町田、片岡の3人。宮本がカーテンを開

けましたが、確かに川島はいません。「いつ気づいたんだ?」 「さっきトイレに起きて・・・。カーテンが半開きになってたんで覗いてみて気がついた

んだ。初めはトイレかと思ったんだけど、いつまで経っても帰ってこねーんだよ。どこ行っちゃったのか気になってな・・・」
 「あいつ相当酒を飲んでい

たから、どっか別のベッドに潜り込んで眠ってるんじゃないのか? 川島ならやりかねないよ。」
 「あいつのやりそうなこった。」と、片岡もフォローす

るどころか一緒になってからかっています。それにしてもこの3人、みんな同じように白いワイシャツを着ているのは偶然でしょうか・・・。もっと違う服

装があってもいいかと思うのですが・・・。 「今どの辺りだ?」と窓の外を見てみる宮本。「さっき仙台に着いた。」 「仙台か・・・」 青森までもうちょっ

と。思わず笑顔になる宮本。「冗談じゃねーよもう。みんな寝よう寝よう。ほっとけほっとけ。」 女好きの川島の事なんて放っておけばいいといった感

じで宮本たちに言う片岡。少し心配気味になっている町田に、宮本も「大丈夫だよ。川島ももう子供じゃないんだから・・・。おやすみ。」と言い、3人

とも寝直す事にしました。

  

ここで第1章が終了です。話が始まってすぐに殺されてしまった仲良し7人組の1人安田章。彼を殺したのは一体何者なのか!? そして行方知れ

ずとなってしまった、同じく7人組の1人である川島史郎ですが、彼にも何やら怪しい影が迫っていました。果たしてこの川島はどこに行ってしまった

のか!? そして、この後は一体どんな事件が起きていくのか!? 物語はまだまだ始まったばかり。これからどんどんと目が離せなくなっていくで

しょう。

第2章は、こちらです。


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