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本編(はぐれ刑事純情派5「消された指紋 安浦家に来た家政婦」)

 

さあインドア派の城、11個目に入ります。はぐれ刑事純情派5「消された指紋 安浦家に来た家政婦」。まだ10個目の探偵神津恭介の殺人推理11

を全部書き終えていない(2015年3月21日現在)ので少し気持ちが悪いのと、あと今回は今までのようにビデオデッキを見ながらの作業ではな

い、さらに私自身このドラマのことを全体的によく知っているわけではないなど、色々と不慣れな事が重なっての作業でしたのでちょっとやり辛かっ

たのですが、でも1回やってしまえばその後は慣れてきてスムーズにいけるかと思います。さて、話のほうは一体どんな展開になっていくのでしょう

か・・・? 
あ、ではく始めて行きましょう。いきなり全部を作るなんて太陽に突っ込んでいくのと同じくらい無理なので、第1章〜第4章

(最終章)に分けていきたいと思いま
す。
ではまず、必ず知っておく必要があるストーリーの第1章からどうぞ!



もう第1章の話は知っている。早く他の章を見たい人は、こちら(第2章第3章最終章)へどうぞ。

 

◎主な登場人物

 安浦刑事:この物語の主人公。山手中央警察署の刑事。万年ヒラだが人情は厚い。

 安浦ユカ:安浦の娘。次女。高校生だが全然幼く見える。

 勢津子:安浦家に雇われた家政婦。普段は底抜けに陽気なのだが・・・。今回の物語の中心人物。

 八木沢:会社員。25歳。今回の事件の容疑者。状況的にも一番疑われてしまう。果たして真犯人なのか!?

 
横溝署長:山手中央署の署長。一番偉いのだが、出番は一番少ない。

 安浦エリ:安浦の娘。長女。妹のユカを馬鹿にしてオープニングから酷い目に遭ってしまう・・・

 川辺課長:山手中央署の課長。安浦の上司にあたるが、今1つ頼りにならない。

 
片桐由美:高級バー「さくら」のママ。いつも事件が終わって最後の方に登場するが、今回はちょっと違う。

 黄金コンビ:自分のことを純情だと言っている人間こそ純情じゃない、といつも思うナレーション

  (注:上と同じ色で登場人物の台詞も分けています。)

 

◎ストーリー(第1章)

まずは、この物語の主役である安浦刑事の登場。そして、

 「はぐれ刑事純情派。」

と、分かりきったタイトルなんですが、しっかり言ってくれました。この時の安浦の目がマジなこと。それはまさに刑事の目でありました。さあ、すぐに

物語は始まります。平穏な安浦家。はぐれ刑事純情派は、もちろん刑事ドラマではありますが、この安浦家のシーンの時だけは、いつも穏やか

で平和な感じがします。
父親の安浦、そして娘のユカとエリがそろい、いま朝食のトーストを食べている所ですが、今日はちょっと平和ではない

かもしれません。というのは、次女の方であるユカがパンを食べ辛そうにしています。どうやら手を怪我してしまっているようです。「痛みとれたの

か?」
 「まだちょっと・・・。でも昨日ほど痛くはないけど・・・」 「バレーボールもいいけども、回転レシーブの真似なんかするからそんな事になるんだ

ぞ。」
 「もう昨日は大変だったんだから。学校から送られて帰ってくるし、痛い痛いって大騒ぎ。」と、長女のエリも会話に入ってきました。「お医者さ

んがね、1週間は右手使えないって・・・」
 「ええ? 右手使えないんじゃ、勉強だって何だって大変だな。」 「うん、家事も当分出来ないけどね。」 

笑っているユカ。「そんな事で嬉しがってる奴があるか。」 と、安浦は逆にちょっと怒っています。「エリ。後片付けお前がやれよ。」 「私作ったんだか

らお父さんやってよ。ごちそうさま。」
 家事担当のユカがそれが出来ないという事で、残りの2人でやるしかない訳ですが、このエリの言ってる事は

正直正論ですね。でも、その後はちょっと余計な事を口にしてしまいました。「生意気な事するからよ。」と怪我人のユカを馬鹿にするかのように鼻歌

を歌いながら階段の所まで行ったエリ。「な、人の不幸を喜んでる奴は、いずれ自分が痛い目に遭うんだ。」と、ユカを慰めたつもりの安浦でした

が、何とそれが現実になりました。

 「ぎゃあああああ!!」

と聞こえてきたエリの叫び声。「え!?」 安浦も思わず驚いております。安浦とユカが行ってみると、そこには階段から転げ落ちてしまったエリの姿

が・・・。 「痛い・・・」 「エリ、お前何やってんだ?」 「お姉ちゃん、階段から足踏み外しちゃったのぉ!?」と、今度は逆にユカの方がやや嬉しそうに

なっております。 「足が痛い・・・」 エリは泣きそう・・・いやもうすでに泣いております。



さあ、次の日になり、場面は変わって山手中央警察署。ここに安浦は所属しております。署内では、昨日起きたエリの階段での出来事で話が盛り上

がっております。こういう話をしているという事は、現在特に事件は発生していないのでしょう。「エリちゃんが左足ねん挫で、ユカちゃんが右手怪我

ですか・・・」 「そうやねん。安浦さん大変やで。ユカちゃんエリちゃんWパンチやもんな。」と、それぞれ言っている同僚の田崎女性巡査と里見刑

事。里見の方はこうして関西弁でして、そのためか口調も結構速いです。私は一瞬2倍速になったのかと思ってしまいました。 「しょうがな

いから家政婦協会頼んだらさ、1日8500円紹介料が850円、1日で9350円かかるってんだ。これ5日間だろ。いくらになるんだよ一体・・・」
と言

いながら、今どき珍しいそろばんを出して計算する安浦。「そんなもったいない! 家政婦ですか!?」 田崎がちょっとビックリしています。「しょうが

ないじゃないか。家事の手伝いもしてもらわないといけないんだから・・・」
 「そんなの私に言って下さいよ。」 「え・・・? いいんだよ。晴ちゃん仕事

があるじゃないか。」
 下の名前が晴子という田崎。安浦から晴ちゃんと呼ばれているようです。「もう水くさいんだから安浦さんってば。私晩ごはんく

らい一緒に食べてあげますって。」 

 「いや、それが困るんだよ。」 

これを聞いて思わず笑う里見。そんな里見の頭を、たった今お茶組みに使用したばかりのおぼんで田崎は軽く殴りました。



本日はこのまま特に事件がなく帰宅した安浦。ただ、時間帯は夜に変わっております。家にたどり着いた安浦が、「ただいま。」とごく普通に言って

玄関の戸を開けました。すると、普通じゃない事が起きました。何と出迎えたのは、ユカでもエリでもない見知らぬ太めのおばさん! 髪は少し染め

てますが、そんなんじゃ歳は誤魔化せないおばさんでした。

 「ああ、お帰りなさいませ。」

と、安浦に丁寧に挨拶までしてきました。「ああどうも、失礼しました。」と、一瞬家を間違ったかと思った安浦。しかし、間違えてはいませんでした。

「・・・・・・え!? ここ、私ん家ですよね? あなたは?」
 「あ、あの、初めまして・・・。あの、家政婦の南田勢津子でございます。」 「あ、家政婦さん

ですか・・・」
 安浦がちょっと引き気味の顔になりました。居間でくつろいでいるエリたちの所にやってきた安浦と、そして家政婦の勢津子。「あの、こ

れを・・・」 
勢津子は安浦が持ち帰った買い物を取ってあげました。「あの、契約の時間はもうとっくに過ぎてるんでございますが、ご主人様にご挨拶

をと思いまして・・・。あの、さっそくお茶をお入れいたします。」
 どうやらこの勢津子という家政婦、「あの」が口癖らしいです。私も学生時代、クラス

の中につい「あ」と言ってしまうクラスメイトがいまして、「あ」と言っちゃいけない、なんてからかったりした事がありますが、それを思い出します。しか

し、これは別に悪い事ではありません。さらに、この勢津子は非常に明るいなという感じが凄くします。この明るさはその周りの者達にも行き渡るよ

うで、怪我をしているはずのユカとエリがすっかり笑顔になっています。「さっきからずっとあんな調子なのよ。」 「ラ〜ララララララ〜・・・」 「エリ。

(窓の)戸を閉めろ、戸を。」
 「足痛い。」と都合よく断るエリ。 「ラ〜ララララララ〜。・・・あ、『ばら色の人生』。私のテーマミュージックですのよ。」 

茶を作ってる間もこうしてずっと歌っていた勢津子。そして、「あの、お茶を・・・」と出そうとしましたが、こぼしてしまいました。それも、夕刊を読んでい

る安浦の足元に・・・。「熱っ!」 

 「大丈夫ですか!? ごめんなさい! あの、私家事は苦手ですの。でもあの、このバストと、

  笑顔には自信がございますの。家庭に明るい笑みを・・・。お任せ下さいませ。」
 

これを聞いて、また明るい顔になるユカとエリ。でも安浦は、任せらんねーよ といった感じで、明るい笑みはちょっと見せらせませんでした。では

ここで、今回のサブタイトル紹介です。まずは『はぐれ刑事純情派』と出てその後、

 〜消された指紋 安浦家に来た家政婦〜

と出ました。もうすでに来ていてドタバタとなっていますが、果たしてこの家政婦は今回起きる事件と関係があるのでしょうか・・・? さあ、このサブタ

イトルの後は、主な登場人物紹介となりました。ただその紹介は、もうすでに上でも殆どやってますので、ここでは省かせてもらいます。上で紹介が

なく、ここで出てきた人物は、安浦刑事と同じ職場で働いている中上、高木、今井刑事の3人でした。では、物語を続けましょう。



次はバー『さくら』。ここは安浦がよく行っているバーで、片桐由美という女性がこのバーの責任者、つまりママを務めています。その由美というママ、

以後『ママ』と呼ばせてもらいますが、着物姿でカウンター席にいる安浦の所にやって来ました。「色っぽい人なんですってね。」 「何が?」 「家政婦

さん。」
 「おいおい何だ。情報早いんだな・・・」 「エリちゃんユカちゃんから聞いたのよ電話で・・・。ホントに水くさいんだから・・・」と、田崎と同じ事を

言うママ。ここで、安浦が少し笑いました。ママと田崎とでは、明らかに安浦の態度が違います。

 「いやそれがその、色っぽいていうかその・・・肉っぽいっていうかさ、

  隣の犬は鳴くはもう家中大騒ぎさ。」


ホントにもう、あのお茶をこぼした後もどうなっていったか実に興味があるんですが・・・。「そうなの。」 「ハハハハハ・・・」 「でも家政婦さん頼むん

だったら、私が手伝いに行ったのに・・・」
、これまた田崎と同じような事を言うママ。さあ今度は安浦どう言い返してくるでしょうか・・・? 「いやそれ

はまあ有り難いんだけどね、ママに迷惑かけるのも何だから・・・」
 おお、やっぱりママには本音としては家政婦をやって貰いたいと思っているのか

もしれません。なんですが、

 「無理をしたいものなのよ。女はね、好きな男のためなら・・・」

と、その気にさせる言葉をかけても「え・・・?」と気づかない様子も見せる安浦。「ホントに分かってないんだから。」と、ママに腰をつねられてしまい

ました。痛がる安浦に、「お電話です。」と言って受話器を渡した店員の詩織。受け取り、「はい、安浦ですが・・・」と出る安浦。「あ、安浦さん事件で

す。」 もうここでのんびり飲んでいるわけにはいきません。これを聞いた安浦はすぐに現場へと向かいました。



事件の現場は、とあるアパートの室内。起こったのは、犯罪の中でも最大級である殺人でした。すでに何人かの刑事たちが来ており、そこ

へ一足遅くなりましたが、安浦が現れました。死体の男は、腹を包丁で突き刺されており、その周りに付着している血の跡が何とも痛々しいのです

が、顔色1つ変えない安浦はさすがに刑事ですね。さあ、里見刑事が状況を説明してくれました。「死因は、この刺し傷によるショック性出血死であり

ます。それと、後頭部に打撲症がありまして、どうやらテーブルの角にでも頭をぶつけたみたいですね。」と、標準語のように思われますが、やはり

発音を聞いていますと関西ナマリはしっかりとあります。「凶器に使ったナイフは、チーズでも切ったんですかね・・・。誰かと飲んでたんでしょう

か・・・?」と、口を開いた若い中上刑事。中上の言う通り、確かに誰かと飲んだような痕跡が室内には残っております。「ガイシャの身元は分かった

のか?」
 「第一発見者は隣の方です。全然面識のない男やと言っていました。」と里見。これを聞いて、「面識がない?」と安浦の声が少し大きくな

りました。「ええ。まあ少なくともここの住人ではなさそうですね。」 

 「うん・・・。ガイシャの身元探しだな。」

おっとこれは、いきなり面倒な事が最初に1つ出来た展開になりました。さて、その第一発見者である隣人の男にさっそく事情聴取を始めました。中

上刑事が立ち会っています。「・・・僕は勤めの関係で、朝早く出て帰りも夜遅いもんで、隣近所との付き合いはないんですが、あの死体は隣の八木

沢くんとは違いますよ。」と、真面目に聴取に応じている男。そこへ安浦も来ました。「第一発見者の小林さんです。」と、中上が安浦に説明。「ああど

うも。発見した時の様子をですね、もう一度詳しく話していただけませんか?」
 おお。やはり刑事というのは、繰り返し同じことを聞くもんなんです

ね。でも、これにも嫌な顔1つ見せずに答えようとする小林。よく第一発見者が一番怪しいと言われますが、こうしてみるとこの小林は容疑者から外

してもいいかもしれません。「10時頃でしたか、会社から帰ってくると・・・」 その後のセリフはありませんでしたが、小林が会社から帰ってくると、慌

てて自室から飛び出していく八木沢を見かけ、しかもその時にはすでにガイシャは亡くなっていたとの事です。ガイシャはこの八木沢と交流のある人

物なんでしょうか・・・?



次の日になりました。再び安浦家。現在は昼間で、安浦もエリたちもいませんので、家政婦の勢津子が1人留守番をしています。今はのんびりと煎

餅を食べている勢津子。やはり家政婦という職業は一日中ずっと仕事があるわけではないなという気がします。煎餅を食べながらテレビも見ている

勢津子。すると、安浦たちが担当となった事件のニュースが流れてきました。キャスターが喋ります。「昨夜10時頃、渋谷区本町のアパートの一室

で、若い男性の死体が発見されました。この男性の身元は、今のところ分かっておりません。殺されていた現場の部屋は、会社員八木沢ケンイチさ

ん宅で、事件当夜から八木沢さんが姿を消しているところから、捜査当局では八木沢さんが事件に何らかの関係があるのではないかと、その行方

を・・・」 これを聞いて、なぜか急に驚いた表情を見せる勢津子。いつものあの笑顔が消えております。特に「会社員八木沢ケンイチさん宅

で・・・」の辺りから顔つきが変わりました。「ただいま。」とユカが学校から帰ってきましたが、それにも気づかずずっとテレビの画面を見ている勢津

子。「どうかしたんですか?」と聞いたところで、ようやく我に返りました。「・・・あ、いえ。」と言ってテレビを消し、「お帰りなさい。今日は早かったんで

すね。」
といつもの勢津子に戻りました。「今日は授業午前中だけだったんで・・・」 「あ、そうですか。あの、これ。とってもおいしいですよ。」と言って

残りの煎餅が入っている袋を渡し、ラ〜ララララララ〜・・・」と、また歌いながらさっさとその場を離れた勢津子。渡された煎餅をユカがおやつ代わ

りに食べたかどうかは分かりませんが、今回の事件に勢津子が関わっているかもしれないという事は、これで分かりました。



さあ、山手中央署ではもちろん事件の解決に向けて全員が動いております。今この場には安浦と、そして捜査課長である川辺がおります。「ガイ

シャの身元はまだ分からんのかね?」
 「はあ・・・。まあ一応、みんなで手分けして当たってはいるんですがね・・・」 

 「そう・・・。身元は分からん、肝心のアパートの住人は行方不明って

  一体どうなっているんだこれ・・・」
 

お手上げといった様子の2人。そこへ電話がかかってきて田崎巡査が出ました。「はい、刑事課。・・・あ、何? ちょっと待って。・・・・課長。里見さん

からです。」 田崎が川辺に繋ぎました。里見が川辺と話します。「・・・あ、いま八木沢ケンイチの勤務先に来てるんです。八木沢、今日休暇を取っ

てるみたいですね。いや朝早くね、本人から休暇にしてほしいと、そう電話があったそうなんですよ。・・・え? ええ、どこに行ったかは誰も知らんそ

うですよ。ああ、八木沢ケンイチの評判よろしいですわ。大学卒業してね、営業部に配属されて3年ですか・・・。ああ、勤務状態も良好で、真面目な

好青年やそうです。八木沢ケンイチ25歳。四国の松山の出身でして、松山の実家には両親と、高校生の妹が1人います。ああ、今のところは実家

に立ち寄った形跡はないですね。」と、少し長くなりましたがきっちりと川辺に報告した里見。その間、気になる点を1つ見つけました。それは里見が

話してる途中に、 OLの女が1人、足を止めて聞いていました。 この女性も事件の関係者なのでしょうか・・・? 「とにかく、彼の交友関係

を当たってみてくれ。」
と里見に言って電話を切った川辺。「課長。私はもう一度、アパートの方へ・・・」 「うん。ひょっとして自分の部屋に舞い戻って

いるかもしれんしな。」
 「はい。」 またまたアパートに向かった安浦。やはり刑事というのは足ですね。とにかく歩かないといけません。安浦ももう高

年齢ではありますが、刑事である限りもちろんそんな事は言ってられません。さあ、高年齢といえば勢津子もそうです。しかもその勢津子も、八木沢

のアパートに向かっております。しかもしかも、またあのニュースを見てた時と同じ真顔になって・・・。安浦と勢津子。先に着いたのは安浦の方でし

た。もうすでに、アパートの住人から新たな聞き込みを開始しています。「警察の者なんですがね、昨夜ですが、八木沢さんのお宅で物音か何か耳

にしませんでしたか?」
 しかし、この住人からは特に有力なことは聞き出すことは出来ませんでした。そんな様子を、もう到着していた勢津子が隠

れて見ています。やはりマジな顔で・・・



さあ、山手中央署では里見が大きな声を上げていました。収穫があったようです。「課長! ガイシャの身元分かりました!」 

 「工藤進25歳。食品メーカーに勤めるサラリーマンで、

  八木沢ケンイチとは大学時代の友人だそうです。」


と、中上が報告。「大学時代のか?」 「で、そのガイシャの同僚の話なんですけど、最近ガイシャと八木沢ケンイチは女友達の事で揉めていたよう

なんです。」と中上がさらに続けて言いましたが、既にガイシャの名が工藤であることが判明したんだから、『工藤』と言えばいいのにと思います。刑

事というのは『ガイシャ』という言い方にこだわるのかもしれませんね。「女の事で揉めてた?」 ここで、高木、今井の両刑事も署に戻ってきました。

「分かりました! 八木沢ケンイチと親しくしている友人ってのが分かりました!」と言う高木刑事。うん、それがたった今話に出たばかりの工藤なん

じゃないの?と思いましたが、ここでまた新たに1人の人物が浮かび上がる事になります。

 「森口アキラ25歳。八木沢とガイシャの3人は、大学でラグビー仲間だったそうです。」

と今井刑事が報告。これを聞いて森口も怪しいと思ったのか、川辺は「中上。やっさん(安浦のこと)に連絡してな、その友人ってのを当たってみてく

れ。」
と指示。若い中上は元気よく「はい!」と返事をしました。これで捜査が少し進展した事になりました。

 

ここで第1章が終了です。ここまでは展開的に結構分かりやすかったなという感じですが、最後は少し新たな人物が出たりしてバタバタとしました。

ま何にせよ、ここまでで一番疑わしいのは行方をくらましている八木沢。状況的にも殺人を犯したために逃げてるとしか考えられないのですが、果

たして本当のところはどうなのか!? この事件の事を気にしている勢津子と、そしてあの謎のOL。また八木沢と親しいという森口という男。彼ら3

人の事も気になるところです。

第2章は、こちらです


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