迷蝶と石探
2014.9.6


 本日は対馬先生、安井さんと1年生部員I君と私の4人で松前〜上ノ国あたりをめぐり、迷蝶、アサギマダラ、そして石探しをすることになった。学校の期末テストが終わり、部員も参加できる状態だが、他の部員たちはそれぞれ用事等あり参加は1年生のI君のみ。

 朝7時に対馬先生と安井さんが自宅に迎えに来てくれて、そこからI君のうちに行き合流して出発した。

 まずは、上磯〜木古内〜知内〜福島〜松前という国道228号線ルートで松前の勝軍山という所に向かった。例年秋にアサギマダラが見られるという場所だ。

 到着したのが9時少し前。
 (帰宅後のニュースで判明したのだが、自分たちが通ってきたルート、北海道最南端の白神岬付近で私たちが通過した1時間くらい後に崖崩れがあり、通行していた車の人が怪我をしたという。危なかった)

 車から降りて、少し歩いてアサギマダラが良く見られるという場所に向かって歩いた。ただし、予想では時期的にはまだ早く、カラスアゲハなどが見られるのではないかという事だった。

歩くI君と対馬先生

 この道には八十八の仏像?があり、それを全部めぐるのはかなり大変だという事だった。

仏像

 道沿いには何かわからないけど白い花けっこう咲いていた。

白い花

 1年生部員のI君がカマキリを見つけた。どうやら交尾しようとしているようだ。カマキリはオスよりメスの方が大きく、交尾した後オスは食べられてしまう事が多いらしい。なんとも過酷な運命だ。自分だったら絶対食べられたくないから交尾は諦めるけど、これが生き物の本能と言うものなんだろうか?オスは食べられることを知っているのかな??

 北海道では道南でしか見られないので、自分としたら珍しく感じるのだが、I君によると、「自宅周辺にたくさんいますよ」との事だった。

カマキリ

 到着した時間が早かったのか、他の要因なのかわからないが、たくさんいると予想していたカラスアゲハはそれほど見られなかった。2,3頭位かな?それでも見つけたカラスアゲハをI君が採集。

カラスアゲハを採集しようと近づくI君

 採集したカラスアゲハはボロの♂だった。当然逃がした。

 この見ぢ沿いでアサギマダラがよく見られる場所は限られているという事だったが、もう少し歩くと小屋があるので、そこまで行ってみようという事になった。安井さんは留まってカラスアゲハの観察をすると言う事で、I君と対馬先生と私の3人で向かった。

 ずっと上り坂だったんだけど息が上がり、自分だけ「ハァハァ」と息があがりながら歩いたが、その様子を見て余裕のI君と対馬先生に笑われた。なんとか小屋に到着し、少しだけ休んで戻った。

小屋

 降りるときは眼下に松前の街と海が見渡せる場所があり、とても綺麗だった。

勝軍山登山道からの景色

 アサギマダラは見られなかったが、他の蝶も少なく感じた。ミドリヒョウモンのボロは数頭見ることが出来た。あとはルリシジミ位かな?

ミドリヒョウモン

 仏像はたくさん置かれていて、いったいいつ頃作られたものなのだろう?と思った。頭が無くなっているものや、無くなった頭の代わりに、頭の部分に石を置き、傷をつけた程度に顔が書かれているような仏像もあったりした。

仏像たち
 勝軍山ではたいした成果もなく次の場所に向かう事にした。

 松前町では金子鴎亭という有名な書家がいて、銅像が近くにあるというので寄ってみた。
 名前だけは知っていたのだが、どんな人だったのか見たことは無かった。銅像を見て、自分の中で想像していた姿とはずいぶん違い、普通のおじさんって感じだったので少し驚いた。

 髪が長くて、袴みたいのをはいて、偉そうな感じなのかな?と思っていたので。

金子鴎亭の銅像

 次に向かったのはプライベートビーチだ。9月の海は暖かいらしく、ここでみんなで泳ごうという事になっていた。自分は泳ぐ気はなかったが、一応バスタオルと替えの靴などは持ってきた。
 しかし、西風が強く波も高い。これは泳ぐのはちょっと危険だなということで諦めることにした。I君は泳ぐ気満々だったようなので、残念そうだった。

プライベートビーチから見える小島

 しょうがないので石探し。本当はこの後行く大安在で平べったい小判型の石を探す予定だったのだが、このプライベートビーチでも平べったい石があるかどうか調べた。結果、平べったい石は少なかった。何で大安在ばかり平べったい石が多いのかは謎のままだ。

石を探すI君。奥に対馬先生。安井さんは一服休憩

 対馬先生が拾った石を見せてくれた。指先の方にある白い石は「卵みたいな石」という理由でチョイスしたらしい。

 聞いた瞬間また吹き出してしまった。

拾った石

 I君も綺麗な石を拾った。おばあちゃんが「石には魂がやどっているから拾ってきてはいけない」というような事を言っていたようだが、今回は白っぽい石を選んだようだ。

I君の選んだ石

 そろそろ車に戻ろうかという事になったのだが、I君は防波堤をよじ登って戻ろうとしていた。何度か失敗した後に成功した。凄いなぁ〜と思っていたら、その様子を見ていた対馬先生の勝負心に火が着いたようで「俺もやる!」とチャレンジすることになった。

防波堤をよじ登るI君

 対馬先生もチャレンジ。もう57歳位だというのに体力が凄い。楽勝で成功していた。自分も「やってみたら?」と言われたが、できないことはやらなくてもわかっているので棄権した。安井さんも棄権。

よじ登る対馬先生


波の荒いプライベートビーチ

 次に向かったのは江良という地域。ここにある神社は、有名な江差追分ゆかりの神社だ。なぜここに来たかと言うと、数年前に対馬先生がこの場所でリュウキュウムラサキを採集した場所だからだ。
 相撲をする場所と忠魂碑というのがあった。忠魂碑というのは日露戦争の戦死者を追悼するという目的がはじまりで全国のいろんな場所にあるようだが、ここの忠魂碑もそれと同じなのかどうかはよくわからない。

江良の相撲を取る場所を忠魂碑

 何も面白い蝶が見られず、近くにある畑に行ってみた。グルミットの人形が迎えてくれた。

グルミットの人形

 この畑はそこらへんに住んでいる人たちの家庭菜園になっているようで、何人かの人が作業していた。その中の一人のおばちゃんが、「今日はたくさん引き連れてきたね!」と対馬先生に向かって話しかけてきた。誰かと勘違いして話しかけているのかな?と思った。対馬先生も「ん??」て感じでいたが、「あっ!」という表情に変わった。

 2年前くらいに奥さんとここに来て、このおばちゃんにゴーヤをもらったらしい。「2年くらい前にゴーヤくれましたよね」と対馬先生は言った。
 おばちゃん、対馬先生を見てすぐに思い出したようで話しかけてきたみたい。よく覚えてるなぁ〜と思った。
 クマの出没情報などを教えてもらった。畑のニンジンがやられたらしい。

 「2年前はありがとうございました」と対馬先生はお礼を言っていた。

 そしていよいよ大安在。平べったい石探しだ。
 迷蝶やアサギマダラはいるかどうかわからないが、大安在の平べったい石は絶対にあることは確定している。ただし、形の良いものを選びたい。
 自分は「今日は石はいいや」という気持ちだったので、たいしてよく探しもしなかったが、ハンター対馬先生は次々に石を拾っていた。これを自宅の玄関前の階段に飾るようなことを言っていた。

 誰かが訪ねてきたときに玄関前の階段に平べったい同じような石がたくさん並べてあったら、自分なら「なんか危ない宗教か何かやっている人の家なのかな?」と思っちゃいそうだが。

みんなで平べったい石を探す



 ハンターは手ぶらでは帰らない!とばかりにたくさんの平べったい石を採集する対馬先生


今日の獲物

 この平べったい石。案外重い。砂浜を持って歩くのも大変なので、I君が運び屋になっていた。

対馬先生の石を運ぶI君

 最後に、石投げ競争。石をどこまで遠く投げられるかみんなで競った。計測員がいなかったのであくまで目測だが、一番飛んだのはI君だったかな?

石を投げて距離を競うI君と安井さん。投げた瞬間の石も画像に写っていた

 蝶に関しては面白い発見や採集はほとんどなかったが、前にも書いた通り、こういうスカを何度も繰り返しながらも何回かに1回の当たりを引くんだと思う。
 十勝にいた頃にはこの時期はほとんどシーズン終了だが、今年はまだまだ活動できそうである。