fieldさん来函 2016.8.16 |
4月に函館に転勤になり、生物部顧問としてもなかなか充実した活動を送っているが、転勤前、帯広でかなりの回数一緒に活動したfieldさんがチョウを求めて函館に来たいと連絡が来た。 お盆の時期しか日程が取れないということだが、天気予報がイマイチ。そして、狙っているのがキマダラセセリだという。キマダラセセリは道南方面が主な生息場所だが、今年は7月中に見ているので、時期的には遅いというのがわかっていた。なので、「天気も悪いし、キマダラセセリも遅いだろうから、わざわざ遠い帯広から来てもらっても満足できないと思いますよ」とFieldさんに言った。 しかし、Fieldさんはまとまったお休みを取れるのが今の時期しかないし、函館に来ると言う。キマダラセセリが多くいる場所は知っているから案内できるが、時期と天候で可能性は低い。しかもFieldさんは「標本をあまり持っていないから採集もしたい」ということで、それなら尚更綺麗な個体が必要で、正直最初から絶望的だと思っていた。 予報通り天候はあまり良くないまま、函館市内のキマダラセセリが多いポイントへ。ここへは数年前にFieldさんを案内したことがあるが、国道からの入り口がちょっと難しいので、案内で来てとりあえずよかった。 キマダラセセリを求めて急な坂道を歩く。7月に多く見られた場所付近を重点的に探すがなかなか見られない。そのかわり、ミヤマカラスシジミは思いのほかたくさん見られた。しかし、これも7月に発生を確認しており、ボロの個体が多い。 |
ミヤマカラスシジミ |
ボロと言ってもなんとか撮影には耐えられる感じ。この程度のキマダラセセリが現れてくれないかと期待していた。すると、セセリが飛ぶ姿を目撃。「キマダラセセリか!?」と思って見てみると、残念ながらオオチャバネセセリだった。 |
オオチャバネセセリ。これは綺麗な個体 |
急な坂道を行ったり来たりしてキマダラセセリを探すがなかなか見つからない。やっぱり時期が遅すぎて、もう全部死んじゃったのかもなと思っていたら、ボロのセセリを発見。あれ?キマダラセセリじゃないの?と思い、Fieldさんと観察したがどうもわかりにくいので網で捕獲。確認するとやはりキマダラセセリであった。 しかし、もうオンボロ・・・。これじゃぁ採集してもどうにもならないという感じであり、やはり今日はもう時期が遅すぎるということが確認できた感じだった。 |
オンボロのキマダラセセリ |
雨は降っていないけど天候は良くなく、蝶の姿自体が少ない。オオチャバネセセリなんてもう撮り飽きているし、北海道では珍しいミヤマカラスシジミの姿も見られるけど、今回はFieldさんにとっては目的外の蝶。自分も7月に撮影できているので特にまた撮影したいという気にもなれない。でも、ジャノメチョウの♀の翅を開いた姿を撮影できたのは良かった。 |
ジャノメチョウ |
ここのポイントでは数年前、たくさんのゴマシジミが見られており、ちょっと撮影したいなと思っていた。キマダラセセリを諦めて車に戻る途中に発見することが出来て撮影した。しかし綺麗な個体だったが数は少なめ。天候が良くないせいもあるかもしれない。 |
ゴマシジミ |
このポイントのキマダラセセリは残念賞という事になったが、確認した1頭を見ただけで時期は過ぎていることもわかってしまった。それでも、近郊の林道ならばまだキマダラセセリがいるかもしれないし、もしかしたら採集に耐えられるだけの綺麗さがあるのもいるかもしれないと思い、ダメもとで鉄山の林道に行くことにした。 鉄山の林道は自分としては蝶の多い林道で、どんなものが出てくるかわからない。思いもしない蝶との出会いがあったりするので少し期待していた。しかし、やっぱり天候が悪く蝶の数は少なかった。見られたのは数種類のたいして珍しくもない蝶ばかりだった。 |
アカマダラ(多分3化) |
コミスジ(多分2化) |
オオヒカゲ |
ある程度予測は出来ていたが、やっぱり「なんだかなぁ〜」という感じ。天候が悪かったり、時期が悪かったりするのは自分のせいではないとはいえ、案内する身としてはこのような成果のない結果だとちょっと落ち込む。そこで、最後の手段として、北斗市の水無の林道に行き、スジグロチャバネセセリを見てもらう事にした。これは先日たくさん見られていたので、今日行っても必ず姿を見せてくれるはずだ。 鉄山からはちょっと距離が遠く、眠くなったが水無の林道に到着。スジグロチャバネセセリのポイントに行き車を降りる。 ・・・・・・・・・・・ いない・・・。 どういうわけか、先日たくさん見られていたスジグロチャバネセセリが1頭もいない。なんで? もうどうしようもない。万事休す。ここで時間切れとなり、Fieldさんの車を置いてある函館の実家に戻ることになった。 fieldさんはこのあと、八雲のスジグロチャバネセセリのポイントに向かうという事で、実家に到着後すぐにお別れをした。 天気が悪そうだけど近場だからダメもとで山に行ってみようというのではなく、せっかくのお盆休みを帯広から函館まで長い距離運転してきた苦労が報われることが無く、自分としても残念だった。 |