ミヤマカラスシジミとヒメシロチョウ
2014.7.24


 朝から天気も良く、今後の調査も兼ねて函館市内のミヤマカラスシジミのポイントとヒメシロチョウのポイントを見に行くことにした。

 まずはミヤマカラスシジミのポイント。6月28日にも訪れた場所だが、ミヤマカラスシジミの発生情報を得たので確認のため訪れた。車を止めて道路を歩いているとすぐにミヤマカラスシジミ発見。いつもミヤマカラスシジミがいる場所よりもけっこう下の場所にいた。体を横にして太陽の光を浴びるしぐさをしていた。この生態は他の蝶でも見られるもので、自分としてはシロオビヒメヒカゲがよくこのようなしぐさをしているのを見たことがある。

ミヤマカラスシジミ(たぶんメス)

 いつもミヤマカラスシジミがいる場所まで来ると、運よく交尾している個体を見つけることが出来、撮影した。撮影中、なんか変だなとは思っていたが、自宅に戻りよく確認してみると、裏面にある白い筋のような模様が完全に無い個体であることが分かった。(下の画像)2頭写っているほうの綺麗な方がメスだが、全く白い筋の模様が見えない。オスの方は少しすれているので、ちょっと薄くなっているが確かに白い筋が少し見えている。

 道南虫の会の掲示板で確認したら、やはりこういう個体は珍しいという事であった。更に、裏面のオレンジの模様の近辺も少し他の個体とは違っているという事だった。

交尾しているミヤマカラスシジミ


ちょっと変わっているミヤマカラスシジミ♀のアップ

 交尾している個体以外でもけっこうミヤマカラスシジミは飛んでいて、これまで何度かここの場所にミヤマカラスシジミを見に来たことがあるが、その中でも一番たくさんのミヤマカラスシジミを見ることが出来て嬉しかった。

ミヤマカラスシジミの♂

 ミヤマカラスシジミと言えば、お盆頃の蝶というイメージ(自分がお盆頃しか見に来ていなかったこともあるが)なので、7月中に見れるのはちょっと例年より早く発生しているのかな?という印象を持った。

 そのほかに多かったのはキマダラセセリ。道南方面でしか見ることが出来ない蝶で、自分もこれまであまりたくさん見たことは無いが、今日は比較的たくさん見ることが出来て意外だった。ただ、ピカピカという感じでもないので、発生から少し時間がたっているのかな?という感じ。

キマダラセセリ

 そのほかには種類は確認しなかったがヒョウモンチョウ、それからキアゲハが多く、産卵している所を観察することが出来た。

 ここの道路にはクモが多く、何度も蜘蛛の巣にひっかかって嫌な気持ちになった。

 ミヤマカラスシジミやキマダラセセリを見ることが出来て満足し、ヒメシロチョウが生息しているポイントに移動した。春型の成虫は5月10日に観察しているので、もう夏型が見られる時期という事で。

 そこに到着してまず姿を見せてくれたのがツバメシジミのメス。最初、ヒメシジミかと思った。

ツバメシジミの♀

 あと、5月の時にツルフジバカマで幼虫を見せてもらった(道南虫の会のKさんに)ベニモンマダラが見事な成虫になっていた。

 5月の時には「綺麗な蛾なんだよ、とっても珍しいし」と言われていたがイモムシ状態だったので「ふ〜ん」くらいにしか思っていなかったが、これはとても綺麗でびっくり。こんな見事な綺麗さの蛾もいるんだと、改めて蛾に関しての印象が変わった。

 ただ、珍しいという割には数がすごく多くて、交尾している個体もたくさん見られた。多分、この場所以外では見ることのできない種類なんだと思う。そう思うと、今たくさんの個体が見られていても、環境の変化があれば簡単に絶滅してしまうかもしれないので、気を付けないとダメなんだろうなと感じた。

ベニモンマダラ(交尾)

 肝心のヒメシロチョウだが、これも見ることが出来た。春型と同じく飛んでばっかりいて撮影しづらいことこの上ない。しかし、ツルフジバカマに産卵中の♀はけっこう多く見れて、産卵している数秒を狙って撮影することが出来た。

ヒメシロチョウ♀

 産卵しているということは卵を産むわけで、産卵し終った卵も観察することが出来た。シロチョウ科らしく長めの卵だった。

ヒメシロチョウの卵

 このあと、東山にも立ち寄ったが特に報告するような成果もなく、夜のホタル探しに続く。