赤川林道と八郎沼
2014.8.12


 昨日まで台風の影響でかなりの雨が降り、また風も強く、どうなることかと思っていたが、今日は天候が回復する予報だったので、まずは朝、横津岳にアサギマダラを探しに行くことにした。本日参加の生物部員は1年生のMさんのみ。お盆の時期だから仕方ないかと思ったけど、部長は企業訪問で東京だった。

 8時にMさん宅に迎えに行った。夏休みに入ってMさんに会うのはほとんど初めてに近い。これまで何してたのか聞くと「ほとんどひきこもり状態」だって・・・・。

 そのまま横津岳のスキー場ポイントに向かった。

 そこに向かう途中、目標地点辺りはギリギリ雲がかかっているように見えた。麓からしばらくは晴れていたが、思った通りポイント近くから雲が多くなってしまった。

 対馬先生とはこのポイントで落ち合う予定だった。到着するとすでに対馬先生は来ていた。でも二人いる。

 誰だ?安井さんか??と思ったら、今年の春に卒業し、現在は仙台で頑張っている木村君という人だった。生物部のOBである。

 自分は木村君に会うのは初めてだったが、昨年木村君が横津岳でマーキングしたアサギマダラが長い旅の末、九州で写真撮影されてニュースになったので、よく知っている。しかも、昨年自分が写したアサギマダラの写真の中にも木村君がマーキングした個体があったこともあり、会ったこともないのに親近感を持っていた。現在の部長から色々聞いていたのもあるかもしれない。
 自分にとっては高校、部活動の後輩という事も言えるし。

 木村君は細くてすらっとしている。最初安井さんかと思ったけどシルエットが違った。

 木村君と挨拶をしたが、天候の状況の悪さも気になっていた。風が強い。少し寒い。ガスもちらほら・・・。ちょっとアサギマダラと言う感じではないなと。だけど、すぐに晴れてくるんじゃないかなとも感じていた。

 Mさんには「土曜日に1年生部員のI君が5頭マーキングしたので、今日の目標は5頭ね」と言っていたが、全然そんな感じではない。

 Mさんと二人でばんだい号の慰霊碑あたりまで歩いてみたが、アサギマダラの姿は見られず。道路脇で草刈りをしていたおじさんに「セミでも採ってるのかい?」と聞かれた。

 一瞬晴れ間も出たりするんだけど、どうにも風が治まらないし、ガスの状況も不安定なので、ここは諦めて赤川林道に行くことにした。
せっかく来たけど、写真を1枚も撮影せずに終わってしまった。

 赤川林道に移動し、ずっと進んでいく。天候はかなり良く期待できた。

 赤川林道は今回の台風による大雨の影響か、林道が川になった痕跡がいろんな場所で見らて、林道が洗掘されているような部分も多く、とても通行しにくい状況になっていた。

 川のところでは、靴と靴下を脱いで渡った。

川を渡り終えた対馬先生、木村君。川を渡っているMさん

川を渡り終えて靴下をはくMさん。道が洗掘されているのがわかる

 ちょうど暑かったので、川を渡ったら気持ちいかなと思ったんだけど、実際には「キーン」ってなるくらい冷たかった。しゃっこいわ!

 川を渡り終えてからしばらく歩き、アサギマダラのポイントまで約30分くらい。途中、Mさんがキベリタテハを採集した。飛んでいる所を採集したので「凄い!」と言ったら、若干ドヤ顔になっていて羨ましかった。自分は最近ドヤ顔になる出来事が無いので、ドヤ顔したい。



歩いてアサギマダラポイントに向かう

 アサギマダラが多いというポイントに到着したが、残念ながら見つけることは出来なかった。でも、歩いている最中、トンボや色々な蝶を見られたし、ちょっと疲れたけどいい運動になって良かったと思う。

 いなければ特に他に用事もないので戻ることにした。

コムラサキももうボロだね


シータテハ夏型。キタテハだったら大ニュースなんだけど・・・

 歩いている最中にはMさんが好きなトンボも多く見られた。自分はトンボの事はほとんどわからないが、ここではちょっと小さめのトンボが多く見られた。なんて言うトンボなのかな??

ちょっと小さめのトンボ

 Mさんは入部してくるとき、「トンボが好きだ」と言っていた。トンボが好きと言っても、ただ好きなだけで採集したり研究しているわけではないので、ほんとにただ好きな程度かなと思っていたのだが、八郎沼にトンボが多く、これまで何度も遊びに行ったことがあるという。八郎沼と言えば、是非一度行ってみたいと思っていた場所だ。

 Mさんに「これから八郎沼に行こう」とちょっと強引に誘って、八郎沼のトンボを見に行くことにした。

 林道を戻り、対馬先生、木村君とはここで別れ、私とMさんは二人で八郎沼に向かった。

 八郎沼と言うのは1880年に開拓使の役人である山田致人が牛に水を飲ませるために池を掘ったのが最初と言われている。大正時代になり、中村長八郎と言う人が、水田用水確保と鯉を養殖するために拡張し、現在の沼のようになったというもので、中村長八郎が死んだあと、長八郎という名前にちなんで八郎沼と呼ばれるようになった。
 戦後、土地の改革により埋め立てられるかなにかされそうになったけど、鯉を養殖している場所であるからなんとかしてほしいという要望が通り、そのまま残されることになった。
 それからしばらく経ち、昭和50年に総合公園としてみんなが利用できるようになったというものだ。(八郎沼公園という)

 八郎沼公園に到着すると、家族連れなどたくさんの人たちが遊びに来ていた。子供たちはどうもアメリカザリガニ釣りをしているようだった。子供用の小さな虫採り網を持っている子もたくさんいる中で、Mさんは本格的な大きな補虫網を持って歩く。当然、子供たちの注目を浴びていて、後ずさりする子供もいて面白かった。

八郎沼公園。天気が最高なら駒ケ岳とかも見えるのかな??

 沼の水面にはハスがたくさんあって、花を咲かせていた。あんあり見たことなかったけど、とても綺麗な花だった。

ハスの花

 また、よくわからないけど、白い花も咲いていて綺麗だった。ハスの花の仲間なのかな??

綺麗に咲く白い花

 沼のほとりに道が付いていて、Mさんと二人で歩いた。途中、ちょっとした水たまりのような場所(これも沼か?)があって、イトトンボが飛んでいた。採集してみようかと思ったんだけど、水面ギリギリを飛ぶので網を振れない。

 二人で観察していると、1匹のトンボが草に止まっていた。そこにもう一匹飛んできた。草に止まっていたやつはそこから飛んで、やってきたトンボと一瞬でくっついた。そして2匹して草に止まった。カップル誕生の瞬間を目撃した。

カップルになったイトトンボ

 Mさんに「見た?」と聞いたら「見た」と答えた。トンボがくっつく瞬間を見れるなんて、案外貴重なんじゃないの?と思った。空中で一瞬のうちにくっつくんだね。

 でも、カップルになった事にはなんかちょっと「ちくしょう」と思った。チョウの観察をしているといつも目にするのは、オスがメスの所に寄って行って、メスが交尾拒否している姿。そんなのを見て「ざまぁみろ」と思っていたので、カップル成立は面白くない。
 どうも自分は性格が悪いようだ・・・。

交尾していないイトトンボ

 

沼の本体の方にはアメンボがかなりいた

 沼の周りを歩きながら、Mさんは「この辺はオニヤンマが多いんです」とか、色々教えてくれた。そして、自分が思っているよりはトンボに詳しく、愛着を持って見ているんだなぁ〜という事がわかった。そんなに好きならもっと最初から本格的にトンボの調査活動などをすればよかったなと思った。トンボの生息地の研究や同定など、これからでもたくさん勉強して詳しくなって欲しい。

 

真っ赤なトンボ
 
 ところで、写真には撮れなかったが、ここで真っ青の鳥を見た。Mさんも一緒に見た。凄い青くて二人でびっくり。飛んでいる所だったので姿は良くわからなかったんだけど、20cm位かなぁ??本当に青くて、青と水色の中間くらいの色だったと思う。あれは一体なんて言う鳥だったんだろう?幸せの青い鳥に違いないとMさんに言ったが、ちょっとつれない対応だった・・・。